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初めての宗次ホール
covariant
5月28日、宗次ホールでの「音の旅」第21回〜未来の扉を開いて〜に、私も臨席することができました。皆様の素晴らしいご報告を拝読すると、私などはとても気恥ずかしくなりますが、小山実稚恵さんの演奏に感謝し、今後一人でも多くの方に聴いていただきたいと思うと、駄文であっても、ここに書き加えさせてもらいたい、皆様も、どしどし書こうよ、と呼びかけたいのです。 (^L^; 以下、思いつくままに書き記します。

私にはとても表現できないと思いましたが、まじょるか魔女様の表現に賛同、否今回も、舌を巻かせていただきました。そして、とさま様のご説明にも補足されて初めて、〜未来の扉が開かれた〜という意味を知ることができました。
皆様の受け止め方の素晴らしさに、この演奏家あってこの聴衆あり、身も打ち震えます。

宗次ホールは私には素晴らしいホールでした。演奏された小山さんとピアノと、我々聴衆と、そして会場もすっぽり、一体になれたと思います。ピアノの可能性を存分に引き出す曲が連なり、クライマックスがその名も「ハンマークラヴィーア」!

小山さんの24回シリーズのうち20回目から漸く臨席することが叶った私ですが、今はその幸運に、感謝し切れないほどの思いです。
そのような私の想いは、今回のベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」第3楽章に出てくる「神との対話」、「ひと筋の光」と、ちょうど符合しています。このような喜びは比類の無いものです。ほんとうに、ありがとうございます。

今回の、特にベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」のような、楽譜表現でも複雑・難解極まりない、しかし、少なくとも小山さんの演奏ならとても魅力的に聴くことのできる曲は、私などは、あと何回でも聴きたいのですが、残された小山さんのリサイタルに、生憎私の都合はつきません。いずみホールやオーチャードホールにいらっしゃる皆様は、どうぞお楽しみにお待ちください!
Date: 2016/05/30/00:47:16 No.4554


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はじめて拝聴
カルロス・さかの
5月28日、以前からコンサートに行きたいと思っていましたが、ようやく、小山さんのリサイタルに行きました。
こじんまりとした宗次ホール(名古屋)で聴けてよかったです。
ピアノ独奏のコンサートに行くのも久しぶりだったのです。
強さの中の「繊細さ」も感じました。
二時間のリサイタルを本当に楽しみました。
音の旅から、元気をもらいました。
音の旅に、これから参加したいです。

Date: 2016/05/29/09:41:34 No.4552

Re:はじめて拝聴
とさま
★カルロス・さかの様(No.4552):小山さんの第21回音の旅@宗次ホールにいらっしゃったのですね。【強さの中の「繊細さ」も感じました。】はまさに小山さんの演奏の本質ですね。【音の旅から、元気をもらいました。】・・・小山さんのファンの皆さま、等しく小山さんが創造される音楽からエネルギーをいただいています。小山さんは、いつ、どこでも、全身全霊で演奏に臨まれていらっしゃいます。音の旅を通じて、ご一緒に小山さんを応援して参りましょう。

★実稚恵さまの微笑み様(No.4548):第21回音の旅@福岡での小山さんの奏楽のご報告を拝読致しました。大きなスランプを克服したベートーヴェンが自身の音楽の全てを注ぎ込んだのが第29番変ロ長調作品106なのですね。交互に現れる極端なフォルテとピアノは神経を刺激し、深遠長大なアダージョ・ソステヌートは苦渋の世界を垣間見させ、そして複雑さを極めるフーガは極度の集中を強いるかのようですね・・・ハンマークラヴィアソナタは、無人島に持っていく1枚のCDに選ばれない作品かもしれませんが、ベートーヴェンはこの作品を完成して、その後は、“脱力”したかのように、ピアノソナタ第30番ホ長調作品109、第31番変イ長調作品110、第32番ハ短調作品111と言う不朽の名作を世に送りだしたのですよね。ベートーヴェンにとっても、奏者である小山さんにとっても、そして聴き手である私たちにとっても、ハンマークラヴィアと対峙し、小山さんとご一緒に時間を過ごさせていただいたことで、次なる輝かしい旅への一歩が約束されたかのような気がしています。音の旅第22回から最終回の第24回までの各回、それぞれ、作品109、作品110、作品111を小山さんは演奏して下さいますね。実稚恵さまの微笑み様が仰るように、【通常のリサイタルとは違ったプログラムの深化】も楽しみですね。

★花葉様(No.4549):チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は小山さんの十八番のレパートリーですよね。小山さんのチャイコフスキーやラフマニノフを聴かせていただくと前向きな気持ちになることができ、元気になりますよね。大賀様ご夫妻が愛用されていたスタインウェイだったので、【いつものスタインウェイとは少し違う響き】だったのですね。ぴあのふぉるてさんが書かれているように(No.4550)、小山さんはこのピアノを使って、あの(もはや不朽の)名盤「シューベルト:即興曲集作品90&作品142」を録音されたのですね。

★ぴあのふぉるて様(No.4550):バックナンバーの改めてのご紹介を有難うございます。実にタイムリーです。このピアノを使ったからこそ、花葉さんが仰られるように、チャイコフスキーの第2楽章に合った響きが産まれたのですね。また、チャイコフスキーの作品に関する小山さんのお考え(モーストリ・クラシックの記事)を教えていただき有難うございます。小山さんは、ロシア音楽に「太古からの目に見えない繋がりのようなもの」を感じていらっしゃるのですね。小山さんがチャイコフスキー、ラフマニノフの作品を十八番にされている理由が分かりますね。有難うございます。

★まじょるか魔女様(No.4551):第21回音の旅@愛知【小山さんの意志の力に耕されるピアノという名の大地】という素晴らしい題目のご感想を有難うございます。音楽への愛情と小山さんに対する尊崇の情に溢れたご感想に深く感銘を受けています。

ブラームスのヘンデルバリエーションの冒頭主題の小山さんの奏楽の描写=【キラキラと大地に降り注ぐ陽光があたたかく射してきます。】・・・本当にその通りでしたね。同じ変ロ長調繋がりということだけでなく、その方向性に共通性があるからこそ、【ハンマークラヴィーアの冒頭ファンファーレに通じる煌びやかで肯定感に満ちた音粒がホールに満ちていきます。】と感じることができたのですね。これは素敵な発見ですね。〜300名収容の小ホールにも関わらず、音の飽和感、あるいはもやもや感がなく、主題・変奏・フーガの各声部がクリアに聴こえましたね。まじょるか魔女さんは【中間部の揺れながら下降する印象的なフレーズ。】がお好きなのですね。その印象的なフレーズも含めて、小山さんの喜びに充ちた活き活きとした奏楽を通じて、曲の素晴らしさを堪能できましたね。

ハンマークラヴィアソナタに対するまじょるか魔女様の感性豊かなご感想を大変嬉しく拝読しました。

第1楽章冒頭のファンファーレの主題に対するまじょるか魔女さんのイメージ=【深く耕された地中から、若い樹がポン!と音をたてて大地に顔を出し・・・大地からみるみる花の森ができていきます。】・・・このように考えると、この楽章の(実は)大部分を支配する温かい抒情的な楽句群は花の森であって、それを支える揺るがない低音の音符群は大地だったことがよく理解できます。
眩しいまでに躍動感に充ちた第1楽章と対照的な第2楽章が【心の闇を深くえぐります。】とお感じになったまじょるか魔女さんに深く同意します。【カデンツァ風の慟哭に悪魔的な焦燥感が塗り重ねられ、楽章がピアニシモで閉じるところに底知れない不安が残ります。】・・・小山さんの凄まじい奏楽が忘れ難いです。このピアニシモの音型がオクターブで順々に上っていくところが、なお不気味さを演出していますね。

第3楽章の小山さんの奏楽は神々しく、これほどまでに感動的なベートーヴェン演奏は、小山さんの別の会場での演奏以外に存在しないと断言できるほどでしたね。まじょるか魔女さんの、小山さんの奏楽に対する詩的な描写=【花の森の木漏れ日がさす天空で 小山さんが神様と静かに会話をされています。小山さんがピアノと一体になって、大地から天空までの豊かな連なりを導かれています。雲間から花の森まで、天使の梯子が伸びて太陽光線が降り注いでいます。天使の梯子・・・宮沢賢治は「光のパイプオルガン」と表現したのですね。】が全てを語りつくしていますね。

【第4楽章の冒頭。リストはこのフレーズに「ラ・カンパネラ」のインスピレーションを得たのでしょうか。】というまじょるか魔女さんの発見は、この曲を聴く敷居を低くしてくれますね。素晴らしいです。複雑極まりないフーガ群の中に【「第九」のドッペルフーガを彷彿とさせる、心の内のもつれる声が浮き彫りになり胸に迫ります。】とのご感想にも深く共鳴します。ベートーヴェンはハンマークラヴィアソナタのフレーズや変奏様式を荘厳ミサ曲や第9交響曲の第3楽章に活かしているので、まじょるか魔女さんの仰る通りだと思います。

曲の結尾での小山さんの奏楽のまじょるか魔女さんの描写=【左右でのトリルが心の襞をのせて千々の声はフィナーレで一つになり、ユニゾンで決意を込めて歌い切ります。ベートーヴェンは作曲を通じて苦悩の底からある結論を得たのでしょうか。】を小山さんがお読みになれば、お喜びになられると思います。それは、ベートーヴェンと一体化してこの大作に挑まれた小山さんに読み替えれば、最後の文章は【小山さんは演奏を通じて苦悩の底からある結論を得たのでしょうか。】となるからです。最後の和音を弾き切られた直後の小山さんの清々しい表情がそのことを物語っていたと感じました。【決然としたフォルテシモで閉じられた 小山さんの演奏は、次の 小山さんの演奏に繋がります。未来の扉が開かれたのです。】・・・まじょるか魔女さんのこのお言葉に全てのファンの方が同意することでしょう。

ブラームスのヘンデルバリエーションが1861年に作曲され、ハンマークラヴィアソナタは1818年に作曲された事実に震えるような感動を覚えます。ブラームスの作品の価値を低く見るということではなく、ハンマークラヴィアソナタを作曲したベートーヴェンの偉大さに対してです。小山さんの演奏を聴いて【ベートーヴェンは花の森の木陰で、髪をかきむしって喜ばれていることでしょう。】(まじょるか魔女さん)と思われるほど、小山さんはベートーヴェンの想いを完全に表現し尽くされた、永遠に記憶に刻まれる素晴らし演奏をなさいましたね。素晴らしいご感想を有難うございました。


★★小山さんへ:ブラームスの変ロ長調のバリエーションで幕を開け、シューベルトの変ロ長調のバリエーションで幕を閉じた第21回音の旅@宗次ホール・・・ハンマークラヴィアソナタの第3楽章の理想的な演奏現場に立ち会うことができた幸せに打ち震えています。ベートーヴェンの想いの全て・・・それが魂の籠った音として聴き手の心の隅々まで沁み渡りました。第4楽章の未来を見据えた輝かしい最終和音に到達し、止めどなく流れる涙を堪えることができませんでした。心から感謝しています。有難うございました。
Date: 2016/05/29/16:26:40 No.4553


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小山さんの意志の力に耕されるピアノという名の大地
まじょるか魔女
仙台と福岡での皆さまのご感想を拝読しながら待ちわびた「音の旅」・・・
5月28日(土)名古屋・宗次ホールにて、第21回「音の旅」を拝聴しました。
小山さんは濃い大地の色のような焦げ茶色のドレスで登場されました。

今回は大曲3曲の流れに、茶色と緑を基調に彩られた絵画を感じました。

✿ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ
ブラームス28歳の作品で、クララ・シューマンによって初演されたのですね。
冒頭の旋律・・・キラキラと大地に降り注ぐ陽光があたたかく射してきます。
ベートーヴェン亡き後に誕生したブラームスは直接の接点はないものの
ベートーヴェンの後継者としての意識を強くもっていたそうですね。
ハンマークラヴィーアの冒頭ファンファーレに通じる煌びやかで肯定感に満ちた音粒がホールに満ちていきます。
中間部の揺れながら下降する印象的なフレーズ。ド素人の魔女は今回予習するまで、
これがブラームスさんの作品だと知りませんでした。
ドラマかCMで耳にしたような・・・ドラマティックでお洒落な旋律ですね。
お天気雨の風景がうかんできます。大地に恵みの雨がシャワーのようにきらめきながら沁み込んでいきます。
1861年9月にこの曲は作られ、ブラームスは翌月 クララに宛てた手紙に
「あなたの誕生日のために、あなたがこれまで聞いたことがないような変奏曲を作りました」と記したそうですね。
この曲はラブレターなのだと気付きます。
クララはどのような思いでブラームスから楽譜を受け取り、演奏したのでしょうか。

✿バルトーク:ピアノソナタ
バルトーク唯一のピアノソナタ。
演奏前の 小山さんのお言葉「ピアノは歌う楽器であるけれど打楽器でもある」ことを露わにした、
ひたむきな打鍵に息を呑みます。
小山さんの打鍵がピアノという大地を耕し肥沃にしていきます。
意志を持った美しい鍬のように、小山さんの勁い指があらゆる鍵盤を掘り起こし、足元ではペダルを鋭く、
深く踏み込んでいきます。

✿ハンマークラヴィーア
「ハンマークラヴィーア」とは、ドイツ語圏で使われているピアノに対するドイツ語の呼称なのですね。
  この曲が『ハンマークラヴィーア』と通称されるのは、ベートーヴェンが作品101以降のピアノソナタに
  「ピアノフォルテ」に代わりドイツ語表記で「ハンマークラヴィーアのための大ソナタ」と記すように
  指定したことに由来するのですね。
  その後、この曲だけが『ハンマークラヴィーア』と呼ばれるようになったとのこと。
言うなれば、「ピアノ」というタイトルの曲なのでしょうか。この曲だけがなぜ?
その答えは、小山さんの演奏そのものでした。
冒頭のパパーンと竹を割ったような音のスパーク。
陽の光を浴びて雨が沁み込み、深く耕された地中から、若い樹がポン!と音をたてて大地に顔を出しました。
そして、するすると枝が伸び、パッ。パッ。と音をたてて花が開いていきます。
大地からみるみる花の森ができていきます。

エネルギーと躍動にあふれた第1楽章の光が眩しければ眩しいほど、第2楽章が心の闇を深くえぐります。
カデンツァ風の慟哭に悪魔的な焦燥感が塗り重ねられ、楽章がピアニシモで閉じるところに
底知れない不安が残ります。

第3楽章では花の森の木漏れ日がさす天空で 小山さんが神様と静かに会話をされています。
小山さんがピアノ、またの名を「羊と鋼の森」(本年の「本屋大賞」受賞作)と一体になって、
大地から天空までの豊かな連なりを導かれています。
雲間から花の森まで、天使の梯子が伸びて太陽光線が降り注いでいます。
天使の梯子・・・宮沢賢治は「光のパイプオルガン」と表現したのですね。
第4楽章の冒頭。リストはこのフレーズに「ラ・カンパネラ」のインスピレーションを得たのでしょうか。
フィナーレを予言するかのような鐘の音がひそやかに響きます。
後半は「第九」のドッペルフーガを彷彿とさせる、心の内のもつれる声が浮き彫りになり胸に迫ります。
左右でのトリルが心の襞をのせて千々の声はフィナーレで一つになり、ユニゾンで決意を込めて歌い切ります。
ベートーヴェンは作曲を通じて苦悩の底からある結論を得たのでしょうか。

1818年に完成されたピアノという名のソナタ。
ベートーヴェン自身が「今に50年もたったら弾けるようになるだろう」と語ったという
ピアニストに対して途方もない精神力と体力を要求する、音楽史上最長かつ最難解とも言われるこの曲は
200年近い時を経て 小山さんによって輝かしく演奏されたのです。
ベートーヴェンは花の森の木陰で、髪をかきむしって喜ばれていることでしょう。
決然としたフォルテシモで閉じられた 小山さんの演奏は、次の 小山さんの演奏に繋がります。
未来の扉が開かれたのです。 

✿アンコール
ベートーヴェンを崇敬していた シューベルトの即興曲:作品142-2及び作品142-3 を演奏してくださいました。          
ハンマークラヴィーアで張りつめた会場の空気が柔らかくほどけていきます。
変奏曲で始まり、変奏曲でしめくくられた本日の音の旅でした。
ブラームス、バルトーク、ベートーヴェン、シューベルトの音魂が花の森のあちこちに佇み、
小山さんの演奏を見守っているようですね。


今回の「音の旅」は、とさまさん、covariant さん、ぴあのふぉるてさん、ぴあのふぉるてさんのお友達ご夫婦、
ピア友さんとご一緒に拝聴できて、「旅は道連れ」を実感できる貴重なひとときでした。

小山さん、ピアノの持つ力を私たちに示していただいた音色が心の底まで響いてきました。
「ハンマークラヴィーア」1曲でも十分ですのに、音楽史上の変奏曲の歴史を飾る曲「ヘンデルの主題による
変奏曲とフーガ」、勁さみなぎる「バルトーク:ピアノソナタ」も共にライヴ拝聴できて幸せです。
小山さんの演奏される曲はことごとく「ハンマークラヴィーア」の連番をつけたくなります。
今回も一期一会の演奏を有り難うございました。
Date: 2016/05/28/22:46:35 No.4551


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軽井沢大賀ホール春の音楽祭
花葉
二週間過ぎてしまい、大変失礼します。
5月3日、小山さんのお誕生日に軽井沢大賀ホールの音楽祭で東京フィルさんとの公演に伺いました。
今回は、ホールを寄贈された大賀様ご夫妻が愛用されていたスタインウェイによるチャイコフスキーの協奏曲でした。いつものスタインウェイとは少し違う響きでしたが、明るい音色で、特に第2楽章に合っていたような気がして、とても心地良く感じました。
5月の涼しい軽井沢の中、情熱的で熱い演奏は大変素晴らしく、会場中が感動の渦となりました。私の二つ隣りの男性が目頭を押さえていて、それを見て私も感動が倍増しました。
小山さん、今回も素晴らしい演奏をありがとうございました!思い出深いゴールデンウィークとなりました。
Date: 2016/05/19/23:06:21 No.4549

Re:軽井沢大賀ホール春の音楽祭
ぴあのふぉるて
花葉さん、すてきなご報告をありがとうございます。
小山さんはこの日、昨年1月に「シューベルト:即興曲集」を録音されたピアノで、チャイコフスキーのピアノ協奏曲を弾かれたのですね。花葉さんの「… 特に第2楽章に合っていたような気がして、とても心地良く感じました」とのご感想から、CDに刻まれたのと同じ、温もりのある美しい音色を想像しました。

昨年ご紹介したバックナンバーになりますが、小山さんは「モーストリー・クラシック」2015年6月号「ピアノと私」第13回〜シューベルト「即興曲集」レコーディングについて〜の記事で、冬場の録音のこと、奥様より寄贈された故・大賀典雄氏のピアノとの出会い、調律師さんの陰でのお仕事ぶり、「…一音を出した瞬間に、なんと全員が魅せられてしまったのです」、ピアノとピアニストの相性、などを静かに熱く語っておられます。
小山さんが「この古いスタインウェイ」と出会われて、ホントによかった!

お誕生日の小山さん“生演奏”のチャイコフスキー:ピアノ協奏曲は素晴らしかったでしょうね。私など、昨年6月開催N響定期公演の“録画映像”でも、見るたびに目頭が熱くなります。
小山さんはこの作品を5/5 ラ・フォル・ジュルネ金沢でも演奏されましたね。

「モーストリー・クラシック」2016年6月号「ピアノと私」第25回〜ロシアとチャイコフスキー〜の記事では、ロシア音楽に感じる「太古からの目に見えない繋がりのようなもの」や(1982年コンクール入賞者の演奏LP、ロシアの作曲家の新曲作品2曲は小山さんの演奏で収録されていたそうです!)、チャイコフスキーの偉大さ、作品の初演のこと、などについてお話しになっています。
また、1994年、チャイコフスキー国際コンクールで審査員をお務めになった折の素敵な思い出も、ご紹介くださっています。
お知らせまで。
Date: 2016/05/20/19:40:50 No.4550


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音の旅リサイタル第21回 未来の扉を開いて
実稚恵さまの微笑み

4月半ばの地震発生から約1月。。。熊本では未だに余震が続いているようですが、こちらでは、収束に向かっているように思われます。
被災地の方々が1日でも早く元の生活に戻られるよう願うばかりです。

曇り空の下、博多の街に降り立ちます。かなり蒸し暑さを感じます。街角を歩く人々の装いも白を基調にしたものが目立つように思われます。
開場時間丁度にお馴染みのFFGホールへ到着しました。

開演に先立って、実稚恵さまが今回のプログラムについて説明をしてくださいました。
3大Bを揃えた(ただし、バッハは前20回公演時にゴルドベルク変奏曲を演奏されたので、今回はバルトーク)全24回のプログラムの中でも随一の力強さを持った構成で、力強い意志の力を感じるとともに、今回のキーワードは変奏とフーガであるとおっしゃっていました。

本日のプログラム

ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調作品24
バルトーク:ソナタ1926
ベートヴェン:ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」作品106

アンコール

シューベルト:即興曲作品142−2変イ長調
シューベルト:即興曲作品90−3 変ト長調

実稚恵さまは、赤味がかった光沢のある裾のきれいな茶色のドレスでステージに登場されました。ブラームスの変奏曲とフーガについては、定番のまさにオーソドックスな変奏で構成されているとのことでしたが、途中のファンファーレ風の部分があったり、終曲部分の想いがほとばしるような部分もあったり、祝祭的な雰囲気に包まれた充実の作品であると感じました。
ブラームスが想いを寄せたクララ・シューマンによる初演で熱狂的な成功を収めたというこの曲。。。。まさに実稚恵さまの演奏は現代のクララ・シューマンを彷彿とさせるダイナミックな感情の溢れる演奏でした。

打って変わって、近年の作品となるバルトークのピアノ・ソナタ。第1次世界大戦前の大恐慌の時代直前に作曲されたこの曲は、実稚恵さまが打楽器としてのピアノを表現した曲であるとおっしゃっていましたが、ジャズを連想させるような強烈なリズムと色彩。そして土俗的な雰囲気を感じさせる作品でした。実稚恵さまは「異質な部分をプログラムに配した」ようなことをおっしゃっていましたが、この曲も終曲部分に放たれるエネルギーは凄まじいものを感じました。

休憩をはさんでの大曲、「ハンマークラヴィーア」。実稚恵さまは、「超絶技巧のこの曲をベ―トーヴェンが貫いた信念を噛みしめながら全身全霊を込めて演奏したい」とプログラムの解説で書かれていますが、聴き手の私たちにも覚悟と真摯な態度でこの大曲と向い合うことを求められたように思いました。 

曲は長大で、ピアノが演奏する交響曲とも言えるスケールでした。演奏家にとっては、最高峰に挑むような準備と意志の強さをもって臨まれるであろうと思う作品ですが私にとっては、いささか巨大すぎて、心の平安と充足を感じさせる作品ではありませんでした。

そのような想いを癒すための選曲か、アンコールのシューベルトの2曲は気持ちを優しく癒してくれ、ほっとすることができました。慈しむような実稚恵さまの演奏に、やはり優しい心根を感じました。本当にありがとうございました。

心の旅シリーズもあと3回。通常のリサイタルとは違ったプログラムの深化も感じながら参加させていただこうと思います。
Date: 2016/05/17/02:55:27 No.4548


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【音の旅】第21回〜未来の扉を開いて〜 仙台公演:新しい演奏史の始まり
とさま
★オクターブ練習中様:ご投稿拝読しました。小山さんの素晴らしいところは、全ての動作が音楽に奉仕していることですね。私は、弱音で終わる音楽における小山さんの音楽的動作=【仝鞍廚ら指を離される⇒⊆蠅鮹茲防發せて、拍を取って魂を込められる⇒2擦完全に消えても、必要な拍を取られる⇒じ未鯢舛ようにして、手を膝の上に置かれる】に深く感動します。指揮者が最終音の減衰の間、あるいは静寂の中、休止符の拍をとり、最後にタクトを置くのと似ていますね(ぴあのふぉるてさんの素敵な投稿(4544)に関連のお話がありますね)。他のピアニストでは拝見したことのない、小山さんだけの素晴らしい音楽的動作ですね。これからもご一緒に小山さんを応援して参りましょう。

★小山さんのファンの皆様
「音の旅」第21回の初日公演は5月8日(日)に仙台で開催されました。

前回のゴルトベルク変奏曲の演奏史を塗り替える小山さんの歴史的名演と同じように、小山さんはベートーヴェンのピアノソナタ演奏史を塗り替えられました。様々な制約があってもおかしくない初日、しかも古今東西のピアノソナタの中でも、最難関のソナタ「ハンマークラヴィアー」と対峙され、このような空前絶後の奏楽をなさる小山さん・・・尊崇の念は深まるばかりです。

■ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 作品24
何という素晴らしい曲でしょうか。正統的な様式による変奏曲でありながら、紛れもないブラームスの思慮深い音楽に満ち溢れた、傑作中の傑作です。嵐の前の囁きのような静謐で香り高い第22変奏曲・・・かつて聴いたことのない快速のテンポで(最良の解釈!)、小山さんは最高のニュアンスで弾き切られました。第23変奏曲から第25変奏曲への推移・・・徐々にエネルギーが蓄積していき、ついには壮大なクライマックスを形成します。そして、巨大なフーガ、終結に向けての充実感!小山さんは、音楽を聴く歓びを約束して下さいます。

■バルトーク:ピアノソナタ
ピアノの打楽器的側面を楽しめるバルトーク新境地のソナタ・・・何度か拝聴させていただき、この曲の古典的側面の美しさも堪能できるようになりました。小山さんも、自由自在に楽しんで弾かれているご様子でした。聴き手も幸せになりました。

■ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」作品106

●第1楽章Allegroと第2楽章Scherzo
ベートーヴェンが指示したリタルダンドとフェルマータを除き、インテンポ設定が最大の効果を発揮した第1楽章、常軌を逸するほどの切迫感と悪魔的焦燥感に身の置き所の無くなる第2楽章スケルツオ中間部のプレスト・・・小山さんの奏楽は殊の外見事でした。また、両楽章に現れるロ短調の調性に支配されたフレーズでの底知れぬ深淵を覗かせる小山さんの表現に圧倒されます。ベートーヴェンが「黒の調」と呼んだロ短調・・・主調変ロ長調と疎遠の「黒い調」であるロ短調との間の相克!この調性間の相克の緊張感溢れる表現に見られる小山さんの卓越した奏楽の素晴らしさ!

●第3楽章:アダージョ・ソステヌート
神との対話、祈り、人生におけるあらゆる業が反映したような深遠なピアノ曲。人類が産み出した最も崇高な音楽・・・これに並ぶピアノ音楽は、同じベートーヴェンの最後のピアノソナタ第32番ハ短調作品111の最終楽章(第2楽章)かシューベルトの最後のピアノソナタ第21番変ロ長調D960しか存在しないのではないでしょうか。

音楽作品の表現において、テンポの設定は根源的に重要ですね。ベートーヴェンは、当時発明されて間もない、メトロノームに基づき、速度指示をしています。この第3楽章の指示は♪=92ですが、速過ぎると考えるピアニストが多く、20分前後で演奏されるのが普通です。小山さんは、速目のテンポを設定され、恐らく16分前後で演奏されました。

この曲の深遠さを表現するために遅めのテンポを取るピアニストが後を絶ちませんが、その結果、この曲の最も美しい楽想(楽節)を犠牲にしていることに、なぜ気付かないのか不思議でなりませんでした。ソナタ形式を取るこの第3楽章・・・再現部では、変奏曲のように、第1主題が32分音符で細かく装飾されて、この世のものと思えない美しい楽想に変容します。その32分音符で彩られた第1主題の後半でのト長調への転調の絶美の楽想!装飾が施された、この楽想の小山さんの奏楽・・・速目のテンポが理想的な音楽的環境を整え、音の全てに魂が籠り、最も深遠で感動的な美しさの極みに達したのです。過去のどのピアニストも表現できなかった、荘厳なる瞬間を小山さんは産み出されたのです。
そうです、私達は、荘厳ミサに参画したかのような錯覚に陥り、そこでは、ベートーヴェン(=小山さん)と神との間で対話が行われているかのようであって、聴衆は跪(ひさまず)いて、その荘厳な儀式に参加し、共に祈りを捧げるかのようでした。そのような時間空間を産み出した小山さんの音楽家としての卓越した存在にただただ圧倒されるのみです。

壮大な規模の第3楽章には、その他、至る所に霊感に充ちた崇高な美しさを湛えた楽想が散りばめられています。音響・音色の効果としても、ウナ・コルダ(una corda:左ソフトペダルを踏む)とトレ・コルデ(tre corde:ソフトペダルを離す)の頻繁なペダル交換が重要な要素となっています。それらを、人の心に沁み入る楽想として表現するためには、遅すぎるテンポでは叶わないと思いました。理想のテンポを設定された小山さんは、その上で、各楽想にベートーヴェンの想い、魂を注入することに成功されたのです。

そして内容豊かなコーダの小山さんの奏楽の素晴らしさに言葉を失います・・・安らぎに充ちた第2主題の低音の音型から始まり、それが高音で反復された後、悲愴感漂う和声を用いてクライマックスに昇り詰めます。その直後、全く間を置かずに、音楽をウナ・コルダ(una corda:左ソフトペダルを踏む)へと移行させる小山さんの繊細な表現は聴き手の胸を打ちます。かくして、感動的な終止を迎え、小山さんは、アルペジオ和音の最後の音を、永遠の時間を感じさせるかのように響き続かせたのです。そして、一瞬の静寂の音楽を経て、休止することなく第4楽章の冒頭ラルゴの静かな楽音が響くのです。

■第4楽章:Largo; Allegro resolute (Fuga)
瞑想的な楽想のラルゴ、途中Vivace, Allegro, Largo(TempoI)を挟み、凄まじいエネルギーの噴出を伴うPrestissimoを経て、ついにはAllegro risoluto(きっぱりと)と書かれたフーガへの爆発的導入部に突入するのです。

230小節にも余るフーガは苦悩のフーガです。ベートーヴェンは、精神的に深奥の世界で闘争し、人生における全ての負の業、あらゆる理不尽な仕打ち、困難、艱難(かんなん)、不正、混沌、裏切りから打ち克つために、この230小節の苦難の業を強いるかのようです。小山さんの奏楽はもはや神業の領域に達しています。この厳しい業を凄まじいffの和音で終えて、休止符が入ります。

そして遥か彼方から流れてくるのは、穏やかなニ長調のコラールです。ベートーヴェンの大作 荘厳ミサ曲のグロリアの中(Gratias agimus tibi:わたしたちは感謝します、あなたに)によく似た旋律が登場します。ここでの小山さんの奏楽は感謝の祈りのように聴こえました。しかし、その静謐な時間は長くは続かず、再び現世に戻り、ベートーヴェンは最後の闘いの仕上げに入るのです。

100小節余りに短縮された第2のフーガ群では、混沌とした要素は減じられます。最後には溶融塩のように、全ての要素が熱く溶け合いながら、解決の糸口を見出すかのようです。低音で、凄まじいトリルの音型が地響きのように鳴り渡る中、現世のあらゆる正負の要素が音符で駆け巡り、やがて凝結するかのような楽想に圧倒されます。ここでの小山さんの表情は鬼気迫るというよりは、神々しさを感じさせる表情であり、不思議と音楽は温かい眼差しを感じさせる音楽に変容していました。

そして、最後の17小節・・・・両手ユニゾンでの音階で下降し、強烈なトリルと深々とした和音が交互に繰り返され、全体としてより強い音を求めつつ2つのffの和音まで上り詰め、最後のフェルマータ付和音が最大音量で轟いて終わるのです。

茫然自失とはこういう演奏を聴いた後のことを言うのでしょうか。

■アンコール
鳴り止まぬ拍手に、アンコールとして小山さんは2曲弾いて下さいました。

シューベルトの即興曲作品90の3及び作品142の2です。ベートーヴェンの凄まじく疲れるフーガを聴いた後に、これほど心安らぐ音楽はありません。そうして、ベートーヴェンという作曲家が1818年という年に、あのような破格な、現代音楽のような作品を書いたという事実に驚嘆せざるを得ません。バルトークの方が古典的に聴こえてしまうのですから、とんでもないことです。

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「音の旅」第21回のプログラムによる公演は、福岡、札幌、名古屋、大阪、東京と続きます。仙台公演の小山さんの卓越した演奏を越えるピアニストは小山さん以外にいらっしゃらないでしょう。小山さんの素晴らしいブラームス、バルトーク、そしてベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」ソナタを皆様も各地でお楽しみ下さい。

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★小山さんへ:初日公演であったにも関わらず、かくも素晴らしい音楽体験をさせていただき感謝・感激しています。「ハンマークラヴィーアー」ソナタの第3楽章の小山さんの演奏は神々しく、記念碑的な演奏として聴衆の心に永遠に刻まれることでしょう。ベートーヴェンの偉大さをこれほどまでに感じさせた演奏にかつて接したことがありませんでした。『未来の扉を開いて』と小山さんが題を付けられた第21回の「音の旅」ですが、小山さんの演奏が新しい演奏史のページを開かれたのではないでしょうか!深い感謝を込めて・・・誠に有難うございました。

とさま
Date: 2016/05/10/01:44:37 No.4547


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第21回 「 音の旅 」 〜未来の扉を開いて〜 仙台公演
オクターヴ練習中
とさま様 covariant様 ぴあのふぉるて様 リプライでのこころあたたまるコメントをいただきまして、ほんとうにありがとうございます。



”小山実稚恵さん ”の 音の旅 仙台公演 

第21回 〜 未来の扉を開いて 〜

こげ茶 : 大地・地球・力強さと大きさ



今回も、運良く、手の動きがよく見える席に座ることが出来まして、”小山実稚恵さん ”の演奏を拝聴することが出来ました。今回の演奏も本当にすばらしく、ピアノに向かうすべての人に、見て戴けたらいいのに、という感想を持ちました。ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 作品24」、バルトークの「ソナタ」(1926)は、はじめて耳にする曲なのですが、予備知識のない自分でも、曲の愉しさや、作曲家の気持ちが感じとれるような演奏でした。かなりテンポがはやい曲で、食い入るように”小山実稚恵さん ”の指使いを観ていたのですが、曲のテンポが速くなるほどに、”小山実稚恵さん ”の手根骨がしっかりと見えてきて、両肩は付け根の位置を維持してくるようにも思えました。指の運び、手根骨の角度、肩の位置、などなど、ほかにも、観ることでしか伝わらないこともたくさんあるとおもいます。誰にでも、ピアニストの速い指使いを拝見することのできる、数少ない機会と言ってもいいのでは、とも思えまして、メッセージをさせていただきました。ベートーヴェンのソナタ 第29番 変ロ長調 「ハンマークラヴィーア」も素晴らしかったです。演奏されることの多いこの曲は、きっと自分よりもいいメッセージが出ると思います。とってもすばらしい演奏を観ることができた「 音の旅 」仙台公演でした。
Date: 2016/05/08/20:20:04 No.4546


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黄金のデュオによる心に深く沁み入る至高・至福の演奏
とさま
★実稚恵さまの微笑様(4543):小山さんのグリーグのピアノ協奏曲の演奏・・・素晴らしかったのですね。第1楽章終盤のカデンツアに感動されたのですね。【オケは完全に休止し、実稚恵さまの迫力あるスケール大きなピアノの演奏が会場に鳴り響きます。】・・・きっと聴衆の皆様は固唾を呑んで聴きこまれたのでしょうね。小山さんは、アンコールでスクリャービンの左手のノクターンを演奏されたのですか。【興奮を癒すような、清涼感に満ちた演奏でした。】・・・どんなに美しく会場に響き渡ったことでしょうか。臨場感溢れるご感想を有難うございました。

★ぴあのふぉるてさま(4544):小山さんのグリーグ、珍しいですね。イ短調という調性の響きが、ぴあのふぉるてさんの仰る名言=【清々しい森の新緑の香りと、フィヨルドの断崖を思わせる力強いエネルギーあふれる音楽】を産み出したのかなと思いました。実稚恵さまの微笑さんのお言葉= 【大自然と人間の営みを讃えるような力強いフィナーレに感極まってしまいました。】とも重なりますね。【本当に澄み切ったきれいな空気!森林浴をした気分です。】・・気分が爽やかになりました。小山さん、お喜びでしょう。有難うございました。

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★小山さんのファンの皆様
音の幻想第3回 小山実稚恵&堤剛〜華麗なるデュオ・リサイタル〜
兵庫県立芸術文化センターのKOBELCO大ホールでの「音の幻想」シリーズ・・・第3回は、小山さんのピアノソロで、ショパンのワルツから7曲、そして堤剛先生と小山さんのデュオでシューマン、ベートーヴェン、ブラームスの名作が演奏されました。曲目とアンコールは次の通りです。

≪曲目≫
●ショパン:ワルツ第3番イ短調op.34-2「華麗なる円舞曲」
●ショパン:ワルツ第17番イ短調(遺作)
●ショパン:ワルツ第9番変イ長調Op.69-1(遺作)「別れのワルツ」
●ショパン:ワルツ第10番ロ短調Op.69-2(遺作)
●ショパン:ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
●ショパン:ワルツ第6番変二長調Op.64-1「小犬のワルツ」
●ショパン:ワルツ第1番変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」
  ピアノ独奏:小山さん
●シューマン:民謡風の5つの小品集作品102
  チェロ:堤剛先生 ピアノ:小山さん
  〜休 憩〜
●ベートーヴェン:魔笛の主題による7つの変奏曲
●ブラームス:チェロソナタ第2番ヘ長調作品99
   〜アンコール〜
●サン=サーンス:「動物の謝肉祭」より白鳥
●ラフマニノフ:チェロソナタから第3楽章アンダンテ
 チェロ:堤剛先生 ピアノ:小山さん

■ショパンの7つのワルツ
ワルツ第3番イ短調op.34-2「華麗なる円舞曲」を冒頭に置かれた小山さんのプログラミングの妙に強く心を動かされます。それは、lento(ゆるやかに)と速度表示されたこのワルツ冒頭16小節の哀愁に充ちた主題・・・低声部の持続音や内声部の旋律(ピアノの左手)から、チェロの響きが聴こえてくるからです。そうです、今宵は、チェリストの堤先生と小山さんのデュオの夕べでもあるのです。ショパンは、ヴァイオリンソナタは作曲しませんでしたが、チェロソナタは書いていますね。きっとショパンは、チェロが好きだったのではないでしょうか。小山さんの詩情豊かな演奏の美しさに溜息が零れます。途中、16小節から成るイ長調に転調するsostenuto(音の長さを十分に保って)の新しい主題と、それがほぼ同じ音型でイ短調で反復されることで産れる感情の転移の機微は、例えようのないほど見事な音楽的感興を呼び起こしました。

ショパンは、全19曲のワルツの内、6曲を短調で作曲しています。小山さんは、その内4曲を選んで演奏して下さいました。特に、前述の第3番イ短調と第7番嬰ハ短調のワルツは、他に変え難い深い詩情を湛えた名作ですね。小山さんの慈しみ深い愛情に充ちた表情は聴き手の心を優しくします。

19曲のワルツの中から7曲を選ばれた小山さんの観点について、プログラムに小山さんのお言葉がありました。

【ワルツの踊りは旋回を特徴としています。ですから、今回のプログラムでは、ワルツの循環ということを考えて、ちょっと寂しい雰囲気のワルツ、しっとりとした落ち着きのあるワルツ、明るく華やかなワルツなどを組合わせていって、最後にショパンのワルツのうちで最初に出版されて大ヒットとなった、もっとも華麗なワルツ、第1番変ホ長調作品18に戻ってくる、という配列にしました。】(小山さん:プログラムより)

その華やかなワルツ第6番「小犬のワルツ」と第1番「華麗なる大円舞曲」の小山さんの演奏は躍動美に満ち溢れ、清々しい感動を呼び起こしました。今回小山さんが選ばれた7曲は、イロハニホで調性が並んでいるのも偶然でしょうか・・・この並び方によるワルツの聴き方は秀逸だと感じ入りました。小山さんのピアノで残るワルツも聴けると嬉しいと思いました。

■堤先生のメッセージ(プログラムより)
プログラムには「音楽の始まる前に 〜小山実稚恵さんとの共演に寄せて〜」と題した堤先生の素敵なメッセージが掲載されていました。その中で堤先生は「(前略) 勿論ピアニストとしての技量、深く幅広い表現力は超一流のものですが、造っていかれる一音一音が真に素晴らしく、一緒に演奏しながら知らず知らずのうちに小山さんの音楽世界に魅き入れられてしまいます。そして何と素敵なお人柄なのでしょう!私には大勢いらっしゃる小山さんのファンの方々は、彼女の持つ人間としての暖かみあふれた音楽の虜になってしまわれたのだと思えてなりません。私もその一人ですが。」(堤先生:プログラムより)のように、ピアニストとしての小山さんの技量と素晴らしいお人柄を讃えていらっしゃいます。堤先生は世界最高峰のチェリストですし、そして堤先生の温かい包容力のあるお人柄に魅かれるファンが大勢いらっしゃる点で、堤先生も小山さんと同じですね。

■堤先生と小山さんのデュオ演奏
●シューマン
プログラム前半の終わりに、堤先生と小山さんのデュオによるシューマンの「民謡風の5つの小品集作品102」が披露されました。変化に富んだこの佳作・・・チェロとピアノのアンサンブルを堪能できます。鮮やかなピアノの楽想が嬉しい第1曲、抒情的な楽想が魅力的な第2曲、胸のすくような潔い終結を持つ第4曲、エキゾチックな香りのする第5曲・・・いずれも素晴らしい曲ですが、白眉は第3曲でした。イ短調の変則的なリズムを持つ主部が印象的ですが、何と言っても中間部の温かい憧憬に溢れた曲想に強く魅かれます。チェロの重音の運びが聴き手の胸にずっしりと響き、ピアノの分散和音風の美しいパッセージが彩を添え、いやが上にも感動が高まっていきます。

●ベートーヴェン
ベートーヴェン作曲の魔笛の主題による7つの変奏曲から後半は始まりました。作品番号を持たないこの作品・・・堤先生と小山さんの手にかかると、一大傑作に変容します。モーツアルトの歌劇「魔笛」の中の王女パミーナと鳥刺しパパゲーノの感動的な二重唱を主題にした変奏曲・・・その主題を奏する堤さんと小山さん、二人の卓越した芸術家が演奏するのです。主題は、ベートーヴェンらしく展開し、チェロとピアノのアンサンブルがいよいよ冴え渡ります。両者の音楽が融合し、天国的な美しさに昇華されて行きます。お二人の温かいお人柄も音楽に反映され、澄み切った眼差しを感じさせる音楽の佇まいが殊の外感動的で、涙が止めどもなく溢れてきました。

●ブラームス
ブラームスのチェロソナタ第2番ヘ長調作品99は名曲ですね。ブラームスは、1886年の夏の休暇をスイスのベルンに近いThun湖畔の Hofstettenで過ごし、友人の詩人・作家のJoseph Victor Widmannとの議論に啓発されて、作品番号100前後の名作を生み出しました。ヴァイオリンソナタ第2番(op.100)、第3番(op.108)、ピアノ三重奏曲ハ短調(op.101)、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(op.102)などと共に、このチェロソナタ第2番は作曲されたのです。チェリストであるロバート・ハウスマンを想定して作曲したとされています。それだけに、チェロがハイポジションで旋律を高らかに歌ったり、チェロでは珍しい、トレモロがピアノ共々頻繁に現れたり、音の跳躍や動きの速い音階など、チェロの名人芸が盛り込まれた作品です。そして、ピアノパートが何と素晴らしいことでしょうか!

第1楽章冒頭のピアノの鮮やかなトレモロの開始を受けてチェロがハイポジションで奏する第1主題の活き活きとした旋律に心を奪われます。そして、小山さんのピアノがハ長調で奏する第2主題の何と鮮やかで颯爽としていることでしょうか!三部形式で書かれた嬰へ長調の第2楽章Adagio affettuoso(緩やかに、やさしく愛情を持って)・・・チェロのピッチカートによる旋律的(!)主題で始まり、深々とした響きのピアノが二重主題的にそれを支え、チェロがすぐにアルコ(=弓で:ピッチカートから元の弓に戻るという意味)に戻り、ピアノが更に手厚く支えていきます。中間部は第2主題がヘ短調で提示されます。小山さんのピアノによる32分音符の半音階的動きがとても美しく、さらに転調を重ねて、いよいよピアノとチェロは融合して音楽の深みに入っていきます(第1主題と第2主題の両方が融合していきます)。ここでの表現は、ブラームスの人生の全てが反映したかのようであり、フェルマータ付の最終音に堤先生と小山さんはブラームスの想いを実に感動的に注入されたのです。

Allegro passionate(速く、情熱的に) の第3楽章はスケルツオ風の楽章。変わった動きをするピアノとチェロのバランスは難しいはずですが、実に鮮やかなアンサンブルを堪能できました。小山さんの深々としたエネルギッシュな和音の響きが胸に迫ります。

そして、短いのに、何とも独創的で沢山のメッセージの詰まった終楽章Allegro molto(非常に速く)は本当に魅力的な音楽です。Vivace(活発に)と記された最後の6小節における小山さんのピアノの奏楽は誠に見事。右手の三連音符を支える左手のスタッカートがついた跳躍する伴奏音型を鮮やかなフォルテで弾き切ることで、その後の上下行分散和音のスケールが見事に映え、終わりの2つの和音がこの上もなく効果的に響くのです。何と佳い曲だろうと感じさせる見事な終結に、お二人への深い感謝の気持ちを込めた拍手は鳴り止みません。

■アンコール
一曲目はサンサーンスの動物の謝肉祭から「白鳥」・・・この世のものとは思えない美しい旋律をチェロが朗々と歌い、小山さんのピアノが彩を添えます。会場は温かい雰囲気に包みこまれました。

鳴り止まぬ拍手に応えて、堤先生が次のような趣旨のお話をして下さいました。

「・・・・プログラムにも書きましたが、わたしも小山さんのファンです。小山さんのショパンはもちろん素晴らしいですし、どの作曲家の作品の演奏も素晴らしいです。特に、わたしは小山さんのラフマニノフが好きなんです。ですから、これからラフマニノフのチェロソナタの第3楽章を演奏します。」(堤先生)

堤先生のチェロと小山さんのピアノでラフマニノフのチェロソナタの第3楽章アンダンテが聴ける!聴衆がどよめきます。ピアノ協奏曲第2番と同時期に書かれたチェロソナタ・・・その第3楽章、息の長い旋律美や繊細なピアニシッモから輝かしいフォルテシッモまで音量のダイナミックスが見事で、ラフマニノフのロマンティシズムが最良の形で刻印されています。聴き手の身も心も溶けてしまうような音楽です。

espressivo(表情豊かに)と表記された、冒頭のピアノの独白(モノローグ)・・・二重の分散和音による伴奏を背景に右手が美しいメロディーを表情豊かに歌います。この歌をチェロが引き継ぐ瞬間の美しさ、朗々と歌われる旋律美に我を忘れます。やがて、チェロの動きのある三連音符での同音反復をベースに、ピアノは分厚い和音で大きなクライマックスを築きます。大地を轟かすような凄まじいフォルテシッモの音がホールを充たします。ラフマニノフのピアノ協奏曲や独奏作品の最高の奏者である小山さんのピアニズムが全開し、空前絶後の感動的な音楽的クライマックスが実現したのです。そして、やがてピアノの連続する三連音がチェロを盛り上げ、第2のクライマックスを経て、ピアノが長い弧を描くように興奮を鎮めていき、最後は三点トまで上昇し、チェロの持続音を背景に、柔らかく優しい和音が静かに鳴り響き、感動的な静寂を迎えたのです。

チェロの響きを想起させる、ショパンのワルツ第3番イ短調で幕を開けた公演、最後は、ショパンと同じように、ヴァイオリンソナタを作曲せずに、チェロソナタの名曲を残した、ラフマニノフの傑作で幕を閉じたのです。


■チェロとピアノの世紀のデュオ
かつて、ピエール・フルニエとヴイルヘルム・ケンプあるいはヴィルヘルム・バックハウスとの組合せは世紀のデュオあるいは黄金のデュオと呼ばれた時代がありました。この名チェリストと名ピアニストとの組合せによる名録音が数多く残されています。堤先生のチェロと小山さんのピアノによるデュオは間違いなく今世紀を飾る黄金のデュオとして確たる地位を築かれることでしょう。小山さんと堤先生は、音楽家として、人として互いに深く尊敬されていらっしゃるのでしょう。その尊いお気持ちに支えられ、かくも芳しい素晴らしい魂の音楽が産み出されたのでしょう。次の、お二人の共演を楽しみにしています。

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★小山さん・堤先生へ:堤先生と小山さんのデュオによる心に深く沁み入る至高・至福の演奏・・・これほど深く音楽の真髄に触れた演奏に接することができて、本当に幸福です。堤先生の演奏も小山さんの演奏も、楽器を超越していて、奏者と楽器との境界が消失したかのようであり、溢れ出てくる魂の籠った音楽に身を浸すことができることは、この上ない歓びでした。心から感謝しています。有難うございました。

とさま
Date: 2016/04/30/21:37:44 No.4545


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