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本当は、一番初めに”小山実稚恵さん”に伝えたかったこと
オクターヴ練習中
 「ようやく書けた」という印象でキーを入力しています。本当に長かった。自分という名の正体、これがなんとなく解るようになるまでの間が。そして、今の、今まで、解らなかった。
 理由も解らないまま、毎日ピアノに向き合う日々。ピアノを弾いている時だけ、苦しい感覚のある右手の違和感、不正咬合からくる、身体が歪んでいくような感覚、これが少しだけ和らぐ。
 なんとか、いくつかの作品を弾けるようになって、身体の違和感が修正されていく打鍵フォームを探していく日々が始まりました。本当はもう少しピアノが弾けるようになってから記したかった。けれども時間は止まることなく進んでいく。そう思うと、次に”小山実稚恵さん”に会うまでに伝えておきたいと思うことを伝えきれなくなってしまう。だから、今、伝える。伝えたいと思うことのなかで、はじめに伝えたいと思うこと。


 もう一人の日本を代表する女性ピアニストとの出会い


 ”小山実稚恵さん”の演奏会へ足を運ぶようになった頃に、時を同じくして、もう一人の日本を代表する女性ピアニストの演奏会へも足を運ぶようになりました。ショパンの生きた時代のプレイエルピアノとともに旅をして被災地演奏会を行ったピアニスト。このように表現することで、読んで頂けている方にご理解して頂けるのではないかと思います。
 あるとき、こちらのもう一人の日本を代表する女性ピアニストの演奏会での演奏の途中、突然ある音が歪むようになりました。曲の途中で突然に1音だけ歪むようになったわけで、演奏はそのまま続いていきます。曲の途中、もう一度その音が歪んで聴こえてきました。けれども、その後で、音が歪むことがありませんでした。
 そういえば、演奏会で歪んだ音を聴いた記憶がない。そんなことを、過去の思い出しながら、気付くのでした。あぁ、やっと”小山実稚恵さん”に伝えることが出来ると思った訳です。でも、その後の別の演奏会で、弦を歪ませながら演奏する姿を観ることがありました。「 えぇ〜っ、なんで〜 」という風に驚きましたが、表現の手法として歪む・歪まないを分けて演奏をしてきたのかもしれないということを思うのでした。
 ここから先は、随分と前のことになるのですが、そのピアニストの演奏会が終わって、たくさんのひとがサイン会に並んでいました。自分もサインをしてもらうための本を手に列に並びました。自分の番になり、本にサインをしていただくと、自分の手を取った後で、サインをした本を手渡していただくのでした。そのときに、ピアニストの腕がまったく違った筋力をしていることを知るのでした。このことを”小山実稚恵さん”に伝えたい、ということをいつのころからか思うようになりました。それに加えてとなりますが、間接的にでも、いつか、そのピアニストにお礼の気持ちを伝えてみたいと思うようになっていました。ようやくこの気持ちを伝えることが出来るかもしれないと思えると、ほっとする気持ちがあります。そして届くといいのですが。


 子犬のワルツ考


 子犬のワルツ。ショパンの作品。どうしても理解できない。”小山実稚恵さん”の演奏を観るまではずっとそう思っていました。子犬のワルツについて、どうしても、「英雄ポロネーズ」を作った人の作品と思うことが出来ないでいるのでした。けれども、”小山実稚恵さん”の演奏で、そして、”小山実稚恵さん”の演奏の際の表情で、ふと、ショパンの犬に対する見方なのかもしれない、ということが頭の中に浮かんできたとき、頭の中で笑いが止まらなくなりました。そこから子犬のワルツが楽しくなってきたように思います。
 もう一人の日本を代表する女性ピアニストの子犬のワルツはショパンと同時代から音を奏でるプレイエルピアノで聴くことが出来ました。プレイエルのピアノで聴く子犬のワルツでは、ミニチュアサイズのピットブルが猛烈な勢いで自らの尾を追いかける絵が浮かんできました。音楽というは本当に不思議ですね。


 本当に難しい気持ちの表現


 伝えるということは本当に難しいことですね。そして、伝えるということは、信頼するということの同時性が備わるものですね。本心を閉じ込めたままの生活に慣れていたためなのかもしれませんが。ひとつ、投稿する度に、ひとつ、信頼する気持ちが出来ていく。そんな気持ちが芽生えてきます。


 とさま様へ


 いつもコメントをしてくださり本当にありがとうございます。最近はピアノに向き合う中で、ポジションの移動について頭を悩ませております。指を伸ばしても届かない鍵盤を打鍵する際の運指に何かいい方法はないかな、ということを考えながらピアノに向き合っています。
Date: 2017/10/02/17:13:35 No.4758


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ちょっと変わった情報です!
管理人@まさと
ファンの皆様へ

大変にご無沙汰を致しております。
いつもファンサイトをご利用頂きまして誠にありがとうございます。
今年は12年間・24回リサイタルシリーズの最終回。
あっと言う間の12年です。

ご存知の方も多いと思いますが、今日は12年間も通い続けていますオーチャードホールの本当に近くにある僕の隠れ所をご紹介します。

昭和の香り満載のクラシック専門の純喫茶です(懐かしい響きです)

興味のある方は、こちらのリンク先をご覧ください。

http://michiekoyama-fan.com/lion.html

では、また皆様と小山さんのコンサート会場でお会いする事を楽しみにしております。


Date: 2017/09/20/21:04:28 No.4750

Re:名曲喫茶ライオンと月刊ショパン
花葉
先日、ヤマハのお店に行とすぐ素敵な笑顔の小山さんと目が合い…「何で?!」と近くで見たら月刊ショパンの表紙でした(笑)
11月の最終公演についてのインタビュー、興味深いです。
また、喫茶ライオンで選曲されている方の連載もありますね♪
Date: 2017/09/26/13:25:29 No.4756

Re:ちょっと変わった情報です!
まじょるか魔女
皆さま、素敵なお知らせを有り難うございます。
「ショパン」10月号は、まさに永久保存版!
表紙の 小山さん、お好きな色のグリーンのドレスで笑顔が爽やかですね。
「旅の終着点へ、そして新たな旅へ」の巻頭特集はタイムリーな企画で、「音の旅」のお供をする者は必読ですね。
96ページの「珈琲と浪漫の香る館から」は、まさとさんの隠れ所「名曲喫茶ライオン」の選曲担当の方の貴重な連載なのですね。
ライオンさんは、まさとさんのコンサートレポートに登場されていて以前から気になっていました。昭和元年にできたお店なのですね。いつか伺いたいと思います。
「ショパン」11月号の特集は「ミルクティーと名盤〜芸術の秋に名曲喫茶探訪〜」と予告されていて、ライオンさんきっと紹介されますよね。
まさとさんの写真館も楽しく拝読しています。クローズアップされた上野動物園の仲間たちの表情、興味深いですね。

まさとさん、いつもファンサイトの運営を有り難うございます。
これからもお身体大切に、末永くよろしくお願いいたします。
Date: 2017/10/01/11:11:36 No.4757


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小山さんの音:唯一無二の確信に充ちた音
とさま
 「ホロビッツトーン(音)」のように往年の大ピアニストは、それぞれが独自の音を持っていたと言われます。ホロビッツの研ぎ澄まされた鋭い音、ルービンシュタインの明るく大らかな音、クラウディオ・アラウの重厚な音、ポリーニの一糸乱れない玲瓏(れいろう)な音、などなど。一聴するだけで、誰が弾いているか分かる…これは、大ピアニストに共通することなのではないでしょうか。

《小山さんの音》…小山さんは、唯一無二のご自分の音を持っていらっしゃいます。小山さんのCDに耳を傾けると、他のピアニストとは全く異なる小山さん独自の音を感じることができます。小山さん独自のタッチや卓越したペダリングが産み出す魅惑的な音…一言で言えば【曖昧さのない確信に充ちた音】。

 確信に充ちた音は、あらゆる種類の音を唯一無二の音に化学変化させます。美しい音、輝かしい音、鮮烈な音、躍動する音、潤いのある音、芯のある音、温かい音、柔らかい音、深々とした音…全てが小山さんの【確信】という触媒による化学変化を起こし、次元の異なる音彩として立ち上ります。小山さんのsf(拙稿No.4739)が素晴らしいのも【確信】という触媒作用を経たからでしょう。テンポ、リズム、ダイナミクス、フレージング、アーティキュレーションと言った音楽表現に重要な要素に対する小山さんの卓越性が相互に重畳(ちょうじょう)することで、往年の大ピアニストの音と並び称されるべき『小山トーン』が比類なき音として誕生するのです。

〜〜〜〜〜〜〜
 本日(9月23日)、岩手県民会館・中ホールで小山さんのリサイタルが開催されました。『岩手県民会館コンサート・サロン』の第200回を記念するコンサートでもありました。仙台でお生まれになり、盛岡で成長された小山さん…様々な想いを抱かれてコンサートに臨まれたのでしょう。満席のホールの隅々まで『小山トーン』が浸透しました。ピアノの状態もよく、小山さんはピアノと協働し、【確信に充ちた音】によるシューベルトとショパンの作品を誠に見事に演奏されました。ファン仲間のお言葉をお借りすれば、潔い(ぴあのふぉるてさん)そしてぶれない(まじょるか魔女さん)小山さんの最高の演奏が刻まれた一生忘れられない公演となりました。

曲目は次の通りでした。

《シューベルト》
●即興曲 変イ長調 作品142-2
●即興曲 ハ短調 作品90-1
●即興曲 変ト長調 作品90-3
●即興曲 変イ長調 作品90-4
●即興曲 変ロ長調 作品142-3
●即興曲 変ホ長調 作品90-2

*******休 憩*******

《ショパン》
●子守歌 変ニ長調 作品57
●ノクターン 第18番 ホ長調 作品62-2
●ノクターン 第13番 ハ短調 作品48-1
●ノクターン 第21番 ハ短調 (遺作)
●ワルツ 第2番 変イ長調 作品34-1「華麗なる円舞曲」
●ピアノ協奏曲 第2番より 第2楽章「ラルゲット」変イ長調(ピアノ・ソロ版)
●アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22

《アンコール》
●ワルツ 第7番 嬰ハ短調 作品64-2
●ノクターン 変ホ長調 op.9-2
●ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53「英雄」

 前半のシューベルトの即興曲は小山さんの十八番(おはこ)のレパートリー。小山さんの確信が、シューベルトの核心に触れ、それらが共鳴するかのように、シューベルトの想いが確信に充ちた音で顕現(けんげん)されます…弱音から強音まで、小山さんとピアノとホールが三位一体化し、驚くべきことに、シューベルト音楽がポジティブな様相を呈します。全ての音が意味深く響きます。各声部の音楽的役割をこれほどまでに明示した演奏は稀有です。通奏低音のように流れるシューベルトの「優しさ」をベースに、未来への「希望」や「決意」を確信に充ちた音で肯定的に語る小山さんの奏楽に聴衆は感動で涙しました。

 小山さんの十八番のレパートリーが並ぶ、後半のショパン作品中、ショパン最後のノクターンである第18番ホ長調作品62の2が目を引きます。小山さんは、これまでこの曲をそんなに演奏されていなかったかと思います。ABAの3部形式を取り、そのA部分は、甘美で夢見るような旋律で始まり、充実した和声と洗練された響きにうっとりとさせられます。Agitato(激情的に)のB部分では、動きの伴った16分音符を主体とした不安気な楽想となり、やがてAが再現されます。小山さんの奏楽の素晴らしさは終わりの4小節に顕著に現れます。息を呑むような美しさの極みが実現されたのは、やはり小山さんの【確信に充ちた音】があってのことでしょう。ショパンのノクターン全曲の中で、第18番ホ長調作品62の2は作品48の1と並ぶ、最高の芸術作品であることを、小山さんは教えて下さいました。この2つの作品をプログラムに並べられた小山さんの慧眼(けいがん)に圧倒されます。フラット(♭)系作品がずらりと並ぶ中、(ワルツ第7番と作品22のアンダンテスピアナート部分を除き)ノクターン第18番ホ長調作品62の2が唯一のシャープ(♯)系作品であったとしても、この2つの作品を連続して聴くことの音楽的意義は非常に大きいことを理解しました。このような音楽的体験は小山さんの公演以外では得難いことでしょう。

 シューベルトもショパンも、ピアノという楽器が完全に鳴りきり、持てる力の全てが発揮されたかのような迫力に満ちた演奏でもありました。しかしながら、どんなに強音であっても、決して粗削りになることはなく、音楽的な響きが維持されているのに心底驚嘆しました。また逆に、どんなに弱音であっても、決して痩せることはなく、芯のある音として、ホールの隅々までに響き渡るのも本当に凄いことでした。

 小山さんの確信は、作曲家の核心に届き、その結果、作曲家の想いが、小山さんの確信に充ちた音に宿る、そして聴衆は作曲家の想いを共有する…このような稀有な音楽的機会を提供して下さるのが小山さんなのです。

一聴して分かる小山さんの音=曖昧さのない確信に充ちた音

 これは、なぜ小山さんは各地で一期一会の素晴らしい演奏をなさるのか、その答えなのではないかと思います。また、なぜ小山さんの演奏がかくも多くの音楽ファンを魅了するのか、その答えでもあるのです。それは、(音楽的に)確信に充ちた音には迷いがなく、あらゆる種類の音に生命を付与することができ、その結果、音楽はいよいよ活き活きとし、恣意とは無縁の自然な音楽に化学変化するからです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★小山さんへ:《小山トーン》を強く感じさせた素晴らしい演奏に圧倒されました。プログラムを補強して下さり、有難うございました。ピアノの音が説得力を持って響き、シューベルトとショパン音楽の集大成のようにすら聴こえました。聴衆は皆幸せそうでしたね。心から感謝申し上げます。
Date: 2017/09/24/02:37:49 No.4753

Re:小山さんの音:唯一無二の確信に充ちた音
ぴあのふぉるて
とさま様
岩手県民会館でのリサイタルの速報をどうもありがとうございます。
中ホールに鳴り響いた《小山さんの音》を想像しました。本当に素晴らしかったでしょうね。曲目についての分析を拝見し、音楽の表現は、曲選びからすでに始まっているのだということも、再確認できました。

皆様
小山さんの記事情報をお届けいたします(最新号です!)

♪ 『ショパン』2017年10月号
(本日、とさまさんよりお知らせいただき、書店へ走りました)
小山さんが表紙です! 永久保存版ですね!
巻頭には小山実稚恵さんのインタビューが載っています。
素敵なお写真もたくさん。これから拝見するのが楽しみです。
 Pianist Special Interview No.260
 「旅の終着点へ、そして新たな旅へ」

(偶然、特集1では24の調性と色がテーマとなっています。面白そうですね。
 〜「音楽をカラフルに! この調性、あの転調」 )

♪『音楽の友』2017年10月号 p.112-115
〔連載〕小山実稚恵 & 平野 昭 対談 ベートーヴェンとピアノ 第7回
今回取り扱う楽曲:
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12-1
ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.12-2
ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12-3
  秋の夜長に、ゆっくり拝読したいと思います…。

♪『モーストリー・クラシック』2017年11月号 p.83
「ピアノと私」第42回 〜往年の名演奏家たち(2)〜
ヴィルヘルム・バックハウス、アルフレッド・コルトー、サンソン・フランソワの演奏についてお話しなさっています。
往年のピアニストの方々の演奏(録音)から受ける感動を綴っておられる中に、小山さんの奏者としての思いがにじみ出ていて、感銘を受けました。
 大先輩の皆様と同じく、小山さんご自身、「自分の音楽の特質」を(または《小山トーン》を)、生演奏はもちろん、録音の中にもしっかり残しておられると思います。

以上、取り急ぎご連絡まで。
Date: 2017/09/25/19:27:27 No.4754

Re:小山さんの音:唯一無二の確信に充ちた音
とさま
ぴあのふぉるて様

リプライと最新の記事情報を誠に有難うございます。

音楽の友誌における、小山さんと平野先生の対談【ベートーヴェンとピアノ】シリーズは貴重な見解に満ちていますね。小山さんはベートーヴェンに集中して取り組まれるのではないか、そのような予感がしますね。音の旅の最終回で披露されるベートーヴェンの最後のピアノソナタの小山さんの演奏が待ち遠しい限りです。

【大先輩の皆様と同じく、小山さんご自身、「自分の音楽の特質」を(または《小山トーン》を)、生演奏はもちろん、録音の中にもしっかり残しておられると思います。】(ぴあのふぉるてさん)…本当にその通りですね。改めて小山さんのCDを聴きなおすと、初期の録音においてさえも、小山さんの音楽の特質やトーンが響いていることに驚きの念を禁じえません。

有難うございました。

とさま



Date: 2017/09/26/01:52:15 No.4755


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追伸:小山さんの記事情報のお知らせ
ぴあのふぉるて
もう一つありました。

♪ 『東京人』2017年10月号
特集:クラシック音楽都市? 東京
 p.16-23  鼎談「感動を伝えていきたい、それが原点」
小山実稚恵さん、広上淳一さん、大野和士さんが、クラシック音楽への思いを、クラシック音楽を取りまく現状やご自身の取り組み等を紹介なさりながら熱く語り合っておられます。

♪ 同じく『東京人』2017年10月号
 p.84 Bunkamura オーチャードホール を紹介する記事。文:片桐卓也 氏。
 『小山実稚恵の世界』第24回 シリーズ最終回 のお知らせ:
「…世界的に見ても例のない壮大な企画だった」…
「終わるのが惜しい企画である」と賞賛なさっています。
 片桐さんもやっぱり熱心な小山さんファンでしょうね?

とさま様
温かなリプライをいただき、恐縮しております。
優しいお気遣いを、いつも本当にどうもありがとうございます。
お伝えするのが遅れて、掲載報告のようになってしまい、失礼いたしました。
Date: 2017/09/22/11:32:03 No.4751

Re:追伸:小山さんの記事情報のお知らせ
とさま
ぴあのふぉるて様

追伸を有難うございます。
小山さん、広上さん、大野さんの鼎談が掲載されている『東京人』のホットな情報に胸躍ります。

掲載報告などとお気になさらないで下さいね。バックナンバーは容易に手に入りますので、私達小山さんファンにとって本当に有難いことに全く変わりません。どうぞご無理のないようにお願い致します。

とさま
Date: 2017/09/23/21:49:15 No.4752


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小山さんの記事情報のお知らせ
ぴあのふぉるて
こんにちは。
皆様いかがお過ごしですか?
音楽誌で目に留まった小山さんの記事情報(2ヶ月分)をお届けいたします。
長文となりますが、あしからずご了承ください。

♪『月刊ピアノ』2017年8月号 p.122-123
ピアニストインタビュー 「小山実稚恵」 取材・文/山崎広子 
 〜30枚目のアルバムを発表、そして12年の公演が最終回〜
 *インタビュー* 
ララちゃんはピアノが大好きで、小山さんの練習中、「シューベルトのソナタのクライマックスでは尻尾を立ててすぅーっと合図をしていく」のだそうです。さすが小山さん家の猫ちゃん! 
この秋いよいよ最終回を迎える壮大なリサイタルシリーズに関しては、初めから24回分のテーマとプログラムとイメージカラーを決めて臨まれたことの意図を問われ、ケーキ屋さんの甘い匂いを例にあげて、わかりやすくお答えくださっています。「…そういうふうに何かに触発されて感覚が動き出すのは、すごく新鮮で幸せな瞬間なので、それが舞台にもあるといいなと思ったのです。それはその時間にそこにいる人しか味わえないことだから。」
また、全国各地のいろいろなホールで演奏することでわかってきたことについても、率直にお話しなさっています。
CDデビュー30周年記念、30枚目のアルバム『ゴルトベルク変奏曲』の録音に際しては、「そこでまずは『ゴルトベルク』という音楽そのものを感じたいと思ったのです。」「… だからこのCDではピアノであることよりも『ゴルトベルク』であることがまず絶対だと…」との思いをもって臨まれたのですね。
「30年間、第一線で活躍されてきて、今思われることはなんでしょう?」へのご返答には、一瞬、目を疑いますが、どこまでも謙虚な小山さんの胸の奥に秘められた強い思いを知り、感動しました。最後のお答えも可愛い!
 *Recital Report*
6/17(土)12年間・24回リサイタルシリーズ〈小山実稚恵の世界〜ピアノで綴るロマンの旅〉〜祈りを込めて〜@東京Bunkamuraオーチャードホール
「ピアノと色彩が織りなすロマンの時空を堪能」
当日の演奏模様がプログラム順に丁寧に温かな筆致で報告されています。

♪『音楽の友』 2017年8月号 p.126-129
〔連載〕小山実稚恵 & 平野 昭 対談 ベートーヴェンとピアノ 第5回
今回取り扱う楽曲:
 ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 Op.10-1
 ピアノ・ソナタ第6番 へ長調 Op.10-2
 ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3

ベートーヴェンの「新しい試み」について、お二人の細やかな分析と意見交換が展開されます。調性、計算された構成、テンポ、強弱の表現など、楽譜に書かれたこと/又は書かれなかったことから作曲家の思いを繊細に読み取っておられるのですね。
「第6番」…「第3楽章は、冒頭に強弱記号が書いていないのも面白いですね。リピートもありますし、色々な弾き方を試すことができるのではないでしょうか。」とお話しなさる小山さん、きっと対談後すぐにピアノに向かわれたのではないでしょうか? あるいはすでに色々とお試しになった後?
オーケストラが意識されている、と平野さんが解釈なさる「第7番」、小山さんには楽譜から音楽が聴こえてくるのでしょうね。細やかに描写しておられます。
(第1楽章の)「第66小節あたりからは、楽器が次から次へと変わっていく様子が浮かんできます。…」
(第2楽章)「終わりの方などは、作品110の「嘆きの歌」に通じるものがあると思います。」「一方で、第3楽章はずいぶん平和で愛らしい。」
(第4楽章)「出だしがいちばん難しいかもしれません。また、低音域で静かに消えゆくような終わり方も特徴的です。」など。

♪『音楽の友』2017年8月号 p.172
People 「小山実稚恵」 取材・文=道下京子
「新録音、演奏会シリーズ、初めての著書 〜 充実の歩み、さらなる高みへ」
記事の冒頭はアルバムデビュー30年という区切りの時に録音された《ゴルトベルク変奏曲》の紹介。バッハの魅力については「… アイディアを作り込んでいるにもかかわらず、とても自然。耳で聴いても目で楽譜を見ても、自然の美しさが宿っています。…」とお答えになっています。演奏に際してはいろいろな演奏家の録音をお聴きになり、「『ピアノらしく弾く』のではなくて、これはやはり『バッハとして、《ゴルトベルク変奏曲》として弾きたい』」と思われたのだそうです。
12年間・24回リサイタルシリーズ、最終回のプログラム、最後の曲はベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」ですね。「これはシリーズを始める当初から決めていました」とのお話、何度伺っても感動します。本当にすごい。
ご著書『点と魂と』のご執筆秘話も、楽しく拝読しました。

♪『音楽の友』 2017年9月号 p.114-117
〔連載〕小山実稚恵 & 平野 昭 対談 ベートーヴェンとピアノ 第6回
今回取り扱う楽曲:
 ピアノ三重奏曲第4番《街の歌》 変ロ長調 Op.11
 ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16
 ホルン・ソナタ へ長調 Op.17

ピアノ三重奏第4番:楽器の使われ方や楽譜の紙の材質から作曲年代が特定できること、「予期しない」転調が出てくること、など興味深いお話です。
ピアノと管楽のための五重奏曲は、モーツアルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲」K452を踏襲したスタイルで書かれたようです
ホルン・ソナタはホルンの名手ジョヴァンニ・プントと出会い、共演するために短期間で作曲された作品だったのですね。

♪同『音楽の友』 9月号 Concert Reviews p.161
「ジャン・ワン&小山実稚恵 デュオ・リサイタル」
7/13に紀尾井ホールで開かれた演奏会のレビュー。ご執筆は萩谷由喜子さん。
臨場感あふれる、心のこもった細やかな描写から、チェロとピアノの熱い美しい掛け合いが聴こえてくるようです。当日の情景と感動がよみがえりました。

♪同『音楽の友』 9月号 Rondo p.182
「音楽とピアノ、自分を支えてくれたすべての人に感謝を込めて」
第67回(2017年)芸術選奨音楽部門文部科学大臣賞を受賞なさった小山さん(他にも、新譜CD発表やご著書の発刊、等、お祝いごとが続く小山さん)を祝して、6/26 ホテルオークラ東京にて「小山実稚恵さんをお祝いする会」が開催されました。その報告記事です。
小山さんのご挨拶・堤剛さんとのデュオ演奏・大野和士さん広上淳一さんとの共演風景の、素敵なお写真も載っています。

♪『ショパン』2017年9月号 日本人ピアニスト
p.92 小山実稚恵さんの演奏スケジュールと曲目の紹介。

♪同じく『ショパン』9月号P.119 「道下京子のCD PICK UP!」
 小山実稚恵(ピアノ)「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」
小山さんの演奏の魅力をつぶさに、温かな筆致で紹介なさっています。

♪『モーストリー・クラシック』2017年9月号 p.73
「ピアノと私」第40回 〜子供のころのピアノと私〜
ご幼少の頃のこと、吉田見知子先生との出会い(小山さんのお母様の直感に感謝!)、毎日の練習とレッスン通い、「優しいけれど厳しい先生」の教え、など、小山さんの原点とも言える盛岡での日々を、振り返っておられます。
「吉田先生は先生なりに私をほめて、おだてて育てながら、音楽の厳しさと楽しさを教えてくださったのだと思います。おだてに乗りやすい私の性格を見抜いて、でしょう。」
(おだてに乗りやすい=素直な、ということですよね?)
小山さんプロデュース「こどもの夢ひろば」(@仙台、7月末開催済み)のイベント紹介からは、子供達の将来を思う、小山さんの強いお気持ちが伝わります。

(ご参考)
♪ 同じく『モーストリー・クラシック』9月号 p.75
先日9/10 サントリーホールでのコンサート「再発見“戦中日本のリアリズム”」を指揮なさった、下野竜也さんのお話が紹介されています。「作曲家はどんな思いで音楽を書いていたのか、音楽で追体験することは大切だと思います」
おじい様おばあ様から教わったこと、吹奏楽部でのご経験、日本人作品への思いと、ご自身の取り組みについて、情熱を込めて語っておられます。

♪ 音楽評論家 萩谷由喜子さんのHPに、その9/10のコンサートレポートがお写真付きで掲載されています。

♪『モーストリー・クラシック』2017年10月号 p.76
「ピアノと私」第41回 〜往年の名演奏家たち(1)〜
小山さんが子供のころから聴いてこられた、往年の名ピアニスト:ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、リヒテル への思いを、綴っておられます。
それぞれの音色の特徴、タッチの違い、音楽に現れる個性をきっちり捉えて、具体的なイメージに結びつけて説明なさる小山さんの、鋭い聴力と感性に感じ入りました。
このお三方のCDは私のコレクションにも入っていて、最近はショパンのマズルカ(ルービンシュタイン)や、バッハの平均律(リヒテル)などを聴いています。小山さんの文章を読み返しながら、またじっくり聴いてみたいと思います。

♪ 同じく『モーストリー・クラシック』10月号「特集:神童伝説」
神童から巨匠になった演奏家:
p.42-43はルービンシュタイン(文/青澤唯夫さん)、
p.46-47にはホロヴィッツやリヒテルに関する記述があります。
なお、同じ特集に、萩谷由喜子さんも寄稿なさっています。ご参考まで。
 p.29 神童だった 作曲家:サン=サーンス 
 p.38-39大器晩成 作曲家:ブラームス
 p.57 悲劇の神童 渡辺茂夫

♪ 同 p.136 公演Reviews
「7月13日 紀尾井ホール ジャン・ワン&小山実稚恵 デュオ・リサイタル」
音楽評論家 國土潤一氏 による演奏評。(最初の曲、ジャン・ワンの演奏に関する文章)「〜小山の凜とした、しかも豊かな息遣いに溢れたピアノを得て、本来のしなやかで馥郁たる音楽を取り戻す。」素敵ですね。
レビュー締めくくりは、「幸福な思いを抱き帰路についたのは、筆者だけではないだろう。」 はい、もちろん! 本当に素晴らしいデュオ演奏でした。

♪『レコード芸術』2017年9月号 p.78-81
INTERVIEW
CDデビュー30年の節目の年に満を持して《ゴルトベルク変奏曲》を録音
小山実稚恵(ピアノ) ききて・文=長井進之介
小山さんのお話が、温かく、丁寧に紹介されています。合間をつないでいる地の文(長井氏の小山さんへの讃美)は、さながら通奏低音のようですね。
・バッハ作品への恐れと憧れ、《ゴルトベルク変奏曲》の魅力(2015年 演奏家デビュー30周年にリサイタルシリーズ第20回で演奏、今年2017年CDデビュー30周年にはCD録音されました)
・初のご著書『点と魂と スイートスポットを探して』のお話、
・12年間24回リサイタルシリーズ「小山実稚恵の世界」がこの秋に最終回を迎えること、最終公演のテーマと第1回とのつながりについて、
・これからの目標、等々。
小山さんの誠実なお人柄のにじむ繊細なお話を、嬉しく拝読しました。プロフィール、公演情報、CD紹介も載っています。皆様もぜひお読みになってください。

♪ Bunkamura magazine No.148(8月号)
「小山実稚恵の世界」第24回(最終回) @オーチャードホール のお知らせ:
「作曲家の晩年作から立ち昇る、永遠なる「銀」の光」(萩谷由喜子さんご執筆)も、お見逃しなく。

以上。お知らせまで。
Date: 2017/09/18/11:31:47 No.4748

Re:小山さんの記事情報のお知らせ
とさま
ぴあのふぉるて様へ

繰り返しになりますが、【ザ・プロデューサー・シリーズ 片山杜秀がひらく「日本再発見」“戦中日本のリアリズム”〜アジア主義・日本主義・機械主義〜】のぴあのふぉるてさんの文章は本当に素晴らしいですね。重ねて有難うございます。

また、今回も、小山さんの記事情報をファンの皆様にお届け下さり、感謝しています。これだけの記事を集め、整理整頓して、ファンサイトに投稿するまでの労力・時間・経費等を考えると、本当に頭が下がります。一人でも多くの人に小山さんの素晴らしさを知っていただこうというのがモチベ―ションになっていると推測しています。しかし、そのモチベーションは、ぴあのふぉるてさんが、深く深く小山さんの音楽を愛し、小山さんを深く深く尊敬されているから産まれるのでしょうね。

毎回毎回感心するのは、それぞれの記事を事務的に羅列するのではなく、一つ一つに心の籠った要約をつけて下さり、読み手を引き込んでしまう技をお持ちのことです。簡単にできることではないと思います。誰もが、興味のある記事を見つけて、書店で手に取ってみたいと思わせるような書きっぷりです。

小山さんという20世紀終わりから21世紀を代表するピアニスト・芸術家に関する情報が網羅されており、貴重な資料となりますね。

このようなファンサイトを運営して下さっているまさとさんにも感謝しています。

本当にいつも有難うございます。

とさま

Date: 2017/09/19/21:53:19 No.4749


▲Top

小山さん炸裂する。
ぴあのふぉるて
改修されたばかりの美しいサントリーホールで、一昨日9/10、小山さんご出演の演奏会を拝聴いたしました。
ザ・プロデューサー・シリーズ 片山杜秀がひらく「日本再発見」
“戦中日本のリアリズム”〜アジア主義・日本主義・機械主義〜
四人の日本人作曲家の作品が演奏されました。

プログラム冒頭は、尾高尚忠:「交響的幻想曲《草原》作品19」
指揮の下野竜也さんと東京フィルハーモニー交響楽団の皆様の素晴らしい演奏に、すぐに惹きこまれました。弦楽器の奏でる雄大な美しい響きにモンゴルの広い草原を思い浮かべました。解説によると、「《草原》は1943年7月に完成し、よく年に複数回演奏されたが、戦後の演奏は今回が初めてではないだろうか。」とのこと。残念なことでしたね。今回の演奏を機に、今後は演奏される機会が増えますように。
盛大な拍手に応えながら、その拍手を楽譜のほうへ向けようとなさる下野さんのお姿に感動しました。注目してほしいのは指揮をした自分ではなくて、この楽譜を書いた作曲家です、というお気持ちの現れだったでしょう。

二つ目は、山田一雄:「おほむたから(大みたから)作品20」
「この曲の楽譜は山田によって戦後は隠し通され、復活演奏は2001年4月28日、飯守泰次郎指揮 新交響楽団によって行われた。」とのこと。難しい時代だったのですね。復活してよかったですね。
冒頭、トランペットの勇壮な響きで始まりますが、すぐに悲しいメロディーが続きます。前から二列目の座席は奏者との距離が近くて、弦楽器や管楽器の音色とともに振動も身体に届き、迫力があります。(管楽器や打楽器奏者のお姿は見えなくて残念なのですが…) 哀愁を帯びた力強い音色は作曲家の心の奥からの叫びとして、深く胸に突き刺さりました。
悲しい葬送音楽を渾身の演奏で聴かせてくださった下野さんと団員の皆さんに感謝します。この作品はマーラーの交響曲第5番第1楽章とつながりがあるそうです。マーラー作品をご存じの方には、さらに心に沁みたことでしょう。

温かな拍手の中、下野さんが譜面台の楽譜を(団員さん紹介のように)紹介なさるお姿にいちだんと大きな拍手が湧きました。作曲家への尊崇の念がひしひしと伝わりました。

休憩後は小山さんのご登場。
あぁ、なんと美しいご衣装でしょうか。
緑色の地に梅、小菊、桜や松などが描かれています。着物の生地(ちりめん?)のドレスは総模様で華やかです。金糸やビーズも光っています。和柄のドレスをお召しになったのは、聴衆に、目からも「日本」を感じてほしいと思われたからでしょうね。小山さんの感性と「日本再発見」プログラム全体への心くばりに感激しました。

そしていよいよ、伊福部 昭:「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」の演奏が始まります。
すごい。小山さん、ピアノを弾くというより、鍵盤を「打つ」ように演奏なさっていました。全曲を通して、打楽器的な奏法が大部分を占めていました。指をまっすぐに立てて、上から、ダン、ダン、ダン、ダン…。鋼のように硬い音で強いリズムを刻み続ける白熱の演奏は、他の誰にも真似できないと思います。
ピアノとオケの凄まじい掛け合いに圧倒されました。(第1楽章の後に拍手してしまった人の気持ち、よくわかります)
憂いを帯びた美しい第2楽章に続いて、第3楽章。小山さんは微笑みを浮かべて演奏に入られましたね。(来た、来た! ついに小山さん炸裂!)聴いているこちらも思わず頰が緩んでしまいました。俊敏な腕の動き、鋭いタッチ、重厚な低音と美しい高音、鮮やかな変化、滑らかなグリサンド、等々、小山さんの最高の技と心意気に、すっかり心を奪われました。
「実は私はこういうリズミックな音楽、大好きなんです。自分の素に近いものを感じます。」(HPの小山さんのメッセージより)…やっぱりそうなのですね。小山さん本当に生き生き演奏なさっていましたね。

「この作品に出会って、『自分の信念を貫く』ことの潔さをあらためて感じています」とのお言葉(伊福部先生への尊敬に満ちたお言葉ですね)を拝読したときは、あぁ、でもこれこそ小山さんご自身がいちばん大事になさっていることに違いない、と感激しました。「信念」と「潔さ」は、まじょるか魔女さんと私が日頃から小山さんの音楽に感じていることなので、小山さんのお話にその言葉を見つけて、すごく嬉しく思いました。

ところで、演奏中、楽譜が置かれていますが、譜めくり担当の人は、いません。めくるのは、小山さんご自身で、その譜面には、極小の音符が並んでいる(ように見えます)
終演後にサイン会で楽譜について伺いました。
なんと、小山さんの手作り(コピーを切り貼り)なのだそうです。素敵な作品なのに、市販の楽譜がないなんて、もったいないことですね。
楽譜を置いていたのは、全体の「景色を見るために…」とのお答えに、ピアノの出番が多いわりにページはたまにしかめくられない謎が、解明されました。
(ファンとしてはピアノ協奏曲を聴くような気持ちでおりましたが、作品はあくまでも「〜交響曲」なのでした)
なるほど、音楽の流れを確認するための楽譜だったのですね! つまり、この作品はもちろん、もう小山さんの身体にしっかり取り込まれていたのです。
「音楽そのものが体に入るまでいかないと、先生の音楽にならないのが難しいところですね。」とメッセージにもありましたね。
小山さんはステージ本番でそのお言葉を実証なさったのです。
改めて小山さんの才能に驚嘆いたしました。
この作品も、1942年の初演の後、不幸な運命をたどったようですが、小山さんの演奏によっていっそう注目されることになるのではないでしょうか。

会場からの割れるような拍手とブラボー!ブラボー!の嵐に数回のカーテンコールが繰り返された後、小山さんがお選びになったアンコール曲は…
伊福部 昭:ピアノ組曲より「七夕」。
なんと静かで優しい音色でしょう。興奮が一気に鎮まります。
この日のために同じ作曲家の他の作品を色々と研究なさったのですね。最適な選曲が、自然に、さりげなく、できてしまう小山さんに、ただただ敬服いたします。

短い休憩が入り、プログラム最後の曲は、諸井三郎:「交響曲第3番 作品25」
静かに心に染み入る気高くて美しい音楽でした。(先ほどの小山さんの美しいアンコール曲はこの作品への導入にもなっていたのですね。)
この交響曲第3番も「プロのオーケストラが公開で演奏するのは今回が39年ぶりだろう」とのこと、実にもったいないですね。
第3楽章「死についての諸観念」はパイプオルガンも入り、最後は天窓から光が差し込む情景が見えるようでした。
下野さんのタクトがゆっくりおろされて、崇高な音楽が静寂に変わったとき、思わず手を合わせてお祈りしました。拍手はその後で…。
温かな拍手に包まれて、下野さん最後にまた楽譜と作曲家へ敬意を示され、その謙虚なお姿に感動がいっそう深まりました。

プロデューサーの片山杜秀さん、熱演してくださった下野竜也さん・東京フィルハーモニーの皆さんと小山さん、素晴らしいコンサートを本当にどうもありがとうございました。
Date: 2017/09/12/11:47:28 No.4744

Re:小山さん炸裂する。
とさま
★ぴあのふぉるて様

 素晴らしく感動的なご投稿を拝読し、何度も読み返し、感動を新たにしています。

 音楽に対する愛情、プロデューサーへの尊敬、奏者に対する尊崇の念が、滾々と湧く泉のごとく文章に綴られていて、歴史に残る、当日の比類なき音楽創造の世界の記録として、誠に貴重なご投稿です。ぴあのふぉるてさんの想いは、当日一緒に居合わせた、全ての音楽愛好家が共通して感じた想いなのではないでしょうか。4人の偉大な作曲家、プロデューサーの片山さん、ピアノの小山さん、指揮の下野さん、東京フィルハーモニ交響楽団の団員の皆様が、ぴあのふぉるてさんのご投稿をお読みになれば、さぞかしお喜びになることでしょう。

 ぴあのふぉるてさんが言い尽くして下さったので、私は、少し別の視点で感想を綴らせて下さい。

《片山先生の慧眼(けいがん)》
 プロデューサーをお勤めになった片山先生の慧眼(けいがん)に圧倒されます。『片山杜秀がひらく「日本再発見」』シリーズは、戦前・戦中・戦後の日本の音楽事情にテーマを絞り、4回に分けての公演企画でした。小山さんが出演されたのは「戦中日本のリアリズム」と題された最終公演でした。プログラム冊子の裏表紙に『耳からウロコの夏になる』と書かれていたのですが、まさにその通りで、このような素晴らしい作品群を知らなかった自分の不明を恥じる想いです。

 「日本の作曲家」や「日本の音楽史」をもっと幅広く取り上げるべきとの片山先生の執念のような想い、それをご自分の使命のようにお考えになっての入念な準備…この企画を実現するまでに伴ったであろう、幾多の困難を克服され、成功裡に終えられたことは、誠に慶賀のいたりです。日本の作曲家の素晴らしい音楽作品との出会いを造っていただいた片山先生に感謝の言葉がないほどです。

《諸井三郎先生の交響曲第3番》
 ぴあのふぉるてさんの素晴らしいご感想【第3楽章「死についての諸観念」はパイプオルガンも入り、最後は天窓から光が差し込む情景が見えるようでした。】から分かるように、この作品の白眉は第3楽章のアダージョだと思います。

 私の一番愛する作曲家の一人である、アントン・ブルックナーを彷彿とさせるような、深遠な音楽であり、このような作品が戦時中1944年に日本人(諸井三郎先生)が作曲した事実に驚嘆します。上述したように、ぴあのふぉるてさんが、これ以上ない見事な文章で描写して下さった終結部の音楽の素晴らしさは筆舌に尽くし難いものがあります。救済と祈りの音楽であり、西洋的に言えば天国的な音楽、日本的に言えば彼岸の音楽。【天窓から光が差し込む情景が見えるようでした】(ぴあのふぉるてさん)…ブルックナーの交響曲第9番あるいは交響曲第7番のフィナーレの終結部と同様に、魂の籠った音がきらめく光の粉のように天から舞い降りてくるかのようでした。ブルックナーと同様に、最後の和音の後に置かれた長大な休符…音が減衰し無音の休符が静寂の音楽を形成します。下野さんのタクトが降りるまで10秒以上の時間があったでしょうか…この世のものとは思えない美しい彼岸の響きの終結部は、休符と協働しながら、人智を超越した昇華された音楽空間を創出したのです。マエストロ下野さん、東フィル、そして聴衆が三位一体となって産み出した奇跡のような時空間だったのです。

《コンサート全体に心を配られた小山さん》
 伊福部先生の「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」の小山さんの凄演を拝聴し、まるで初演に居合わせたかのような錯覚に陥りました。何と幸せなことでしょうか!まるで小山さんのために作曲されたかのような作品であるとも言えます。【小山さんの演奏によっていっそう注目されることになるのではないでしょうか。】(ぴあのふぉるてさん)…そうなって欲しい傑作に違いありませんが、小山さん以外に、この作品の本質を見事に弾き切ることのできるピアニストは居ないのではないか、と思わせるほど、小山さんの奏楽に圧倒されました。

 小山さんは、アンコールで、伊福部先生のピアノソロ作品の中から、「七夕」という静謐な作品を選んで演奏して下さいました。ぴあのふぉるてさんが言及されているように、この選曲は、小山さんが、この日のコンサート全体に心を配られた末の最適な選曲だったと確信しています。原始的で生な響きに充ちたエネルギッシュな「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」の第3楽章とブルックナーを想起させるような『静かに心に染み入る気高くて美しい音楽』(ぴあのふぉるてさん)である諸井三郎先生の第3交響曲を繋げるために、小山さんは、静かで優しい「七夕」を演奏されたのだと思います。ぴあのふぉるてさんのお言葉【先ほどの小山さんの美しいアンコール曲はこの作品への導入にもなっていたのですね。】に深く同意します。

 かなり飛躍しますが、この小山さんの発想は、ベートーヴェンの最後のピアノソナタ第32番ハ短調作品111を想起させます。〔地上と天国〕、〔闘争と平安〕のように、作品111の第1楽章と第2楽章はベートーヴェンの二元性が際立った作品です。しかしながら、ベートーヴェンは、その第1楽章の末尾にハ長調に転調する美しいコーダを用意し、2つの楽章を音楽的に繋いだのです。小山さんが、今回の公演で取られた音楽的思慮に基づいたアンコールの選曲に、小山さんという稀代の芸術家の奥儀の一端を見るかのようです。

★★小山さん:私の音楽体験の中で、最高に素晴らしいコンサートの一つでした。伊福部音楽のピアニズムを堪能しました。諸井三郎先生の作品では、ピアノソナタ第2番が素晴らしいですね。諸井先生の作品に違和感なく繋がる、アンコール曲を挟んでいただき、感動の質が更に増幅されました。一生忘れられないコンサートでした。有難うございました。

★★マエストロ下野さん:下野さんの指揮するベートーヴェンが好きです。第5交響曲では、下野さんの指揮が私の中でベストの一つです。今回、4曲の傑作を復活演奏して下さり、いずれも圧倒的演奏として、永遠の輝きを失わないでしょう。有難うございました。
Date: 2017/09/12/22:49:04 No.4745

Re:小山さん炸裂する。
covariant
今夜もこんな時間になってしまったので、そろそろアップされているのではないかと、訪ねてみましたら案の定、まさとさんの写真付きのご報告に加え、ぴあのふぉるてさん、とさまさんお二人の名手によるご投稿を拝見し、私達もその感動を共にできることに、感謝せずにはおれません。

リニューアルされたサントリーホールで、「日本再発見」が挙行され、その大役にふさわしい小山さんの演奏も実現されたのだと思うと、新たな時代の光を見い出したようにも感じる、と言っては言いすぎでしょうか?管理人まさとさんの写真やFacebookで拝見した小山さんの衣装も、ぴあのふぉるてさんのご説明で、なるほどそうだったのか、と得心しました。

そして、ぴあのふぉるてさんが仰った小山さんのピアノ上の楽譜ですが、私はきっとそのような使い方で、楽譜は置かれるのだろうな、と想像していました。ソロでの演奏では楽譜を置かれない小山さんも、他の奏者との協奏の場合には、それら奏者の演奏を予見する上で楽譜があったほうがいい、と以前仰っていたと記憶するからです。でも、実際どうだったんだろう?と気にしていましたので、ぴあのふぉるてさんのご報告は、私にとってもまさに的を射たり、それにしても小山さん手作りの楽譜とは!ほんとうに素晴らしいです。
Date: 2017/09/13/02:11:15 No.4746

Re:小山さん炸裂する。
まじょるか魔女
小山さんが伊福部さんのゴジラの曲を弾かれる
(^。^)、その曲は舘野泉さんが演奏されたことがある、と教えていただき、「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」を youtubeで聴いてみました。
「ピアノは打楽器‥」と仰った 小山さんの言葉と、バルトーク ピアノソナタを嬉々として演奏されていた 小山さんのお姿を思い出していました。

生まれ変わったサントリーホールに響く音色を、びあのふぉるてさん、とさまさんのお心のこもったきめ細かいレポートから想像しています。
covariantさんもコメントされているように、小山さんの和柄のドレスは今回のテーマを体現されていますね。
まさとさんの写真付きレポートも嬉しく拝読しました。

日本人のDNAには和太鼓のリズムが組み込まれているのではないでしょうか。
ピアノという打楽器を打鍵される 小山さん。
「血湧き肉躍る」という言葉が浮かんできます。
フィナーレのグリッサンドでは、鍵盤という大地が力強く耕され掘り起こされ、生命力がホールにスパークしたことでしょう。
臨場された方は、できれば踊りたかったのでは?鼻血が出そうだったのでは?(≧∇≦)などと想像しています。

その昂まりを鎮めるように、アンコール「七夕」と、諸井三郎さんの「交響曲第3番 作品25」が演奏されたのですね。
手を合わせてお祈りしたくなるような音楽だったのですね。

いつか拝聴できる日がきますように。
素晴らしい企画と一期一会の演奏についてお知らせいただき、有り難うございました。
Date: 2017/09/14/00:26:45 No.4747


▲Top

小山さんのスフォルツァンド(sf):作曲家の想いが宿るsf
とさま
★まじょるか魔女様(No.4736):『こどもの夢ひろば』の拙い報告(No.4735)に温かいReplyを有難うございました。魔女さんのお言葉『ひとかけらの勇気を持ち続けて能動的に「かんじよう!」とする思いと姿勢(が大切)。』に深く同意します。力むことなく、脱力して『ひとかけらの勇気』からスタートできればいいですね。

★オクターヴ練習中様(No.4738):時の経つのは速いですね。オクターヴ練習中さんは黒鍵のエチュードに挑戦されているのですね。私はピアノを弾くことができないので、とても羨ましく思います。ピアノに向き合うことで、新しい発見が沢山あったようで、それは本当に素晴らしいことですね。音楽が好きということは、幸せなことなのではないでしょうか。これからも音楽をより深く、そして心から楽しんで下さいね。

〜〜〜〜〜〜〜
さて、きょうは、小山さんのsf奏法の素晴らしさについて綴ってみたいです。

 スフォルツァンド(sf)が音符に付与されると、“その音を特に強く”演奏することを意味します。類似の音楽記号にアクセント(<)やフォルツァンド(fz)があります。“その音を特に強く”という点では共通しますが、楽想によって使い分けられるように見えます。弱奏が続く中、突然ある音を強くするようなときに、sfが使われる傾向があるようです。一方、クレッシェンドして、頂点の音を強調するようなときに、fzが使われることが多いようです。

作曲家によって傾向(好み)が異なりますね:

●ベートーヴェン・・・sfを多用し、一つの小節の中で何度も使うことを好みました。

●ブラームス・・・sfを比較的多用しましたが、ここぞというときに、sfでも足りず、sff(スフォルツァティッシモ:sfより更に強く)を使いました。例えば、6つの小品・作品118の6には、2回sffが登場します。小山さんの前人未踏の《最高の音楽》は、このsffの付与された和音に込められたブラームスの想いが具現されたことによって産まれたのです。

●シューベルト・・・sfは滅多に使わず、代わりにアクセント(<)を使用し、ここぞというときにはffz(フォルツァティッシモ:fzより更に強調)を使いました。例えば、最後のピアノソナタD960の第1楽章の提示部の1番括弧にffzが登場します。この音符に込めたシューベルトの渾身の想い…小山さんは単なる絶叫ではなく、粗野の対極にある音楽的なffz音を響かせることで、絶望を越えた世界観を提示されたのです。

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ここでは、ベートーヴェンの最後の3つのピアノソナタ(第30番ホ長調作品109、第31番変イ長調作品110、第32番ハ短調作品111)におけるsfに注目してみます。頻度は別にして、sf やfzは音を強調する記号ですから、『それらに作曲家の特別な想いが込められている』と考えるのは自然なことでしょう。そうであれば、「気持ちが一番大切」と仰る小山さんの奏楽が特別な音楽的価値を生み出すことは想像に難くないところです。また、ある意味で、聴きどころにもなると思うのです。

.戞璽函璽凜Д鵝Ε團▲離愁淵紳30番ホ長調作品109の第3楽章 《第4変奏》

第4変奏の前半は、霊感豊かな音楽がポリフォニックに進行し、小山さんは、限りなく優しい眼差しで、ベートーヴェンの「心の想い」を聴き手に届けて下さいました。

 しかし、第4変奏後半で音楽の雰囲気は突然変わり、9/8拍子の弱拍上のアクセント(<)と執拗なスフォルツァンド(sf)を繰り返しながら高揚し、最後には、第3楽章で唯一のffの頂点を築きます。小山さんは、全身全霊でベートーヴェンの尋常でない想いを語られます。<やsfが、物理的音量としてのffを導く役割を果たすだけでなく、ベートーヴェンの想念を、魂(心)の叫びとして表現するために不可欠であること…そのことを初めて気づかせて下さったのが小山さんなのです。


▲戞璽函璽凜Д鵝Ε團▲離愁淵紳31番変イ長調作品110 《第3楽章》

音楽史上稀にみる独創的かつ感動的な音楽を築くのが作品110の第3楽章です。息も絶え絶えの2つめの【嘆きの歌】に続くのが、10回の鐘の音によって導かれる、まるで天から舞い降りてきたかのように始まる2つ目の【フーガ】です。

やがてフーガ特有のポリフォニー音楽からホモフォニー音楽(右手が旋律で左手が伴奏のイメージ)の祈りと賛美の音楽(第184小節〜)に移行し、sfが極めて重要な役割を担うようになります。最初に登場するsfはF(ファ)とAs(ラ♭)の3度の単純な和音に付与されています(第188小節)。しかしながら、驚くべきことに、多くのピアニストがsfを感じさせることなく、まるで経過音のように淡白に扱っているのです。

それに対し、小山さんは、おそらく『ベートーヴェンは、苦悩から解放された、歓びと感謝の最初の想いをこの和音に特別に込めたかった=だからsfを付与した』とお考えになられて、この和音に全身全霊でベートーヴェンの魂の音楽を注がれました。小山さんの奏楽の見事さに言葉を失い、ただただ圧倒されます。同様に、第200小節から登場する(フーガ)主題に付与されたsfの和音とそれに続く3つの強烈な減七和音(緊張感を与える特別な和音で、作曲家の腕の見せ所のような和音)に、ベートーヴェンの震えるような感動的な想いを小山さんほど深く込めたピアニストは、私の比較的長い音楽体験の中で、居ません。

作品110の最後は、確信に満ちたアルペジオで壮大に盛り上がり、天に導かれるように、苦悩から永遠の歓喜の世界に到達します。この歓喜の感情を共有するためには、そこに至るまでのベートーヴェンの想念に心を寄せる必要があると思うのです。sfは、単に『その音を特に強く』という音楽記号ではなく、ベートーヴェンの想いを具現するために、音楽全体を支配するほど重要な役割を果たしている…そのことを立証した初めてのピアニストが小山さんなのです。


ベートーヴェン・ピアノソナタ第32番ハ短調作品111 《第1楽章》

【ピアノで綴るロマンの旅】、【音の旅】の最終回の末尾を飾る作品…158小節から成る、その第1楽章にはsfが約70回!も登場します。ここでは、たった22小節の短い展開部末尾5小節(第86〜90小節)に登場するsfに着目します。フォルテ(f)を基盤とし、各小節、3つの音を基本とする第1主題を素材とし、3拍目の2分音符(もしくは付点4分音符)の和音にsfが付与されます。しかも、sfが付与された和音は、ことごとく、ベートーヴェンお好みの減7和音なのです。さらに、減7和音に続く、一瞬遅れて現れる左手の分散減7和音が尋常でない雰囲気を醸し出します。

 fを基盤とした〔sf+右手減7和音+左手減7分散和音〕の5小節…前述した作品110のコーダと同様に、これ以上〔情熱(=想い)の沸騰〕を想起させる音楽的状況は無いのではないでしょうか。ところが、にわかに信じ難いことに、極めて多くのピアニストが、第1楽章全体を覆う緊迫感や闘争的とも感じられる情熱の沸騰に圧倒され、この5小節を経過句のごとく扱っているのです。ベートーヴェンの真実の想いを具現できるピアニストは小山さん以外には考えられないのです。

記憶が明確でないのですが、20年前、もっと以前だったでしょうか、小山さんが演奏された(と記憶する)作品111の名演が私のスタンダードになっています。何十年振りかになる、10月の小山さんの演奏を聴かせていただくのが待ち遠しい限りです。


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sfは、小山さんが上梓(じょうし)された新著〔点と魂と〕のサブ題目〔スイートスポットを探して〕と密接に関係していると思います。音楽的に意味のあるsf音を響かせるには、恐らく打鍵の位置が0.1mmずれても達成できないのではないか…著書を拝読して、そのように思いました。また、ピアノの調律(調整)を通じて、打鍵しやすくすれば、無難な音楽に終わってしまい、聴き手の心を奪うことは出来ないのではないか、と想像されるのです。

スイートスポットに的中させて、音響学的に(物理的に)勁い(つよい)音を響かせる小山さん…しかし、小山さんは、そこに作曲家の想いを全身全霊で注がれます。小山さんより更に素晴らしい演奏を聴きたいのであれば、それは次の小山さんの演奏を待つしかないでしょう。そして小山さんの凄いところは、《最高の音楽》を目指して、常に一期一会の感動的な演奏を各地で繰り広げられていることだと思います。

sf音を奏して、誇張や恣意を一切感じさせることなく、音楽の本質(作曲家の想い)を違和感なく自然に浮かび上がらせることができるピアニストが小山さんです…小山さんの演奏がかくも多くのファンに愛される理由の一つなのではないでしょうか。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:8月もまもなく終わり、秋の音楽会シーズンが始まりますね。作曲家の真実の想いの籠った素晴らしい演奏をいつもお届け下さり感謝しています。これからも多くの人を幸せにして下さい。気候が不順の折、ご自愛くださいますようにお願い致します。

とさま
Date: 2017/08/26/13:08:12 No.4739

Re:小山さんのスフォルツァンド(sf):作曲家の想いが宿るsf
covariant
とさま様
いつもながらこのコーナーに深い解釈と愛情溢れるコメントをいただき、その恩恵を受ける者の一人としてほんとうに感謝致します。このコメントを頭に置いて、これからのベートーヴェン・ソナタ拝聴に臨みたいと思います。仙台での『こどもの夢ひろば ボレロ』の臨場感溢れる詳細なご報告も、ありがとうございます。
ついでで大変失礼ですが、ぴあのふぉるてさんのこれもまた詳細な記事情報も、いつもほんとうにありがとうございます。

9月に入ったばかりですが、当地は今朝から急に涼しくなりました。
小生は、先月8月末までに申請すべき仕事等も抱えていたことや、小山さんも公式には8月は夏休みとお知らせいただいていたこともあり、今日久しぶりにここを訪れてみました。そして皆様の最新投稿をいくつも拝見し、嬉しくなります。

小山さんの今月9月のスケジュール表を確認し、「サントリー芸術財団サマーフェスティバル2017」のサイトを見たところ、
10日の演奏を前に、小山さんの談話メッセージが載っていました!
スケジュール・カレンダーにも記載のあるとおり、演奏曲目は
伊福部昭作曲 ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲
ですが、小山さんからのこのメッセージを見ると、そこには作曲者の伊福部先生の思いに対する小山さんの鋭い洞察が語られており、改めて小山さんの音楽に対する思いの深さと、その準備の幅の広さを知る事ができますね。
未だご覧になってない方がいらっしゃるなら、是非ともサントリーホールのサイトから入って、読んでいただきたいと思います。できることならこのコンサートにも足を運びたいと思ってしまうのは、私だけではないでしょう。
この小山さんのメッセージや、とさま様や皆様からのコメントと情報をまた一つの宝物として、この秋に向かいたいと思います。(^^;/~
Date: 2017/09/02/00:12:26 No.4743


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すべての感情を取り戻した時間
オクターヴ練習中
 時が過ぎゆくのは速いもので、第23回 「 音の旅 」 仙台公演から3か月。記述までに、これほど時間が掛かるとは公演拝見の時は思ってもみませんでした。この間ずっとピアノに浸りっぱなし。後悔をしないためだけに、今しか出来ないことに向き合ってみるという、自分が初めて自分に向き合って挑戦をするということをしてみたのかもしれません。
 ちょうど、第23回 「 音の旅 」 仙台公演の頃、もしかしたらピアノが弾けるようになるかもしれない、そんな感覚が出て来ていました。無謀な毎日ということは分かっていました。それでも、ひたすらピアノに向かう日々。それでも、なかなかピアノが弾けるようにならない。そして、どうしてもやめてしまうことも出来ない。なぜなのか。いまは、自分が、ピアノをあきらめることが出来なかったのかという理由も明確に解ってきたような気がします。けれど、このときはその理由がまったく解らなかった。いつか、この理由を”小山実稚恵さん”に伝えることが出来れば、と思っています。

 昨日と一昨日と、諸事情でピアノに触れることすら出来ませんでした。中2日あけ、3日ぶりのピアノ。ここ最近、朝一番に、ショパン 黒鍵のエチュード を練習していました。その ショパン 黒鍵のエチュード の運指を確認。暗譜の怪しいところが多々。ミスタッチ多々。評価をするならば、譜面を見たことがない人が聞くぶんには、弾けているように思えるかもしれません。(もうすこしテンポを上げることが出来ませんか、という声が100%出てくるような速度ではありますが)そんなレベルで弾いています。
 ”小山実稚恵さん”がノリノリで弾いていた、ショパン 黒鍵のエチュード。そんなイメージのある作品について、どうして、あのノリノリの感覚が出てくるのだろうか、理由を知ってみたい。そんな気持ちで、 ショパン 黒鍵のエチュード に取り組んでみました。
 1小節に3連符が4つ。フレーズの終りはレ♭の音が多い。次のフレーズはソ♭から始まる。安心感の連続で自然と身体も揺れてくる。音階は、ソ♭から始まってソ♭で終わる。日常であまり耳にすることのない音階に、無意識に聴き耳が起ってきてしまう。でも、最後の小節から数えて20小節目。前の全部フラットで、ミレシラソミレシラソレシの後に続く、トップノートで、「 ラ、シ、ラ、ソ 」 。この和音を導くために創られた作品。そう考えることで、この小節以外はすべて、ノリノリでいくように創られている。そんなことを感じながら ショパン 黒鍵のエチュード に向き合っています。

 前置きが長くなりました。なんでもいいから暗譜でピアノが弾けるようになる、そんな状態に来るまで、他のことがまったく手につかない、というような状態でした。なんとか、ピアノを弾き始めた、と言えるかもしれない。そんな感じです。(どれも運指が遅く、ミスタッチが多くて曲になっていないのですが)


 第23回 「 音の旅 」 仙台公演で、”小山実稚恵さん”に伝えたかったこと。それは、あの公演で、自分が失っていた感情を取り戻した、ということです。そう、それは、すべての演奏が終わっての、ステージからの退出。扉が開くと、待機をしていた方を観て、ほっとしたのか、笑顔で身体ごと崩れる様に、控室に入っていく”小山実稚恵さん”の姿を観ることになりました。なぜだろう。理由は解らない。演奏は完璧だったと思えるのに。そんなことを感じながら、控室へと入っていく”小山実稚恵さん”の姿を見ることになりました。きっと自分には解らないけれども、とにかく、なにかの理由があったのだろうというように思いました。けれど、あのときの、あの表情と、あの姿を、観たことで、自分の中で固まったままけっして動くことのなかった感情が、もう一度、動き始めることとなりました。自分があの席に座っていた理由は、あの表情、あの姿、を観るためだったのだろうと、そう思えてなりませんでした(自分の固まってしまった感情についても改めて記述してみたいと思っています)。ライブ演奏を観るということは、生きている様を観に行く、ということが揺るがないものになったわけです。

 いくつかの作品にピアノで向き合うことで、ピアノの大変さが分かるような気がしています。そして、ピアノに向き合ってみたことで、曲に取り組んでみることで、演奏を観る愉しみも出てくる、ということも感じています。無論。聴くだけ。それだけで十分、ということを踏まえて、です。

 第23回 「 音の旅 」 仙台公演 から3か月。ようやく伝えることとなりました。
Date: 2017/08/24/21:49:49 No.4738


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