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シューベルトの魂との対話:栃木公演での小山さん
とさま
小山さんのファンの皆様

今回の小山さんの栃木公演は好天に恵まれ、爽やかな空気の中での開演となりました。

プログラムの冒頭のシューマンの「花の曲」は、いかにもシューマンらしい 凝りに凝った7分程度の変奏曲です。短いコーダ 小山さんはフォルテを基調としながら、ディミヌエンドでの終結が何とも魅惑的でした。

シューベルトの即興曲作品142の全曲演奏 これは大変な名演でした。演奏者が人智を超えた存在となり、音楽という抽象的な芸術が想像を絶するレベルにまで昇華する、という稀有な体験でした。生涯忘れえぬ感動が聴き手の心に刻まれ、それは小山さんとシューベルトが融合した魂の音楽として、永遠の命を得たかのようです。

今回 特に作品142の1及び2の素晴らしさについて印象を綴らせて下さい。

●作品142の1 ヘ短調:
 A・B・C・A'・B'・C'・コーダ という複合2部形式の長大な曲。
 最初のアルペジョ風の分散和音の意思の籠った打鍵に始まり、集中力が途切れることなく、曲が進行し、やがて速度を漸減しながら和音群の美しい変イ長調のBの部分に到達します。ここでのニュアンス豊かでかつ高貴な表情は小山さんの独壇場です。しかし、さらに素晴らしかったのは変イ短調に転調するCの部分でした。

このCの部分 右手が、湧水のように極上のニュアンスをもって滑らかに音塊を奏しながら、左手が頻繁に高音部と低音部を行き来し、まるで小山さんが天国のシューベルトと対話をしているかのような錯覚を覚えるほどでした。高音部の三度の和音によるたった3つの音の魅惑的なこと!シューベルトの内なる声が天国から降りてきたかのような、永遠の輝きを失わない、感動的な奏楽でした。

複合2部形式ですから、後半のA'B'C'も抗しがたい魅力に満ちています。シューベルトにはよくあることですが、ここでも調性が変わり、また音型が微妙に変化し、シューベルトの天才性が発揮された曲としか言いようがないですね。

●作品142の2 変イ長調:
 ある意味で 今宵の白眉と言ってよいほどの慈愛に充ち溢れた素晴らしい演奏でした。

A・B(トリオ)・A・コーダの単純な3部形式。しかし、Aの部分は3部形式になっており、教会での祈りの音楽のようなコラールで始まり、繰り返しが行われます。この繰り返しをすることで、次に来る f によるシューベルトの内なる魂の声が聴き手の心に深く深く浸透していくことができるような気がするのです。心の底から思いの丈を語る、強く確信を持った小山さんの奏楽・・・充実した和音の響きが漸減し、再び冒頭のコラールに戻ります・・・もう一度、必然のように繰り返しをなさり、そして、天国的で感動的なB(トリオ)を演奏される小山さんの魂は確かに天国に居るシューベルトと繋がったようにすら感じられたのです。

小山さんは深く音楽に没入され、その表情はシューベルトの音楽と同様に、まさに音楽的としか言いようがありませんでした。純粋で真の魂の音楽が佇み、そこに勁い(つよい)意思の存在も感じさせ、音楽に全身全霊で捧げる尊い芸術家を目の当たりにし、感動で涙を抑えることができませんでした。

ロザムンデの主題による作品142の3:変奏曲も活き活きと冴えわたり、コーダの祈るように静寂の中に音が減衰していく様は感動的でした。軽快でスケルツオ風の作品142の4も度肝を抜かれるような奏楽でした。推進力に充ちた フォルテを基調とした演奏、途中 ピアノソナタ第19番と同じように 休符に語らせる名人芸を挟み 怒涛のコーダではピアノが完全に鳴りきり 誠に見事に作品142の全曲を閉じたのです。

●後半はショパンのピアノ協奏曲第2番のラルゲットで始まり ピアノソナタ第3番で締めくくられました。

ラルゲットの演奏は絶美でしたが、ここでもコーダで音が長く延ばされ 消え入った後の無音の音楽の美しさに溜息をつきました。小山さんがご自分の手を膝の上におかれてからも 拍手はおろか 聴衆は物音を立てずに息を呑んでいました。その間、小山さんは鍵盤を凝視され 全く微動されません。スーッと手が鍵盤の上に移動し 一瞬呼吸を置かれて 第3ソナタの輝かしい第1音が会場一杯に鳴り響きました。

大変充実した和音群を経てやがて登場する第2主題の美しさも格別でした。小山さんの表情は柔和でありながら 心底共鳴されているお気持ちを素直に表わされており コーダの盛り上がりも含めて 本当に感動的でした。軽快で短い第2楽章を経て 長大な第3楽章では音の美しさが際立っていました。中間部では 思わぬ激情的な表現にまで踏み込まれ ただならぬ雰囲気を醸し出されました。 そして終楽章は、小山さんの十八番です。 著名なピアニストでも安全運転に終始し、がっかりさせられることも多い中、小山さんは ともかくフォルテを基調に怒涛のようなコーダに向かってひたすら推進されます。ピアノが壊れそうな位 強靭な音を求められ 激情的でありながら ショパンの気高い精神はいささかも傷つかない・・・これはやはり奇跡です。ロ長調に転調し 高らかな勝利を想わせるような輝かしい終結に接し ただただ唖然としました。

●第3部のアンコールでは 小山さんは3曲も演奏して下さいました。
スクリヤービン:左手のためのノクターン
シューベルト:即興曲作品90の3
ショパン:英雄ポロネーズ

静寂の中に消え行く音 小山さんがご自分の手を膝におかれるまでの長い無音が 音楽の一部を構成します。指が達者に回るだけでは決して表現できない音楽の本質が2つの曲に如実に表れており、そして 音楽を表現する上で不可欠な高度なメカニック面での技術が求められる英雄ポロネーズでの小山さんの圧倒的な威容感(充実した響き)・・・小山さんの演奏に接することのできる幸せに感謝する今宵のリサイタルでした。

★小山さん:今回もまた、小山さんの卓越した驚くべき演奏を通じた豊穣な音楽体験をさせていただき、感謝に堪えません。ショパンの第3ソナタは、30年近く前に実演で聴かせていただいた記憶があり、以来何度も聴かせていただき その度に 感動に打ち震えています。シューベルトの即興曲作品142は本当に素晴らしい作品だけに、小山さんの演奏で聴けることは大きな歓びです。有難うございました。 

とさま
Date: 2015/09/28/01:35:17 No.4399


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九響第343回定期 スクリャービン没後100年記念 ロシア音楽の潮流
実稚恵さまの微笑み

7月のミューザ川崎でのショパンピアノコンチェルトに引き続き、最近ぐっと秋めいてきた初秋の博多はアクロス福岡シンフォニーホールで行われた、九州交響楽団の定期演奏会での、実稚恵さまのラフマニノフピアノコンチェルト第2番を拝聴しに行ってまいりました。

天気は快晴。ソフトバンクホークスの優勝に沸く地元博多の街ではありましたが、折しも国政では戦後政治が根本から変わってしまうような大転換を迎えようとしている、今日この日に、自分の趣味に興じていて良いものだろうか。。内心、忸怩たる想いで会場に足を運びました。

本日のプログラム

ボロディン   歌劇「イーゴリ公」序曲
ラフマニノフ  ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
アンコール
スクリャービン 左手のための2つの小品 作品9−2「ノクターン」
スクリャービン 交響曲第4番ハ長調作品54「法悦の詩」

本日の席は、ホール右手16列目ということで、多少、直接音と反響音の影響があるのか、音が埋もれてしまうことがあるような感じもしました。
さて、冒頭はボロディンの歌劇「イーゴリ公」序曲。。初めて聴く曲です。
構成も1曲目が序曲でスタートということで無難な滑り出しです。金管がすっきり鳴らない。。木管は表情豊かに感じました。牧歌的な部分が美しい曲でした。しかし、ボロディンと言えば「ダッタン人の踊り」ですよね。 
1曲目が終わるとバイオリンパートの方々が移動し、舞台袖に控えていたスタインウェイのピアノをステージ中央に設置します。

いよいよ、気持ち的には、本日のメイン。実稚恵さまのラフマニノフです。今回は、深いブルー、群青色とも言うのでしょうか。落ち着いた色のドレスで実稚恵さまはステージに登場されました。
有名な、ピアノの重低音の強打で曲が始まります。世情を憂いているかのように聴こえたのは、私だけでしょうか。主役と脇役をピアノとオ―ケストラが替わりながら曲が進んでいくのですが、どうもオーケストラの演奏が細かい部分を描ききれず実稚恵さまのピアノと絡んでいけない。強奏部分はいいのですが、オーケストラの演奏が実稚恵さまの弾く美しく細かい旋律を引き立たてきれない。やっとカデンツアの部分でほっとする。そのようなもどかしさを感じました。

しかし曲が終盤の第3楽章を迎えると、ドラマチックで輝かしい曲想になることもあり、演奏のボルテージがあがりフィナーレで会場の雰囲気は一気に盛り上がりました。終曲後は、ブラボーの声とともに何度もカーテンコ―ルがかかりました。

実稚恵さまは、聴衆に応えアンコールでスクリャービンの左手のためのノクターンを演奏してくださいました。
本日の最終曲がスクリャービンということもあって、この曲をアンコールに選ばれたのだとは思いましたが、なぜ数ある彼の多くのピアノ曲中からこの「左手・・・」を選ばれたのか。思い出すのは、3年前に九州を襲った大豪雨の際にも、実稚恵さまは、この曲をアンコールで演奏してくださいました。あのとき、自分は被害にあわなかったけれど知人が大きな被害を受けた直後だっただけに、やさしく寄り添ってくれるような演奏がとてもありがったことを覚えています。今回の北関東豪雨で被害にあわれた方たちへの想いもきっと演奏にこめられていたのだと思いました。

休憩をはさみ最終の法悦の詩の演奏となりました。終演後、指揮の小泉氏が「演奏の機会の少ない、しかし芸術的に貴重な作品だ」と語っていましたが、この曲も、初体験でした。どこか、フランス風の抒情的な感じも序盤ありましたが強奏に彩られた、眩さ=エクスタシー(邦題はマイルドですよね)を具現したと思わせる曲でした。

PS
会場の私の席の右隣りにおられた気品のあるご婦人と、彼女が落とされたプログラムを拾ってさしあげたのがきっかけで、楽しくお話をすることができました。お話しを伺うと、彼女は私の母と同じ年なのに、とてもお元気で、つい最近も北海道に足を延ばされ、絵画を描くのが趣味で、近く個展を開くとお顔を輝かせながらお話ししてくださいました。私より一つ上の娘さんがおり、若いころ留学してピアノを学ばせ、現在は、体調をくずして演奏活動は行っていないけれど、自宅にホールとベーゼンドルファのピアノがあるとのことでピアノは、高等女学校に通っていた頃から憧れで、今日も実稚恵さまの演奏を聴きに来られたとおっしゃっていました。

11月のリサイタルで、また、お会いしましょうと再会を祈念してお別れをしました。
Date: 2015/09/19/16:16:31 No.4396

Re:九響第343回定期 スクリャービン没後100年記念 ロシア音楽の潮流
ぴあのふぉるて
実稚恵さまの微笑み様、
こんにちは。7月にミューザ川崎で、実稚恵さまの微笑みさんと初めてお話しさせていただいたことを懐かしく思い出しました。
博多で開かれた九州交響楽団の定期演奏会のご報告をどうもありがとうございます。会場の音響や演奏の様子が濃やかに書かれた、臨場感いっぱいの、愛情あふれるレポートを嬉しく拝見しました。
アンコールにも小山さんのお心遣いを感じますね。演奏会の後半に向けて自然な流れを演出する、素晴らしい選曲ですね。
今回の記録的大雨で被害にあわれた方々に一日も早く穏やかな生活が戻りますように、私もお祈りしています。

お隣の席のご婦人のすてきなお話もご紹介いただきありがとうございます。
絵画の個展を開かれるのも素晴らしいですが、ご自宅にホールとベーゼンドルファーのピアノをお持ちだなんて、すごいですね!
小山さんの演奏会では、聴衆がお互いに初対面でも自然にお話しできる雰囲気がありますよね。小山さんの音楽で皆の心がつながっているのでしょうね。ご投稿を拝見して、温かい気持ちになりました。
実稚恵さまの微笑みさんとお母様も、どうぞお元気でお過ごしください。
Date: 2015/09/22/18:57:12 No.4398


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小山さんから降り注ぐ音の洪水、箍(たが)を外した凄演・・・豪雨の豊橋にて。
まじょるか魔女
9月6日の豊橋のリサイタルを拝聴しました。
今回は、ずっとライヴで聴きたかった シューベルト:即興曲90-3、90-4 も弾いていただけるのです。
岐阜県人のピア友と魔女は「音の旅」を演奏される名古屋の宗次ホールは馴染みがあっても
さらに東部の愛知県豊橋はほとんど静岡県の感覚で「ちくわが美味しい」程度の乏しい知識があるのみですが
(土の器さん、プチ遠征しましたよ!)、
小山さんの引力に導かれるままに初めて豊橋を訪れました。

小山さんの演奏会の日には珍しい天候のようですが、豪雨の中、水しぶきを上げるバスに乗って
海岸近くの会場、ライフポートとよはしコンサートホールに到着。
アコースティック音楽専用ホールで、シンプルなデザインの温かみのある空間です。

小山さんは透明感のあるプラムのような薄紅色のドレスで登場されました。
音楽のミューズ 小山さんが横浜を飛びたち、豊橋に舞い降りて静かに歌い始められました・・・

シューベルト:即興曲90-3
この曲からは、羽を拡げた女神のイメージが浮かんできます。
2005年ショパンコンクールのポスター、羽が鍵盤のデザインになっている勝利の女神ニケの印象です。
「たまらなく好き」と仰るこの曲に、小山さんの「ヴォカリーズ」が込められ、
今生まれたばかりのような文字通りの即興曲の響きがホールに満ちていきます。
淡雪のようにしんと消えゆく最終音の減衰を味わいます。

続いて、142-1
90-3の旋律と共通するモチーフを感じます。
左手が心の襞からこみ上げるように奏でられ、さらに心情が吐露されていき、
同音の和音が重ねられて曲が閉じられます。

そして、90-4
宮沢賢治の「やまなし」を想起します。
クラムボンがわらったよ・・・と泡がぷくぷく弾けるように、音の泡がぷくぷく、きらきら
水面に湧き上がっていきます。
川底には悲しみが沈んでいて、ふとした心の隙間に浮かび上がり、
下降する二つの和音で曲が閉じられます。

最後に90-2
音粒がスワロフスキーのビーズのように連なり、きらめきをまして、もっと高く、もっと高く。
小山さんの内なるエネルギーから放たれる音符が天空に吸い込まれていきます。
最後の和音は晴れやかに上昇していますね。

シューベルトの心に寄り添い、人見知りの彼の気持ちを代わりに語っているかのような
小山さんの連作即興曲集。
「今回初めて楽譜を見たとしたら、どう弾くかなと思うようにしている」と仰る
小山さんの、リアルな即興に居合わせた思いでした。
   
       (90-4は遠い昔、発表会で「こどもアレンジバージョン」を弾きました。
        満井秀和さんと同じく、大人のピアノレッスン中ですので、
        いつか発表会で大人バージョンを弾いてみたいという新しい目標ができました)


小山さんのシャコンヌは何回か拝聴し、「慈愛」「祈り」の要素を強く受けとめていたのですが、
今回は全く違うものを感じました。
会場の外に降りしきる雨より、会場内の 小山さんから降ってくる音の洪水が凄まじく、
箍(たが)が外れたような、と言うより自ら箍を外されたような壮絶な打鍵に、ただただ圧倒されました。
ぴあのふぉるてさんの「小山さんは過去の演奏に安住せず、日々精進されているんだと感じて、
胸を打たれました。」とのご感想を実感する瞬間が、息をのんだまま続いていきます。

全曲を通してスタインウェイが会場の隅々まで鳴り響き、特に左手で奏でられる低音部が
毅然と立ち上がってダイレクトに飛んできます。

プログラム最終曲の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の演奏前、
小山さんは今まで踏み固められた道のりと、これから歩き続けられる一本道の行方を見つめられるような
眼差しをされました。
曲中のファンファーレ、登りつめていくフィナーレはご自身への、そして拝聴する我々への応援歌にも聴こえ、
温かいエネルギーの伝導を感じました。

土の器さん風に言わせていただくと、
「『シューベルトの即興曲』が聴きたくて伺ったのですが、結果的に(アンコールも含めて)
全てに魅せられてしまいました・・・!」
サイン会で 小山さんにこのようにお話ししました。

とさまさん、豊橋でまたお会いできて嬉しく佳い時間でした。

小山さん、今回も素晴らしい音色とメッセージを有り難うございました。
次回の金色の「音の旅」を心待ちにしています。
Date: 2015/09/07/23:48:04 No.4393

「猫のように自由な心…」の小山さん。
ぴあのふぉるて
まじょるか魔女さんのご感想はいつも詩的で、ニュアンスに富み、ほんとに素敵ですね。小山さんの音楽を表現するときに、美術や文学など、他のさまざまな分野の芸術とつなげられるところが素晴らしいと思います。曲の特徴もよく研究なさっていますね。いつか発表会で弾いてみたい曲も決まって、よかったですね。
小山さんはシューベルトの即興曲を本当の意味で即興演奏されたのですね。
キヨさんの簡潔で鮮やかなご投稿も、ありがたく拝読しました。
お二人のおかげで、小山さんの音色と会場の空気がそのままこちらに届きました。

そして、この日の「シャコンヌ」を聴かれたお二人の熱いお言葉で、感動を新たにしています。
〜「続いてのバッハ:シャコンヌは圧巻です。…小山さんの手にかかると不安も吹っ飛びます。…壮大な世界を表現してくださいました。…」(キヨさん)
「… 小山さんから降ってくる音の洪水が凄まじく、箍(たが)が外れたような、と言うより自ら箍を外されたような壮絶な打鍵に、ただただ圧倒されました」(まじょるか魔女さん)〜
小山さんがこんなふうに、束縛から解放されたような演奏をなさる時、ゾクゾクしてしまいますね。

ファンサイトやメールで皆様のご感想を拝読して、小山さんのお言葉:「犬のように誠実に練習を積み、猫のように自由な心で演奏ができたら、なんと素晴らしいことでしょう」(第17回「ピアノと私」より)を思い出しました。小山さんは日々修練を重ねて、ステージでは自由な猫の気持ちで演奏なさっているのでしょうね。それも、(ララちゃんのような)おとなしい飼い猫ではなくて、野生味あふれる猫、あるいは豹? 小山さんは心から、本能の赴くままに音楽を奏でておられると思います。そういう瞬間があると思います。小山さんの安定した整った演奏も大好きですが、危険を怖れずに進むような、思い切りのよい奏楽は、いっそう心を捕まれます。千々に心が乱れてしまう、と言ったほうがいいかもしれない。小山さんの生演奏はそのくらいの衝撃があります。

最終曲のフィナーレのまじょるか魔女さんの敬意にみちたご感想にも同感です。「ご自身への、そして拝聴する我々への応援歌にも聴こえ、温かいエネルギーの伝導を感じました」…「応援歌」、ほんとにそのとおりだと思います。小山さんにはいつも感謝しています。

小山さんの音色を果物で表すなら、イチジクの儚さと、巨峰の強さ。それらが同時に味わえる幸福にまた浸りたい、と思います。それでサイン会では、さくらんぼのような微笑みですから、あぁ、もうどうしたらいいの。
小山さんの繊細で強烈な音楽に心を奪われて、幸せです。
土の器さんもおっしゃっていましたね…「小山さんも、なかなかの“魔法使い”でいらっしゃいます」と。

本当に小山さんはいつも、期待をはるかに超えるレベルで我々を魅惑してくださいますね。
秋の記念公演を皆様とともに心待ちにしております。
Date: 2015/09/09/16:16:08 No.4394

Re:
まじょるか魔女
ぴあのふぉるてさん、素敵なフォローを有り難うございます。
キヨさんのご感想と共に、演奏会の感激をあらためてかみしめています。

「犬のように誠実に練習を積み、猫のように自由な心で演奏ができたら、
なんと素晴らしいことでしょう」
小山さんのこのお言葉、まさにステージで体現なさっていることを私たちは語り合いたいのでしょうね。

「イチジクの儚さと、巨峰の強さ。それらが同時に味わえる幸福にまた浸りたい、と思います。
それでサイン会では、さくらんぼのような微笑みですから、あぁ、もうどうしたらいいの。」
瑞々しい 小山さんの演奏は果物に例えるとぴったりきますね。
イチジクはたしかに儚いですね。でも粒々の存在感があって何度でも味わい、確かめたくなる感じ。
巨峰は強いですね。かすかに渋みもあり、優しく甘いマスカットとは一線を画していますよね。
そしてステージを降りられると東北特産の さくらんぼの微笑み・・・(。・∀・。)

いつも旬のフルーツの味わいを届けてくださる 小山さん。
同じ曲でも毎回違う香りと味わいが感じられるところに皆さまと同じく惹かれ続けています。
Date: 2015/09/10/23:24:47 No.4395

Re:小山さんから降り注ぐ音の洪水、箍(たが)を外した凄演・・・豪雨の豊橋にて。
土の器727
『小山さんの引力に導かれるままに少し遠出』。それも、バスの走行が水しぶきを上げる程の悪天候の中!。そして、同じくこの日においでになられたキヨ様も、前日からどんなにかお天気を案じていらしたことでしょう。お二方共、勇ましい“英雄”でいらっしゃいましたねo^∀^。 きっと小山様ご自身も、おいで下さる皆様を思い、更なるお気持ちを込め演奏なさったのでは、と想像致します。キヨ様から、『シャコンヌは10手による豊かな音も相まって、壮大な世界を表現してくださいました。曲が終わったときは涙が出そう・・・』と伺い、お教え頂く中、何か共有できる心持ちがして、嬉しゅうございましたm(_ _)m。 ところで、ぴあのふぉるて様もおっしゃっているよう、まじょるか魔女様の紡ぐお言葉は、とても詩的で、豪雨ならぬ恵みの雨に、私は水浸しです(*^_^*)。 『シューベルトOp90-3は、小山さんのヴォカリーズ、淡雪のようにしんと消えゆく最終音の減衰、シャコンヌで自ら箍を外されたような壮絶な打鍵、特に左手で奏でられる低音部が毅然と立ち上がってダイレクトに飛んできます。』等など、夏の疲れの後の爽やかな秋風のよう、私の心に染みました。
まじょるか様も、即興曲90-4を、遠い昔、発表会で弾かれたのですね!。いつか大人バージョンを、の夢、どうぞどうぞ叶いますように\(^o^)/。
私事になりますが、先日、母を悠久の棲家へと移しました。家族で、カンツォーネ♪君に捧ぐ 忘れな草を・・・悲しきその別れの日にも・・・♪を、それぞれ各自の調子で、多重唱した?次第です(〃゚д゚〃)。 (いろいろな歌詞があるようですが、我が家はこれにしました。) どうぞスルーなさって下さいね。ごきげんよう。

Date: 2015/09/21/17:43:09 No.4397


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9月6日ライフポートとよはしにて鑑賞
キヨ
本日9月6日愛知県豊橋市のライフポートとよはしコンサートホールでの小山さんのリサイタルを聴かせていただきました。
5月30日兵庫県立芸術文化センターでチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラとの共演でチャイコフスキーのコンチェルトを聴いて以来です。
今日の東海地方は、時折ゲリラ豪雨のような大雨の悪天候。でも約1000人収容のホール内では、小山さんの手により、スタインウェイが表情豊かに鳴り響きました。
曲目は最近8月29日の横浜みなとみらいホールと同じ。
稚拙な文章で演奏の感想を述べるのは野暮なので、ごく簡単に致します。
シューベルト:即興曲90-3で穏やかに始まり、142-1、90-4、90-2の3曲が表情豊かに続けて演奏され、聴く側も良い緊張感を持って演奏に引き込まれていきます。
続いてのバッハ:シャコンヌは圧巻です。原曲のヴァイオリン1丁での演奏は何度も聞いており、あの神的な宇宙感がピアノの演奏でどうなるかと構えてしまうのですが、ブゾーニの編曲の素晴らしさもさることながら、小山さんの手にかかると不安も吹っ飛びます。幅広い音色による表現と、ヴァイオリンに比べて10手による豊かな音も相まって、壮大な世界を表現してくださいました。曲が終わったときは涙が出そうでした。
後半の超有名曲、リスト:愛の夢第3番やショパン:ノクターン9-2は、完璧に料理され、名曲が名曲たる所以を教えてくれます。
さらにリスト:「エステ荘の噴水」、ショパン:ポロネーズ「英雄」、最後はショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズで盛り上がります。
アンコールも横浜同様スペイン系3曲があり、個人的には、アルベニス:パヴァーナ・カプリチオがとてもチャーミングで魅力的でした。さらにアンコール4曲目!!小犬のワルツで和やかに終演でした。サイン会でお話ができませんでしたが、今日も小山さんはお疲れの様子も見せずファン一人ひとりに親切に対応されていました。
小山さん、今日もありがとうございました。
Date: 2015/09/06/22:41:27 No.4392


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まじょるか魔女さま
土の器
『小山さんの奏でる旋律に魂をつかまれ、揺さぶられ、時にそっと背中を押していただける・・・そして、その方向はポジティブに開かれています。
小山さんの日々の修練に基づいた勁いエネルギーをいただけるのですね。』
そしてまじょるか魔女さまの“大切な一文”をリフレインさせて頂くのを、忘れていましたm(_ _)m。
『小山さんの演奏は弱音であってもただ優しいだけではない芯をもった勁さがあり、心を衝き動かされ、一歩前に踏み出そうという勇気をいただきますね。』
本当にその通りです。きっとどの演奏家もそのような思いで演奏なさっていらっしゃると思いますが、私は“小山さん”に、魂をつかまれてしまいました。 弱音であっても、そこに表れる陰影、『moved』の数々、惹かれ続ける由縁です。
 『言葉を選びながら』のお返事、お時間がかかられたことでしょう、ただただ感謝あるのみですm(_ _)m。
 私は若い日に所謂お稽古事としてピアノを習いましたが、不器用で、美しい音色とはかけ離れていました。また今は持病で手足が少々不自由になり、鑑賞のみ、それも素人の域です。ファン歴2年、このサイトを通して、まじょるか魔女さま、そして皆様の慧眼に触れ、「ああそうなんだ」とお教え頂く事ばかりです。それもまた愉しからずや〜(^^:)。
 重ねてのメッセージ、心から、おん礼申し上げます。 今回、
どうぞスルーなさって下さいませね 。
この秋、まじょるか魔女さまのお住まいの近くで、小山さんの演奏をお聴きになられる機会がございますよう、お祈り致しております。多謝♪(#^.^#) ♪。
Date: 2015/09/05/11:40:09 No.4391


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まじょるか魔女さま
土の器
 昨日はお心のこもったお返事を頂戴し、有り難い思いでいっぱいですm(_ _)m。
 全く私的な事で、メールするのもどうかと思われたのですが、
小山さんの演奏からは、どんな時にも感動と勇気を頂ける、との思いでメールさせて頂きました。。
まじょるか魔女さまが『小山さんの演奏は、“moved(感動する)”、演奏会の帰り道は微笑みと温かいパワーで満たされますね。』と、おっしゃられる通りです。皆様その思いがあればこそ、「またお聴きしたい、次の時まで何とか頑張らなくちゃ!?」にさせられてしまうのですね。 小山さんも、なかなかの“魔法使い”でいらっしゃいます(*^_^*)。
 9月に入ったもののまだまだ蒸し暑い日も、まじょるか魔女さまどうぞお元気でお過ごし下さいませ。お心遣い、本当に有難うございました。 

Date: 2015/09/04/14:38:53 No.4389

Re:
まじょるか魔女
土の器さまへ

メッセージを有り難うございます。
土の器さまのご投稿からお気持ちがひしひしと伝わってきて、言葉遣いなど適切かどうか迷いながら
リプライさせていただきましたので、このように受けとめていただいて安心いたしました。

土の器さんが仰るように、小山さんの演奏を拝聴すると勇気をいただき、
小山さんの笑顔を見ると半年がんばれますね。
(「半年」は「音の旅」のサイクルです。合間に色々入ることもありますが)
英語は得意ではありませんが、“moved”という「動き」をしめす言葉が想起されたのです。
小山さんの奏でる旋律に魂をつかまれ、揺さぶられ、時にそっと背中を押していただける・・・
そして、その方向はポジティブに開かれています。
小山さんの日々の修練に基づいた勁いエネルギーをいただけるのですね。
小山さんの魔法は消えない魔法・・・それを直に確かめたくて、満たされた帰り道に
「またお聴きしたい、次の時まで何とか頑張らなくちゃ!」と、私たちはいつも思うのですよね。

土の器さま、どうぞお疲れがお出になりませんように・・・
これからも、小山さんの魔法について語り合えることを心待ちにしております。
Date: 2015/09/04/22:27:17 No.4390


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8/29コンサート
土の器
先日のみなとみらい、思い切って出かけました。私事で誠に恐縮ですが、この夏、91になる母を見送りました。無宗教ながら、七七忌位まではコンサート等控えようと思っていたのですが、7/4川ミューザを母の入院で急にやめたこともあり、思い止みがたく、残り僅かのお席(5〜6席位)があることを確かめ、出かけました。当日朝、まだためらう気持ちもありましたが、ふと、「そうだ、母にも聴かせよう」と思いつき、装身具加工用に取り分けてあった、ごく少量の母の遺灰をハンドバッグにしのばせ、伺った次第です。結果は、やはり出かけて良かった、に尽きます。
シューベルト即興曲90シリーズは、50年以上前に私が、又25年位前に娘が習った曲、母にとって、下手くそなピアノ練習に悩ませられながらも、二度も聴かされた思い出の曲でした。先ず一番目のOP90-3ですが、全く自己中心な解釈ですが、逝きし人を送るにふさわしい、懐かしさの詰まったスーベニールそのもの、小山さんの柔らかな感性に、こみ上げてくる涙をこらえることができませんでした。母の事がなかったとしても、篠村様がおっしゃる<シューベルト即興曲から、これほど心象風景を感じたことはなかった。彼女の詩的感性が、その曲順の妙とビロードのような弱奏によって体現された演奏だった。>、まさにその通りでした。またOP90-2の、ころがるように半音階で上行するところでは、なぜか「子犬のワルツ」が思い起こされ、ちょっとしたお茶目、思わず微笑みたくなる小山さんの愛らしいお人柄そのもの、と感じました。「エステ荘」では、暫く前にTVでその噴水を見た事と相まり、前回より鮮やかにお聴きすることができました。またプログラムで萩谷様から、<「水の戯れ」や「水の反映」にも繋がっている、イエスの言葉『だれでも私の水も飲むものは・・・』>と、お教え頂き、演奏以外の部分でも、とても嬉しく楽しませて頂きました。光を受け、また命あるかのように揺れきらめくエステ荘の噴水、微妙なところをあますところなくピアノを通して語りかけて下さり、機会がありましたらまたお聴きしたいと思いました。アンコール曲「グラナドスのスペイン舞曲アンダルーサ」では、左手の刻む微妙なテンポのゆれが大変心地よく、ただただ聞き惚れておりました。
 母の介護や看取りで、後悔多々の私ですが、小山さんの演奏を通して、至福の時を頂き、更にこれからなすべきことに一歩踏み出す勇気を頂きました。シャコンヌが聴きたくて伺ったのですが、結果的に全てに魅せられてしまいました。小山さんをこよなく愛される皆様と同じ空間で過ごせたことも、静かな喜びです。素晴らしい演奏を、本当に有難うございました。

Date: 2015/09/02/17:38:24 No.4387

Re:8/29コンサート
まじょるか魔女
土の器様へ

この夏にお母様は天国に旅立たれたのですね。
謹んでお悔やみを申し上げます。
お母様は横浜の会場で、心は 土の器様と共にいらっしゃったことと思います。
シューベルトを聴かれて「懐かしい曲ね」と 土の器さんとお嬢様の練習を見守られた日を
思い出されたことでしょう。
スーベニールのような想い出の箱を一緒に開けられたのですね。
「小山さんの演奏を通して、至福の時を頂き、更にこれからなすべきことに一歩踏み出す勇気を
頂きました。」との 土の器さんのお姿に、お母様は喜ばれていることと思います。

ご投稿を拝読して、“moved(感動する)”という言葉が想起されました。

ぴあのふぉるてさんの「小山さんの『シャコンヌ』を拝聴すると勇気がわきます。」、
「(英雄ポロネーズの)活力みなぎる大胆な演奏は、もう何も怖れずに進みましょう!という
メッセージに聞こえました。」のご感想の通り、
小山さんの演奏は弱音であってもただ優しいだけではない芯をもった勁さがあり、心を衝き動かされ、一歩前に踏み出そうという勇気をいただきますね。
それは 篠村友輝哉さんの仰る「隠れた表情」を求める心の潜水の動きにより
増幅されるのではないでしょうか。

「シャコンヌが聴きたくて伺ったのですが、結果的に全てに魅せられてしまいました。」
土の器さんのこのお言葉、深く頷きました。
小山さんの演奏会の帰り道は微笑みと温かいパワーで満たされますね。

お母様のご冥福を心よりお祈りいたします。
Date: 2015/09/03/00:48:56 No.4388


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隠れた表情
篠村友輝哉
表情は、それを見る角度によって見せるものが変わると感じることがある。近くで見る海と、高所から見下ろす海では、その広大さや水面に反映する光の様相も、それぞれ違って目に映るだろう。普段はいつもにこにこと微笑んでいる人のことを、ななめから見つめるとその笑みに憂いを見るかもしれない。
横浜みなとみらいホールで開かれた小山さんのリサイタルでは、作品のもつ世界の多様さを、その演奏と配列によって感じさせてくれた。
例えば、シューベルトの『即興曲作品142−1』の悲しみの底を綴るその余韻のなかから、『即興曲作品90−4』のあの下降音型が精妙なピアニッシモで奏でられると、一枚の枯葉がひらひらと舞い散る情景が浮かび、そこに自身の儚い心情が投影されていくように感じられる。また、その次の『即興曲作品90−2』では、流麗な音の連なりが、あたかも光の粒の如く降り注ぐ。シューベルトの即興曲から、これほど心象風景を感じたことはなかった。彼女の詩的感性が、その曲順の妙とビロードのような弱奏によって体現された演奏だった。
後半のショパンの演奏でも、定番の名曲がショパンの音楽の様式のなかで新鮮な表情を見せる。あの『ノクターン第2番』が、夢見るような表情で奏でられると、飽きるほど聴いてきたこの作品に、かくも豊かな情感が込められているのかという思いになる。『ポロネーズ第6番』の勇壮さや誇りだけでなく、そこに隠された哀しみや詩情を高らかさのなかに滲ませてゆく。小山さんがこれらの作品にそのような世界を付け足しているのではなく、ショパンのその作品の中にそのような深い世界があるのであろう。だからこそ、ショパンの音楽の枠を超えてしまうことは起きない。
アンコールで弾かれたアルベニス『パヴァーヌ・カプリッチョ』。これ以上ないほどのデリケートかつチャーミングな演奏を聴いていて、同時に静かに寂しさが胸に沁みた。お金欲しさのために書かれた小品だが、零れるような心情はアルベニスの寂しさそのもの。チャーミングな微笑みの裏に、胸がきゅっと詰まるような切なさを垣間見た。
Date: 2015/08/31/09:34:30 No.4386


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