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群馬交響楽団第523回定期演奏会
花葉
11月26日の公演は、2016年2月、大雪で中止になった再演として行われました。小山さんは大変素晴らしいラフマニノフのパガニーニの主題による協奏曲を演奏して下さいました。
11月は雪の心配はないと安心していた公演2日前、まさかの雪…否が応にも2年前の悪夢が蘇りましたが、支障なく開演し、ほっとしました。
客席はほぼ満員!前回の分まで倍返しならぬ倍聴き?する思いの雰囲気で一杯のように感じました。そして指揮のデスピノーサさんの繊細に作られた音楽のもとで、演奏される群響さんも熱がこもったものでした。
小山さんのピアノもそれに応え、雄々しく決然とした響きと、きらびやかな音がとても美しく、何より中止、再演をお気遣い下さった慈愛に満ちていました。その思いが第18変奏で満ちあふれているように感じ、「聴けて良かった!生きてて良かった!」と恥ずかしながら泣いてしまいました。一音一音心に染みる忘れられない演奏でした。
後半のショスタコーヴィッチ交響曲第5番も素晴らしく、第4楽章の最後は、再演できて良かった!という歓喜の盛り上がりのようでした。
前回の中止はどうにもならない残念な出来事でしたが、普段チケットを手にして会場に行って聴くという、当たり前の事が私にとってどれだけ幸せで愛おしいものであったのだと、この機会で分かる出来事となりました。
再演していただいた群響さん、小山さん、この公演に関わる全ての方々に感謝を申し上げたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。

追伸
翌日の27日、地元紙の上毛新聞に「大雪で中止の群響定期、2年9ヵ月経て実現」と記事に掲載されました♪
Date: 2016/11/27/19:35:31 No.4640


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えびかんクラシカル・コンサート#29のご報告
ぴあのふぉるて
一昨日 11/23(水・祝)、海老名市文化会館大ホールで小山さんのピアノ・リサイタルを拝聴いたしました。感動の余韻に浸っております。
小山さんと同時代に生き、小山さんの生演奏を拝聴できる私たちは、ホントに幸運ですね。皆様も小山さんの魂から生まれる音楽に心を揺さぶられたことと思います。サイン会は長蛇の列でした。 

この日、小山さんのドレスは鮮やかな紫色。スカート周りのオーガンジー生地にはビーズがキラキラ輝いています。
プログラムはシューベルトの即興曲作品142-2から穏やかに始まります。続いて、作品90-2の美しさと悲しみが心に沁みました。

それから第22回「音の旅」でも聴かせていただいた、ソナタ第20番に三たび感動。小山さんの慈しみあふれる表情、大好きです。音の行方を確かめるように時おり遠くへ向けられる優しい眼差しも…。
今回、第4楽章に強く惹かれました。思わず笑みがこぼれるような心地のよいメロディに油断していると、中間部では恐ろしい低音が何かを訴えかけてきたり、再現部では何度か訪れる「間」に心を乱されたり、…不思議な魅力がいっぱいですね。そして最後に、迷いを吹っ切るようなアルペジョと和音に胸を打たれました。

プログラム後半はショパン作品:
まずは、夜想曲第2番と第13番。
その次は、アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ。
この作品、今までそれほど興味はなかったのですが(ごめんなさい)、
この日の小山さんの演奏を拝聴して気持ちが変わりました。特に後半のポロネーズ部の、潔い奏楽が最高! 小山さんの鮮やかな指さばきと節回しに完全に心を奪われました。
31年前のショパンコンクールでも課題曲として演奏なさったかしらなどと考えていたら、涙があふれそうになりました。デビューアルバムにも収録されていますね。
熱い拍手ににこやかにお辞儀された後…
ピアノ協奏曲第2番より ラルゲット〈ピアノソロ版〉。
若きショパンの初々しい気持ちが瑞々しく奏でられました。(曲の最後、大切な静寂が不用意な拍手パラパラで破られて…ああ無念)
締めくくりは、英雄ポロネーズ。勇壮な音楽に心が満たされました。
(No.4637のミルキーままさんもこの曲がお好きなのですね)
小山さんの英雄ポロネーズで勇気百倍になりますね。

この日、特にプログラム後半のショパン作品群で、ピアノが生き生きと潤いのある音色で鳴り響き、前半の音色との違いに「ピアノは生き物」であることを実感いたしました。

第3部(アンコール)では、演奏に入られる前に、客席に向かって作品名をお知らせくださいました。
最初の曲は、「スクリャービンの左手のためのノクターン」…麗しい音色に聴き惚れました。言われなければ、左手だけで弾いているなんてわからないね、と拍手を贈りながら夫も感嘆していました。
それから、「シューベルトの即興曲作品90-3」 (CDライナーノーツによると〜「小山さんが「ナイーブの結晶」と表現した最愛の曲」) 小山さんの演奏は美しさの極みでした。曲を愛おしむお気持ちがこの曲をいっそう美しくしているのだと思います。
そしてなんと、最後にもう一曲!「同じく即興曲 90-4」を弾いてくださいました。

小山さん、素晴らしいリサイタルをどうもありがとうございました。
明日は群馬、明後日は京都、と演奏会が続きますね。
お身体にお気をつけて、がんばってください。

海老名でご一緒できたファン仲間の皆様、ありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしております。
Date: 2016/11/25/12:57:45 No.4638


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無題
ミルキーまま
ショパンの英雄が、聞きたくて、コンサートに行きました。
とても、すばらしくて、本当によかったです。
アンコールに三回もこたえてくださり、優しいかただなとおもいました。美しく素敵なかたでした。
Date: 2016/11/23/21:40:03 No.4637


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「音の旅」から拡がるファンの輪:第22回〜心の歌〜 @オーチャードホールのご報告。
ぴあのふぉるて
12年間24回「音の旅」シリーズの第22回〜心の歌〜を、11/19(土)、オーチャードホールで拝聴いたしました。
「音の旅」シリーズは第10回から、夫と二人でお伴し始めました。
以来、小山さんの魅力を、機会あるごとに周囲に発信(というより小山さん熱を発散?)し続けていたところ、いつの間にか旅仲間が増えていたようです。
今回も、親しく交流させていただいているファン仲間の皆様をはじめ、多くの友人とそのお友達にお会いしました。(座席はそれぞれ別ですが…)総勢十数名!
大学時代の先輩、同期の友人、息子小学生時代からの友人二名、お友達お二人を誘って参加の友人、元PTA仲間、ママ友三人連れ、…。
皆様とごいっしょに小山実稚恵さんの世界に浸ることができまして、まことに嬉しゅうございました。

小山さんのドレスはイメージカラーの〈グレーベージュ〉。
前身頃に刺繍があしらわれ、スカートにちりばめられたビーズが時おりキラキラと輝いて美しい。

《ベートーヴェン:ソナタ第30番 作品109》
端正で優しいベートーヴェン、という印象を受けました。
どこまでも美しい質感の弱音が、心に沁みました。
そして、小山さんのドレスに煌めく星たちが、時空を超えた音楽の素晴らしさをいっそう感じさせてくれるのでした。

続いて《ブラームス:6つの小品集 作品118》
第1曲の出だし、それまで抑えていた情感が一気に溢れ出るような音楽と奏楽に感激。
小山さんを聴く喜びに心が満たされます。
第2曲の優しさと対比をなす第3曲バラードにも、すっかり心を奪われました。鮮やかで潔いスタッカートがすごい(小山さん来たぁ〜!)
不安気な第4曲と、優しい美しい第5曲をへて…
情熱と寂寞が胸に迫る第6曲。うめくような旋律と、深く鳴り響く重みのある和音が素晴らしかった!
さまざまな心情を塗り分けるために、小山さんの魔法の小箱にはいろいろな音色が常備されているのですね。

《シューベルト:ソナタ第20番》
かっちり整った印象の第1楽章、繊細な移り変わりに魅了されました。
哀愁あふれる第2楽章、鬼気迫る激情の吐露の後、再現部での愛おしそうな表情に、胸キュン。
第3楽章は一転して明るい躍動感に満ち、ここでも小山さんの凄さを実感。楽章ごとの、また曲想ごとの、鮮やかなコントラストにしびれます。
そして、第4楽章。あぁ、なんと心地よい美しい歌なのでしょう。ほんとに切ない。

小山さんの心尽しの演奏によって、どの作品からも作曲家の「心の歌」が切々と伝わってきました。また、今回は、奏者としての小山さんご自身の思いがいっそう色濃く表現されていたようにも感じられて、小山さんの「心の歌」に陶酔しました。
小山さんのステージは、まさに「一期一会」。ほんとに新鮮な音楽を、いとも自然に湧き出るように、聴かせてくださいますね。
そしてそれが可能なのは、小山さんの固い意志と、日々のたゆまぬ努力と、柔らかな笑顔があってこそ、と改めて感じ入りました。

小山さん、どうもありがとうございました。
アンコールにシューベルトの即興曲作品90-4と、シューマンのトロイメライも聴かせていただき、ありがとうございました。

旅のお伴を継続中の方も、初めての方も、久しぶりの方も、皆さま思い思いに小山さんの音楽を堪能されたことでしょう。
次回もまたご一緒できますように。
Date: 2016/11/21/17:29:23 No.4634

Re:「音の旅」から拡がるファンの輪:第22回〜心の歌〜 @オーチャードホールのご報告。
実稚恵さまの微笑み
ぴあのふぉるて様

地元東京でのリラックスした様子と落ち着いたとてもアットホームな雰囲気も感じられる、千秋楽を迎えたオーチャードのレポートありがとうございました。

全国を巡られた実稚恵さまを迎える皆様の温かい様子が目に浮かぶようです。

全国各地区のホールのステージやピアノ。聴衆そして実稚恵さま。ぴあのふぉるて様が仰っていた「一期一会」の演奏が皆さんの心を掴んで放さない・・・。

場所や時間。時空を包み込む温く豊かな「音の旅」のステージがそこにある。なんと幸せなことと思います。

また「音の旅」を、皆様方と共に歩んで参りたいと思います。
Date: 2016/11/22/23:01:24 No.4635

Re:「音の旅」から拡がるファンの輪:第22回〜心の歌〜 @オーチャードホールのご報告。
まじょるか魔女
小山さんの「心の歌」千秋楽@オーチャードホールの
ぴあのふぉるてさんの瑞々しいご投稿を嬉しく拝読しました。
旅仲間が増え続けて10数名の方とご一緒に聴かれたのですね。
小山さんも、強力な応援団の集うオーチャードホールで、相乗効果のみなぎるパワフルな奏楽を
されたことと想像しています。

*******
小山さんのステージは、まさに「一期一会」。ほんとに新鮮な音楽を、いとも自然に湧き出るように、
聴かせてくださいますね。
そしてそれが可能なのは、小山さんの固い意志と、日々のたゆまぬ努力と、
柔らかな笑顔があってこそ、と改めて感じ入りました。
*******
ぴあのふぉるてさんの仰る通りですね。

今日は、次回の「音の旅」@名古屋宗次ホールの予約チケットを受け取りました。
「くすんだ青緑」に浸る日を心待ちに、これからも
皆さまと共に 小山さんを応援していきたいと思います。
Date: 2016/11/22/23:05:27 No.4636


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「音の旅」第22回 大阪公演: 歴史的名演の定義に合致する素晴らしい演奏
とさま
★実稚恵さまの微笑み様:九州での小山さんの公演のご報告を拝読しました。大分からの移動、架線切断事故による停電の影響で大変でしたね。前半のプログラムに間に合わず本当に残念でしたね。12月の蘭島閣ギャラリーコンサートで、ブラームスの6つの小品作品118の中から、抜粋でも聴けるといいですね。各地で名演誉れ高いシューベルト…九州でも微笑み様は小山さんの演奏を満喫されたことでしょう。素敵なご感想から小山さんの素晴らしい演奏が伝わって参ります。有難うございました。

★皆さま
 第22回〔音の旅〕・・・各地で一期一会の素晴らしい演奏が繰り広げられています。大阪でも歴史に永く刻まれるべき大変な名演が産まれました。2016年11月13日 大阪いずみホールでの小山さんの公演のご報告です。


■ベートーヴェン作曲 ピアノソナタ第30番ホ長調作品109
 小山さんが設定された第3楽章の主題のテンポ(♩=47〜48)は理想的です。主題が孤立することなく全ての変奏と音楽的に繋がり、〔祈り〕、〔浄化〕といった静謐な佇まいを感じさせる楽想もあれば、〔生命の脈動〕を感じさせる楽想もあります。どこにも不自然さのない、ベートーヴェンの真情溢れる音楽が小山さんによって初めて全貌が明らかにされたのです。第4変奏の後半部分の情熱の滾(たぎ)りを表現するためのアーティキュレーショは素晴らしく、この楽章で唯一のffでは、全身全霊でベートーヴェンの想いが語られます。そして第6変奏の感動的なクライマックスを経て回想する主題…小山さんは、平安の中での新しい世界に向けた決意の表明でもあるかのように、いつもより明晰な表現をなさいました。


■ブラームス作曲 「6つの小品 作品118」
 6曲全てが弱奏で終わる作品118…第1曲、第2曲、第5曲、第6曲の終わり方は、和音終止(第1曲、第5曲)かアルペジオ終止(第2曲、第6曲)のいずれかです。一方、第3曲と第4曲の終結部は単純終止ではなく、小山さんはブラームスのその意図を汲まれ、心の奥底まで沁み入るような美しさの極みとも言える奏楽をなさいました。これは聴き所です。

 第6曲「間奏曲」変ホ短調…情熱が沸騰する中間部の凄絶な小山さんの演奏…2つのffのクライマックスを経て、なおも気持ちが高揚して最後に到達する頂点でのsff(スフォルツァティッシモ:その音だけをきわめて強く)の重厚な和音による絶叫…これ以上劇的かつ音楽的に勁い(つよい)音を求め、それを体現したピアニストを知りません。曲の末尾で登場する同じsffの和音もかつて聴いたことのない凄絶な勁い音でしたが、それは運命に逆らえない悲哀に充ちた叫び声のように聴こえました。

 小山さんの演奏は、少なくとも私が知る限り、古今東西のどのピアニストの演奏をも凌駕する歴史的な名演であった、と断言することができます。


■シューベルト作曲 「ピアノソナタ第20番イ長調 D959」
 全てが音楽のようなシューベルト…小山さんの独壇場です。

≪第1楽章:アレグロ イ長調≫
 冒頭の第1主題は歌というよりメッセージのように始まります。全音符→2分音符→4分音符→8分音符と音符が細分化するのは、ベートーヴェンの作品109の第3楽章・第6変奏のようです。活き活きとした経過句を経て登場するホ長調の第2主題の平安で優しい楽想は、同じ調号のベートーヴェンの作品109と通じるところがあります。曲は、シューベルトらしい美しい歌を基本としますが、劇的な表現にも事欠かず、本当に魅力的な音楽です。

 第2主題を素材として使った起伏の大きい展開部も素晴らしいですが、フェルマータ付き全休符の後からのコーダの見事さに唖然とします。曲頭ではエネルギーに満ち溢れていた第1主題が、コーダでは密やかに語るように演奏され、広い音域での転調を伴うアルペジオ風の分散三連和音が殊の外美しく、そして上下行の分散三連音と主和音で豊かな余韻の中で楽章を結びます。祈りの音楽のようで、小山さんとシューベルトとの対話が聞こえるかのようでした。

≪第2楽章:アンダンティーノ 嬰ヘ短調≫
 ブラームスの作品118の6の冒頭左手に現れたいわゆる減七(げんしち)和音が、シューベルトでは第2楽章の中間の嵐のような不吉な音楽で多用されます。苦悩や哀しみを表現する減七和音…通常は何らかの音楽的経過句を経て、例えば長調に落ち着くなどして克服されるものです(「解決される」とよく言われます)。ところが、シューベルトは解決することなく、ハ短調に移行してしまい、苦悩が益々深まるような音楽を書いているのです。音楽は激情していき、最後はffzの和音でクラッシュのように壁に衝突して突然停止します。一瞬の静寂を迎え、クラッシュと静寂が3回繰り返されます。その後は、爆発的な感情を発露する気力は無くなり、力尽きたかのように沈潜していきます。ブラームスの作品118の6の中間部と同様に、小山さん以上にシューベルトの魂の叫びを表現しえたピアニストを他に容易に見出すことができません。

≪第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調≫
 跳躍音形を多用した闊達なスケルツォ楽章で、陰鬱だった第2楽章の後に聴くと、救われた気持ちになります。ニ長調の中間部(トリオ)の右手と左手の対話風楽想の小山さんの奏楽は実に魅力的です。

≪第4楽章:ロンド アレグレット イ長調≫
 小山さんが奏する慈愛に充ちた温かみのある第1主題を聴いていると心が純化されていくように感じます。同時に、幸せな気持ちがじわじわと作られていくかのようです。小山さんが、決して揺るがない理想的なテンポで、一音一音に魂を込めて優しく、しかし勁く(つよく=しなやかに強く)演奏されているからこそ体験できることです。

 ただ優しく温かいだけでなく、生命力にも溢れ、劇的な展開も盛り込まれ、純音楽作品としての魅力を高めています。第1楽章と同様に、楽章の終わり近くで、フェルマータ付き全休止が現れ、その後、大規模なコーダ(A及びB)に移行します。コーダAでは、第1主題が再現しますが、音楽の流れは、度々(都合5回)、全休止で中断します。そして、コーダBはプレスト…小山さんの名技が冴えわたります。小山さんによる、右手の晴れやかな8分3連符の連続奏楽と左手の重厚感溢れる迫力ある奏楽との音楽的融合の見事さに言葉を失います。fz(フォルツァンド:強くアクセントをつけて)の4つの重厚な和音でクライマックスを築いた後、またもや全休止による静寂が訪れます。その後、第1主題の断片が名残惜しむように現れ、一瞬の休符を置いて、小山さんは、アルペジオ風の分散8分三連音の上行スケール(ff)を思いっきり明るく輝かしく奏されました。その素晴らしく鮮やかな奏楽を受け、最後は、第1楽章冒頭の楽想から派生している、力強い和音の連打となって全曲が結ばれます。

 コーダにおける小山さんの肯定感に充ちた奏楽は、死を目前としたシューベルトの内面の葛藤や苦悩(第2楽章で噴出した絶望的想念)を払拭するものでした。しかし、同時に小山さんも私達も、シューベルトの哀しい運命を知っていますので、明るく、輝かしく肯定的に演奏されればされるほど哀しさで胸が一杯になってしまうのです。このコーダで涙を誘う演奏をするピアニストは本当に希有でしょう。


■歴史的名演とは?…各地で歴史に残る名演奏を小山さんは繰り広げていらっしゃいます。「歴史的名演」の定義は色々あると思います。キズの全くないコンピュータのように正確な演奏からは「歴史的名演」は産まれません。私の定義は「曲が新しい生命を帯びて生まれ変わるような演奏」です。もっと世俗的に言えば「他の奏者で同じ曲を聴くことができなくなるような演奏」です。そして今回のプログラムに対しては「生きていた時代にはどんなに苦難に充ちた運命を背負っていたとしても、天国にいる作曲家が、今、心安らかに聴いてくれそうな演奏」を名演奏の定義として付け加えたいです。その意味でも、小山さんの演奏は「歴史的名演」です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:ベートーヴェンの作品109の第3楽章の主題…小山さんが設定されたテンポ(♩=48前後)は本当に素晴らしいです。ベートーヴェンのピアノソナタの中で最も好きな楽章を小山さんの名演奏で聴けて幸福です。ブラームスの作品118、特に第6曲は、他のピアニストでの演奏を聴くことが困難になるほど、衝撃的な演奏でした。そしてシューベルトのD959…小山さんの紡ぐ音にシューベルトは微笑んだことでしょう。最後の和音はシンプルなのに、小山さんがご自身の想いを込められたかもしれない、「感謝」、「祈り」、「救い」、「希望」など様々な想いが去来し、涙しました。深く感謝しています。有難うございました。

とさま

Date: 2016/11/14/02:24:01 No.4628

Re:「音の旅」第22回 大阪公演: 歴史的名演の定義に合致する素晴らしい演奏
まじょるか魔女
「私たちファンの歳時記」と、「実稚恵さまの微笑み」様のお言葉通りの
小山さんの「音の旅」シリーズ。
微笑みさん、福岡では開演に間に合わず本当に残念でしたね。
アクティブな微笑みさんのことですから、これからどこかできっと
小山さんのライヴに遭遇されることと思います。
シューベルトのご感想に深く感じ入りました。
「心の歌」の曲目は歳を重ねるごとに味わい深くなるように思います。
「何度も何度も聴きこむことで、もっと深い心を感じることができるのだろうか。。」
何年かのちにふと、また聴きたくなるのかも・・・という予感がしますね。
12月7日発売のCD「カンタービレ」楽しみですね。
カンタービレ(歌うように)・・・小山さんにぴったりです。
お話しされる声も歌われているように優しく温かですね。

名古屋での「音の旅」があまりに素晴らしく、11月13日の大阪いずみホールにプチ遠征しました。
同じ回の「音の旅」を2会場で拝聴するのは初めてのことです。
同じ曲目でこうも違うものか、とある意味衝撃を受けました。
もちろん「みんな違ってみんないい」なのですが、まずピアノの音色。
小山さんのピアノの音色は、岐阜ではしっとりじんわり、大阪ではほろほろ、と感じました。
「シューベルトを和菓子に喩えると、岐阜の栗きんとんでしょうか」と、
嬉しいコメント(魔女は岐阜県民)を以前、小山さんは仰っていたのですね。
栗きんとんには二大派閥があって、それが「しっとり派」と「ほろほろ派」なんですね。
あらら、何の話でしょうか(^_^;)

300席ほどの名古屋宗次ホールは、covariant さん、ぴあのふぉるてさんがコメントされたように
「音のカプセル」、「ホールも楽器」のように感じられます。(4554  4555)
800席ほどの大阪いずみホールは親密さを保ちながらも、ステージと聴衆との位置関係は明確で、
小山さんの「伝えたい」思いがより勁く発信されてくるベクトルの力を感じました。
大阪という「場の力」も作用しているのでしょうか。
名古屋よりアグレッシブに、全身で音楽をされていらっしゃいました。
「今日の 小山さん、攻めてはるわ〜 (゚∀゚≡;」(大阪のオバチャン)
「ステージ」がリアルに意識されるホールで、小山さんがピアノと共に音楽劇を演じていらっしゃる
ような思いになる場面もありました。
最後の一音を愛おしみピアノを抱きかかえるような両腕のかたち。
渾身の打鍵に合わせて空を舞う 小山さんの美しい髪。

「聴く私たち」をリアルに感じる初めての経験もありました。
「がまんできるんちゃうか」という咳や、鈴の音には厳しい魔女ですが・・・
シューベルト第2楽章の激しい嵐の果てのクラッシュの後の空間で「ふー」と息をされている方が
いたのです。
2回目も「ふー」、3回目も「ふー」、クラッシュの瞬間で息を呑まれたのでしょうね。
何だか同感してしまいました。
小山さんの演奏の凄まじさを改めて実感しました。

シューベルトの最後の音を輝かしく打鍵され、両手を高く揚げられて・・・
静かに膝にゆっくり降ろされました。
1階席からも、2階席からも「ブラヴォ〜」の歓声。
壮絶な演奏をされたばかりと思えないような、チャーミングな笑顔とお辞儀で何回もカーテンコール
され、アンコールは、シューベルト:即興曲90−4 と、シューマン:トロイメライ を奏でられました。
秋空に吸い込まれていくようなシューベルトでまた「ブラヴォ〜」の歓声。
そして、しっとりとトロイメライの旋律が歌われます。
シューマンはトロイメライを「子供心を描いた、大人のための作品」と語ったのですね。

会場に拡がった 小山さんの「心の歌」、作曲家の「心の歌」、拝聴する私たちの「心の歌」が
静かに 小山さんの手の中に集まっていくかのようです。
小山さんは最後の一音を慈しむように打鍵され、白いハンカチに「心の歌」を
そっと包んで行かれました。

大阪には、実家の母と、職場の先輩を誘って行きました。
「ピアノという楽器の認識が変わったわ。ハンマーで打つようなフォルテから、繊細なピアニシモまで、こんなにいろいろな音が出る楽器なのね」
「小山さんはすごいピアニストさんなのに、謙虚でお人柄がよくて素晴らしいわ」(母)
「エレガントな印象なのに、ピアノに向かうと力強くて、そのギャップが素敵」(先輩)
・・・そうでしょそうでしょ、と嬉しく頷きます。
「哲学的なピアノね。男性ファンが多いのが分かるような」(先輩)
そうですね、何回でも聴いてもっと深く味わいたくなりますね。

小山さん、「一期一会」の意味をこれほど実感したことはありません。
とさまさんの仰る「歴史的名演」を名古屋、大阪で拝聴できて幸せです。
本当に有り難うございました。
Date: 2016/11/15/00:46:56 No.4629

Re:「音の旅」第22回 大阪公演: 歴史的名演の定義に合致する素晴らしい演奏
実稚恵さまの微笑み
とさまさま、まじょるか魔女さま 突然のリプライ失礼いたします。 今回の私のレポートが波紋を呼び?皆様方に、こんなに取り上げられるとは想像もしておりませんでした。大変、恐縮で面はゆく感じております。本当に申し訳ないことと存じます。

私は、とさまさまほどの緻密な音楽的な分析は、素養も持ち合わせておりませんので全く不可能ですが、実稚恵さまの演奏に関しては何かこう言葉が湧いてくるような感じがしております。それは、毎回、演奏前に実稚恵さまが仰られるお言葉や、プログラムに記されている実稚恵さまご自身の解釈等により初めて感じることができるようにも思うのですが、やはり全国のファンの皆さんのために毎日精進され心を込めて弾いてくださるからだと、偉そうな見方ですが思っております。

まじょるか魔女さま、私の拙文に温かいご感想をいただき恥じ入るばかりでございます。ちょっと前までは、「音の旅」は九州2会場開催で、予習、復習?ができていたのですが確かに会場の雰囲気は違いますね。実稚恵さまのテンション?の高さは博多の方で感じていましたし、北九州は、落ち着いてホールの音響も素晴らしくじっくりと聴くことができていたように思います。

「心の歌」が静かに 小山さんの手の中に集まっていくかのようです。小山さんは最後の一音を慈しむように打鍵され、白いハンカチに「心の歌」をそっと包んで行かれました。」

この素晴らしい文章に実稚恵さまの演奏を聴く醍醐味がすべて凝縮されているように思います。この感動を味合うがためにホールへ足を運んでいるのだと強く感じました。

皆さまのように、実稚恵さまの演奏に触れる機会は多くありませんが、これからもファンとして心震えるような演奏に接し続けていたいと思います。

Date: 2016/11/15/23:29:43 No.4630

Re:
まじょるか魔女
実稚恵さまの微笑み様、温かなリプライを有り難うございます。
小山さんの「音の旅」は以前は九州でスタートすることが多かったですね。
微笑みさんの丁寧で臨場感いっぱいのご報告に「予習」をさせていただいていました。
今は「音の旅路」がその時々で異なり「復習」させていただくことも・・・
微笑みさんがご検討されている 瀬戸内海に浮かぶ下鎌苅島での蘭島閣ギャラリーコンサート、
過去2回訪問されたのですね。(2929、3316)
気になる場所ですので、ご投稿を偶然見つけて嬉しく拝読していました。

住まいは遠く離れていても、ファンサイトの管理人まさとさんのおかげで
このようにお話しすることができて感謝しています。
小山さんの演奏は語り合いたくなる魅力に満ちていますね。
これからも、全国各地思い思いの言葉での「小山さん賛歌」の交流を楽しみにしています。
Date: 2016/11/18/21:52:58 No.4632

Re:「音の旅」第22回 大阪公演: 歴史的名演の定義に合致する素晴らしい演奏
とさま
実稚恵さまの微笑み様へ

温かいリプライを頂戴し、恐縮しながらも大変嬉しいく思います。有難うございます。

音楽作品は奏者がいないと何も始まりませんね。楽譜は同じでも、奏者によって出てくる音楽は千差万別ですね。なので、色々な奏者の演奏を聴き比べると、その曲の姿が一部現れてくるような気がしています。そうした中で、小山さんの奏楽は、非常に多くの聴き手を魅了して止みません。それは、作曲家の想念や魂が聴き手の心の奥深くまで沁み入るからだと思います。

本当にいつも感動し、嬉しいと思うのは、小山さんのファンの皆様が、それぞれご自分の言葉で、感動を綴って下さっていることです。音楽は、言葉では表現できるものではないのですが、語らずにはいられないのが小山さんの音楽なのでしょう。

もう随分前、2年以上前に、落語ソムリエの広瀬和生さんのお話しを紹介する拙文をファンサイトに投稿しました(No.4217)。広瀬さん、落語の名人(レジェンド)について

【名人の条件は「客を毎回わくわくさせること」、「また次も行こうと思わせること」。ある程度追っかけたら、「もういいかな」と思わせるようでは名人にはなりえない。】
【落語ファンは、いい高座に接すると「今日はここが良かったね」「あそこ変えていたね」などと語り合いたくなる。】
【「名人」とは結局、その人の芸について「語りたくなる」人。どれだけ有名でも、ファンに「語りたい」と思わせない人は、名人にはなれません。】

と言った趣旨の投稿を朝日新聞(2014年4月18日)にされていました。

〔名人〕を〔名ピアニスト〕に、〔落語ファン〕を〔ピアノ音楽ファン〕に置き換えると、次の普遍的な式が成立します(笑):

〔名ピアニスト〕=〔小山さん〕

実稚恵さまの微笑み様のお言葉=「実稚恵さまの演奏に関しては何かこう言葉が湧いてくるような感じがしております。」は、小山さんのシューベルト演奏をお聴きになられて語らずにはいられなくなられたのですね。小山さんは名ピア二ストですからね。

また「この素晴らしい文章(まじょるか魔女さんの文章)に実稚恵さまの演奏を聴く醍醐味がすべて凝縮されているように思います。この感動を味合うがためにホールへ足を運んでいるのだと強く感じました。」というお言葉、「これからもファンとして心震えるような演奏に接し続けたいと思います」という素晴らしいお言葉・・・小山さんがそうあって欲しいと願っておられることだと思いますので、小山さん お喜びだと思います。広瀬さんの仰っていることと根を一にしますが、実稚恵さまの微笑み様が、ファン共通の想いを綴っていただき感謝しています。

いつの日か、どこかの会場でお目にかかり、小山さんについて語り合うことができればいいですね。他のファンの皆様とも一緒に。

有難うございました。

とさま
Date: 2016/11/19/11:51:44 No.4633


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音の旅 いよいよ佳境〜「音の旅」第22回 〜心の歌〜 福岡公演
実稚恵さまの微笑み

私たちファンの歳時記とも言える実稚恵さまの音の旅リサイタルシリーズも残すところあと3回。テーマは「心の旅」イメージカラーはグレーベージュ。静謐さと言う言葉が実稚恵さまの記されたプログラムにありましたが静かにそして深く、終盤へと向かっていくのでしょうか・・。

大阪、東京公演を残すだけとなった、しかも久しぶりの夜の公演。半年ぶりの実稚恵さまとの再会に11月11日を待ち望んでいました。

晴天の好天の下、駅に出向くと、なんと福岡〜北九州市間の架線切断事故による停電で列車のダイヤが乱れているとの情報。高速バス乗り換えも脳裏に浮かんだのですが、JR切符を買っていたこともあり、ままよとそのまま乗車。。しかし、各駅ごとに停車を繰り返すというまるで双六のような運行状況に嵌まってしまい、開演時刻にやっと小倉駅到着し、新幹線に乗り換えて会場へ到着したのと同時に第一部が終了となってしまいました。

本日のプログラム(実際に拝聴できた演奏のみ)
シューベルト:ソナタ第20番イ長調
アンコール
シューベルト:即興曲OP90−4
シューマン:トロイメライ

舞台上に置かれたぐっと渋い風情の生花。横たわった枯木の枝間に配された深紅の花弁が印象的です。実稚恵さまは高貴な鶯色のドレスを身に纏いステージに登場されました。

集中力を以てピアノに向かわれシューベルトの詩情の世界を丁寧に紡いでいきます。
静けさの中にもときおり顔をのぞかせる激しさ。。実稚恵さまも魅了されてやまない歌心あふれる旋律。。。深く心にしみわたり感動が刻まれます。

死を前に高い境地へ達した心情と、相反する本能とも言える恐れ。そのような感じを私は聴いていて感じました。何度も何度も聴きこむことで、もっと深い心を感じることができるのだろうか。。そんな想いも感じる実に丁寧で慈しみに溢れた演奏。秋の夜に相応しい素晴らしい演奏に感謝の想いを感じたひとときでした。

実稚恵さま。本当にありがとうございました。

トロイメライのしっとりとしたアンコールで終曲となりサイン会に並びました。

聴くことのできなかった、悔しくも残念な前半のベートーヴェンのソナタとブラームスの小品集。12月の蘭島閣ギャラリーコンサートで演奏されますかと実稚恵さまに、お尋ねしましたがまだプログラムは決めていないとのお返事でした。今夜のリベンジ?を兼ねて久しぶりに訪ねてみようかなと思い帰路へ就きました。

PS

最新ベスト盤カンタービレ12月7日発売というポスターが封入されていました。新譜がベスト盤というのは、ちょっとさびしいですが新たに1枚、実稚恵さまのCDコレクションが増え嬉しいです。美しいジャケットの新譜を手にとってみたいものですね。


Date: 2016/11/12/22:18:53 No.4626

Re:音の旅 いよいよ佳境〜「音の旅」第22回 〜心の歌〜 福岡公演
ぴあのふぉるて
実稚恵さまの微笑み様
11日は待ち焦がれた半年ぶりの「音の旅」福岡公演でしたのに… JR九州の架線切断事故による停電の影響で、電車の遅延にまきこまれてしまったのですね。
大変な状況の中、ようやく会場に到着なさったときには第一部が終了していたなんて! 本当にホントに残念でしたね。
あぁぁ、微笑みさん…かわいそう。と思わず声をあげてしまいました。

でも、シューベルトに特化した素晴らしいご感想を拝読して、後半だけでも間に合われてよかった!と思いました。
お気持ちのこもったご感想、深く心に響きました。
微笑みさんの穏やかでお優しいお人柄がにじみでていますね。
出だしの素敵なお言葉「私たちファンの歳時記とも言える…」から引き込まれました。
小山さんのサイン入りのページのお写真も、嬉しいです。
私だったら、おそらく怒りと悲しみと悔しさで冷静さを失い、感想レポートなど書けないと思います。

もしかすると今回のことは、微笑みさんを来月、広島・蘭島閣ギャラリーの演奏会に誘うための、神様のいたずらだったのかもしれませんね。
リベンジ?を兼ねて、ぜひ遠征なさっていらしてください!
当日のプログラムに、ブラームスの作品118も入るといいですね。
(この作品は小さな会場にも似合うような気がします…)

では、どうぞお身体お大事に。

p.s. 12/7発売のベスト盤CD「カンタービレ」、楽しみですね!
Date: 2016/11/14/00:05:30 No.4627

Re:音の旅 いよいよ佳境〜「音の旅」第22回 〜心の歌〜 福岡公演
実稚恵さまの微笑み
ぴあのふぉるてさま

早速、リプライいただきありがとうございます。日頃は、ぴあのふぉるてさまのメッセージには全く返事をしない私なのに、こんなにも温かいお言葉をかけてくださり感謝いたします。

いよいよ、「音の旅」第22回 もオーチャードにて秋楽ですね。ご存分にお楽しみください。まさとさまをはじめ、ファンの皆さま方にも、よろしくお伝えくださいませ。
Date: 2016/11/15/23:48:38 No.4631


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「音の旅」第22回 札幌公演&北の星座音楽祭 名寄公演: ブラームスの魂が語りかけてくる至高の演奏
とさま
小山さんのファンの皆さま

11月3日に札幌キタラホールで開催された第22回「音の旅」及び11月5日に北海道名寄市のエンレイホールで開催された「北の星座音楽祭」の本年度最後を飾る小山さんのリサイタルに行って参りました。同一プログラムでの公演です。今回は、ブラームスの作品を中心にリサイタルの模様をご報告しますが、まずはベートーヴェンについて少しお話しします。

■ベートーヴェン作曲 ピアノソナタ第30番ホ長調作品109
第3楽章(主題と6つの変奏及び主題の回想)の小山さんの演奏の素晴らしさに言及しない訳にはいきません。【情感】と【舞曲】の2つの要素を併せ持つ主題…小山さんは凡そ♩=46~47の(やや)速目のテンポを設定されました。その結果、至難とされる2つの要素の音楽的融合が実現されたのです。ベートーヴェンの指示通り、小山さんは“極めて親密な感情を込めて十分に歌いながら”、同時に3拍子のワルツの律動的要素を背景にそっと忍び込ませたのです。2つの要素から成る主題に込めたベートーヴェンの真実の想いを初めて聴くことができた歓びに胸が高鳴ります。主題のテンポは、第1変奏、第4変奏、第6変奏に決定的影響を及ぼします。♩=50に届かんとする速目のテンポを設定されたことで、第3楽章全体が構造的に強固になったばかりか、音楽的な統一感が見事に整ったのです。かくして小山さんは、揺るがないテンポを維持したまま第6変奏の壮大なクライマックスに到達し、前人未踏の名演奏を札幌と名寄で披露されたのです。


■ブラームス作曲 「6つの小品 作品118」
ブラームス(1833年〜1897年)1892年の作品。「ピアノで綴るロマンの旅」及び「音の旅」前回プログラムの冒頭を飾った〔ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ〕あるいは同第7回プログラムのメインだった〔ピアノソナタ第3番ヘ短調〕に代表される初期・中期の壮大な曲想とは対照的に、ブラームスは晩年、作品116(7曲)、作品117(3曲)、作品118(6曲)、作品119(4曲)と言った滋味あふれる性格的小品を立て続けに作曲しています。

作品118は、4つの間奏曲、1つのバラード(第3曲)と1つのロマンス(第5曲)から成る作品で、中でも第2曲「間奏曲」は有名です。小山さんも「ヴォカリーズ」のCDで選曲され、素晴らしい演奏をなさっています。今回は、最大の聴き曲(もの)と言ってもよい作品118の第5曲「ロマンス」と第6曲「間奏曲」の2曲についてご報告します。第2曲「間奏曲」をお好きな方は、小山さんの演奏を聴かれれば、きっと第5曲「ロマンス」が大好きになると思います。

≪作品118第5曲「ロマンス」へ長調≫
A-B-A’の 3部形式 (A'はAを縮小しています)の曲です。

調号がヘ長調で、基本的に4声部から成るアンダンテのAでは各声部の流れや和声の移ろいが美しく、旋律も心に沁み入ります。6/4拍子ですが、4小節毎に3/2拍子のように聴こえ、それが独特な味わいをもたらします。ブラームスの優しさが滲み出た素晴らしい音楽です。

そして、調号がニ長調に変わってのアレグレット・グラチオーソ(Allegretto grazioso:やや速く、優雅に)の中間部のBは大変な聴き所でしょう。Bは4小節の主題と6つの変奏フレーズ(4小節ずつ)と見ることもできます。右手は、文字通り、優雅極まりない旋律が無重力状態の中で浮遊するかのようですが、それを左手のオスティナート(同型リズム、音程、和声の反復)の伴奏形が支えます。右手旋律は、8分音符→3連8分音符→16分音符と徐々に律動的になり、行き着く先に待っているのはまるでハープのような絶美のアルペジオ風の楽想です(音符の細分化はベートーヴェンの作品109の第3楽章の第6変奏とのつながりでしょうか)。この12のアルペジオ音は、インティメートに優しく鐘のように鳴ります。

弛まないオスティナート伴奏の1拍目のD音の継続も鐘を連想させます。主題と各変奏フレーズの4小節目に付けられたG♯のトリルが優美さの極みを演出します。小山さんの奏楽の美しさには溜息が漏れます。きっと小山さんは、アレグレット・グラチオーソの楽想をこよなく愛しておられると確信します。アンダンテのA'の再現部に移行する繋ぎの3小節は、夢の中で浮遊していたブラームスが目を覚まして、現実の世界に戻る過程のようです。

アレグレット・グラチオーソと言えば、1881年に完成されたピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83の第4楽章「Allegretto grazioso」を想い出さずにはいられません。調号は異なりますが、音楽の在り方にある種の共通性が認められ、ブラームスは11年前の作品を密かに回想していたのかもしれません。

凝集された再現部A'における最後の和音は、永遠に終わることが無いのではないかと思わせるほど、小山さんは音の減衰を見極められ、完全な静寂の中でも音楽を創造されていました。その静寂を経て、最後の第6曲に移行されたのです。


≪作品118第6曲「間奏曲」変ホ短調≫
これもA-B-A'の3部形式です。
温かく幸せな「ロマンス」と比べて、何と哀しい音楽なのでしょうか。開演直前、小山さんは【あらゆるピアノ作品の中で一番孤独で寂しい曲なのではないでしょうか】と仰られました。本当にその通りで、寂寥感に満ちた陰鬱な主題が不安を背負ったブラームスの内面の吐露のような形(音楽)で提示されます。

冒頭の単旋律による主題は、グレゴリア聖歌の「怒りの日(ディエス・イレ、Dies irae)」の冒頭と酷似(こくじ)しています。「怒りの日」はキリスト教典礼における世界終末に関係しています。ブラームスが意図的に援用したかどうか定かではないですが、ブラームスの悲劇的な曲想と絶望感の吐露は、「怒りの日」のテキストと呼応するかのようです。

冒頭主題を受けて、左手が地の底から這いだすかのようにアルぺジオで応答します。このアルペジオはいわゆる減七(げんしち)和音と言われる和音です。苦悩や哀しみ、あるいは怒りや恐怖、慄(おのの)きを表現するのに使われます。小山さんの第22回のプログラムにおいても、ベートーヴェンでは第1楽章の第2主題「Adagio espressivo」冒頭の和音が減七和音ですし、またシューベルトでは第2楽章の中間部で減七和音が多用されています。3部形式のA部分での小山さんの集中力に溢れた奏楽に言葉を失います。これほどブラームスの心情に寄り添った演奏に巡り合えることは、今後、小山さんの演奏以外にはあり得ないと思いました。それほど極限的な演奏でした。

中間部のBは、変ト長調に転調し、ソット‐ボーチェ(sotto voce小声でささやくように)で始まります。しかし、やがてA部分で鬱積していた苦悩や哀しみと言った感情を振り払うかのように、技巧的で劇的な楽想に移行していきます。重厚な和音とオクターブ、スタカートを多用した、堂々とした雰囲気が実に見事です。ffのクライマックスではシンコペーションを伴う「怒りの日」の旋律が絶叫のように轟きます。B部分全体の小山さんの壮大かつ深い精神的な演奏は言語に絶する素晴らしさの極みです。

 再現部(A')では、再び哀しく絶望的な音楽が始まります。曲の末尾近く、「怒りの日」の旋律がクレッシェンドして行き、絶望的な和音がsff(スフォルツァティッシモ:その音だけをきわめて強く)で鳴り響きます。この和音でブラームスは何を表現したかったのでしょうか?悲劇的な運命への抵抗なのでしょうか?この和音に込められた小山さんの想いは、ブラームスの想いと共鳴し、かつて聴いたことのない凄絶な響きに変容しました。そして、最後は、lentoで主3和音のアルペジオで静けさの中で終わりを告げます。小山さんのこのアルペジオの奏楽・・・最後のE♭の音に注がれた優しい眼差しが、ブラームスの全ての過去の苦悩を吸収したかのように響き、聴き手を深い感動の世界に誘うのです。

 ブラームスの作品118は、構成する6曲全てが弱音で消え入るように終わります。小山さんの奏楽を通じて、聴き手の心の最も深いところにブラームスの魂が語りかけてくるかのようです・・・至高の演奏。


■雪の名寄での小山さんの公演
 名寄では、例年より4週間前後早くの積雪となりました。一面雪景色の中での小山さんの名寄公演・・・それは神秘的ですらありました。雪は音をよく吸収しますので、辺りは更に静寂になりました。都会の喧騒を離れた、静寂を醸し出す雪の降る名寄での小山さんの演奏・・・ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトが故郷を求めて名寄に訪れてきたかのような錯覚に陥りました。

 名寄で初めてお目にかかったあるご婦人のお言葉です:【小山さんの音には魂が籠っています。最初の音から全てが違います。一つ一つの音が繋がって音楽が出来上がるとすれば、一つ一つの音に魂が籠っていなければ音楽にはならないですよね。小山さんの演奏は、全ての音に魂が籠っている。だから、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの「心の歌」を聴くことができるのだと思いました。技術は大切だけれども、それよりもっと大切なことがあることに気付いているピアニストは少ないと思います。】

 深く同意し、お話しが弾み、幸せなひと時を過ごすことができました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:札幌と名寄とでは演奏環境(ホール、ピアノ、気候)が随分異なっていましたね。幹の部分は不動でも、場所によって音楽が異なって聴こえました。やはり一期一会の演奏を満喫しました。福岡、大阪、東京でも素晴らしい「心の歌」をお届け下さい。誠に有難うございました。

とさま
Date: 2016/11/08/03:03:26 No.4625


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自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
まじょるか魔女
10月29日(土)名古屋宗次ホールにて、小山さんの「音の旅」を拝聴しました。
前日の雨に洗われた空は清々しく、爽やかな風の吹く晴天となりました。
小山さんはグレーベージュから青緑のグラデーションのドレスで登場されました。

✿心の歌.戞璽函璽凜Д鵝Д團▲離愁淵紳30番ホ長調 作品109

堰を切ったように、音符にのせて心の歌が始まります。
上昇する2音、下降する2音。
「あの・・・あのね、ずっと言いたかったのだけれど・・・」と語っているかのようです。
「一気に溢れる感」の冒頭の旋律から、ショパン:ピアノソナタ第3番第1楽章を思い出しました。
ショパンの下降する5音の旋律は確信をもって聴く者に迫ってきますが、
ベートーヴェンの冒頭は、言葉にならないもどかしさと切なさを感じます。
ショパンからは美学に基づいた完成した歌を、ベートーヴェンからは揺れ動く生身の言葉が伝わってきます。

前回の「音の旅」ハンマーグラヴィーアでは外へ迸るエネルギーを感じましたが、
今回は自分の心の森のなかに分け入り、耳を澄ませているかのようです。ベクトルは深く内へ、内へ。
ビビットな色ではない、スモーキーなグレーベージュ。
自分でも気づかないような胸の奥の思いが音符に載って浮かび上がってきます。

小山さんが解説される「小山実稚恵の世界 ーピアノで綴るロマンの旅ー」で次のように仰っていますね。
「・・・次のブラームスの『6つの小品』が、ひとりぼっちで孤独な印象を与えるのとは違って、
ひとりで瞑想にふける感じ。孤独というよりは、好んでひとりでいるという感じでしょうか。」

第3楽章第6変奏のトリルをベースにした音符と休符の点滅。
その直前に、星が架かる予告をされるように、小山さんが客席の方にお顔を向けられたのです。
神々しい愛の歌が溢れ出し、空に星座を形作っていきます。
星の輝きをホールいっぱいにピンで留めていくように。息を呑んで夜空を仰ぎ見る心地でした。
曲の最後に、主題に回帰する形式は、バッハ「ゴルトベルク変奏曲」へのオマージュを感じますね。
小山さんを介して、ベートーヴェンの言葉が時空を超えて、ホールの大気に漂ってきました。

✿心の歌▲屮蕁璽爛后В兇弔両品 作品118

第2曲 間奏曲イ長調
ブラームスのクララへの距離をおいた密やかな思いが滲んでいます。
ちょっと話が飛びますが、宝塚歌劇団の公演のなかで「エリザベート」と並んで魔女の愛する 
宙組「翼ある人びと〜ブラームスとクララ・シューマン」。
    ・・・すみません、聞かれていませんね(^_^;)
劇中の クララのお誕生日を祝う会で、ブラームス役の 朝夏まなとさんによって作品118第2曲が
演奏されるのです。
クララがシューマンとダンスしながら、「何か言っている・・・ピアノが」「君におめでとうと言っている」
「あなたに有り難うと言っているのよ」「口下手なんだなあ」「偽りない心だけが聴こえる」
「新しい響きのなかに古典の美しさがある・・・」という会話が交わされます。
実際にこの曲がクララに贈られたのは、シューマンが亡くなってからですね。
ブラームスの心の声がしみじみと流れます。
ちなみに、この公演のデュエットダンスはブラームス役とクララ役の二人の手が最後まで触れ合わないことが
話題になりました。

第6曲 間奏曲変ホ短調
晩年のブラームスの心の森。グレーベージュの靄(もや)をくぐって見えてきたものは何だったのでしょうか。
この6つの小品は1892年のクララ・シューマン73歳の誕生日に手紙と共に献呈されたのですね。
クララと思いが行き違っていた時期に音符で綴ったラブレター。
積年の心の歌が 最終2小節の lentoアルペジオの和音に凝縮されます。
小山さんの最後の一音が響き、そして減衰し無音になり・・・
拍手は心の中でさせていただくほうがふさわしいような静謐な時間でした。

✿心の歌シューベルト:ピアノソナタ第20番イ長調 D959

ピアノを介して ショパンは歌い、ベートーヴェンとブラームスは話しているように感じますが、
シューベルトは詩を紡いでいるようです。
死のわずか2ヶ月前に一気に書き上げた3つのピアノ・ソナタの2作目にあたり、
シューマンに献呈されたのですね。
1年前になくなったベートーヴェン的な骨太の和音もありながら、
シューベルトの流離い(さすらい)の詩が詠まれています。

第2楽章
ピアノが泣いている・・・シューベルトと、小山さんと共に。
途中で、即興曲90-3を想起するような柔らかい旋律にほっとする間もわずかで、
またピアノから涙が滲んできます。
シロウトの唐突なイメージですが、この楽章は演歌のようにも感じました。
シューベルトが雪の降りしきる能登半島の居酒屋で、ひとりお酒をのんでいます。
他に客もないさびれた店のカウンターで、色白のシューベルトはますます頬を紅潮させています。
熱燗を一口のんで、何かを書きつけて・・・
女将がふと見ると、楽譜のようです。「お客さん、音楽をされる方ですか・・・」
はっ、妄想がふくらんでしまいました。失礼いたしました。

第3楽章の朗らかなスケルツオで少しほっとして、
第4楽章ではグレーベージュの靄を抜けたかのように澄んだ歌が始まります。
音のない空間に、シューベルトの息遣いを感じます。「行間」が音楽になったらこのようになるのですね。
時折ふっと音が止むところ。
間近に迫った死期を予感し、シューベルトが幸せだった時の場面を次々に思い出しているかのようで
切なさに胸がいっぱいになりました。

✿アンコールは、 
シューベルト:即興曲90-4、シューマン:トロイメライ でした。
2曲とも、子ども心を思い出したくなるような響きでした。
心の森の原点は子ども時代に遡ることで辿れるのかもしれませんね。


前回に続いて、とさまさん、ぴあのふぉるてさん、covariantさん、ピア友と共に
小山さんの「音の旅」を拝聴することができました。旅は道連れ、を再び嬉しく実感です。
小山さんの演奏を直に拝聴することによって、いつも曲への新しい解釈をいただき、
作曲家の心に寄り添って少しずつ理解を深めることができているように感じられて感謝しています。
小山さん、グレーベージュの心の歌が今でも響いています。
これから、北海道からオーチャードホールまで、一期一会の心の歌を奏でられるのですね。

次回の「 くすんだ青緑」の世界も今から心待ちにしております。
Date: 2016/10/30/23:52:32 No.4619

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
covariant
まじょるか魔女さんの素晴らしい投稿の、後に続いて投稿させて頂きます。

10月29日、名古屋宗次ホールでの、「音の旅」第22回〜心の歌〜。
ポスターに「完売御礼」の札がある小山さんのリサイタルに、私はファン仲間の皆様と共に鑑賞でき、歓びも一入でした。
宗次ホールの会場規模からか、待ち時間や休憩時間の観客の皆様の表情にも身近に接し、どの方も小山さんの演奏を慈しんでおられるという印象を強く抱きました。

ベートーヴェンの再生、ブラームスの苦悩と抗い、そして孤独から始まるシューベルトの歌。
小山さんの確たる演奏によって、それぞれの作曲家の晩年の曲を聴かせていただきながら、私の脳裏を巡ったのは、この数年の間に人事環境が大刷新された、もう70歳に近い自分の人生でした。
その数年間に、私には癌治療入院と復活、両親の相次ぐ他界、永い会社員生活からの退職、そして再婚という事件まで起きたのでした。

冒頭のご挨拶で小山さんも仰っていたように、この宗次ホールは、静かな〜心の歌〜リサイタルがよく似合いました。
小山さんの演奏は、協奏曲でも室内楽でも勿論素晴らしいですが、もともとリサイタルをこそ聴きたいと、12年間24回シリーズの聴取を10年間願ってきた私にとっては、今回の〜心の歌〜もその真骨頂を見せていただきました。会場の皆さんと同じように、大好きな小山さんのピアノで、しみじみと感動的に聴き入りました。


このところ、ぴあのふぉるてさんの行き届いたご紹介もあって、雑誌の対談やコラムで、小山さんの言葉を目にする機会が増えました。その度に、小山さんの感性が、僭越ながらm(_ _)m 私の推測通りに素晴らしい事を発見しとても嬉しく思っています。
最近ではリオ・オリンピックを話題に、オリンピックで感じる美しさはアマチュアの世界にしか存在しない美しさであり、勝負でありながら勝敗を超越した精神の美しさに心打たれる、と語っていらっしゃる事を見出し、大喜びしました。(『モストリー・クラシック』11月号「ピアノと私」)
これはすなわち、芸術家小山さんが目指し、実践されている事に他なりません。
そして、もはやこのサイトでお馴染みとなっている、とさまさんの寄稿文によっても、その事が証明されているように思います。

今回の〜心の歌〜は、実質的にはどうやら北海道名寄市まで延伸するようですね。
日本の各地で小山さんのピアノが響きわたることを慶び、どうぞご健勝に遂行されますようにお祈り致します。
Date: 2016/10/31/17:25:09 No.4620

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
covariant
まじょるか魔女様

相変わらずの、イメージ豊かな才能に舌を巻きます。ありがとうございます。私のような想像力希薄人には記憶が補強されます。
そして名古屋ではとてもお世話になりました。改めて御礼申し上げます。
Date: 2016/10/31/17:38:05 No.4621

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
とさま
まじょるか魔女様へ

ポエティックな香り高い文章による小山さん賛歌を大変嬉しく拝読しました。いつも小山さんが創造される音楽の本質に迫るような筆致、小山さんと作曲家との間でのコミュニケーションの様子を聴き手である私たちに伝達して下さるかのようで、拝読していて心が温かくなります。

ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトといった大作曲家のそれぞれの[心の歌]の表現の仕方の差異・・・それはまさにそれぞれの作曲家の音楽の差異であり、またそれぞれの作曲家の生き方の差異の反映でもあるかのようですね。まじょるか魔女さんが、それぞれの作品の小山さんの演奏に寄せられた感想から、そのことを非常によく理解できます。

■ベートーヴェンでは、ショパンの第3ソナタとの関連性に言及されていますね。新鮮な御指摘にハッとしました。【ショパンからは美学に基づいた完成した歌を、ベートーヴェンからは揺れ動く生身の言葉が伝わってきます。】(まじょるか魔女さん)・・・これこそショパンの本質を突いた御指摘で、何かと神格化されるベートーヴェンの音楽が実は人間味溢れる音楽であることを改めて認識することができました。

第3楽章の第6変奏の小山さんの演奏の素晴らしさは、どんなに言葉を重ねて絶賛しても足りないほどでしたね。

【小山さんを介して、ベートーヴェンの言葉が時空を超えて、ホールの大気に漂ってきました。】(まじょるか魔女さん)・・・これはやはり音楽的奇跡ですね。

■【ブラームスの言葉がしみじみと流れる】とお感じになられた作品118の2(ヴォカリーズのCDに収録されていますね)は名演でしたね。宝塚でブラームスとクララが登場する舞台があったのですね。ご紹介いただいた会話はノンフィクションのように感じられます。

作品118の5のロマンスも素晴らしかったですが、まじょるか魔女さんが言及されている作品118の6の小山さんの演奏を聴かせていただき、私は、今までこの曲の何を聴いてきたのだろう、と眩暈(めまい)を感じるほどでした。中間部の情熱の沸騰では、ピアノが壊れるのではないかと思われるほど、小山さんは強い音を求められ、迫真的な奏楽をなさいましたね。最期のアルペジオでは、小山さんの表情が平安に充ちていたのが、とても印象的でした。ベートーヴェンと同様に、この曲も拍手が相応しくない曲だと思いました。


■シューベルトは600曲以上の歌曲を作曲していますね。ドイツ語の深い理解がない私ですが、それでもシューベルトのある種の歌曲を聴くと人生の縮図のように感じることがあります。一方、シューベルトのピアノソナタ(器楽曲)には歌詞がないのですが、歌が聴こえてきますね。シューベルトのピアノ曲を聴くと彼の歌曲をより深く理解できるような気がしてきます。まじょるか魔女さんは、第2楽章に演歌を感じられたとのこと・・・唐突なイメージと仰っていますが、的を射ていると思い、驚きました。シューベルトは居酒屋(ホイリゲ)でワインを飲みながら、歌を歌ったり作曲をしていたような気が確かにしますね。

第4楽章は美しければ美しいほど哀しくなりますね。回想のあり方や苦悩の在り方、そしてそれに対峙する精神の在り方がベートーヴェンとシューベルトでは全く異なりますね。心の歌の差異として音楽に色濃く反映していますね。

ご一緒に聴かせていただき大変嬉しく思っています。有難うございました。

とさま
Date: 2016/10/31/20:29:19 No.4622

Re:自分の森のなかへ・・・ グレーベージュに色づく心の歌
ぴあのふぉるて
10月29日、第22回「音の旅」を、名古屋の宗次ホールで拝聴いたしました。
「〜心の歌〜」と題されたとおり、三人の作曲家の心情が心に沁みるプログラムでした。作曲家が五線譜に記した作品を、小山さんが時空を越えて聴き手に届けてくださる。そのことにいつも感動するのですが、今回は、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトが音符で綴った胸のうちが心に沁みて、じんわりとした感動を覚えました。今もまだその余韻に浸っています。

淡い青緑にも見えるグレーベージュのドレスでステージに登場された小山さんは、「早いもので24回シリーズは、もう22回となりました。初めに構想を練った時、メインは決まっていて、最後の3回にはベートーヴェンのソナタ第30, 31, 32番を弾いていこう。シューベルトのソナタを一緒にしていこう、と決めていました…」とご挨拶されました。
小山さんの決意もスゴイですが、それを実現なさる強い意志に、感嘆いたします。しかも、ごく自然に、事もなげに実現なさっている(ように見える)謎。
続けて、今回の演奏曲目3作品についてのお気持ちを簡潔に、心をこめてお話しくださってから、演奏に入られました。
(ここでは、各作品の前に小山さんのお言葉をご紹介しています)

《 ベートーヴェン:ソナタ第30番 作品109 》
「前回のソナタ第29番ハンマークラヴィーアはすべてにおいて「革新的」で、「可能性への挑戦状」のような作品でした。まさに「動」。この作品を「長編小説」だとすると、今回の作品109は「静」。これは「歌、短歌」だと感じます。作品106で、ある種のベートーヴェンの気持ちの完結があって、その先は、別の段階に入ったのでは…?」とお話しされました。

いつの間にか可愛らしい音色が聴こえてきました。本当に、前作と出だしから、ゼンゼン違いますね。短い第1楽章だけでも、ピアノで表現できる魅力のすべてが色々しっかり詰まっている印象があります。美味しい幕内弁当のように。
疾風のような第2楽章は、力強いスタッカートで締めくくられて、かっこいい!
そして、美しい主題と6つの変奏曲からなる第3楽章にすっかり心を奪われました。ワルツのように優雅な第1変奏、軽やかな第2変奏、いきなり快活な第3変奏、穏やかに漂うような第4変奏、がっちりと硬質な音色の第5変奏。
そして、第6変奏。穏やかな始まりの後、徐々に音価が短くなり、長い長い美しいトリルと旋律につながって、続いて、思いを込めた星々が夜空に煌めくと思えば、再び主題がそっと歌われて… 思わず合掌してしまうのでした。

《 ブラームス:6つの小品 作品118 》
「誰かに聞かせようという域を越している。恋人への思い、クララとシューマンのシンフォニーの出版で折り合わなかったことなど、寂しい毎日が積み重なって… これ以上ない孤独な響き。それでも優しい思いは持ち続けている。」…とご紹介くださいました。小山さんはいろいろな作曲家と仲良しだと思いますが、ブラームスにもますます傾倒しておられるようですね。
やるせない思いを音符で表現したブラームスと、ブラームスに寄り添いながら「心の歌」を聴衆に届けてくださる小山さんに、改めて感銘を受けました。

優美で可憐な第5曲:ロマンスの後、小山さんは、(同じ作品の合間にしては)しっかりと長い「間」を取られたように見えました。それだけ 第6曲:間奏曲の演奏に、ひときわ特別の思いを込めておられるのだと感じました。
その曲は、もうどうしようもないくらい暗くて寂しい出だしですが、中間部で突如、圧倒的な躍動感あふれる音楽になりますね。穏やかで優しいブラームスの、奥に秘めた激情が胸に突き刺さりました。(小山さんはブラームスを演奏なさるときは、大きな身体と太い腕や指の持ち主になられるようです。深々とした厚みのある和音を、全体重をかけて演奏なさって、素晴らしかった!)
そして、儚く消えゆく最後のアルペジョの美しさも、忘れられません。
盛大な拍手より、静かに首を垂れて敬意を払いたい気持ちになりました。まじょるか魔女さんと、とさまさんも、同じように感じられたのですね。(No.4619、No.4622)

《 シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 D.959 》
死を目前に書き上げた3つのピアノ・ソナタの2作目。
小山さんは初めにこの作品への思いを、「本当に美しい旋律がうつろう。ベートーヴェンを敬愛し、ベートーヴェンへの思いが内在している。時間とともに変化していく心情が、たゆたうようで、なんとも言えない…」と愛おしそうに教えてくださいました。

第2楽章、小山さんの奏でる哀しい美しい歌にうっとりと身を任せていると、時おり恐怖におののく叫びが繰り返されて、背筋が寒くなります。死期迫る青年シューベルトの孤独がひたひたと心に沁みて居たたまらない思いがしました。低音のトリルも怖いですね。快活な第3楽章との対比も素敵。第4楽章はどこか懐かしい温かな主題を一緒に歌いたくなる、美しい音楽でした。
シューベルトに向けられた小山さんの優しい愛情と慈しみあふれる奏楽に、心が満たされました。

アンコール1曲目は、シューベルトの即興曲作品90-4。
アンコールといえども、本編のソナタと同じく、大切に心を込めて演奏なさる小山さんのお姿に、深く感動しました。
最後はシューマン:トロイメライ。次回のプログラムにもつながる感動の選曲です。夢のように幸せなひとときが終わらないでほしい、と思いながら拝聴しました。
ご参考までに、「本日使用のピアノ スタインウェイ D274」とのことです。
(ホール入口の掲示板より)

小山さん、心に沁みる音楽を、本当にどうもありがとうございました。
とさまさん、まじょるか魔女さんとピア友さん、covariantさん、今回も宗次ホールでご一緒させていただき、どうもありがとうございました。
そして、こうして小山さんファン仲間の皆様と交流を深めることができるのは、ファンサイトを管理してくださるまさとさんのおかげです。心より感謝しております。
寒くなりましたので、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。
Date: 2016/11/01/17:53:51 No.4623

小山さんの解説について、引用箇所を訂正いたしました
まじょるか魔女
covariantさん、とさまさん、ぴあのふぉるてさん、魔女の拙文に
温かいリプライをしていただきまして有り難うございます。
皆さまのご感想に、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトそれぞれの「心の歌」が
より立体的に響いてきています。

ひとつ、お詫びと訂正をさせていただきます。
4619 の投稿のなかで、小山さんが解説される美しいご著書『小山実稚恵の世界』の
「心の歌」のページから引用させていただきました。
「ひとりぼっちで孤独な印象を与えるのとは違って、ひとりで瞑想にふける感じ。
孤独というよりは、好んでひとりでいるという感じでしょうか。」
この 小山さんのお言葉を「ブラームス:6つの小品」の項に引用いたしましたが、
この内容は、「ベートーヴェン:ソナタ第30番」について仰ったものですね。
「ひとりぼっちで孤独な印象…」はブラームスで、「ひとりで瞑想にふける感じ。…」なのは
ベートーヴェン、と感じていらっしゃるのですね。
読解不足のため、引用箇所を間違えてしまいまして、誠に申し訳ありませんでした。
4619 の文章を訂正いたしました。謹んでお詫び申し上げます。

まさとさんの運営されるファンサイトは「記事修正・削除」の機能も付けていただき大変有り難いです。
そして、ぴあのふぉるてさんの仰るように、
「小山さんファン仲間の皆様と交流を深めることができるのは、ファンサイトを管理してくださる
まさとさんのおかげです。」ね!
いつもお世話になり感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、小山さんと 小山さんの演奏を共に愛する皆さまと語り合いながら、
小山さんセンサーの感度を少しずつ上げて、理解を深めることができますようにと願っています。
各地で「心の歌」を聴かれる皆さまのご感想を心待ちにしております。
Date: 2016/11/02/22:31:50 No.4624


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