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音の旅 いよいよ佳境〜「音の旅」第22回 〜心の歌〜 福岡公演
実稚恵さまの微笑み

私たちファンの歳時記とも言える実稚恵さまの音の旅リサイタルシリーズも残すところあと3回。テーマは「心の旅」イメージカラーはグレーベージュ。静謐さと言う言葉が実稚恵さまの記されたプログラムにありましたが静かにそして深く、終盤へと向かっていくのでしょうか・・。

大阪、東京公演を残すだけとなった、しかも久しぶりの夜の公演。半年ぶりの実稚恵さまとの再会に11月11日を待ち望んでいました。

晴天の好天の下、駅に出向くと、なんと福岡〜北九州市間の架線切断事故による停電で列車のダイヤが乱れているとの情報。高速バス乗り換えも脳裏に浮かんだのですが、JR切符を買っていたこともあり、ままよとそのまま乗車。。しかし、各駅ごとに停車を繰り返すというまるで双六のような運行状況に嵌まってしまい、開演時刻にやっと小倉駅到着し、新幹線に乗り換えて会場へ到着したのと同時に第一部が終了となってしまいました。

本日のプログラム(実際に拝聴できた演奏のみ)
シューベルト:ソナタ第20番イ長調
アンコール
シューベルト:即興曲OP90−4
シューマン:トロイメライ

舞台上に置かれたぐっと渋い風情の生花。横たわった枯木の枝間に配された深紅の花弁が印象的です。実稚恵さまは高貴な鶯色のドレスを身に纏いステージに登場されました。

集中力を以てピアノに向かわれシューベルトの詩情の世界を丁寧に紡いでいきます。
静けさの中にもときおり顔をのぞかせる激しさ。。実稚恵さまも魅了されてやまない歌心あふれる旋律。。。深く心にしみわたり感動が刻まれます。

死を前に高い境地へ達した心情と、相反する本能とも言える恐れ。そのような感じを私は聴いていて感じました。何度も何度も聴きこむことで、もっと深い心を感じることができるのだろうか。。そんな想いも感じる実に丁寧で慈しみに溢れた演奏。秋の夜に相応しい素晴らしい演奏に感謝の想いを感じたひとときでした。

実稚恵さま。本当にありがとうございました。

トロイメライのしっとりとしたアンコールで終曲となりサイン会に並びました。

聴くことのできなかった、悔しくも残念な前半のベートーヴェンのソナタとブラームスの小品集。12月の蘭島閣ギャラリーコンサートで演奏されますかと実稚恵さまに、お尋ねしましたがまだプログラムは決めていないとのお返事でした。今夜のリベンジ?を兼ねて久しぶりに訪ねてみようかなと思い帰路へ就きました。

PS

最新ベスト盤カンタービレ12月7日発売というポスターが封入されていました。新譜がベスト盤というのは、ちょっとさびしいですが新たに1枚、実稚恵さまのCDコレクションが増え嬉しいです。美しいジャケットの新譜を手にとってみたいものですね。


Date: 2016/11/12/22:18:53 No.4626

Re:音の旅 いよいよ佳境〜「音の旅」第22回 〜心の歌〜 福岡公演
ぴあのふぉるて
実稚恵さまの微笑み様
11日は待ち焦がれた半年ぶりの「音の旅」福岡公演でしたのに… JR九州の架線切断事故による停電の影響で、電車の遅延にまきこまれてしまったのですね。
大変な状況の中、ようやく会場に到着なさったときには第一部が終了していたなんて! 本当にホントに残念でしたね。
あぁぁ、微笑みさん…かわいそう。と思わず声をあげてしまいました。

でも、シューベルトに特化した素晴らしいご感想を拝読して、後半だけでも間に合われてよかった!と思いました。
お気持ちのこもったご感想、深く心に響きました。
微笑みさんの穏やかでお優しいお人柄がにじみでていますね。
出だしの素敵なお言葉「私たちファンの歳時記とも言える…」から引き込まれました。
小山さんのサイン入りのページのお写真も、嬉しいです。
私だったら、おそらく怒りと悲しみと悔しさで冷静さを失い、感想レポートなど書けないと思います。

もしかすると今回のことは、微笑みさんを来月、広島・蘭島閣ギャラリーの演奏会に誘うための、神様のいたずらだったのかもしれませんね。
リベンジ?を兼ねて、ぜひ遠征なさっていらしてください!
当日のプログラムに、ブラームスの作品118も入るといいですね。
(この作品は小さな会場にも似合うような気がします…)

では、どうぞお身体お大事に。

p.s. 12/7発売のベスト盤CD「カンタービレ」、楽しみですね!
Date: 2016/11/14/00:05:30 No.4627

Re:音の旅 いよいよ佳境〜「音の旅」第22回 〜心の歌〜 福岡公演
実稚恵さまの微笑み
ぴあのふぉるてさま

早速、リプライいただきありがとうございます。日頃は、ぴあのふぉるてさまのメッセージには全く返事をしない私なのに、こんなにも温かいお言葉をかけてくださり感謝いたします。

いよいよ、「音の旅」第22回 もオーチャードにて秋楽ですね。ご存分にお楽しみください。まさとさまをはじめ、ファンの皆さま方にも、よろしくお伝えくださいませ。
Date: 2016/11/15/23:48:38 No.4631


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「音の旅」第22回 札幌公演&北の星座音楽祭 名寄公演: ブラームスの魂が語りかけてくる至高の演奏
とさま
小山さんのファンの皆さま

11月3日に札幌キタラホールで開催された第22回「音の旅」及び11月5日に北海道名寄市のエンレイホールで開催された「北の星座音楽祭」の本年度最後を飾る小山さんのリサイタルに行って参りました。同一プログラムでの公演です。今回は、ブラームスの作品を中心にリサイタルの模様をご報告しますが、まずはベートーヴェンについて少しお話しします。

■ベートーヴェン作曲 ピアノソナタ第30番ホ長調作品109
第3楽章(主題と6つの変奏及び主題の回想)の小山さんの演奏の素晴らしさに言及しない訳にはいきません。【情感】と【舞曲】の2つの要素を併せ持つ主題…小山さんは凡そ♩=46~47の(やや)速目のテンポを設定されました。その結果、至難とされる2つの要素の音楽的融合が実現されたのです。ベートーヴェンの指示通り、小山さんは“極めて親密な感情を込めて十分に歌いながら”、同時に3拍子のワルツの律動的要素を背景にそっと忍び込ませたのです。2つの要素から成る主題に込めたベートーヴェンの真実の想いを初めて聴くことができた歓びに胸が高鳴ります。主題のテンポは、第1変奏、第4変奏、第6変奏に決定的影響を及ぼします。♩=50に届かんとする速目のテンポを設定されたことで、第3楽章全体が構造的に強固になったばかりか、音楽的な統一感が見事に整ったのです。かくして小山さんは、揺るがないテンポを維持したまま第6変奏の壮大なクライマックスに到達し、前人未踏の名演奏を札幌と名寄で披露されたのです。


■ブラームス作曲 「6つの小品 作品118」
ブラームス(1833年〜1897年)1892年の作品。「ピアノで綴るロマンの旅」及び「音の旅」前回プログラムの冒頭を飾った〔ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ〕あるいは同第7回プログラムのメインだった〔ピアノソナタ第3番ヘ短調〕に代表される初期・中期の壮大な曲想とは対照的に、ブラームスは晩年、作品116(7曲)、作品117(3曲)、作品118(6曲)、作品119(4曲)と言った滋味あふれる性格的小品を立て続けに作曲しています。

作品118は、4つの間奏曲、1つのバラード(第3曲)と1つのロマンス(第5曲)から成る作品で、中でも第2曲「間奏曲」は有名です。小山さんも「ヴォカリーズ」のCDで選曲され、素晴らしい演奏をなさっています。今回は、最大の聴き曲(もの)と言ってもよい作品118の第5曲「ロマンス」と第6曲「間奏曲」の2曲についてご報告します。第2曲「間奏曲」をお好きな方は、小山さんの演奏を聴かれれば、きっと第5曲「ロマンス」が大好きになると思います。

≪作品118第5曲「ロマンス」へ長調≫
A-B-A’の 3部形式 (A'はAを縮小しています)の曲です。

調号がヘ長調で、基本的に4声部から成るアンダンテのAでは各声部の流れや和声の移ろいが美しく、旋律も心に沁み入ります。6/4拍子ですが、4小節毎に3/2拍子のように聴こえ、それが独特な味わいをもたらします。ブラームスの優しさが滲み出た素晴らしい音楽です。

そして、調号がニ長調に変わってのアレグレット・グラチオーソ(Allegretto grazioso:やや速く、優雅に)の中間部のBは大変な聴き所でしょう。Bは4小節の主題と6つの変奏フレーズ(4小節ずつ)と見ることもできます。右手は、文字通り、優雅極まりない旋律が無重力状態の中で浮遊するかのようですが、それを左手のオスティナート(同型リズム、音程、和声の反復)の伴奏形が支えます。右手旋律は、8分音符→3連8分音符→16分音符と徐々に律動的になり、行き着く先に待っているのはまるでハープのような絶美のアルペジオ風の楽想です(音符の細分化はベートーヴェンの作品109の第3楽章の第6変奏とのつながりでしょうか)。この12のアルペジオ音は、インティメートに優しく鐘のように鳴ります。

弛まないオスティナート伴奏の1拍目のD音の継続も鐘を連想させます。主題と各変奏フレーズの4小節目に付けられたG♯のトリルが優美さの極みを演出します。小山さんの奏楽の美しさには溜息が漏れます。きっと小山さんは、アレグレット・グラチオーソの楽想をこよなく愛しておられると確信します。アンダンテのA'の再現部に移行する繋ぎの3小節は、夢の中で浮遊していたブラームスが目を覚まして、現実の世界に戻る過程のようです。

アレグレット・グラチオーソと言えば、1881年に完成されたピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83の第4楽章「Allegretto grazioso」を想い出さずにはいられません。調号は異なりますが、音楽の在り方にある種の共通性が認められ、ブラームスは11年前の作品を密かに回想していたのかもしれません。

凝集された再現部A'における最後の和音は、永遠に終わることが無いのではないかと思わせるほど、小山さんは音の減衰を見極められ、完全な静寂の中でも音楽を創造されていました。その静寂を経て、最後の第6曲に移行されたのです。


≪作品118第6曲「間奏曲」変ホ短調≫
これもA-B-A'の3部形式です。
温かく幸せな「ロマンス」と比べて、何と哀しい音楽なのでしょうか。開演直前、小山さんは【あらゆるピアノ作品の中で一番孤独で寂しい曲なのではないでしょうか】と仰られました。本当にその通りで、寂寥感に満ちた陰鬱な主題が不安を背負ったブラームスの内面の吐露のような形(音楽)で提示されます。

冒頭の単旋律による主題は、グレゴリア聖歌の「怒りの日(ディエス・イレ、Dies irae)」の冒頭と酷似(こくじ)しています。「怒りの日」はキリスト教典礼における世界終末に関係しています。ブラームスが意図的に援用したかどうか定かではないですが、ブラームスの悲劇的な曲想と絶望感の吐露は、「怒りの日」のテキストと呼応するかのようです。

冒頭主題を受けて、左手が地の底から這いだすかのようにアルぺジオで応答します。このアルペジオはいわゆる減七(げんしち)和音と言われる和音です。苦悩や哀しみ、あるいは怒りや恐怖、慄(おのの)きを表現するのに使われます。小山さんの第22回のプログラムにおいても、ベートーヴェンでは第1楽章の第2主題「Adagio espressivo」冒頭の和音が減七和音ですし、またシューベルトでは第2楽章の中間部で減七和音が多用されています。3部形式のA部分での小山さんの集中力に溢れた奏楽に言葉を失います。これほどブラームスの心情に寄り添った演奏に巡り合えることは、今後、小山さんの演奏以外にはあり得ないと思いました。それほど極限的な演奏でした。

中間部のBは、変ト長調に転調し、ソット‐ボーチェ(sotto voce小声でささやくように)で始まります。しかし、やがてA部分で鬱積していた苦悩や哀しみと言った感情を振り払うかのように、技巧的で劇的な楽想に移行していきます。重厚な和音とオクターブ、スタカートを多用した、堂々とした雰囲気が実に見事です。ffのクライマックスではシンコペーションを伴う「怒りの日」の旋律が絶叫のように轟きます。B部分全体の小山さんの壮大かつ深い精神的な演奏は言語に絶する素晴らしさの極みです。

 再現部(A')では、再び哀しく絶望的な音楽が始まります。曲の末尾近く、「怒りの日」の旋律がクレッシェンドして行き、絶望的な和音がsff(スフォルツァティッシモ:その音だけをきわめて強く)で鳴り響きます。この和音でブラームスは何を表現したかったのでしょうか?悲劇的な運命への抵抗なのでしょうか?この和音に込められた小山さんの想いは、ブラームスの想いと共鳴し、かつて聴いたことのない凄絶な響きに変容しました。そして、最後は、lentoで主3和音のアルペジオで静けさの中で終わりを告げます。小山さんのこのアルペジオの奏楽・・・最後のE♭の音に注がれた優しい眼差しが、ブラームスの全ての過去の苦悩を吸収したかのように響き、聴き手を深い感動の世界に誘うのです。

 ブラームスの作品118は、構成する6曲全てが弱音で消え入るように終わります。小山さんの奏楽を通じて、聴き手の心の最も深いところにブラームスの魂が語りかけてくるかのようです・・・至高の演奏。


■雪の名寄での小山さんの公演
 名寄では、例年より4週間前後早くの積雪となりました。一面雪景色の中での小山さんの名寄公演・・・それは神秘的ですらありました。雪は音をよく吸収しますので、辺りは更に静寂になりました。都会の喧騒を離れた、静寂を醸し出す雪の降る名寄での小山さんの演奏・・・ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトが故郷を求めて名寄に訪れてきたかのような錯覚に陥りました。

 名寄で初めてお目にかかったあるご婦人のお言葉です:【小山さんの音には魂が籠っています。最初の音から全てが違います。一つ一つの音が繋がって音楽が出来上がるとすれば、一つ一つの音に魂が籠っていなければ音楽にはならないですよね。小山さんの演奏は、全ての音に魂が籠っている。だから、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの「心の歌」を聴くことができるのだと思いました。技術は大切だけれども、それよりもっと大切なことがあることに気付いているピアニストは少ないと思います。】

 深く同意し、お話しが弾み、幸せなひと時を過ごすことができました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:札幌と名寄とでは演奏環境(ホール、ピアノ、気候)が随分異なっていましたね。幹の部分は不動でも、場所によって音楽が異なって聴こえました。やはり一期一会の演奏を満喫しました。福岡、大阪、東京でも素晴らしい「心の歌」をお届け下さい。誠に有難うございました。

とさま
Date: 2016/11/08/03:03:26 No.4625


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自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
まじょるか魔女
10月29日(土)名古屋宗次ホールにて、小山さんの「音の旅」を拝聴しました。
前日の雨に洗われた空は清々しく、爽やかな風の吹く晴天となりました。
小山さんはグレーベージュから青緑のグラデーションのドレスで登場されました。

✿心の歌.戞璽函璽凜Д鵝Д團▲離愁淵紳30番ホ長調 作品109

堰を切ったように、音符にのせて心の歌が始まります。
上昇する2音、下降する2音。
「あの・・・あのね、ずっと言いたかったのだけれど・・・」と語っているかのようです。
「一気に溢れる感」の冒頭の旋律から、ショパン:ピアノソナタ第3番第1楽章を思い出しました。
ショパンの下降する5音の旋律は確信をもって聴く者に迫ってきますが、
ベートーヴェンの冒頭は、言葉にならないもどかしさと切なさを感じます。
ショパンからは美学に基づいた完成した歌を、ベートーヴェンからは揺れ動く生身の言葉が伝わってきます。

前回の「音の旅」ハンマーグラヴィーアでは外へ迸るエネルギーを感じましたが、
今回は自分の心の森のなかに分け入り、耳を澄ませているかのようです。ベクトルは深く内へ、内へ。
ビビットな色ではない、スモーキーなグレーベージュ。
自分でも気づかないような胸の奥の思いが音符に載って浮かび上がってきます。

小山さんが解説される「小山実稚恵の世界 ーピアノで綴るロマンの旅ー」で次のように仰っていますね。
「・・・次のブラームスの『6つの小品』が、ひとりぼっちで孤独な印象を与えるのとは違って、
ひとりで瞑想にふける感じ。孤独というよりは、好んでひとりでいるという感じでしょうか。」

第3楽章第6変奏のトリルをベースにした音符と休符の点滅。
その直前に、星が架かる予告をされるように、小山さんが客席の方にお顔を向けられたのです。
神々しい愛の歌が溢れ出し、空に星座を形作っていきます。
星の輝きをホールいっぱいにピンで留めていくように。息を呑んで夜空を仰ぎ見る心地でした。
曲の最後に、主題に回帰する形式は、バッハ「ゴルトベルク変奏曲」へのオマージュを感じますね。
小山さんを介して、ベートーヴェンの言葉が時空を超えて、ホールの大気に漂ってきました。

✿心の歌▲屮蕁璽爛后В兇弔両品 作品118

第2曲 間奏曲イ長調
ブラームスのクララへの距離をおいた密やかな思いが滲んでいます。
ちょっと話が飛びますが、宝塚歌劇団の公演のなかで「エリザベート」と並んで魔女の愛する 
宙組「翼ある人びと〜ブラームスとクララ・シューマン」。
    ・・・すみません、聞かれていませんね(^_^;)
劇中の クララのお誕生日を祝う会で、ブラームス役の 朝夏まなとさんによって作品118第2曲が
演奏されるのです。
クララがシューマンとダンスしながら、「何か言っている・・・ピアノが」「君におめでとうと言っている」
「あなたに有り難うと言っているのよ」「口下手なんだなあ」「偽りない心だけが聴こえる」
「新しい響きのなかに古典の美しさがある・・・」という会話が交わされます。
実際にこの曲がクララに贈られたのは、シューマンが亡くなってからですね。
ブラームスの心の声がしみじみと流れます。
ちなみに、この公演のデュエットダンスはブラームス役とクララ役の二人の手が最後まで触れ合わないことが
話題になりました。

第6曲 間奏曲変ホ短調
晩年のブラームスの心の森。グレーベージュの靄(もや)をくぐって見えてきたものは何だったのでしょうか。
この6つの小品は1892年のクララ・シューマン73歳の誕生日に手紙と共に献呈されたのですね。
クララと思いが行き違っていた時期に音符で綴ったラブレター。
積年の心の歌が 最終2小節の lentoアルペジオの和音に凝縮されます。
小山さんの最後の一音が響き、そして減衰し無音になり・・・
拍手は心の中でさせていただくほうがふさわしいような静謐な時間でした。

✿心の歌シューベルト:ピアノソナタ第20番イ長調 D959

ピアノを介して ショパンは歌い、ベートーヴェンとブラームスは話しているように感じますが、
シューベルトは詩を紡いでいるようです。
死のわずか2ヶ月前に一気に書き上げた3つのピアノ・ソナタの2作目にあたり、
シューマンに献呈されたのですね。
1年前になくなったベートーヴェン的な骨太の和音もありながら、
シューベルトの流離い(さすらい)の詩が詠まれています。

第2楽章
ピアノが泣いている・・・シューベルトと、小山さんと共に。
途中で、即興曲90-3を想起するような柔らかい旋律にほっとする間もわずかで、
またピアノから涙が滲んできます。
シロウトの唐突なイメージですが、この楽章は演歌のようにも感じました。
シューベルトが雪の降りしきる能登半島の居酒屋で、ひとりお酒をのんでいます。
他に客もないさびれた店のカウンターで、色白のシューベルトはますます頬を紅潮させています。
熱燗を一口のんで、何かを書きつけて・・・
女将がふと見ると、楽譜のようです。「お客さん、音楽をされる方ですか・・・」
はっ、妄想がふくらんでしまいました。失礼いたしました。

第3楽章の朗らかなスケルツオで少しほっとして、
第4楽章ではグレーベージュの靄を抜けたかのように澄んだ歌が始まります。
音のない空間に、シューベルトの息遣いを感じます。「行間」が音楽になったらこのようになるのですね。
時折ふっと音が止むところ。
間近に迫った死期を予感し、シューベルトが幸せだった時の場面を次々に思い出しているかのようで
切なさに胸がいっぱいになりました。

✿アンコールは、 
シューベルト:即興曲90-4、シューマン:トロイメライ でした。
2曲とも、子ども心を思い出したくなるような響きでした。
心の森の原点は子ども時代に遡ることで辿れるのかもしれませんね。


前回に続いて、とさまさん、ぴあのふぉるてさん、covariantさん、ピア友と共に
小山さんの「音の旅」を拝聴することができました。旅は道連れ、を再び嬉しく実感です。
小山さんの演奏を直に拝聴することによって、いつも曲への新しい解釈をいただき、
作曲家の心に寄り添って少しずつ理解を深めることができているように感じられて感謝しています。
小山さん、グレーベージュの心の歌が今でも響いています。
これから、北海道からオーチャードホールまで、一期一会の心の歌を奏でられるのですね。

次回の「 くすんだ青緑」の世界も今から心待ちにしております。
Date: 2016/10/30/23:52:32 No.4619

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
covariant
まじょるか魔女さんの素晴らしい投稿の、後に続いて投稿させて頂きます。

10月29日、名古屋宗次ホールでの、「音の旅」第22回〜心の歌〜。
ポスターに「完売御礼」の札がある小山さんのリサイタルに、私はファン仲間の皆様と共に鑑賞でき、歓びも一入でした。
宗次ホールの会場規模からか、待ち時間や休憩時間の観客の皆様の表情にも身近に接し、どの方も小山さんの演奏を慈しんでおられるという印象を強く抱きました。

ベートーヴェンの再生、ブラームスの苦悩と抗い、そして孤独から始まるシューベルトの歌。
小山さんの確たる演奏によって、それぞれの作曲家の晩年の曲を聴かせていただきながら、私の脳裏を巡ったのは、この数年の間に人事環境が大刷新された、もう70歳に近い自分の人生でした。
その数年間に、私には癌治療入院と復活、両親の相次ぐ他界、永い会社員生活からの退職、そして再婚という事件まで起きたのでした。

冒頭のご挨拶で小山さんも仰っていたように、この宗次ホールは、静かな〜心の歌〜リサイタルがよく似合いました。
小山さんの演奏は、協奏曲でも室内楽でも勿論素晴らしいですが、もともとリサイタルをこそ聴きたいと、12年間24回シリーズの聴取を10年間願ってきた私にとっては、今回の〜心の歌〜もその真骨頂を見せていただきました。会場の皆さんと同じように、大好きな小山さんのピアノで、しみじみと感動的に聴き入りました。


このところ、ぴあのふぉるてさんの行き届いたご紹介もあって、雑誌の対談やコラムで、小山さんの言葉を目にする機会が増えました。その度に、小山さんの感性が、僭越ながらm(_ _)m 私の推測通りに素晴らしい事を発見しとても嬉しく思っています。
最近ではリオ・オリンピックを話題に、オリンピックで感じる美しさはアマチュアの世界にしか存在しない美しさであり、勝負でありながら勝敗を超越した精神の美しさに心打たれる、と語っていらっしゃる事を見出し、大喜びしました。(『モストリー・クラシック』11月号「ピアノと私」)
これはすなわち、芸術家小山さんが目指し、実践されている事に他なりません。
そして、もはやこのサイトでお馴染みとなっている、とさまさんの寄稿文によっても、その事が証明されているように思います。

今回の〜心の歌〜は、実質的にはどうやら北海道名寄市まで延伸するようですね。
日本の各地で小山さんのピアノが響きわたることを慶び、どうぞご健勝に遂行されますようにお祈り致します。
Date: 2016/10/31/17:25:09 No.4620

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
covariant
まじょるか魔女様

相変わらずの、イメージ豊かな才能に舌を巻きます。ありがとうございます。私のような想像力希薄人には記憶が補強されます。
そして名古屋ではとてもお世話になりました。改めて御礼申し上げます。
Date: 2016/10/31/17:38:05 No.4621

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
とさま
まじょるか魔女様へ

ポエティックな香り高い文章による小山さん賛歌を大変嬉しく拝読しました。いつも小山さんが創造される音楽の本質に迫るような筆致、小山さんと作曲家との間でのコミュニケーションの様子を聴き手である私たちに伝達して下さるかのようで、拝読していて心が温かくなります。

ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトといった大作曲家のそれぞれの[心の歌]の表現の仕方の差異・・・それはまさにそれぞれの作曲家の音楽の差異であり、またそれぞれの作曲家の生き方の差異の反映でもあるかのようですね。まじょるか魔女さんが、それぞれの作品の小山さんの演奏に寄せられた感想から、そのことを非常によく理解できます。

■ベートーヴェンでは、ショパンの第3ソナタとの関連性に言及されていますね。新鮮な御指摘にハッとしました。【ショパンからは美学に基づいた完成した歌を、ベートーヴェンからは揺れ動く生身の言葉が伝わってきます。】(まじょるか魔女さん)・・・これこそショパンの本質を突いた御指摘で、何かと神格化されるベートーヴェンの音楽が実は人間味溢れる音楽であることを改めて認識することができました。

第3楽章の第6変奏の小山さんの演奏の素晴らしさは、どんなに言葉を重ねて絶賛しても足りないほどでしたね。

【小山さんを介して、ベートーヴェンの言葉が時空を超えて、ホールの大気に漂ってきました。】(まじょるか魔女さん)・・・これはやはり音楽的奇跡ですね。

■【ブラームスの言葉がしみじみと流れる】とお感じになられた作品118の2(ヴォカリーズのCDに収録されていますね)は名演でしたね。宝塚でブラームスとクララが登場する舞台があったのですね。ご紹介いただいた会話はノンフィクションのように感じられます。

作品118の5のロマンスも素晴らしかったですが、まじょるか魔女さんが言及されている作品118の6の小山さんの演奏を聴かせていただき、私は、今までこの曲の何を聴いてきたのだろう、と眩暈(めまい)を感じるほどでした。中間部の情熱の沸騰では、ピアノが壊れるのではないかと思われるほど、小山さんは強い音を求められ、迫真的な奏楽をなさいましたね。最期のアルペジオでは、小山さんの表情が平安に充ちていたのが、とても印象的でした。ベートーヴェンと同様に、この曲も拍手が相応しくない曲だと思いました。


■シューベルトは600曲以上の歌曲を作曲していますね。ドイツ語の深い理解がない私ですが、それでもシューベルトのある種の歌曲を聴くと人生の縮図のように感じることがあります。一方、シューベルトのピアノソナタ(器楽曲)には歌詞がないのですが、歌が聴こえてきますね。シューベルトのピアノ曲を聴くと彼の歌曲をより深く理解できるような気がしてきます。まじょるか魔女さんは、第2楽章に演歌を感じられたとのこと・・・唐突なイメージと仰っていますが、的を射ていると思い、驚きました。シューベルトは居酒屋(ホイリゲ)でワインを飲みながら、歌を歌ったり作曲をしていたような気が確かにしますね。

第4楽章は美しければ美しいほど哀しくなりますね。回想のあり方や苦悩の在り方、そしてそれに対峙する精神の在り方がベートーヴェンとシューベルトでは全く異なりますね。心の歌の差異として音楽に色濃く反映していますね。

ご一緒に聴かせていただき大変嬉しく思っています。有難うございました。

とさま
Date: 2016/10/31/20:29:19 No.4622

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
ぴあのふぉるて
10月29日、第22回「音の旅」を、名古屋の宗次ホールで拝聴いたしました。
「〜心の歌〜」と題されたとおり、三人の作曲家の心情が心に沁みるプログラムでした。作曲家が五線譜に記した作品を、小山さんが時空を越えて聴き手に届けてくださる。そのことにいつも感動するのですが、今回は、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトが音符で綴った胸のうちが心に沁みて、じんわりとした感動を覚えました。今もまだその余韻に浸っています。

淡い青緑にも見えるグレーベージュのドレスでステージに登場された小山さんは、「早いもので24回シリーズは、もう22回となりました。初めに構想を練った時、メインは決まっていて、最後の3回にはベートーヴェンのソナタ第30, 31, 32番を弾いていこう。シューベルトのソナタを一緒にしていこう、と決めていました…」とご挨拶されました。
小山さんの決意もスゴイですが、それを実現なさる強い意志に、感嘆いたします。しかも、ごく自然に、事もなげに実現なさっている(ように見える)謎。
続けて、今回の演奏曲目3作品についてのお気持ちを簡潔に、心をこめてお話しくださってから、演奏に入られました。
(ここでは、各作品の前に小山さんのお言葉をご紹介しています)

《 ベートーヴェン:ソナタ第30番 作品109 》
「前回のソナタ第29番ハンマークラヴィーアはすべてにおいて「革新的」で、「可能性への挑戦状」のような作品でした。まさに「動」。この作品を「長編小説」だとすると、今回の作品109は「静」。これは「歌、短歌」だと感じます。作品106で、ある種のベートーヴェンの気持ちの完結があって、その先は、別の段階に入ったのでは…?」とお話しされました。

いつの間にか可愛らしい音色が聴こえてきました。本当に、前作と出だしから、ゼンゼン違いますね。短い第1楽章だけでも、ピアノで表現できる魅力のすべてが色々しっかり詰まっている印象があります。美味しい幕内弁当のように。
疾風のような第2楽章は、力強いスタッカートで締めくくられて、かっこいい!
そして、美しい主題と6つの変奏曲からなる第3楽章にすっかり心を奪われました。ワルツのように優雅な第1変奏、軽やかな第2変奏、いきなり快活な第3変奏、穏やかに漂うような第4変奏、がっちりと硬質な音色の第5変奏。
そして、第6変奏。穏やかな始まりの後、徐々に音価が短くなり、長い長い美しいトリルと旋律につながって、続いて、思いを込めた星々が夜空に煌めくと思えば、再び主題がそっと歌われて… 思わず合掌してしまうのでした。

《 ブラームス:6つの小品 作品118 》
「誰かに聞かせようという域を越している。恋人への思い、クララとシューマンのシンフォニーの出版で折り合わなかったことなど、寂しい毎日が積み重なって… これ以上ない孤独な響き。それでも優しい思いは持ち続けている。」…とご紹介くださいました。小山さんはいろいろな作曲家と仲良しだと思いますが、ブラームスにもますます傾倒しておられるようですね。
やるせない思いを音符で表現したブラームスと、ブラームスに寄り添いながら「心の歌」を聴衆に届けてくださる小山さんに、改めて感銘を受けました。

優美で可憐な第5曲:ロマンスの後、小山さんは、(同じ作品の合間にしては)しっかりと長い「間」を取られたように見えました。それだけ 第6曲:間奏曲の演奏に、ひときわ特別の思いを込めておられるのだと感じました。
その曲は、もうどうしようもないくらい暗くて寂しい出だしですが、中間部で突如、圧倒的な躍動感あふれる音楽になりますね。穏やかで優しいブラームスの、奥に秘めた激情が胸に突き刺さりました。(小山さんはブラームスを演奏なさるときは、大きな身体と太い腕や指の持ち主になられるようです。深々とした厚みのある和音を、全体重をかけて演奏なさって、素晴らしかった!)
そして、儚く消えゆく最後のアルペジョの美しさも、忘れられません。
盛大な拍手より、静かに首を垂れて敬意を払いたい気持ちになりました。まじょるか魔女さんと、とさまさんも、同じように感じられたのですね。(No.4619、No.4622)

《 シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 D.959 》
死を目前に書き上げた3つのピアノ・ソナタの2作目。
小山さんは初めにこの作品への思いを、「本当に美しい旋律がうつろう。ベートーヴェンを敬愛し、ベートーヴェンへの思いが内在している。時間とともに変化していく心情が、たゆたうようで、なんとも言えない…」と愛おしそうに教えてくださいました。

第2楽章、小山さんの奏でる哀しい美しい歌にうっとりと身を任せていると、時おり恐怖におののく叫びが繰り返されて、背筋が寒くなります。死期迫る青年シューベルトの孤独がひたひたと心に沁みて居たたまらない思いがしました。低音のトリルも怖いですね。快活な第3楽章との対比も素敵。第4楽章はどこか懐かしい温かな主題を一緒に歌いたくなる、美しい音楽でした。
シューベルトに向けられた小山さんの優しい愛情と慈しみあふれる奏楽に、心が満たされました。

アンコール1曲目は、シューベルトの即興曲作品90-4。
アンコールといえども、本編のソナタと同じく、大切に心を込めて演奏なさる小山さんのお姿に、深く感動しました。
最後はシューマン:トロイメライ。次回のプログラムにもつながる感動の選曲です。夢のように幸せなひとときが終わらないでほしい、と思いながら拝聴しました。
ご参考までに、「本日使用のピアノ スタインウェイ D274」とのことです。
(ホール入口の掲示板より)

小山さん、心に沁みる音楽を、本当にどうもありがとうございました。
とさまさん、まじょるか魔女さんとピア友さん、covariantさん、今回も宗次ホールでご一緒させていただき、どうもありがとうございました。
そして、こうして小山さんファン仲間の皆様と交流を深めることができるのは、ファンサイトを管理してくださるまさとさんのおかげです。心より感謝しております。
寒くなりましたので、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。
Date: 2016/11/01/17:53:51 No.4623

小山さんの解説について、引用箇所を訂正いたしました
まじょるか魔女
covariantさん、とさまさん、ぴあのふぉるてさん、魔女の拙文に
温かいリプライをしていただきまして有り難うございます。
皆さまのご感想に、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトそれぞれの「心の歌」が
より立体的に響いてきています。

ひとつ、お詫びと訂正をさせていただきます。
4619 の投稿のなかで、小山さんが解説される美しいご著書『小山実稚恵の世界』の
「心の歌」のページから引用させていただきました。
「ひとりぼっちで孤独な印象を与えるのとは違って、ひとりで瞑想にふける感じ。
孤独というよりは、好んでひとりでいるという感じでしょうか。」
この 小山さんのお言葉を「ブラームス:6つの小品」の項に引用いたしましたが、
この内容は、「ベートーヴェン:ソナタ第30番」について仰ったものですね。
「ひとりぼっちで孤独な印象…」はブラームスで、「ひとりで瞑想にふける感じ。…」なのは
ベートーヴェン、と感じていらっしゃるのですね。
読解不足のため、引用箇所を間違えてしまいまして、誠に申し訳ありませんでした。
4619 の文章を訂正いたしました。謹んでお詫び申し上げます。

まさとさんの運営されるファンサイトは「記事修正・削除」の機能も付けていただき大変有り難いです。
そして、ぴあのふぉるてさんの仰るように、
「小山さんファン仲間の皆様と交流を深めることができるのは、ファンサイトを管理してくださる
まさとさんのおかげです。」ね!
いつもお世話になり感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、小山さんと 小山さんの演奏を共に愛する皆さまと語り合いながら、
小山さんセンサーの感度を少しずつ上げて、理解を深めることができますようにと願っています。
各地で「心の歌」を聴かれる皆さまのご感想を心待ちにしております。
Date: 2016/11/02/22:31:50 No.4624


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「音の旅」第22回 〜心の歌〜 仙台公演: 天国的境地に達した壮絶な演奏
とさま
★オクターブ練習中様:【新たな「音の旅」始動】と題されたご投稿拝読しました。オクターヴ練習中さんが各々の作品に感じられたイメージは新鮮ですね。私も【新たな始動】を感じた仙台での小山さんの素晴らしい演奏でした。これからもご一緒に小山さんを応援して参りましょう。

★小山さんのファンの皆様
「音の旅」第22回の初日公演は10月23日(日)に仙台で開催されました。オクターヴ練習中様のご感想にありますように、それぞれの聴き手の心の深奥まで音の魂が沁み入るような素晴らしいリサイタルでした。きょうは、ベートーヴェンの作品の小山さんの演奏を中心にご報告致します。

小山さんの一大企画「ピアノで綴るロマンの旅」及び「音の旅」シリーズ・・・第21回目の公演からベートーヴェンの後期のピアノソナタが毎回1曲ずつプログラムに乗り、いよいよ佳境に到達したかのようです。前回登場した、音楽史上最長・最難解のピアノソナタである「ハンマークラヴィーア」と比べて、作品109のピアノソナタは、その規模は小さいのですが、どこにも力みのない達観の境地にあるベートーヴェンが書いた最も美しいピアノソナタと言っても過言ではないでしょう。全てが本質で仕上がった音楽史上稀にみる感動的なソナタです。第22回公演のテーマとして小山さんが設定された「心の歌」に誠に相応しいソナタであり、その慈しみの情に充ちた温かい響きの音楽は、聴き手を魅了して止みません。

■ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番ホ長調作品109第1楽章
 音楽が始まる前から既に音楽が流れていたかのように、第1楽章はシームレス(継ぎ目のない)に実に自然な佇まいで始まります。器楽的なVivace(活き活きと)の第1主題と声楽的なAdagio espressivo(ゆっくりと、表情豊かに)の第2主題が極端に対比されて現われます。しかしながら、両者が表裏一体、相互不可分の関係を保ちながら、小山さんの卓越した奏楽から、瑞々しい幻想美に溢れた音楽が泉のように滾滾(こんこん)と湧き続きます。2回目(再現部)のAdagio espressivoで(第1楽章で)唯一のffが現れます。驚くべきことに、小山さんは、ベートーヴェンの想念を、物理的な音量に頼るのではなく、魂(心)の叫びとして見事に表現されたことです。もし、文字通り物理的音量としてのffと魂(心)の叫びとが一体化した表現を聴けるとすれば・・・それは、小山さん以外のピアニストではあり得ないでしょう。なぜならば、この楽想では、ffの音量の物理的実現より「魂の叫び」の深層表現の方がはるかに至難と考えられるからです。

■同:第2楽章
 前楽章から切れ目なく演奏されるPrestissimo(極めて急速なテンポで)の第2楽章は、劇的な推進と沈潜との交錯を特徴とするスケルツオ風の音楽で、息をつく間もなく あっと言う間に荒々しい終結を迎えます。小山さんの鮮やかな名技を存分に楽しむことができました。
 
■同:第3楽章
 第3楽章は作品109のハイライトであり、主題と6つの変奏及び主題の回想から成る変奏曲様式による高貴な音楽です。ベートーヴェンが書いた最も美しい旋律の一つである主題が、変奏を重ねて変容していき、第6変奏で迎えるクライマックスは圧巻としか言いようがありません。バッハのゴルトベルク変奏曲と同じように、最後は(わずかな変化を伴った)主題が回想され、全く新しい別の世界へと聴き手を誘います。この第3楽章について少し詳しくご報告させて下さい。

第3楽章の永遠の課題は、その主題のテンポ設定だと思います。

≪主題のテンポについて≫
 対照的な例ですが、グレン・グールドは主題を(凡そ)♩=59と非常に速いテンポで演奏し、一方、コンスタンツィン・リフシッツは(凡そ)♩=32と極端に遅いテンポで演奏しています。主題には “極めて親密な感情を込めながら十分に歌うように”と表記されているので、テンポは概して遅めに設定される傾向にあります。しかしながら、主題に込められたベートーヴェンの深い想い(=「心の歌」)を表現するためには、小山さんのように、速過ぎない、しかし遅すぎない自然なテンポ(♩=43前後だったでしょうか)が望まれると思います。小山さんの主題とそれに続く第1変奏の奏楽は感動的で、涙を無くして聴くことはできません。主題の持つ【歌謡性・情感】の要素と3拍子の【舞曲】風の要素(後者は第1変奏で顕著になります)とが絶妙に融合した小山さんの奏楽から、気高い音楽が香り立ち、聴き手の心の内奥まで音の魂が沁み入るかのようです。

≪主題のテンポと第4変奏・第6変奏との関係性について≫
 主題のテンポ設定は第4変奏と第6変奏に大きく影響を及ぼします。第4変奏冒頭には“主題より少し遅く”と標記されています。また第6変奏冒頭には“最初の主題のテンポで、歌うように”とのベートーヴェンの指示があります。これらの改まった指示と主題のテンポ設定との関係性も永遠の課題のように思います。

≪第4変奏≫
 第4変奏は、天才ベートーヴェンの霊感に充ち溢れた、真に独創的な音楽としか言いようがないです。16分音符の揺蕩うような動きのフレーズと、それとは対照的な付点4分音符と8分音符とが組み合わさった揺らがないフレーズとがポリフォニックに絡み合いながら音楽が進んでいきます。小山さんの限りなく優しい眼差しによる奏楽は、ベートーヴェンの「心の想い」を、真実性をもって表現した希有な例と言えます。

 しかし、それにも増して、第4変奏後半の驚嘆すべきドラマティックな音楽展開には深く心を動かされます。音楽の雰囲気は突然変わり、和声的となり、9/8拍子の弱拍上のアクセントと執拗なスフォルツァンド(sf)の繰り返し、激しく高揚しながら“最も強く”(il piu f)に到達し、最後にはffの頂点を築きます。悪筆と言われたベートーヴェンの自筆譜を見ると、ここの箇所は実に丁寧に記譜されており、ベートーヴェンがこの楽想に込めた想いが尋常でなかったことがよく分かります。第1楽章に唯一現れるffと同じように、第3楽章で唯一のff・・・小山さんのクライマックスに至るまでのアーティキュレーションの見事さに圧倒されました。小山さんは、ここでも物理的音量としてのffではなく、ベートーヴェンの想念を、魂(心)の叫びとして表現することでクライマックスを築かれました。物理的音量と(内面的で抑制された)魂の叫びとが融合できるのか、興味深いテーマだと感じました。

≪第6変奏≫
 “最初の主題のテンポで、歌うように”と指示された第6変奏は第3楽章の白眉です。コラールのように4分音符の和音で荘重に始まり、美しい主題の旋律はアルトのパートに隠れ、主題が既に変容したことを示唆するかのようです。思わず意を正したくなるような厳粛な雰囲気に充ちています。この4分音符の荘重な和音の刻みは、8分音符に分解され、更に、16分音符、32分音符まで細分化されていきます。この音符の細分化に伴う音楽的な高揚感を小山さんほど感動的に演奏したピアニストを他に知りません。それは、正確な音価による揺るがない細分化をベースに、各楽想で心躍る旋律が迷うことなく高らかに整然と歌われたからです。

 やがて、32分音符はダブルトリルに移行し、ついに32分音符による嵐のように荒れ狂う8小節に及ぶアルペッジオ走句のクライマックスに到達するのです。そして、地の底で鳴り続ける低音トリルは高音に移行し、その高音トリルの上に、主題が高らかに歌われる一方、低音部では32分音符の音型が目まぐるしく駆け巡ります。まるで漆黒の闇の中から、星が点滅し、聖なる光を仰ぎ見るかのような感動的な音楽が築かれます。この旋律は、主題の後半部分を使っていますが、実はベートーヴェンの連作歌曲「遥かなる恋人に寄せて」作品98の中からの引用でもあるのです。第6変奏の小山さんの演奏は、ベートーヴェンの想いを表現し尽くした、まさに天国的な境地に達した壮絶な演奏でした。

≪主題の再現≫
 第6変奏で主題の性格は変容し、天から再び地上に戻ってきた主題は、過去の思い出の回想ではなく、平安の中での新しい世界に向けた決意の表明でもあるかのようです。この世のものと思えない美しく高貴な音楽は、リタルドンドを伴って感動的に終わり、新たな始まりを迎えます。その最後の小節の絶妙なリタルダンド・・・小山さんは最後の音を長く延ばされ、永遠の時を刻まれました。聴衆は聖なる瞬間に居合わせたかのようです。この曲ほど拍手が相応しくない曲も無いのではないかと思いました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■ブラームスとシューベルト
 ブラームスの作品118とシューベルトのピアノソナタ第20番イ長調D959の小山さんの素晴らしい演奏は筆舌に尽くしがたいものがあります。その演奏がどんなに素晴らしかったか、機会を改めてご報告させていただきますが、次の点だけは言及したいと思います。

 ブラームスの作品118の第6変ホ短調「間奏曲」とシューベルトのピアノソナタ第20番の第2楽章嬰ヘ短調「アンダンティーノ」・・・世の中にこんなに哀しい曲があるかと思うほど哀しい音楽です。それでも、ブラームスでは、これほどまでブラームスの心に寄り添い、単なる表面的な感傷とは一線を画する、気高い精神の在り方を表現した演奏を初めて聴きました。和音が浮遊しながら、レントのアルペジオに到達し、最後の音が静寂な闇の中に吸い込まれ、永遠の安らぎを感じさせる感動的な奏楽に言葉を失いました。

 シューベルトでは、孤独なシューベルトの哀しい歩みで始まり、途中、32分音符と64分音符が駆け巡る、荒れ狂うような嵐が訪れます。同じ32分音符が駆け巡るのに、ベートーヴェンのアルペジオクライマックスの神々しさと何と異なるのでしょうか。しかし、その心の葛藤が終わり、微妙に転調していく中、小山さんは、例えば3連16分音符による主題の装飾の中に救いを見出され、かつて聴いたことのないような慈愛に充ちた奏楽をなさり、そして極限的に単純化された和音群によるコーダでは、小山さんは、音量は小さいのに、鬼気迫る表情で感動的に弾き切られたのです。この哀しい音楽を含む第20番のソナタが、永遠に終わって欲しくないと思わせる天国的で幸せに満ちた第4楽章で終わることに救いを感じます。その文脈で見れば、小山さんが、第2楽章で哀しみだけの表現をされずに、救いの光を見出され、それを表現されたのは、本当に素晴らしい解釈だと思いました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:ベートーヴェンの作品109には夥しい数の記録(CD等)があり、解釈の幅が広大ですね。そのような中で、ベートーヴェンの想いがこれほど深く心に沁み入る演奏を聴くことができてとても幸せです。ブラームスの作品118が言い尽くすことのできないほど魅力に溢れた音楽であることを初めて体現しました。シューベルトは永遠に終わって欲しくなかったです。誠に有難うございました。

とさま
Date: 2016/10/25/03:14:58 No.4616

Re:「音の旅」第22回 〜心の歌〜 仙台公演: 天国的境地に達した壮絶な演奏
ぴあのふぉるて
とさま様、敬愛の情あふれる素晴らしいご投稿をありがとうございました。「ベートーヴェンの想いを表現し尽くした」小山さんの演奏の素晴らしさを、丁寧に教えていただき感謝いたします。
とさまさんのご報告は、小山さんの演奏のどこがどのように素晴らしいのかが細やかに、具体的に書かれていて、いつも驚嘆いたします。
そこが(それらが)聴きどころでもあるわけですから、たいへん勉強になります。また後ほど熟読したいと思います。

オクターブ練習中さんは、それぞれの作曲家や作品に新しいイメージを抱かれたのですね。ベートーヴェンのソナタ作品109には「穏やかな未解決」を感じ、ブラームス:作品118では「はじめてブラームスの人柄を意識」。「シューベルトの音楽にはいつも小川のせせらぎが隠れている」…。どの表現も印象に残りました。


さて、先週10/21、第22回「音の旅」レクチャー&サロンに、友人を誘って参加してまいりました。
今回のお相手は、ベートーヴェン研究をライフワークにしておられる平野昭先生。小山さんがご出演を切望なさったそうです。
三人の作曲家と今回演奏される作品について、小山さんのピアノ演奏を交えながら、主に平野先生がお話しくださいました。
小山さんは演奏担当アシスタントに徹しておられた?!ような気がします。そのため、小山さんのお声はほんの少ししか伺えなかったのですが、その貴重なお言葉の中に、作曲家と作品への思いが凝縮されていたと思います。心に響きました。
〜小山さんのお話より〜
・「ベートーヴェンは自分の中でやりたいことを“ピアノ”という楽器で表現した」  最後の3つのソナタについては:「(ハンマークラヴィーアで)マグマが噴出した後に、燃焼し尽くし、すっとリセットし、浄化された形で3曲…」
・「シューベルトは対位法を勉強していなかったことが逆によかった。それがシューベルトらしさ。自由…」
・ブラームスは作品118を作曲当時、「クララとあまりうまくいっていなくて… 真の孤独。思いはあるけど果たせない…。」

記念写真撮影後は、サロンパーティー(立食スタイル)となり、小山さんが各テーブルを回りファンと直接交流してくださいました。
誠にありがたい、幸せなひとときです。
「いつか、ベートーヴェン最後のソナタ3つを、一回の演奏会で続けて演奏したいと思っています」とお話しくださいました。わぁ〜、楽しみ!

小山さん、お気持ちを率直にお聞かせくださり、ありがとうございました。偉大なのに、自然で飾らない、優しいお人柄、大好きです。

レクチャー冒頭、平野先生が「12年間、計画できたのも素晴らしいけれど、予定通り変更なく続けていることが素晴らしい!」と、驚いておられましたが、本当に、私もそう思います。

仙台公演の次は、いよいよ土曜日、名古屋の宗次ホール!
小山さんの音楽を皆様とご一緒に享受できるのを楽しみにしております。
Date: 2016/10/28/00:29:11 No.4617

Re:「音の旅」第22回 〜心の歌〜 仙台公演: 天国的境地に達した壮絶な演奏
ぴあのふぉるて
追伸:
『音楽の友』11月号に、お二人の〔対談〕が掲載されています。
p.118〜121
 〜 小山実稚恵×平野昭 ベートーヴェン晩年の傑作、3つの「ピアノ・ソナタ」を語る 〜
Date: 2016/10/28/01:40:24 No.4618


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新たな 「 音の旅 」  始動
オクターヴ練習中
今日からはじまった 新たな 「 音の旅 」 第22回 〜 心の歌 〜
グレーベージュ : 深い森の中へ分け入っていく

じぶんが感じたことをそのまま記してみたいと思います
もう無理はしない
感じたままの素直な感想
音楽的なことは、一度弾いてみた後
ほかにどんな弾き方があるのだろうというところまでいかないと言う事が出来ない
と思えるようになったからです。
ですが
”小山実稚恵さん ”の演奏から
作曲家や作品の新しいイメージが、じぶんのなかにできました
それを記してみたいと思います

ベートーヴェン : ソナタ 第30番 ホ長調 作品109 から感じる作品のイメージ それは、
苦悩に向き合うひとが辿り着いたひとつの境地
穏やかな未解決とでも言えばいいのでしょうか
こころの内面では解決、でも環境はかわらないままの、というようなことを感じました

ブラームス  :  6つの小品  作品118 
ブラームスのイメージがまったく無かったじぶんにとって
はじめてブラームスの人柄を意識できた演奏となりました
穏やかな外観のなかにすべてを壊してしまいそうな勢いの激しい感情を持つ人なのかな
という感想を持ちました

シューベルト : ソナタ 第20番 イ長調 D.959
シューベルトの音楽には
いつも小川のせせらぎが隠れている、というような新らしい感想を持ちました

繰り返しとなってしまいますが
きょうは感じたままを記してみました
すべてを見透かされてしまうひとの前で繕うのは無意味だし
”小山実稚恵さん ”が望むものは、何物にも左右されない本当の声
という気がしてならないので、ありのままを記してみました

それでも
卓越したテクニックで、作曲家への想いで演奏する”小山実稚恵さん ”の演奏であったこともお伝えしたいところです

「 穏やかに音楽に揺れる時間 」

となった 第22回 「 音の旅 」 仙台公演 です 


追伸:とさまさま、ぴあのふぉるてさま、コメントありがとうございます。これからも時折コメントしていきたいと思っています。

Date: 2016/10/23/21:20:33 No.4615


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小山さんの記事情報〜遅くなってごめんなさいの巻
ぴあのふぉるて
こんにちは。

オクターブ練習中さんの“小山実稚恵さんに集う人たち”という表現、すてきな響きがしますね。ファンの一人として、温かな一体感を感じながらご投稿を拝読しました。

さて、たいへん遅くなりましたが、音楽誌に掲載された小山さんの記事情報をお届けいたします。
演奏の素晴らしさはもちろん、文章から伝わる小山さんの好奇心と洞察力、交友関係の広さ、演奏への思い、など小山さんのすべてに惹きつけられております。

♪ 『音楽の友』 2016年9月号 p.22〜25
連載「脱力の極み」vol.21
ゲストは、東京大学名誉教授で健康体力学を専門とされる小林寛道さん。
小山さんのリサイタルを初めて聴かれてのご感想(観察?!)や、インナーマッスルのこと、などたいへん興味深いお話です。(でも、ピアニスト小山実稚恵さんに演奏中の姿勢や身体の動きのことでツッコミ入れる方は、初めてだと思います)
トレーニングジムでマシンを体験中?の小山さんお写真も可愛い!

小山さんのインタビューは、いつもお相手の方が喜んでご自分の専門のお話をされますね。絶妙な間合いで相槌を打ち、笑顔で真剣に耳を傾けてくださる小山さんに、お相手の方もきっといろいろ語りたくなるのだと思います。小山さんは聞き役としても完璧でいらっしゃいますね。もちろん、常に受け身というわけではなくて、疑問があればしっかり質問なさるところも魅力です。
対談やイベントで音楽以外の分野の方々と幅広く接することも、小山さんの音楽に深みや豊かさが増す秘訣だと思います。

p.223  仙台の子供たちと小山実稚恵が連弾で共演
第2回こども夢ひろば“ボレロ”〜特別企画「音楽のひろば〜見る・聴く・感じる〜」
7月30日、31日、仙台で開催された体験型子供向けイヴェント「こども夢ひろば“ボレロ”〜つながる・集まる・羽ばたく」の一環として、7月26日に開かれたワークショップの写真と報告記事。
小山さんからそれぞれの長所や個性を生かしたアドバイスを受けた子どもたち、ほんとに貴重な素晴らしい体験となったことでしょう!

♪ 『ショパン』2016年9月号  ピアノ公演カレンダー:日本人ピアニスト
p.98〜99 小山実稚恵さんの2016/8/20から2017/2/5までの演奏会日程とプログラムがリストアップされています。充実のスケジュールに感動!

♪ 『モーストリー・クラシック』2016年10月号 p.87
連載「ピアノと私」第29回 〜スペイン音楽〜
突然ラローチェに会いにスペインまで行かれた舘野泉さん、小山さんのスペイン作品集のCD録音と“猫宮殿”の思い出、グラナドスの人生、天才児アルベニスの逸話、などいろいろ。「元々私はスペイン音楽が好きで、…」とご自身の思いを綴っておられます。
アンコールで時々小山さんが弾いてくださる「パバーナ・カプリーチョ」、ほんとに心に沁みますね。 (p.166 読者プレゼント〜直筆サイン入りCD 1名=小山実稚恵 ファリャ:組曲「恋は魔術師」)

♪ 同じく『モーストリー・クラシック』2016年10月号 p.145
「オーケストラ新聞」のページに「日本センチュリー響、室内楽シリーズ開始」のお知らせ記事。
2015年度にアーティスト・イン・レジデンスに就任なさった小山さんと、日本センチュリー響の団員による「室内楽シリーズ Vol.1」は、12/2、大阪のザ・フェニックスホールにおいて開催されます。

それから、先日、室内楽の感想レポートNo.4609でもお伝えしましたが…
♪ 弦楽器マガジン『サラサーテ』2016年10月号 p.5 STAGE PICK UP 
6/24サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン ENJOY!ウィークエンド vol.4 堤剛(Vc)×小山実稚恵(Pf) ブラームスのソナタ全曲演奏 
 すてきなステージ写真と心のこもった演奏評を、嬉しく拝見しました。
♪ 同じく『サラサーテ』10月号
p.70 ピアニストが語る「室内楽の愉しみ」
リハーサルと本番の演奏、室内楽に目覚めた時期、色々な喜び、“耳が開かれていること”…など細やかにお話しくださっています。
「私が4人との共演を熱望したんですよ。」…と今回の「初共演」についても熱く語っておられます。(9/25 第一生命ホールにて、開催済み)

♪ 『音楽の友』2016年10月号 p.10〜13
連載「脱力の極み」vol.22  お客様:野村萬斎さん(狂言師・俳優)
「シン・ゴジラ」を8月に観たばかりでしたので、タイミングの良さに感激しました。
いつも時の人と対談なさる小山さん、ほんとに素晴らしい!
萬斎さんの低いお声についての質問から始まるところが自然で、しかも核心をついていて、いいですね。
繰り返しのモチーフ、芸の継承と自分の個性、演目の内容、面(おもて)、すり足、などいろいろ、たいへん興味深く拝読しました。特に、「間」の話から打ち明けられた萬斎さんのお気持ちと、続く小山さんのしめくくりのお言葉に感じ入りました。片桐さん(取材・文)のつぶやきも必見。

♪ 『モーストリー・クラシック』2016年11月号 p.81 (p.80は第22回「音の旅」のお知らせ)
「ピアノと私」第30回 〜リオ・オリンピック〜
小山さんはこの夏、「夜通しのテレビ観戦の毎日」だったのですね!
アマチュアの選手たちの「精神の美しさ」に感動されたお気持ちを語りながら、ご自身を振り返られて… あぁ、どこまでも謙虚な小山さん!
「今回は特に卓球にしびれました」の項、女子チーム戦や男子の水谷隼選手の試合運びから選手の個性までも見抜くことのできるお力に、感動します。
そして、「最高の集中力を本番でキープできる強い精神力に感服し、…」、「忍耐と攻めのバランスを絶妙に保って、…」「リズムは流れの中に宿る。」といった小山さんの思いは、どれも小山さんご自身が演奏で実践なさっていると気づいて、また感動するのです。

今週は、もう最新号が発売になりますね…(汗)
では、急に涼しくなりましたので、皆様ご自愛くださいませ。
Date: 2016/10/17/10:47:33 No.4613

Re:小山さんの記事情報〜遅くなってごめんなさいの巻
とさま
ぴあのふぉるて様、y.s様

先日は、小山さんが出演なさった第1生命ホールでの室内楽の夕べの素晴らしい感想をご投稿いただき有難うございました。【室内楽の醍醐味がここにありき】などという月並みな賛辞を超えた、小山さんへの尊崇の念を通奏低音とした、音楽への愛情に充ち溢れた臨場感豊かな筆致に引き込まれました。音楽を聴く歓びとその意味を改めて考える機会になりました。重ねて有難うございます。


オクターヴ練習中様
皆さま

オクターヴ練習中様のご投稿を拝読し、【シューベルティアーデ】を思い出しました。シューベルトの友人たちは、シューベルトを囲んで、シューベルトの作品を演奏するサロンコンサートを企画しました。この和やかで温かい集いを【シューベルティアーデ】と呼んでいたのですね。【シューベルティアーデ】という音楽祭もありますね。

小山さんのピアノが大好きな私たちは、小山さんのピアノ演奏を聴くためにコンサートに集いますので、それは【シューベルティアーデ】の小山さん版のような感じがしますね。

小山さんのお人柄が素晴らしいので、私達は【小山さんが弾かれるピアノを聴く】ために集います。しばらくすると、ショパンがとても好きなある人は、【小山さんが弾かれるショパンを聴く】ためにコンサートに集うようになります。シューベルトが好きな人もそうですし、ベートーヴェンやバッハが好きな人もしかりです。やがて【ショパンを聴くために小山さんのコンサート】に集うようになるのかなと思います。シューベルトを聴くために、ブラームスを聴くために、ベートーヴェンを聴くために、ラフマニノフを聴くために、小山さんのコンサートに集うような感じでしょうか。そして、究極的には、「小山さんとピアノと作曲家」との間の境界が消え、残るのは音楽だけになり、私達は音楽の本質を聴くために小山さんのコンサートに集うようになる・・・そんな気がしてならないのです。

現代の【シューベルティアーデ】を小山さんは全国各地で実現して下さっています。そうした機会を持つことのできる私たちは本当に幸せだと思います。小山さんのコンサートに集う私たちは、シューベルトに会うことができます。バッハ、モーツアルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、リスト、チャイコフスキー、ラフマニノフと言った大作曲家が小山さんの脇で微笑んでいる姿が目に見えるようです。

10月23日は第22回音の旅の初日であり、小山さんはベートーヴェンの最高傑作の一つである慈愛に充ち溢れた作品109を演奏して下さいます。同時に、ブラームスの作品118とシューベルトのピアノソナタ第20番も演奏されます。

オクターヴ練習中さんが仙台で開催されたオーケストラコンサートで発見されたこと(=バラバラで始まったオーケストラが、指揮者がタクトを振るたびに調和していくプロセス)、葛藤(混沌)から調和への変容は、とても意味深い発見ですね。ベートーヴェンの作品109の第3楽章は長大な変奏曲です。変奏曲は「制限」と「自由」とが共存したジャンルですね。しかし、「制限」と「自由」が融合する先にあるのは「変容」です(主題が人生の様々な局面を歩み、最後には変容していきます)。その感覚は、もしかするとオクターヴ練習中さんが発見された「葛藤(混沌)から調和への変容」と共通するかもしれませんね。

小山さんが奏でられる「心の歌」を皆さまとご一緒に共有できることを楽しみにしています。そしてベートーヴェン、ブラームス、シューベルトにお会いできる日を待ち侘びています。


再び ぴあのふぉるて様
 いつもいつも、音楽誌に掲載された小山さんの記事情報をお届けいただき、感謝しています。小山さんのファンにとっては大変有り難いですし、またファンサイトに初めて訪れた方が小山さんの素晴らしいコンサートに行かれたり、CDを聴いていただくきっかけにもなりますので、それを考えるだけで嬉しくなります。

毎回申し上げていますが、掲載誌名情報だけでなく、そこに何が書かれているかを要約して下さっていますので、これが実に素晴らしいのです。小山さんの素晴らしい音楽を一人でも多くの方に知っていただきたい・・・それがぴあのふぉるてさんの原動力なのですね。これからも甘えてしまいますが、ご無理のない範囲で、タイミングなど気にされずに、ゆったりとご報告していただければ幸いです。

とさま
Date: 2016/10/21/10:59:42 No.4614


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あたらしいじぶん  ( 新境地 )
オクターヴ練習中
また、新らしい ”小山実稚恵さん ”の 「 音の旅 」 がはじまる前に、いま、じぶんが感じていることを ”小山実稚恵さん ”につたえてみたいと思うようになっていました。

「 オクターヴ練習中に聴こえている心の歌 」 と題して

それぞれの人の中に流れる心の歌。
それは、それぞれの人が全身で受け止めてきたメッセージ。
そのメッセージは、「 言葉 」となってそれぞれの人から発信されます。
しあわせなメッセージを受け止めてきた人はしあわせな言葉を発信するし、また、その逆の場合もある。
結果からだけみれば、
じぶんは悲しい言葉だけを発信してきてしまった。そんな気がしています。
でも、
”小山実稚恵さん ”と出逢い、”小山実稚恵さんに集う人たち ”と出逢い、悲しい言葉以外も発信できるかもしれない、と、そう思っています。
じぶんの力量をすべて見抜かれて、なお、やさしさといたわりに満ちたメッセージに、
「 ひとが生きる意味 」 が 見つかったと思っています。

「 ひとが生きる意味 」 それってなんだろう。

人は決して自らの意志で誕生することはなく、その誕生は前世代の愛によって生まれてくる。それゆえ、この世に誕生するすべての命が尊ばれ、大切にされ、愛されるべきだろう、と思っています。
そして、その命は、
それぞれの命がもつ好きなことに向かって思い切り愉しむため時間なのだろう、と思っています。

ずっと口を閉ざすことしか出来なかったじぶん。

そして、いまは、たくさんの伝えたいと想うことがあるじぶん。

そんなじぶんが、
”小山実稚恵さんと小山実稚恵さんに集う人たち ”にとてもつたえたいと、おもっていることのひとつ。

それは、
仙台で開催されたオーケストラコンサート。
ショパンコンクールでチャンプとなったピアニストの演奏もあるコンサート。
このコンサートで、自分にとっては衝撃といえる演奏を観ることができました。
2日連続公演の初日1曲目。
指揮者がタクトを振るとオーケストラが演奏をはじめます。
はじめの1分間。
スケジュール調整や何かの急用によるリハーサルなしの演奏だったのでしょうか。
バラバラな各奏者の演奏に、こんなコンサートがあるのか、と耳を疑ってしまいました。
でも、
はじめの、1分間をすぎたあたりからでしょうか、
オーケストラの演奏が変化していくのです。
指揮者がタクトを一振りするごとに、オーケストラ各奏者の音色が調和していきます。
一振り、そして、また、一振り、
指揮者がタクトを振るたびに、オケの調和が漸進的に進んでいき、曲の後半には、止まることのない調和へと進む演奏となっていきます。
このまま終わらないでほしいと思えるほどの演奏で、
ずっと誰かにつたえたいと思っていました。
”小山実稚恵さんと、小山実稚恵さんに集う人たち ”に 読んでもらえるといいのですが。

そんなじぶんの 「 心の歌 」が
”小山実稚恵さん ”に伝えることが出来れば、とおもいます。
Date: 2016/10/15/11:57:36 No.4612


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いまもう一度「音楽の力」
y.s
「音楽の力」という言葉を、徒に振りかざされると辟易とするが、演奏によってそれが示されるならば、そのときに初めて「音楽の力」を純粋に信じることができる。
アルティ弦楽四重奏団(豊嶋泰嗣、矢部達哉、川本嘉子、上村昇の皆さん)とピアノの小山実稚恵さんの共演による、ドヴォルザークとブラームスの『ピアノ五重奏曲』を聴いた(9月25日、第一生命ホール)。
演奏会全体を通して白熱した展開が印象的で、室内楽でありながら交響的と言ってよいスケールの大きな音楽が繰り広げられた。
情感の繊細な移ろいを細やかに描き、あたたかなぬくもりを表出したドヴォルザークでは、とりわけ第2楽章が印象的だった。ピアノの哀愁を帯びた旋律がめぐる度に、小山さんはそのビロードのように柔らかい音色で、感興の赴くまま絶妙にニュアンスを変えてゆく。即興性あふれるその表現に、弦の4人が当意即妙に応える。これぞ室内楽の妙と言えよう。
落ち着きのあるテンポが採られたブラームスでも、大きな構えの中に精緻なアンサンブルが息づく。低音域の重厚な響きを深い打鍵で創出する小山さんのピアノと、ブラームス特有の息の長いフレーズを濃密なレガートと艶やかなヴィブラートで歌う4人の弦が共鳴し、壮大な交響空間が生み出される。
どちらの作品でも5人の誰もが一歩も譲らないが、しなやかな響きの交歓は失われない。その協調、掛け合い、競り合いのどれもを、彼らは合わせようとして合わせているのではなく、それぞれが楽譜に誠実に向かい合い、その瞬間のそれぞれの役割に徹し、互いの表現を感じ合うことが結果としてアンサンブルを成り立たせているのだ。
私たちが気の合う人と対話をするときに、その話が弾むのも話を合わせているからではない。自然とお互いの考えや感覚に通じる話が浮かび、とりとめのない話でさえ心地よいものに感じる。聞き役と話し役が、お互いにとって快いバランスで交代してゆく。よくアンサンブルを音の対話と言うが、アンサンブルの最も理想的なかたちは、まさにこうした対話の関係ではないだろうか。
音楽、とりわけ器楽作品による対話は、当然言葉を持たない。私たちの対話は、言葉を持つがゆえに、時に深読みしすぎたり、そのことですれ違いが生じてしまうこともある。しかし、音楽を共有するという言葉のない対話にはそうした弊害はなく、一度かよったその心の繋がりは、言葉を持つ会話以上に深く強い。演奏者の間だけでなく、弾き手と聴き手の間にも、その対話は生まれる。
音楽は確かに、水や草木や食料のように、人間にとって「なければ死ぬ」ものではない。だが、音楽を分かち合うことは、きっと今私たちが抱えている孤独や苦悩を救い、痛みを解き放ってくれるはずだ。アルティと小山さんの演奏は、改めてそう信じさせてくれる力に満ちていた。
Date: 2016/10/03/10:32:29 No.4611


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