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「クラッシック音楽ベストテン」3冠達成、おめでとうございます!
covariant
大変遅くなりましたが、月刊『音楽の友』創刊80周年記念、あなたが選ぶ「クラッシック音楽ベストテン」での、3冠達成!誠におめでとうございます!!

小生元々、他人(ヒト)と勝敗を争うことや優劣を競うことは苦手で、その結果に執着することも好きではないのですが
Q1:「あなたの好きなクラッシック音楽家は?」
Q4:「あなたの好きなピアニストは?」
Q12:「あなたの好きな日本人ピアニストは?」
という3部門もの問いに対して最も獲得点数が多かった、という結果は、ファン冥利に尽きることです。
小山さんはピアノを通して、一人でも多くの方々にクラシック音楽の素晴らしさを味わってもらうということに貢献されていると断言できるからです。

私が最初に小山さんの演奏に関心を抱いたのは、具体的な日時や演奏曲目の記録がないのですが、
「あ、日本語で演奏してもらった、凄く自然に心に染みた。」と感じたことがきっかけでした。
それで、あの12年に亘る ーピアノで綴るロマンの旅ー 24回のリサイタルシリーズ を知り、何としてもこのリサイタルを聴きに行きたいと願うようになったのでした。

この「日本語で演奏してもらった」と感じたことの意味は、日本人である私に、クラシック音楽の本質を伝えて頂いたということなのです。この地球上のヒトには、人種の違い、用いる言語の違い、そして文化の違い等ありますが、不思議なことに、その文化の中の芸術だけは、これらのヒト共通に無条件に伝わり、殊に音楽にあってそれは顕著です。

日本国内で生まれ、育って、お二人の日本人の先生だけに師事なさっていながら、若くして世界の二大国際コンクールで認められ、その後の弛まぬ努力とご活躍を続けてこられた小山さんこそ、天に通じる才能をお持ちの「天才」です。
(ちょっと歯の浮くような表現になってしまいましたが、今回ばかりはお赦しください。(^^;; )
西洋起源のクラシック音楽であるのに、純粋に日本で生活されてきた小山さんがそれを存分に表現できるというのは、ご自身の才能に向かわれることが、すなわち音楽の本質的側面に向かわれることと同一であるからだと思うのです。
小山さんがバッハを一番尊敬なさってきたということが、それを証明している、と私は勝手に解釈しております。
(音楽にド素人の小生でも、このような主張を述べることができる本サイトの存在に感謝致します。m(_ _)m )

政治、マスコミの現状に加え、コロナ禍のせいで、私もYouTubeを見る機会が多くなっていますが、その私の性向を捉えてか、それとも小山さん人気の上昇を表わすものか、最近は小山さんの演奏番組を発見することが多くなりました。
その中で、最近私が嵌まった小山さんの Scriabin曲の演奏を見つけましたが、どの曲でも演奏後の小山さんの表情が私のよく知っている満面の笑みとは違って、魅せられております。(^^;

月刊『音楽の友』創刊80周年記念での3冠をも励みに、一人でも多くの方々にクラシック音楽の素晴らしさをお伝え頂けますように、訪問頻度の少ない北陸にも、もっともっとお越し頂けますように、願っております。
まだまだコロナ禍が治まりませんが、どうぞお元気で益々のご活躍をお祈り致します。
Date: 2021/04/10/12:47:30 No.5009


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二人の偉大な音楽家による「肯定感」の幸せな邂逅(かいこう)
とさま
 小山さんのBeethoven作品の演奏は、いつも奇跡のような音楽体験を聴衆に提供して下さいます(Beethovenに限りませんが)。3月21日(日)、サントリーホールで、小山さんは、マエストロ小林研一郎先生の指揮する日本フィルハーモニ交響楽団の演奏をバックに、Beethovenのピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73(以下、便宜的に「皇帝」と呼びましょう)のソリストとして登場されました。

 今回の「皇帝」は、そのテンポが遅く、小山さんの長い「皇帝」演奏史上最遅(さいち)のテンポ設定だったと思われます。第1楽章冒頭の輝かしいピアノのカデンツアに続く、オーケストラによる提示部の演奏テンポは遅く、まるで往年の巨匠(オットー・クレンペラーやカルロ・マリア・ジュリニーと言った大指揮者)を髣髴とさせる、マエストロによる気宇雄大な音楽造りに驚きの念を禁じえませんでした。私が心を奪われたのは、第1ヴァイオリンにより提示される第1主題の深々とした響きでした。これほど意味深く奏された第1主題の事例を私は知りません。しかしながら、この遅いテンポは、小山さんが望まれるテンポとは随分異なると強く推認されたので、私は一抹の不安を抱いたのでした。

しかし、これは全くの杞憂でした。

 マエストロの設定したテンポが造る音楽は、Beethovenの情熱の滾り(たぎり)を表現するには遅すぎ、言葉の本来の意味での音の伽藍のような神聖な様相を呈していたのです。ところが、小山さんのピアノが登場するやいなや、オーケストラに化学変化が起きました。全ての音符の熱量が尋常ではなくなり、小山さんのピアノの音色はいよいよ燦然と輝き、小山さんに触発されたかのように、オーケストラとピアノが渾然一体化し、肯定感に充ち溢れたBeethovenの音楽が全開したのです!

 「皇帝」の第3楽章ロンド・・・私は、小山さんの演奏以上に聴き手の心を揺さぶる演奏にかつて出会ったことがありません。第3楽章のテンポは、第1楽章ほどではありませんでしたが、マエストロのテンポがやや遅めに設定されていたので、小山さんの演奏としては遅めでした。しかしながら、第3楽章ロンドの冒頭、ピアノにより呈示される躍動感溢れる第1主題は、このテンポを取ることにより、心の底からの“確固とした歓喜の想い”を表出することに成功したのです。第3楽章の全編に渡り、どのフレーズを取っても、歓喜が主要な要素となり、聴き手を幸福に導きます。そして、第3楽章の白眉は、美しいトリルに導かれて第378小節から始まる、ピアノの右手が付点音符を使ったオクターブで高らかに賛歌のように感動的に歌われる箇所です。小山さんは、常に、このオクターブを毅然とした態度で、会場の隅々まで届くような強いフォルテで弾き切られます。唯一無二の小山さん独自の奏法であり、その明るい「肯定感」は聴き手に勇気と喜びをもたらします。今回、やや遅めのテンポを設定されたことにより、一つ一つの音の熱量が増幅され、その結果、この喜びの賛歌は、なお一層深く聴き手の心の襞に到達し、私たちはBeethovenの想いと完全に一体化することができたのです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 後半、マエストロ小林研一郎先生の指揮するドヴォルジャークの交響曲第9番「新世界より」は歴史に残る名演でした。終演後、日フィルの理事長から、マエストロが令和2年度第77回恩賜賞・日本芸術院賞を受賞されたことが報告され、舞台で花束贈呈が行われました。その後、マエストロは、マイクを取って、アンコールにドヴォルジャークのユモレスクを演奏すると仰り、「ユモレスクの出だしは人生の歩みの始めであり、それに続く得も言われぬ美しいフレーズは天国に至る道のようであり、中間部は人生の様々な喜怒哀楽を表しているかのようであり、そして最後にもう一度人生の最初と終わりを回想するかのような曲です」・・・と言った趣旨のお話しをして下さいました。解説の途中、コンサートマスターの田野倉さんが、人生の最初のテーマと天国への道のテーマを演奏して下さいました。

 オーケストラの弦楽器だけでアンコール曲として演奏されたユモレスク・・・マエストロの万感の想いを込めた演奏は、聴き手に震えるような感動をもたらし、音楽を聴くことの歓びに打ちのめされたのです。とめどもなく溢れる涙を抑えることができなかった、私の60年以上に及ぶ音楽体験の中でも屈指の時間でした。

 この感動は、小山さんのピアノから受ける感動と同種のものであることにも気づきました。その外見は大きく異なるものの、「皇帝」の第3楽章の根底に流れる「肯定感」の小山さんによる表現と「ユモレスク」の根底に流れる人生に対する「肯定感」の小林研一郎先生の指揮による表現との幸福な邂逅(かいこう)の場に居合わすことのできた、今回の名曲コンサート@サントリーホールは、私にとって忘れがたい公演となりました。

小山さん、小林先生、日フィルの皆様 誠に有難うございました。
Date: 2021/03/23/22:49:18 No.5008


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ファンサイト 17周年記念!
管理人@まさと
ファンの皆様へ

いつもご利用を頂きまして、誠にありがとうございます。
2004年にファンサイトを立ち上げてから、3月3日で17年目を迎えました。
ここまで続けてこれたのはファンの皆様のお陰であります。
これからも小山実稚恵さんの応援を宜しくお願い致します。
Date: 2021/03/03/07:38:24 No.5003

Re:ファンサイト 17周年記念!
ぴあのふぉるて
まさと様
小山さんファンサイト設立17周年記念、まことにおめでとうございます

まさとさんのご尽力とお気遣いに、心より感謝申し上げます
今後とも素敵なファンサイトの拡充と発展をお祈りいたします

これからも皆で小山実稚恵さんの応援を続けましょう!

そして、今日、桃の節句は…
ララちゃん、お誕生日おめでとうございます
コロナに負けず、楽しく元気に過ごしてね

Date: 2021/03/03/09:41:31 No.5004

Re:ファンサイト 17周年記念!
まじょるか魔女
ファンサイトの17周年記念おめでとうございます🎶
まさとさんのおかげで、小山さんファンの皆さまとのかけがえのないご縁をいただき、小山さんの音楽の力について理解を少しずつ深めることができています。深く感謝しています。
ララちゃん、9歳のお誕生日おめでとうございます。素敵なお写真拝見しました。「ネコふんじゃわないで!」を演奏中?焼きたてのパンのようなネコのお人形と向かい合うお写真など、気品のあるララちゃんの表情に見惚れました。小山さんのいちばん近くで音楽を浴びているララちゃんの元気な成長をお祈りしています。
これからも、ファンサイトでの交流を楽しみにしています。
まさとさん、皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
Date: 2021/03/05/09:11:11 No.5005

Re:ファンサイト 17周年記念!
covariant
まさと様

ファンサイト17年目、おめでとうございます!
遅い Reply で申し訳ありません。3月3日はララちゃんのお誕生日でもありましたね。Facebook で「ネコふんじゃわないで!」の写真も拝見しておりました。(^^;

2004年とはどんな年だったかなと、小生も振り返りましたが、会社員としては思いがけずその2月に、最も充実した最晩年コースが始まった年でした。
まさとさんも、きっとお忙しい中でも、何としても小山さんのファンサイトをという思いで始められたのでしょうね。私たちファンとしては何度感謝の言葉をお伝えしても足りない気持ちです。
そして小山さんは、私が先にこのファンサイトに投稿しましたとおり(2021/02/16 No.5000)、「スクリャービン&ラフマニノフ 連続ピアノ・リサイタル」の最終回を迎えられ、今の私が愛好するそのCDを出された年なのですね。

このファンサイトを通じ、小山さんや私たちファンが、今後益々元気を頂いて日々生活していけますように祈念致します。
Date: 2021/03/08/01:08:00 No.5006


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小山さんのCarte Blanche Vol.4@杉並公会堂(ご報告)
ぴあのふぉるて
先月、小山さんのショパン2大協奏曲を拝聴しました。
1月20日@杉並公会堂
日本フィル杉並スペシャル《冬》/Carte Blanche 小山実稚恵 Vol.4
 〜小山実稚恵が一夜で紡ぐ、ショパン「2大協奏曲」〜

演奏曲目:
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 へ短調 作品21
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
指揮:垣内悠希
ピアノ:小山実稚恵
日本フィスハーモニー交響楽団

この演奏会は、当初予定されていた「日本フィル杉並公会堂シリーズ2020−21 第4回」公演が感染症対策の必要性から実施を見送られることとなり、その代替公演として開催されました。(客席・舞台上の感染症予防対策を踏まえ、曲目・料金等が新たに設定されたものとなっています) 
当初発表の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は演奏されず、公演時間 :約100分(休憩含む)で収まるようになっていました。
パンデミックの猛威に怯まず、開催することをお決めになった主催者と奏者の皆様の、心意気を感じます。今こそ生の音楽を届けたい!という気概に満ちたプログラムですね。

小山さんのドレス:
美しい鮮やかな緑色のドレスに銀色のサッシュベルトがよく映えて、印象的。
小山さんのドレスの色やデザインは、その日の音楽を暗示することが多いので、ますます期待が高まります。

ピアノ協奏曲第2番(ショパン19歳)
この曲は、密やかさと初々しさが魅力です。ショパンの純真な気持ちが瑞々しい感性で綴られて、キラキラしています。構えたところのない、素のショパンに出会える気がします。
小山さんと垣内さんの演奏は生気に満ちて、この上なく繊細、かつ鮮烈!
ショパンは普段はおとなしそうに見えますが、優しい風貌からは想像もつかないほど、激しい感情を胸に秘めていたのでしょうね。
小山さんと垣内さんのご共演から、どんな状況に置かれても、希望をもって前へ進みましょう!と激励されて、心身に力がみなぎりました。

ピアノ協奏曲第1番(ショパン20歳)
堂々とした、勇壮な音楽です。小山さんはピアノパートが休符記号の時も、オーケストラとともにリズムを刻み、全身で音楽に入り込んでおられました。
この協奏曲は、今回のプログラムのようにピアノ協奏曲第2番の後に(つまり、作曲順に)聴くと、ショパンの作風の進化が感じられて素敵です。確固たる信念に貫かれた、風格のある音楽は、すっかり成人したショパンの声ですね。
垣内さんの美しい鋭敏なタクトと、小山さんの美しい色彩豊かなピアノの音色を心に刻みました。
心に沁みいる第2楽章からアタッカで続く第3楽章。小山さんとオーケストラの皆様の白熱した演奏、躍動する音楽に、心をつかまれました。

ピアノの魅力を作品にしたショパンはもちろん、その作品を演奏して私どもに届けてくださる垣内さん小山さん日本フィルの皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にどうもありがとうございました。
やっぱりショパンはいいわね〜 原点回帰ですね!… ご一緒したファン仲間も感嘆なさっていました。
小山さんと垣内さんのご共演、これからも楽しみにしております

アンコール曲:
小山さんはショパン:ノクターン第2番 作品9-2を弾いてくださいました。
この日は、ピアノの余韻が消えてからしばし(数十秒くらい)、美しい静寂を味わうことができました。そのあと会場は大きな温かな拍手に包まれました。

終演後はブロックごとに退場します。最近はこの習慣にも慣れてきました。

では、皆様どうぞご自愛くださいませ。

(外出自粛などのためこの演奏会を聴きに来られなかったかたには、払い戻しサービスがあるようです。2/28締め切り。詳細は杉並公会堂のHPでご確認ください)
Date: 2021/02/17/16:10:26 No.5002


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ベートーヴェン作品そのものに内包する『音楽的メトロノーム』
とさま
小山さんのファンの皆様へ

仙台の とさまです。お久し振りですが、皆様お変わりありませんか。

きょうはベートーヴェン作品のテンポについてお話をさせて下さい。

ベートーヴェンの作品では、奏者の恣意的なテンポの揺れを許さない音楽構造を内包させているケースが多いのは興味深いことです。

例えば、変奏曲様式で書かれたピアノソナタ第30番ホ長調作品109の第3楽章や同32番ハ短調作品111の第2楽章が典型的な例です。どちらの変奏曲もその主題は美しく簡素ですが、主題のテンポをどう設定するのがよいのか、ベートーヴェンはその答えを変奏が進む流れの中に内包させているように感じます。

作品111の第2楽章に注目すれば、主題→第1変奏→第2変奏→第3変奏の順に音符が細分化され、聴感上の速度が増し、それに伴って音符の動きも激しくなり、第3変奏では主題からは想像もつかない壮大なクライマックスを築きます。60年以上に渡る私の音楽体験の中で、小山さん以上に、この強烈な舞踊の音楽と化した第3変奏を、見事に弾いたピアニストを知りません。

しかし、小山さんが更に素晴らしいのは、いわば『作品に内包する音楽的メトロノーム』というベートーヴェンの意図を完全に汲み取り、第3変奏までの流れが音楽的に不自然にならないように主題のテンポを速目に設定していることなのです。主題のテンポを遅く設定し過ぎると、変奏が進むに連れて、そのテンポを維持できず、加速せざるを得なくなり、その結果、聴き手はベートーヴェンの意図と異なった恣意的な印象を抱くことになるでしょう。

同じことが作品109の変奏曲にも言えます。ここでも小山さんが設定する主題のテンポは速目ですが、主題の素朴な美しさが倍増するばかりか、曲全体の強固な構造が音楽と完全に調和する結果を産み出し、恣意性皆無な、ベートーヴェンの想いが、変奏を辿るに連れて、ストレートに聴き手の心に届くようになります。

別の例を一つご紹介しましょう。

ベートーヴェンのピアノソナタ第29番変ロ長調作品106(通称ハンマークラヴィーアソナタ)の第3楽章のテンポについてです。ベートーヴェンが後に付け加えた冒頭の一小節は付点四分音符の2つから成り立っています。アダージョ・ソステヌートという遅いテンポでこの2つの音符を弾き、その後に続く186小節の音楽をそのテンポのまま維持することは容易ではないでしょう。ベートーヴェンは、この2つの音から成る一小節を『音楽的メトロノーム』とし、ピアニストへの強烈なメッセージを発しているように思うのです。小山さんが素晴らしいのは、この冒頭で設定したテンポが曲の最後まで維持されることです。ここでも小山さんは、作品109、111と同様に、音楽的メトロノームである冒頭2音のテンポを速めに設定することで、この世のものとは思えない第三楽章全体の神聖な美しさの表現に初めて成功、すなわちベートーヴェンの想いを音楽的に完全に表現されているのです。小山さんが録音された作品106のCDを聴くとそのことがよく分かります。作品106の演奏史を塗り替えた、記念碑的な小山さんのCDは人類の宝です。

最後に、【ベートーヴェンのピアノソナタにおけるメトロノーム表示】と題する藤本一子先生の論文(国立音楽大学、音楽研究所年報、15巻、139-154頁、2002年3月30日)からベートーヴェンの興味深い言葉を引用してみましょう。

「私は すでに長い間、不合理な名称 Allegro, Andante, Adagio, Presto をやめようと考えてきた。メルツェルのメトロノームはこの点でわれわれに最良のチャンスを与えてくれている。今後、私の作品にはそういった名称は用いられないだろう。だが一方で別の問いも生じる。従来のものにかわって、メトロノームが一般性という意味で目的にかなうのか、といったことだ。(1817年)」

ベートーヴェンはメトロノームの重要性を認めつつ、その限界も述べています。後年、ベートーヴェンはメトロノームから離れ、最後には、作品そのものから相応しいテンポが浮かび上がるような創意工夫を凝らしたのではないか、と私は思っています。

そのことに気付かせて下さったのが、前述したように小山さんの演奏によるベートーヴェン音楽なのです。   

とさま
Date: 2021/02/12/00:56:45 No.4996

Re:ベートーヴェン作品そのものに内包する『音楽的メトロノーム』
まじょるか魔女
とさまさん、示唆に富んだご教示を有り難うございます。
小山さんのCDをまた聴きたくなって、ハンマークラヴィーアを拝聴しています。
第3楽章の始めの2音は、テンポ宣言なのですね。小山さんの演奏は揺らぎなく、宣言通りのテンポですね。ベートーヴェンの楽譜に沿って早めのテンポなのですが、細かい感情の襞を自然に息をするように歌われていますね。
ベートーヴェンは音楽の楼閣を緻密に建立するために、曲想のイメージを含んだ速度記号の曖昧さを排除するべくメトロノーム設定を試みたが、それにも限界を感じたということでしょうか。
楽譜に忠実に両者を汲みとった『音楽的メトロノーム』に基づいた演奏が小山さんの演奏。だから、小山さんの演奏は恣意的でなく、いつも瑞々しいのですね。第32番のスウィングの小気味良さは小山さんならではですね。
ベートーヴェンさんは、コヤマさん、そやねんワシが表現したかったのはそういうテンポやねん!と膝をバンバン打っていらっしゃることでしょう。
小山さんのベートーヴェンシリーズ次回演奏会が今から楽しみです。

暦のうえでは春になりましたね。一陽来復になりますように。皆さまどうぞお大事になさってください。
Date: 2021/02/13/21:45:50 No.4997

Re:ベートーヴェン作品そのものに内包する『音楽的メトロノーム』
ぴあのふぉるて
とさまさんのご投稿を嬉しく拝読しました。
小山さんとベートーヴェンへの尊崇の念にあふれたご筆致に、心を打たれます。
まじょるか魔女さんの、お心のこもった素早いリプライにも感動いたしました。

例えば作品106は、これまで長いあいだ、ベートーヴェンの意図したテンポで演奏されてこなかった…ということでしょうか?
好き勝手なテンポで表現される惨状を見て、ベートーヴェンはきっと長い間、鬱々とした日々を送っていたかもしれませんね。
 〜 せっかく心血を注いで楽譜に記したのに、心外だ!

そんな中、昨年、小山さんの新譜が発表されたのですね。
コヤマさんの演奏を聴いたベートーヴェンが感涙にむせぶ様子が見えました。
 〜 あぁ、なんという幸せ。これこそまさに私の想い描いたテンポである。
Date: 2021/02/15/18:49:42 No.4998

Re:ベートーヴェン作品そのものに内包する『音楽的メトロノーム』
とさま
まじょるか魔女様へ
ぴあのふぉるて様へ

温かいリプライを有難うございます。
作品106の第3楽章はアダージョ・ソステヌートと表記されているので、多くのピアニストが荘厳な雰囲気を表出させるために、遅いテンポを設定します。冒頭の2音からなる1小節をある遅いテンポに設定したとします。その設定したテンポを楽章全体に適用すると、第3楽章だけで30分あるいは40分以上かかることになるような演奏も珍しくないのです。さすがに、それでは音楽がもたないので、途中でテンポを速く設定して、都合20分位で終える演奏が後を絶ちません。みんな違ってみんないいとは思いますが、一つの楽章の中に、音楽的に必然性のない複数テンポが持ちこまれてしまうと、(狭量な)私はBeethovenの想いと心を合わせることが困難になってしまいます。

小山さんは、第3楽章を15分少しで演奏されています。冒頭1小節で宣言されたテンポを最後まで維持されます。小山さんが設定された、この15分という時間が作り出すテンポは、曲の半ばに登場する細かい音符の装飾を伴う天国的で息の長いフレーズ(主題の変奏)を最も美しく表現するのに最良のテンポなのです。これが16分であっても14分であっても、15分が作り出す美しさを超えることはできない・・・そう感じさせるのが小山さんのすごいところです。この天国的に美しい装飾フレーズが最も美しく表現できるテンポを先に決めて、そして、それと全く同じテンポを冒頭の1小節に適用する・・・これがBeethovenの仕掛けだなと思います。小山さんは、そのように演奏されています。

お二人が仰るように天国のBeethovenは作曲以来200年近く待って、やっと満足できる演奏を聴き、心底喜んでおられることでしょう。

この理想のテンポによる作品106を収めたCDを全世界のベートヴェンを愛する人に届けることができれば、その数だけ幸福になる人が増えるでしょう。

リプライをどうも 有難うございました。   とさま
Date: 2021/02/15/23:11:06 No.4999

Re:ベートーヴェン作品そのものに内包する『音楽的メトロノーム』
covariant
とさま様、久しぶりのご投稿に感激しております。ご指摘のテンポ設定について、小山さんご自身の言葉を発見しましたので、既にご承知かとも思いますが、ここに引用させて頂きます。

昨年2020年夏、小山さん初のベートーヴェンのCD発売を祝すような
月刊『レコード芸術』9月号冒頭の
 今月のアーティスト
 「いよいよ機は熟した――ー 待望のベートーヴェン・ソナタ・アルバムをリリース」
の記事の中で、録音されたソナタ第29番について執筆者長井進之介さんは次のように言及され、小山さんご自身の言葉を紹介されています。

 小山の第3楽章で特徴的なことの一つにテンポがある。テンポを遅めにとる演奏も多いが、小山は推進力のある演奏で展開している。
「ベートーヴェンの時代の楽器の音は現代の楽器ほど持続しない、ということも念頭に置きつつ、私の想いが最も込められることから生まれたテンポです。私自身はあえて速くした、というつもりはなく、内からでてきたものがあのテンポでした。あとは全楽章のバランスもあります。特に後期のソナタは全楽章でひとつ、という感覚が強まっていますから。それから、第3楽章に於いては、ベートーヴェンが校正したときに、冒頭に”ラ”と”ド”の音だけ付け加えています。ということは、この2つの音は、テンポを示唆する非常に重要な意味合いを持っていたのではないかと思うのです」

とさまさんのご指摘を、小山さんご自身も演奏者としてその指と全身で心得ていらっしゃる。
その歓びを私たちこのファンサイト仲間でも共有したいと存じます。


(追伸)2月13日(土)23時過ぎに、福島県沖を震源としマグニチュード7.1と推定される地震の報道がありました。10年前の3.11東日本大震災との重なりを思い、大変哀しく驚きました。あの10年前の余震であるとのこと。小山さんのご出身地に近い地方でもあるので、小山さんご自身も、御当地のたくさんのファンの皆様もまた被害に遭われ、さぞご心痛のことと拝察し、心よりお見舞い申し上げます。
『こどもの夢ひろば”ボレロ”』の益々のご盛況をお祈りします。
Date: 2021/02/16/23:10:12 No.5001


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小山さんの「クラシックカフェ」スクリャービン
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今朝(2月16日の朝)、NHK-FM放送のスイッチを入れると、いきなり小山さんのスクリャービン作曲ピアノ・ソナタ第5番をかけますという、「クラッシックカフェ」貞平麻衣子さんの声。そのピアノの素晴らしさに、そのまま椅子に腰掛けて聴き入ってしまいました。番組終了後に、小山さんのこのスクリャービンは聴いたことなかったなあと、CD記号番号<ソニー・ミュージック SICC-201>を手がかりに検索し、そのCDが、
2002年から2004年まで全6回にわたってシリーズで取り組んだ大企画「スクリャービン&ラフマニノフ 連続ピアノ・リサイタル」と並行し3年にわたって録音された
  スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集 〜CD3枚セット
の内の1枚であること、そして、かつてはその「スクリャービン&ラフマニノフ 連続ピアノ・リサイタル」を実施されていたことを、冊子『小山実稚恵の世界 ーピアノで綴るロマンの旅ー』の公演記録のページでも確認して、恥ずかしながら今日初めて知りました。m(_ _)m
明日にはこのCDが届くようなので、楽しみにしております。
Date: 2021/02/16/23:07:01 No.5000


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ファンサイト復活ありがとうございます🎶
まじょるか魔女
まさと様、ファンサイトの復活宣言ありがとうございます。
まさとさんはご多用な中、この度のコロナ禍が重なり本当に大変な日々でいらっしゃったことと思います。このような状況での嬉しいメッセージに感謝いたします。
まさとさんのニューイヤーコンサート@サントリーホールのレポート、お写真付きで 小山さんの音色を想像しながら拝読しました。さり気ない まさとさんのセルフポートレートも楽しく拝見しました。
ぴあのふぉるてさん、同じ曲目のミューザ川崎のレポートありがとうございます。小山さんのドレスについても詳しく描写していただき、会場がロシアになったことが分かりました。「コロナウイルスの暴走に疲弊する人々に、希望をもって前へ進んでほしい、という強い思いに満ちた選曲だと思います。」…今の状況へのエールの曲ですね。
ラフマニノフの旋律からは厳しい冬に耐えて耐えての、春の陽射しを感じます。小山さんの表情と演奏で、コンサートにいらっしゃった皆さまは希望を胸にお帰りになったことと思います。

まさとさん運営のファンサイトのおかげで、小山さんファンの方々とのかけがえのない出会いがありました。これからもまた、いろいろな方とこのファンサイトで小山さんの音楽の力について語り合えますように。
Date: 2021/01/24/13:07:16 No.4993

Re:ファンサイト復活ありがとうございます🎶
covariant
まさと様、ファンサイト復活のお知らせ、ありがとうございます。
「管理人レポート」への掲載も、2018年6月を最後にお休みされていましたので、大変嬉しく思いますが、それ以後もこのサイトは正常に利用でき、その点でもまじょるか魔女さんや他の投稿者の皆様と共にお礼申し上げます。

最近はSNSへの投稿が容易ですので、小山さんの演奏会情報やファンの皆様のコメントも眺めてはいたのですが、文字通り眺める程度、これにある程度きちんとした感想や意見を投稿することは馴染まないなあ、と感じており、やはりまさとさんのこのサイトの存在意義に改めて気づき感謝、ほんとうにありがとうございます。
小生も昨年辺りから自分の自由になる時間が少しづつ増え、以前より小山さんの演奏を聴きに出かける機会が多くなってきて、幸せです。まさとさんもこのサイト運営により一層時間を割いて頂けますように、楽しみにしております。

先日初めてこのサイトの「INFORMATION」をゆっくり拝見し、過去に新聞・雑誌に掲載された記事も見て、小山さんのお父様に対する深い感謝の思いを知りました。インターネット上のリンクは、既に無効になっている物が殆どですが、新聞・雑誌を写真に納めたものは細かいけれども今でも読むことができて、有り難いことでした。

「DISCOGRAPHY」にあった <ショパン ザ・ベスト> の CDセット の存在も初めて知って、注文しました。もう10年余り前のものかと思いますが、小山さんのショパン観をまとめて聞けることが楽しみです。

先ほど 「OTHERS」<まさとの写真館 > も、少し覗きました。私は上座部仏教の祭壇に関心があったりもしますので、綺麗な写真をまたゆっくり拝見したいと思います。(^^;
Date: 2021/01/28/02:17:10 No.4994

Re:ファンサイト復活ありがとうございます🎶
管理人@まさと
まじょるか魔女様
covariant様

いつもファンサイトをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
また小山さんへの温かなメッセージもありがとうございます。
個人的な理由で暫くファンサイトを更新出来なく申し訳ありませんでした。
今後は、徐々にまた復活させたいと思いますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
Date: 2021/01/31/13:51:25 No.4995


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ニューイヤーコンサート2021@ミューザ川崎 のご報告
ぴあのふぉるて
1月11日(成人の日)、ミューザ川崎シンフォニーホールでニューイヤーコンサート2021が開かれました。
(1/9所沢市民文化センターミューズ、1/10サントリーホール、1/11ミューザ川崎、3日連続の新年演奏会の最終日です)
緊急事態宣言下の三連休、外出自粛を求められる中、隣りの県まで出かけていいものか、迷いましたが… 大変な状況の中、小山さんが出演なさるのに、ファンが家にいてどうする?
プログラム前半のみ拝聴して早めに帰宅することにして、夫婦でいざ出発!

会場ではさまざまな感染予防対策が取られていて、主催者の慎重な心遣いを感じました。ところが、開演間際の客席は、(配置がコロナ仕様の市松模様でなく)ふつうに8割近くが埋まっていたのです。皆さんやっぱり生の音楽に飢えていたのですね! ホールは静かな熱気に満ちていました。

この日、小山さんのドレスはロシアスラブ民族の伝統衣装を思わせる華やいだ雰囲気で、小山さんがステージに登場なさった途端に、ラフマニノフの故郷にワープしたような気分になりました。
青緑色のドレスの前身頃から後ろにかけて、花柄の帯のような布地がアクセントになっています。後ろまでつながったそのベルト風の装飾は、裾に向けてV字型に縫い込まれて印象的。小山さんのご衣装はいつも作品のイメージがふくらむようにデザインされていて、ほんとに素敵ですね。

小山さんのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番は、最高に素晴らしかった。深い思いの込められた音楽でした。人生の節目に、小山さんの演奏でこの曲を拝聴できて、幸せです。

先ずもって、2021年のニューイヤーコンサートにこの曲が演奏曲目として選ばれた、ということに感動します。コロナウイルスの暴走に疲弊する人々に、希望をもって前へ進んでほしい、という強い思いに満ちた選曲だと思います。
企画力抜群の小山さんですから、でも、もしかするとこの新年演奏会シリーズを引き継がれた2017年にはすでに(10年分の?)プログラムが決まっていた、ということも考えられますね。ベートーヴェンイヤーの翌年にはラフマニノフのこの曲を弾こう…と。
ともかく、2021年の年初め、コロナの終息とその先の明るい未来を願いながら聴くには、この曲がぴったりです。

演奏が素晴らしいのはもう言うまでもありません。
小山さんの渾身の演奏に胸を打たれ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。重厚で温かな和音の連なり、単音で紡がれる優しさあふれる歌、管楽器との思いやりに満ちた語り合い、すべてが心の奥に染み入りました。

カーテンコールが繰り返された後、小山さんはアンコールにショパンのノクターン第2番 作品9-2を弾いてくださいました。ピアノの魅力が曲全体に息づいています。美の極致をきわめた音楽に魅了されました。
曲が終わり、小山さんの手が鍵盤から離れて… 音の消え入る瞬間を聴き届けようとしたとき、罪なフライング拍手がパラパラと入って…(あぁ、なんてこと?! どうしてここで拍手するの?)せっかくの美しい余韻がかき消されてしまいました。
小山さんの両腕が音の減衰とともにゆっくり膝の上へ戻されたとき、拍手は一瞬まばらになりましたが、完全な静寂が戻ることはなく、会場全体が拍手に包まれました。

小山さん、秋山さん、東京交響楽団の皆様、どうもありがとうございました。早く平穏な日々が戻り、皆がマスクなしで音楽を楽しめる日が来ますようにお祈りいたします。
(弦楽器奏者の皆様はマスクをはめて演奏なさっていましたね!)

ファン仲間の皆様、今年も音楽を聴いて潤いのある日々を過ごしましょう!またどこかでご一緒できますように。
Date: 2021/01/20/16:48:28 No.4992


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