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追伸:小山さんの記事情報のお知らせ
ぴあのふぉるて
もう一つありました。

♪ 『東京人』2017年10月号
特集:クラシック音楽都市? 東京
 p.16-23  鼎談「感動を伝えていきたい、それが原点」
小山実稚恵さん、広上淳一さん、大野和士さんが、クラシック音楽への思いを、クラシック音楽を取りまく現状やご自身の取り組み等を紹介なさりながら熱く語り合っておられます。

♪ 同じく『東京人』2017年10月号
 p.84 Bunkamura オーチャードホール を紹介する記事。文:片桐卓也 氏。
 『小山実稚恵の世界』第24回 シリーズ最終回 のお知らせ:
「…世界的に見ても例のない壮大な企画だった」…
「終わるのが惜しい企画である」と賞賛なさっています。
 片桐さんもやっぱり熱心な小山さんファンでしょうね?

とさま様
温かなリプライをいただき、恐縮しております。
優しいお気遣いを、いつも本当にどうもありがとうございます。
お伝えするのが遅れて、掲載報告のようになってしまい、失礼いたしました。
Date: 2017/09/22/11:32:03 No.4751

Re:追伸:小山さんの記事情報のお知らせ
とさま
ぴあのふぉるて様

追伸を有難うございます。
小山さん、広上さん、大野さんの鼎談が掲載されている『東京人』のホットな情報に胸躍ります。

掲載報告などとお気になさらないで下さいね。バックナンバーは容易に手に入りますので、私達小山さんファンにとって本当に有難いことに全く変わりません。どうぞご無理のないようにお願い致します。

とさま
Date: 2017/09/23/21:49:15 No.4752


▲Top

ちょっと変わった情報です!
管理人@まさと
ファンの皆様へ

大変にご無沙汰を致しております。
いつもファンサイトをご利用頂きまして誠にありがとうございます。
今年は12年間・24回リサイタルシリーズの最終回。
あっと言う間の12年です。

ご存知の方も多いと思いますが、今日は12年間も通い続けていますオーチャードホールの本当に近くにある僕の隠れ所をご紹介します。

昭和の香り満載のクラシック専門の純喫茶です(懐かしい響きです)

興味のある方は、こちらのリンク先をご覧ください。

http://michiekoyama-fan.com/lion.html

では、また皆様と小山さんのコンサート会場でお会いする事を楽しみにしております。


Date: 2017/09/20/21:04:28 No.4750


▲Top

小山さんの記事情報のお知らせ
ぴあのふぉるて
こんにちは。
皆様いかがお過ごしですか?
音楽誌で目に留まった小山さんの記事情報(2ヶ月分)をお届けいたします。
長文となりますが、あしからずご了承ください。

♪『月刊ピアノ』2017年8月号 p.122-123
ピアニストインタビュー 「小山実稚恵」 取材・文/山崎広子 
 〜30枚目のアルバムを発表、そして12年の公演が最終回〜
 *インタビュー* 
ララちゃんはピアノが大好きで、小山さんの練習中、「シューベルトのソナタのクライマックスでは尻尾を立ててすぅーっと合図をしていく」のだそうです。さすが小山さん家の猫ちゃん! 
この秋いよいよ最終回を迎える壮大なリサイタルシリーズに関しては、初めから24回分のテーマとプログラムとイメージカラーを決めて臨まれたことの意図を問われ、ケーキ屋さんの甘い匂いを例にあげて、わかりやすくお答えくださっています。「…そういうふうに何かに触発されて感覚が動き出すのは、すごく新鮮で幸せな瞬間なので、それが舞台にもあるといいなと思ったのです。それはその時間にそこにいる人しか味わえないことだから。」
また、全国各地のいろいろなホールで演奏することでわかってきたことについても、率直にお話しなさっています。
CDデビュー30周年記念、30枚目のアルバム『ゴルトベルク変奏曲』の録音に際しては、「そこでまずは『ゴルトベルク』という音楽そのものを感じたいと思ったのです。」「… だからこのCDではピアノであることよりも『ゴルトベルク』であることがまず絶対だと…」との思いをもって臨まれたのですね。
「30年間、第一線で活躍されてきて、今思われることはなんでしょう?」へのご返答には、一瞬、目を疑いますが、どこまでも謙虚な小山さんの胸の奥に秘められた強い思いを知り、感動しました。最後のお答えも可愛い!
 *Recital Report*
6/17(土)12年間・24回リサイタルシリーズ〈小山実稚恵の世界〜ピアノで綴るロマンの旅〉〜祈りを込めて〜@東京Bunkamuraオーチャードホール
「ピアノと色彩が織りなすロマンの時空を堪能」
当日の演奏模様がプログラム順に丁寧に温かな筆致で報告されています。

♪『音楽の友』 2017年8月号 p.126-129
〔連載〕小山実稚恵 & 平野 昭 対談 ベートーヴェンとピアノ 第5回
今回取り扱う楽曲:
 ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 Op.10-1
 ピアノ・ソナタ第6番 へ長調 Op.10-2
 ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3

ベートーヴェンの「新しい試み」について、お二人の細やかな分析と意見交換が展開されます。調性、計算された構成、テンポ、強弱の表現など、楽譜に書かれたこと/又は書かれなかったことから作曲家の思いを繊細に読み取っておられるのですね。
「第6番」…「第3楽章は、冒頭に強弱記号が書いていないのも面白いですね。リピートもありますし、色々な弾き方を試すことができるのではないでしょうか。」とお話しなさる小山さん、きっと対談後すぐにピアノに向かわれたのではないでしょうか? あるいはすでに色々とお試しになった後?
オーケストラが意識されている、と平野さんが解釈なさる「第7番」、小山さんには楽譜から音楽が聴こえてくるのでしょうね。細やかに描写しておられます。
(第1楽章の)「第66小節あたりからは、楽器が次から次へと変わっていく様子が浮かんできます。…」
(第2楽章)「終わりの方などは、作品110の「嘆きの歌」に通じるものがあると思います。」「一方で、第3楽章はずいぶん平和で愛らしい。」
(第4楽章)「出だしがいちばん難しいかもしれません。また、低音域で静かに消えゆくような終わり方も特徴的です。」など。

♪『音楽の友』2017年8月号 p.172
People 「小山実稚恵」 取材・文=道下京子
「新録音、演奏会シリーズ、初めての著書 〜 充実の歩み、さらなる高みへ」
記事の冒頭はアルバムデビュー30年という区切りの時に録音された《ゴルトベルク変奏曲》の紹介。バッハの魅力については「… アイディアを作り込んでいるにもかかわらず、とても自然。耳で聴いても目で楽譜を見ても、自然の美しさが宿っています。…」とお答えになっています。演奏に際してはいろいろな演奏家の録音をお聴きになり、「『ピアノらしく弾く』のではなくて、これはやはり『バッハとして、《ゴルトベルク変奏曲》として弾きたい』」と思われたのだそうです。
12年間・24回リサイタルシリーズ、最終回のプログラム、最後の曲はベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」ですね。「これはシリーズを始める当初から決めていました」とのお話、何度伺っても感動します。本当にすごい。
ご著書『点と魂と』のご執筆秘話も、楽しく拝読しました。

♪『音楽の友』 2017年9月号 p.114-117
〔連載〕小山実稚恵 & 平野 昭 対談 ベートーヴェンとピアノ 第6回
今回取り扱う楽曲:
 ピアノ三重奏曲第4番《街の歌》 変ロ長調 Op.11
 ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16
 ホルン・ソナタ へ長調 Op.17

ピアノ三重奏第4番:楽器の使われ方や楽譜の紙の材質から作曲年代が特定できること、「予期しない」転調が出てくること、など興味深いお話です。
ピアノと管楽のための五重奏曲は、モーツアルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲」K452を踏襲したスタイルで書かれたようです
ホルン・ソナタはホルンの名手ジョヴァンニ・プントと出会い、共演するために短期間で作曲された作品だったのですね。

♪同『音楽の友』 9月号 Concert Reviews p.161
「ジャン・ワン&小山実稚恵 デュオ・リサイタル」
7/13に紀尾井ホールで開かれた演奏会のレビュー。ご執筆は萩谷由喜子さん。
臨場感あふれる、心のこもった細やかな描写から、チェロとピアノの熱い美しい掛け合いが聴こえてくるようです。当日の情景と感動がよみがえりました。

♪同『音楽の友』 9月号 Rondo p.182
「音楽とピアノ、自分を支えてくれたすべての人に感謝を込めて」
第67回(2017年)芸術選奨音楽部門文部科学大臣賞を受賞なさった小山さん(他にも、新譜CD発表やご著書の発刊、等、お祝いごとが続く小山さん)を祝して、6/26 ホテルオークラ東京にて「小山実稚恵さんをお祝いする会」が開催されました。その報告記事です。
小山さんのご挨拶・堤剛さんとのデュオ演奏・大野和士さん広上淳一さんとの共演風景の、素敵なお写真も載っています。

♪『ショパン』2017年9月号 日本人ピアニスト
p.92 小山実稚恵さんの演奏スケジュールと曲目の紹介。

♪同じく『ショパン』9月号P.119 「道下京子のCD PICK UP!」
 小山実稚恵(ピアノ)「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」
小山さんの演奏の魅力をつぶさに、温かな筆致で紹介なさっています。

♪『モーストリー・クラシック』2017年9月号 p.73
「ピアノと私」第40回 〜子供のころのピアノと私〜
ご幼少の頃のこと、吉田見知子先生との出会い(小山さんのお母様の直感に感謝!)、毎日の練習とレッスン通い、「優しいけれど厳しい先生」の教え、など、小山さんの原点とも言える盛岡での日々を、振り返っておられます。
「吉田先生は先生なりに私をほめて、おだてて育てながら、音楽の厳しさと楽しさを教えてくださったのだと思います。おだてに乗りやすい私の性格を見抜いて、でしょう。」
(おだてに乗りやすい=素直な、ということですよね?)
小山さんプロデュース「こども夢ひろば」(@仙台、7月末開催済み)のイベント紹介からは、子供達の将来を思う、小山さんの強いお気持ちが伝わります。

(ご参考)
♪ 同じく『モーストリー・クラシック』9月号 p.75
先日9/10 サントリーホールでのコンサート「再発見“戦中日本のリアリズム”」を指揮なさった、下野竜也さんのお話が紹介されています。「作曲家はどんな思いで音楽を書いていたのか、音楽で追体験することは大切だと思います」
おじい様おばあ様から教わったこと、吹奏楽部でのご経験、日本人作品への思いと、ご自身の取り組みについて、情熱を込めて語っておられます。

♪ 音楽評論家 萩谷由喜子さんのHPに、その9/10のコンサートレポートがお写真付きで掲載されています。

♪『モーストリー・クラシック』2017年10月号 p.76
「ピアノと私」第41回 〜往年の名演奏家たち(1)〜
小山さんが子供のころから聴いてこられた、往年の名ピアニスト:ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、リヒテル への思いを、綴っておられます。
それぞれの音色の特徴、タッチの違い、音楽に現れる個性をきっちり捉えて、具体的なイメージに結びつけて説明なさる小山さんの、鋭い聴力と感性に感じ入りました。
このお三方のCDは私のコレクションにも入っていて、最近はショパンのマズルカ(ルービンシュタイン)や、バッハの平均律(リヒテル)などを聴いています。小山さんの文章を読み返しながら、またじっくり聴いてみたいと思います。

♪ 同じく『モーストリー・クラシック』10月号「特集:神童伝説」
神童から巨匠になった演奏家:
p.42-43はルービンシュタイン(文/青澤唯夫さん)、
p.46-47にはホロヴィッツやリヒテルに関する記述があります。
なお、同じ特集に、萩谷由喜子さんも寄稿なさっています。ご参考まで。
 p.29 神童だった 作曲家:サン=サーンス 
 p.38-39大器晩成 作曲家:ブラームス
 p.57 悲劇の神童 渡辺茂夫

♪ 同 p.136 公演Reviews
「7月13日 紀尾井ホール ジャン・ワン&小山実稚恵 デュオ・リサイタル」
音楽評論家 國土潤一氏 による演奏評。(最初の曲、ジャン・ワンの演奏に関する文章)「〜小山の凜とした、しかも豊かな息遣いに溢れたピアノを得て、本来のしなやかで馥郁たる音楽を取り戻す。」素敵ですね。
レビュー締めくくりは、「幸福な思いを抱き帰路についたのは、筆者だけではないだろう。」 はい、もちろん! 本当に素晴らしいデュオ演奏でした。

♪『レコード芸術』2017年9月号 p.78-81
INTERVIEW
CDデビュー30年の節目の年に満を持して《ゴルトベルク変奏曲》を録音
小山実稚恵(ピアノ) ききて・文=長井進之介
小山さんのお話が、温かく、丁寧に紹介されています。合間をつないでいる地の文(長井氏の小山さんへの讃美)は、さながら通奏低音のようですね。
・バッハ作品への恐れと憧れ、《ゴルトベルク変奏曲》の魅力(2015年 演奏家デビュー30周年にリサイタルシリーズ第20回で演奏、今年2017年CDデビュー30周年にはCD録音されました)
・初のご著書『点と魂と スイートスポットを探して』のお話、
・12年間24回リサイタルシリーズ「小山実稚恵の世界」がこの秋に最終回を迎えること、最終公演のテーマと第1回とのつながりについて、
・これからの目標、等々。
小山さんの誠実なお人柄のにじむ繊細なお話を、嬉しく拝読しました。プロフィール、公演情報、CD紹介も載っています。皆様もぜひお読みになってください。

♪ Bunkamura magazine No.148(8月号)
「小山実稚恵の世界」第24回(最終回) @オーチャードホール のお知らせ:
「作曲家の晩年作から立ち昇る、永遠なる「銀」の光」(萩谷由喜子さんご執筆)も、お見逃しなく。

以上。お知らせまで。
Date: 2017/09/18/11:31:47 No.4748

Re:小山さんの記事情報のお知らせ
とさま
ぴあのふぉるて様へ

繰り返しになりますが、【ザ・プロデューサー・シリーズ 片山杜秀がひらく「日本再発見」“戦中日本のリアリズム”〜アジア主義・日本主義・機械主義〜】のぴあのふぉるてさんの文章は本当に素晴らしいですね。重ねて有難うございます。

また、今回も、小山さんの記事情報をファンの皆様にお届け下さり、感謝しています。これだけの記事を集め、整理整頓して、ファンサイトに投稿するまでの労力・時間・経費等を考えると、本当に頭が下がります。一人でも多くの人に小山さんの素晴らしさを知っていただこうというのがモチベ―ションになっていると推測しています。しかし、そのモチベーションは、ぴあのふぉるてさんが、深く深く小山さんの音楽を愛し、小山さんを深く深く尊敬されているから産まれるのでしょうね。

毎回毎回感心するのは、それぞれの記事を事務的に羅列するのではなく、一つ一つに心の籠った要約をつけて下さり、読み手を引き込んでしまう技をお持ちのことです。簡単にできることではないと思います。誰もが、興味のある記事を見つけて、書店で手に取ってみたいと思わせるような書きっぷりです。

小山さんという20世紀終わりから21世紀を代表するピアニスト・芸術家に関する情報が網羅されており、貴重な資料となりますね。

このようなファンサイトを運営して下さっているまさとさんにも感謝しています。

本当にいつも有難うございます。

とさま

Date: 2017/09/19/21:53:19 No.4749


▲Top

小山さん炸裂する。
ぴあのふぉるて
改修されたばかりの美しいサントリーホールで、一昨日9/10、小山さんご出演の演奏会を拝聴いたしました。
ザ・プロデューサー・シリーズ 片山杜秀がひらく「日本再発見」
“戦中日本のリアリズム”〜アジア主義・日本主義・機械主義〜
四人の日本人作曲家の作品が演奏されました。

プログラム冒頭は、尾高尚忠:「交響的幻想曲《草原》作品19」
指揮の下野竜也さんと東京フィルハーモニー交響楽団の皆様の素晴らしい演奏に、すぐに惹きこまれました。弦楽器の奏でる雄大な美しい響きにモンゴルの広い草原を思い浮かべました。解説によると、「《草原》は1943年7月に完成し、よく年に複数回演奏されたが、戦後の演奏は今回が初めてではないだろうか。」とのこと。残念なことでしたね。今回の演奏を機に、今後は演奏される機会が増えますように。
盛大な拍手に応えながら、その拍手を楽譜のほうへ向けようとなさる下野さんのお姿に感動しました。注目してほしいのは指揮をした自分ではなくて、この楽譜を書いた作曲家です、というお気持ちの現れだったでしょう。

二つ目は、山田一雄:「おほむたから(大みたから)作品20」
「この曲の楽譜は山田によって戦後は隠し通され、復活演奏は2001年4月28日、飯守泰次郎指揮 新交響楽団によって行われた。」とのこと。難しい時代だったのですね。復活してよかったですね。
冒頭、トランペットの勇壮な響きで始まりますが、すぐに悲しいメロディーが続きます。前から二列目の座席は奏者との距離が近くて、弦楽器や管楽器の音色とともに振動も身体に届き、迫力があります。(管楽器や打楽器奏者のお姿は見えなくて残念なのですが…) 哀愁を帯びた力強い音色は作曲家の心の奥からの叫びとして、深く胸に突き刺さりました。
悲しい葬送音楽を渾身の演奏で聴かせてくださった下野さんと団員の皆さんに感謝します。この作品はマーラーの交響曲第5番第1楽章とつながりがあるそうです。マーラー作品をご存じの方には、さらに心に沁みたことでしょう。

温かな拍手の中、下野さんが譜面台の楽譜を(団員さん紹介のように)紹介なさるお姿にいちだんと大きな拍手が湧きました。作曲家への尊崇の念がひしひしと伝わりました。

休憩後は小山さんのご登場。
あぁ、なんと美しいご衣装でしょうか。
緑色の地に梅、小菊、桜や松などが描かれています。着物の生地(ちりめん?)のドレスは総模様で華やかです。金糸やビーズも光っています。和柄のドレスをお召しになったのは、聴衆に、目からも「日本」を感じてほしいと思われたからでしょうね。小山さんの感性と「日本再発見」プログラム全体への心くばりに感激しました。

そしていよいよ、伊福部 昭:「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」の演奏が始まります。
すごい。小山さん、ピアノを弾くというより、鍵盤を「打つ」ように演奏なさっていました。全曲を通して、打楽器的な奏法が大部分を占めていました。指をまっすぐに立てて、上から、ダン、ダン、ダン、ダン…。鋼のように硬い音で強いリズムを刻み続ける白熱の演奏は、他の誰にも真似できないと思います。
ピアノとオケの凄まじい掛け合いに圧倒されました。(第1楽章の後に拍手してしまった人の気持ち、よくわかります)
憂いを帯びた美しい第2楽章に続いて、第3楽章。小山さんは微笑みを浮かべて演奏に入られましたね。(来た、来た! ついに小山さん炸裂!)聴いているこちらも思わず頰が緩んでしまいました。俊敏な腕の動き、鋭いタッチ、重厚な低音と美しい高音、鮮やかな変化、滑らかなグリサンド、等々、小山さんの最高の技と心意気に、すっかり心を奪われました。
「実は私はこういうリズミックな音楽、大好きなんです。自分の素に近いものを感じます。」(HPの小山さんのメッセージより)…やっぱりそうなのですね。小山さん本当に生き生き演奏なさっていましたね。

「この作品に出会って、『自分の信念を貫く』ことの潔さをあらためて感じています」とのお言葉(伊福部先生への尊敬に満ちたお言葉ですね)を拝読したときは、あぁ、でもこれこそ小山さんご自身がいちばん大事になさっていることに違いない、と感激しました。「信念」と「潔さ」は、まじょるか魔女さんと私が日頃から小山さんの音楽に感じていることなので、小山さんのお話にその言葉を見つけて、すごく嬉しく思いました。

ところで、演奏中、楽譜が置かれていますが、譜めくり担当の人は、いません。めくるのは、小山さんご自身で、その譜面には、極小の音符が並んでいる(ように見えます)
終演後にサイン会で楽譜について伺いました。
なんと、小山さんの手作り(コピーを切り貼り)なのだそうです。素敵な作品なのに、市販の楽譜がないなんて、もったいないことですね。
楽譜を置いていたのは、全体の「景色を見るために…」とのお答えに、ピアノの出番が多いわりにページはたまにしかめくられない謎が、解明されました。
(ファンとしてはピアノ協奏曲を聴くような気持ちでおりましたが、作品はあくまでも「〜交響曲」なのでした)
なるほど、音楽の流れを確認するための楽譜だったのですね! つまり、この作品はもちろん、もう小山さんの身体にしっかり取り込まれていたのです。
「音楽そのものが体に入るまでいかないと、先生の音楽にならないのが難しいところですね。」とメッセージにもありましたね。
小山さんはステージ本番でそのお言葉を実証なさったのです。
改めて小山さんの才能に驚嘆いたしました。
この作品も、1942年の初演の後、不幸な運命をたどったようですが、小山さんの演奏によっていっそう注目されることになるのではないでしょうか。

会場からの割れるような拍手とブラボー!ブラボー!の嵐に数回のカーテンコールが繰り返された後、小山さんがお選びになったアンコール曲は…
伊福部 昭:ピアノ組曲より「七夕」。
なんと静かで優しい音色でしょう。興奮が一気に鎮まります。
この日のために同じ作曲家の他の作品を色々と研究なさったのですね。最適な選曲が、自然に、さりげなく、できてしまう小山さんに、ただただ敬服いたします。

短い休憩が入り、プログラム最後の曲は、諸井三郎:「交響曲第3番 作品25」
静かに心に染み入る気高くて美しい音楽でした。(先ほどの小山さんの美しいアンコール曲はこの作品への導入にもなっていたのですね。)
この交響曲第3番も「プロのオーケストラが公開で演奏するのは今回が39年ぶりだろう」とのこと、実にもったいないですね。
第3楽章「死についての諸観念」はパイプオルガンも入り、最後は天窓から光が差し込む情景が見えるようでした。
下野さんのタクトがゆっくりおろされて、崇高な音楽が静寂に変わったとき、思わず手を合わせてお祈りしました。拍手はその後で…。
温かな拍手に包まれて、下野さん最後にまた楽譜と作曲家へ敬意を示され、その謙虚なお姿に感動がいっそう深まりました。

プロデューサーの片山杜秀さん、熱演してくださった下野竜也さん・東京フィルハーモニーの皆さんと小山さん、素晴らしいコンサートを本当にどうもありがとうございました。
Date: 2017/09/12/11:47:28 No.4744

Re:小山さん炸裂する。
とさま
★ぴあのふぉるて様

 素晴らしく感動的なご投稿を拝読し、何度も読み返し、感動を新たにしています。

 音楽に対する愛情、プロデューサーへの尊敬、奏者に対する尊崇の念が、滾々と湧く泉のごとく文章に綴られていて、歴史に残る、当日の比類なき音楽創造の世界の記録として、誠に貴重なご投稿です。ぴあのふぉるてさんの想いは、当日一緒に居合わせた、全ての音楽愛好家が共通して感じた想いなのではないでしょうか。4人の偉大な作曲家、プロデューサーの片山さん、ピアノの小山さん、指揮の下野さん、東京フィルハーモニ交響楽団の団員の皆様が、ぴあのふぉるてさんのご投稿をお読みになれば、さぞかしお喜びになることでしょう。

 ぴあのふぉるてさんが言い尽くして下さったので、私は、少し別の視点で感想を綴らせて下さい。

《片山先生の慧眼(けいがん)》
 プロデューサーをお勤めになった片山先生の慧眼(けいがん)に圧倒されます。『片山杜秀がひらく「日本再発見」』シリーズは、戦前・戦中・戦後の日本の音楽事情にテーマを絞り、4回に分けての公演企画でした。小山さんが出演されたのは「戦中日本のリアリズム」と題された最終公演でした。プログラム冊子の裏表紙に『耳からウロコの夏になる』と書かれていたのですが、まさにその通りで、このような素晴らしい作品群を知らなかった自分の不明を恥じる想いです。

 「日本の作曲家」や「日本の音楽史」をもっと幅広く取り上げるべきとの片山先生の執念のような想い、それをご自分の使命のようにお考えになっての入念な準備…この企画を実現するまでに伴ったであろう、幾多の困難を克服され、成功裡に終えられたことは、誠に慶賀のいたりです。日本の作曲家の素晴らしい音楽作品との出会いを造っていただいた片山先生に感謝の言葉がないほどです。

《諸井三郎先生の交響曲第3番》
 ぴあのふぉるてさんの素晴らしいご感想【第3楽章「死についての諸観念」はパイプオルガンも入り、最後は天窓から光が差し込む情景が見えるようでした。】から分かるように、この作品の白眉は第3楽章のアダージョだと思います。

 私の一番愛する作曲家の一人である、アントン・ブルックナーを彷彿とさせるような、深遠な音楽であり、このような作品が戦時中1944年に日本人(諸井三郎先生)が作曲した事実に驚嘆します。上述したように、ぴあのふぉるてさんが、これ以上ない見事な文章で描写して下さった終結部の音楽の素晴らしさは筆舌に尽くし難いものがあります。救済と祈りの音楽であり、西洋的に言えば天国的な音楽、日本的に言えば彼岸の音楽。【天窓から光が差し込む情景が見えるようでした】(ぴあのふぉるてさん)…ブルックナーの交響曲第9番あるいは交響曲第7番のフィナーレの終結部と同様に、魂の籠った音がきらめく光の粉のように天から舞い降りてくるかのようでした。ブルックナーと同様に、最後の和音の後に置かれた長大な休符…音が減衰し無音の休符が静寂の音楽を形成します。下野さんのタクトが降りるまで10秒以上の時間があったでしょうか…この世のものとは思えない美しい彼岸の響きの終結部は、休符と協働しながら、人智を超越した昇華された音楽空間を創出したのです。マエストロ下野さん、東フィル、そして聴衆が三位一体となって産み出した奇跡のような時空間だったのです。

《コンサート全体に心を配られた小山さん》
 伊福部先生の「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」の小山さんの凄演を拝聴し、まるで初演に居合わせたかのような錯覚に陥りました。何と幸せなことでしょうか!まるで小山さんのために作曲されたかのような作品であるとも言えます。【小山さんの演奏によっていっそう注目されることになるのではないでしょうか。】(ぴあのふぉるてさん)…そうなって欲しい傑作に違いありませんが、小山さん以外に、この作品の本質を見事に弾き切ることのできるピアニストは居ないのではないか、と思わせるほど、小山さんの奏楽に圧倒されました。

 小山さんは、アンコールで、伊福部先生のピアノソロ作品の中から、「七夕」という静謐な作品を選んで演奏して下さいました。ぴあのふぉるてさんが言及されているように、この選曲は、小山さんが、この日のコンサート全体に心を配られた末の最適な選曲だったと確信しています。原始的で生な響きに充ちたエネルギッシュな「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」の第3楽章とブルックナーを想起させるような『静かに心に染み入る気高くて美しい音楽』(ぴあのふぉるてさん)である諸井三郎先生の第3交響曲を繋げるために、小山さんは、静かで優しい「七夕」を演奏されたのだと思います。ぴあのふぉるてさんのお言葉【先ほどの小山さんの美しいアンコール曲はこの作品への導入にもなっていたのですね。】に深く同意します。

 かなり飛躍しますが、この小山さんの発想は、ベートーヴェンの最後のピアノソナタ第32番ハ短調作品111を想起させます。〔地上と天国〕、〔闘争と平安〕のように、作品111の第1楽章と第2楽章はベートーヴェンの二元性が際立った作品です。しかしながら、ベートーヴェンは、その第1楽章の末尾にハ長調に転調する美しいコーダを用意し、2つの楽章を音楽的に繋いだのです。小山さんが、今回の公演で取られた音楽的思慮に基づいたアンコールの選曲に、小山さんという稀代の芸術家の奥儀の一端を見るかのようです。

★★小山さん:私の音楽体験の中で、最高に素晴らしいコンサートの一つでした。伊福部音楽のピアニズムを堪能しました。諸井三郎先生の作品では、ピアノソナタ第2番が素晴らしいですね。諸井先生の作品に違和感なく繋がる、アンコール曲を挟んでいただき、感動の質が更に増幅されました。一生忘れられないコンサートでした。有難うございました。

★★マエストロ下野さん:下野さんの指揮するベートーヴェンが好きです。第5交響曲では、下野さんの指揮が私の中でベストの一つです。今回、4曲の傑作を復活演奏して下さり、いずれも圧倒的演奏として、永遠の輝きを失わないでしょう。有難うございました。
Date: 2017/09/12/22:49:04 No.4745

Re:小山さん炸裂する。
covariant
今夜もこんな時間になってしまったので、そろそろアップされているのではないかと、訪ねてみましたら案の定、まさとさんの写真付きのご報告に加え、ぴあのふぉるてさん、とさまさんお二人の名手によるご投稿を拝見し、私達もその感動を共にできることに、感謝せずにはおれません。

リニューアルされたサントリーホールで、「日本再発見」が挙行され、その大役にふさわしい小山さんの演奏も実現されたのだと思うと、新たな時代の光を見い出したようにも感じる、と言っては言いすぎでしょうか?管理人まさとさんの写真やFacebookで拝見した小山さんの衣装も、ぴあのふぉるてさんのご説明で、なるほどそうだったのか、と得心しました。

そして、ぴあのふぉるてさんが仰った小山さんのピアノ上の楽譜ですが、私はきっとそのような使い方で、楽譜は置かれるのだろうな、と想像していました。ソロでの演奏では楽譜を置かれない小山さんも、他の奏者との協奏の場合には、それら奏者の演奏を予見する上で楽譜があったほうがいい、と以前仰っていたと記憶するからです。でも、実際どうだったんだろう?と気にしていましたので、ぴあのふぉるてさんのご報告は、私にとってもまさに的を射たり、それにしても小山さん手作りの楽譜とは!ほんとうに素晴らしいです。
Date: 2017/09/13/02:11:15 No.4746

Re:小山さん炸裂する。
まじょるか魔女
小山さんが伊福部さんのゴジラの曲を弾かれる
(^。^)、その曲は舘野泉さんが演奏されたことがある、と教えていただき、「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」を youtubeで聴いてみました。
「ピアノは打楽器‥」と仰った 小山さんの言葉と、バルトーク ピアノソナタを嬉々として演奏されていた 小山さんのお姿を思い出していました。

生まれ変わったサントリーホールに響く音色を、びあのふぉるてさん、とさまさんのお心のこもったきめ細かいレポートから想像しています。
covariantさんもコメントされているように、小山さんの和柄のドレスは今回のテーマを体現されていますね。
まさとさんの写真付きレポートも嬉しく拝読しました。

日本人のDNAには和太鼓のリズムが組み込まれているのではないでしょうか。
ピアノという打楽器を打鍵される 小山さん。
「血湧き肉躍る」という言葉が浮かんできます。
フィナーレのグリッサンドでは、鍵盤という大地が力強く耕され掘り起こされ、生命力がホールにスパークしたことでしょう。
臨場された方は、できれば踊りたかったのでは?鼻血が出そうだったのでは?(≧∇≦)などと想像しています。

その昂まりを鎮めるように、アンコール「七夕」と、諸井三郎さんの「交響曲第3番 作品25」が演奏されたのですね。
手を合わせてお祈りしたくなるような音楽だったのですね。

いつか拝聴できる日がきますように。
素晴らしい企画と一期一会の演奏についてお知らせいただき、有り難うございました。
Date: 2017/09/14/00:26:45 No.4747


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小山さんのスフォルツァンド(sf):作曲家の想いが宿るsf
とさま
★まじょるか魔女様(No.4736):『こどもの夢ひろば』の拙い報告(No.4735)に温かいReplyを有難うございました。魔女さんのお言葉『ひとかけらの勇気を持ち続けて能動的に「かんじよう!」とする思いと姿勢(が大切)。』に深く同意します。力むことなく、脱力して『ひとかけらの勇気』からスタートできればいいですね。

★オクターヴ練習中様(No.4738):時の経つのは速いですね。オクターヴ練習中さんは黒鍵のエチュードに挑戦されているのですね。私はピアノを弾くことができないので、とても羨ましく思います。ピアノに向き合うことで、新しい発見が沢山あったようで、それは本当に素晴らしいことですね。音楽が好きということは、幸せなことなのではないでしょうか。これからも音楽をより深く、そして心から楽しんで下さいね。

〜〜〜〜〜〜〜
さて、きょうは、小山さんのsf奏法の素晴らしさについて綴ってみたいです。

 スフォルツァンド(sf)が音符に付与されると、“その音を特に強く”演奏することを意味します。類似の音楽記号にアクセント(<)やフォルツァンド(fz)があります。“その音を特に強く”という点では共通しますが、楽想によって使い分けられるように見えます。弱奏が続く中、突然ある音を強くするようなときに、sfが使われる傾向があるようです。一方、クレッシェンドして、頂点の音を強調するようなときに、fzが使われることが多いようです。

作曲家によって傾向(好み)が異なりますね:

●ベートーヴェン・・・sfを多用し、一つの小節の中で何度も使うことを好みました。

●ブラームス・・・sfを比較的多用しましたが、ここぞというときに、sfでも足りず、sff(スフォルツァティッシモ:sfより更に強く)を使いました。例えば、6つの小品・作品118の6には、2回sffが登場します。小山さんの前人未踏の《最高の音楽》は、このsffの付与された和音に込められたブラームスの想いが具現されたことによって産まれたのです。

●シューベルト・・・sfは滅多に使わず、代わりにアクセント(<)を使用し、ここぞというときにはffz(フォルツァティッシモ:fzより更に強調)を使いました。例えば、最後のピアノソナタD960の第1楽章の提示部の1番括弧にffzが登場します。この音符に込めたシューベルトの渾身の想い…小山さんは単なる絶叫ではなく、粗野の対極にある音楽的なffz音を響かせることで、絶望を越えた世界観を提示されたのです。

**********
ここでは、ベートーヴェンの最後の3つのピアノソナタ(第30番ホ長調作品109、第31番変イ長調作品110、第32番ハ短調作品111)におけるsfに注目してみます。頻度は別にして、sf やfzは音を強調する記号ですから、『それらに作曲家の特別な想いが込められている』と考えるのは自然なことでしょう。そうであれば、「気持ちが一番大切」と仰る小山さんの奏楽が特別な音楽的価値を生み出すことは想像に難くないところです。また、ある意味で、聴きどころにもなると思うのです。

.戞璽函璽凜Д鵝Ε團▲離愁淵紳30番ホ長調作品109の第3楽章 《第4変奏》

第4変奏の前半は、霊感豊かな音楽がポリフォニックに進行し、小山さんは、限りなく優しい眼差しで、ベートーヴェンの「心の想い」を聴き手に届けて下さいました。

 しかし、第4変奏後半で音楽の雰囲気は突然変わり、9/8拍子の弱拍上のアクセント(<)と執拗なスフォルツァンド(sf)を繰り返しながら高揚し、最後には、第3楽章で唯一のffの頂点を築きます。小山さんは、全身全霊でベートーヴェンの尋常でない想いを語られます。<やsfが、物理的音量としてのffを導く役割を果たすだけでなく、ベートーヴェンの想念を、魂(心)の叫びとして表現するために不可欠であること…そのことを初めて気づかせて下さったのが小山さんなのです。


▲戞璽函璽凜Д鵝Ε團▲離愁淵紳31番変イ長調作品110 《第3楽章》

音楽史上稀にみる独創的かつ感動的な音楽を築くのが作品110の第3楽章です。息も絶え絶えの2つめの【嘆きの歌】に続くのが、10回の鐘の音によって導かれる、まるで天から舞い降りてきたかのように始まる2つ目の【フーガ】です。

やがてフーガ特有のポリフォニー音楽からホモフォニー音楽(右手が旋律で左手が伴奏のイメージ)の祈りと賛美の音楽(第184小節〜)に移行し、sfが極めて重要な役割を担うようになります。最初に登場するsfはF(ファ)とAs(ラ♭)の3度の単純な和音に付与されています(第188小節)。しかしながら、驚くべきことに、多くのピアニストがsfを感じさせることなく、まるで経過音のように淡白に扱っているのです。

それに対し、小山さんは、おそらく『ベートーヴェンは、苦悩から解放された、歓びと感謝の最初の想いをこの和音に特別に込めたかった=だからsfを付与した』とお考えになられて、この和音に全身全霊でベートーヴェンの魂の音楽を注がれました。小山さんの奏楽の見事さに言葉を失い、ただただ圧倒されます。同様に、第200小節から登場する(フーガ)主題に付与されたsfの和音とそれに続く3つの強烈な減七和音(緊張感を与える特別な和音で、作曲家の腕の見せ所のような和音)に、ベートーヴェンの震えるような感動的な想いを小山さんほど深く込めたピアニストは、私の比較的長い音楽体験の中で、居ません。

作品110の最後は、確信に満ちたアルペジオで壮大に盛り上がり、天に導かれるように、苦悩から永遠の歓喜の世界に到達します。この歓喜の感情を共有するためには、そこに至るまでのベートーヴェンの想念に心を寄せる必要があると思うのです。sfは、単に『その音を特に強く』という音楽記号ではなく、ベートーヴェンの想いを具現するために、音楽全体を支配するほど重要な役割を果たしている…そのことを立証した初めてのピアニストが小山さんなのです。


ベートーヴェン・ピアノソナタ第32番ハ短調作品111 《第1楽章》

【ピアノで綴るロマンの旅】、【音の旅】の最終回の末尾を飾る作品…158小節から成る、その第1楽章にはsfが約70回!も登場します。ここでは、たった22小節の短い展開部末尾5小節(第86〜90小節)に登場するsfに着目します。フォルテ(f)を基盤とし、各小節、3つの音を基本とする第1主題を素材とし、3拍目の2分音符(もしくは付点4分音符)の和音にsfが付与されます。しかも、sfが付与された和音は、ことごとく、ベートーヴェンお好みの減7和音なのです。さらに、減7和音に続く、一瞬遅れて現れる左手の分散減7和音が尋常でない雰囲気を醸し出します。

 fを基盤とした〔sf+右手減7和音+左手減7分散和音〕の5小節…前述した作品110のコーダと同様に、これ以上〔情熱(=想い)の沸騰〕を想起させる音楽的状況は無いのではないでしょうか。ところが、にわかに信じ難いことに、極めて多くのピアニストが、第1楽章全体を覆う緊迫感や闘争的とも感じられる情熱の沸騰に圧倒され、この5小節を経過句のごとく扱っているのです。ベートーヴェンの真実の想いを具現できるピアニストは小山さん以外には考えられないのです。

記憶が明確でないのですが、20年前、もっと以前だったでしょうか、小山さんが演奏された(と記憶する)作品111の名演が私のスタンダードになっています。何十年振りかになる、10月の小山さんの演奏を聴かせていただくのが待ち遠しい限りです。


********
sfは、小山さんが上梓(じょうし)された新著〔点と魂と〕のサブ題目〔スイートスポットを探して〕と密接に関係していると思います。音楽的に意味のあるsf音を響かせるには、恐らく打鍵の位置が0.1mmずれても達成できないのではないか…著書を拝読して、そのように思いました。また、ピアノの調律(調整)を通じて、打鍵しやすくすれば、無難な音楽に終わってしまい、聴き手の心を奪うことは出来ないのではないか、と想像されるのです。

スイートスポットに的中させて、音響学的に(物理的に)勁い(つよい)音を響かせる小山さん…しかし、小山さんは、そこに作曲家の想いを全身全霊で注がれます。小山さんより更に素晴らしい演奏を聴きたいのであれば、それは次の小山さんの演奏を待つしかないでしょう。そして小山さんの凄いところは、《最高の音楽》を目指して、常に一期一会の感動的な演奏を各地で繰り広げられていることだと思います。

sf音を奏して、誇張や恣意を一切感じさせることなく、音楽の本質(作曲家の想い)を違和感なく自然に浮かび上がらせることができるピアニストが小山さんです…小山さんの演奏がかくも多くのファンに愛される理由の一つなのではないでしょうか。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:8月もまもなく終わり、秋の音楽会シーズンが始まりますね。作曲家の真実の想いの籠った素晴らしい演奏をいつもお届け下さり感謝しています。これからも多くの人を幸せにして下さい。気候が不順の折、ご自愛くださいますようにお願い致します。

とさま
Date: 2017/08/26/13:08:12 No.4739

Re:小山さんのスフォルツァンド(sf):作曲家の想いが宿るsf
covariant
とさま様
いつもながらこのコーナーに深い解釈と愛情溢れるコメントをいただき、その恩恵を受ける者の一人としてほんとうに感謝致します。このコメントを頭に置いて、これからのベートーヴェン・ソナタ拝聴に臨みたいと思います。仙台での『こどもの夢ひろば ボレロ』の臨場感溢れる詳細なご報告も、ありがとうございます。
ついでで大変失礼ですが、ぴあのふぉるてさんのこれもまた詳細な記事情報も、いつもほんとうにありがとうございます。

9月に入ったばかりですが、当地は今朝から急に涼しくなりました。
小生は、先月8月末までに申請すべき仕事等も抱えていたことや、小山さんも公式には8月は夏休みとお知らせいただいていたこともあり、今日久しぶりにここを訪れてみました。そして皆様の最新投稿をいくつも拝見し、嬉しくなります。

小山さんの今月9月のスケジュール表を確認し、「サントリー芸術財団サマーフェスティバル2017」のサイトを見たところ、
10日の演奏を前に、小山さんの談話メッセージが載っていました!
スケジュール・カレンダーにも記載のあるとおり、演奏曲目は
伊福部昭作曲 ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲
ですが、小山さんからのこのメッセージを見ると、そこには作曲者の伊福部先生の思いに対する小山さんの鋭い洞察が語られており、改めて小山さんの音楽に対する思いの深さと、その準備の幅の広さを知る事ができますね。
未だご覧になってない方がいらっしゃるなら、是非ともサントリーホールのサイトから入って、読んでいただきたいと思います。できることならこのコンサートにも足を運びたいと思ってしまうのは、私だけではないでしょう。
この小山さんのメッセージや、とさま様や皆様からのコメントと情報をまた一つの宝物として、この秋に向かいたいと思います。(^^;/~
Date: 2017/09/02/00:12:26 No.4743


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すべての感情を取り戻した時間
オクターヴ練習中
 時が過ぎゆくのは速いもので、第23回 「 音の旅 」 仙台公演から3か月。記述までに、これほど時間が掛かるとは公演拝見の時は思ってもみませんでした。この間ずっとピアノに浸りっぱなし。後悔をしないためだけに、今しか出来ないことに向き合ってみるという、自分が初めて自分に向き合って挑戦をするということをしてみたのかもしれません。
 ちょうど、第23回 「 音の旅 」 仙台公演の頃、もしかしたらピアノが弾けるようになるかもしれない、そんな感覚が出て来ていました。無謀な毎日ということは分かっていました。それでも、ひたすらピアノに向かう日々。それでも、なかなかピアノが弾けるようにならない。そして、どうしてもやめてしまうことも出来ない。なぜなのか。いまは、自分が、ピアノをあきらめることが出来なかったのかという理由も明確に解ってきたような気がします。けれど、このときはその理由がまったく解らなかった。いつか、この理由を”小山実稚恵さん”に伝えることが出来れば、と思っています。

 昨日と一昨日と、諸事情でピアノに触れることすら出来ませんでした。中2日あけ、3日ぶりのピアノ。ここ最近、朝一番に、ショパン 黒鍵のエチュード を練習していました。その ショパン 黒鍵のエチュード の運指を確認。暗譜の怪しいところが多々。ミスタッチ多々。評価をするならば、譜面を見たことがない人が聞くぶんには、弾けているように思えるかもしれません。(もうすこしテンポを上げることが出来ませんか、という声が100%出てくるような速度ではありますが)そんなレベルで弾いています。
 ”小山実稚恵さん”がノリノリで弾いていた、ショパン 黒鍵のエチュード。そんなイメージのある作品について、どうして、あのノリノリの感覚が出てくるのだろうか、理由を知ってみたい。そんな気持ちで、 ショパン 黒鍵のエチュード に取り組んでみました。
 1小節に3連符が4つ。フレーズの終りはレ♭の音が多い。次のフレーズはソ♭から始まる。安心感の連続で自然と身体も揺れてくる。音階は、ソ♭から始まってソ♭で終わる。日常であまり耳にすることのない音階に、無意識に聴き耳が起ってきてしまう。でも、最後の小節から数えて20小節目。前の全部フラットで、ミレシラソミレシラソレシの後に続く、トップノートで、「 ラ、シ、ラ、ソ 」 。この和音を導くために創られた作品。そう考えることで、この小節以外はすべて、ノリノリでいくように創られている。そんなことを感じながら ショパン 黒鍵のエチュード に向き合っています。

 前置きが長くなりました。なんでもいいから暗譜でピアノが弾けるようになる、そんな状態に来るまで、他のことがまったく手につかない、というような状態でした。なんとか、ピアノを弾き始めた、と言えるかもしれない。そんな感じです。(どれも運指が遅く、ミスタッチが多くて曲になっていないのですが)


 第23回 「 音の旅 」 仙台公演で、”小山実稚恵さん”に伝えたかったこと。それは、あの公演で、自分が失っていた感情を取り戻した、ということです。そう、それは、すべての演奏が終わっての、ステージからの退出。扉が開くと、待機をしていた方を観て、ほっとしたのか、笑顔で身体ごと崩れる様に、控室に入っていく”小山実稚恵さん”の姿を観ることになりました。なぜだろう。理由は解らない。演奏は完璧だったと思えるのに。そんなことを感じながら、控室へと入っていく”小山実稚恵さん”の姿を見ることになりました。きっと自分には解らないけれども、とにかく、なにかの理由があったのだろうというように思いました。けれど、あのときの、あの表情と、あの姿を、観たことで、自分の中で固まったままけっして動くことのなかった感情が、もう一度、動き始めることとなりました。自分があの席に座っていた理由は、あの表情、あの姿、を観るためだったのだろうと、そう思えてなりませんでした(自分の固まってしまった感情についても改めて記述してみたいと思っています)。ライブ演奏を観るということは、生きている様を観に行く、ということが揺るがないものになったわけです。

 いくつかの作品にピアノで向き合うことで、ピアノの大変さが分かるような気がしています。そして、ピアノに向き合ってみたことで、曲に取り組んでみることで、演奏を観る愉しみも出てくる、ということも感じています。無論。聴くだけ。それだけで十分、ということを踏まえて、です。

 第23回 「 音の旅 」 仙台公演 から3か月。ようやく伝えることとなりました。
Date: 2017/08/24/21:49:49 No.4738


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感性を磨くことの大切さ:『こどもの夢ひろば ボレロ〜つながる・集まる・羽ばたく〜』
とさま
残暑、お見舞い申し上げます。

  本物に触れあうことのできる楽しい出会いの場『こどもの夢ひろば ボレロ』。ひろばのメイン・イヴェントの大集合コンサート・・・2日間で午前・午後の部に分けた4回のコンサートが大変な盛会のうちに終了しました(7月29日(土)、30日(日)@日立システムズホール仙台・コンサートホール)。ちょっと訳があって、タイムリーにご報告できず誠に申し訳ありません。

  仙台生まれ、盛岡育ちの小山さんは、東日本大震災の被災地へ音楽を届ける活動をライフワークの一つとされています。小山さんは、震災直後から被災地の訪問コンサートを継続する中で、やがて「子どもたちに本当に必要なのは、新たな一歩を踏み出す勇気」なのではないか、と感じられるようになられました。そして「子供たちに、何でも、好きなこと、夢中になれることに出会って欲しい」との想いから、ゼネラルプロデューサとして、この素晴らしい『こどもの夢ひろば』を企画し、実行に移されたのです。3回目を迎える今回、テーマに「かんじよう(感じよう)!」を設定されました。

  広報誌に印刷された、小山さんと、今回、指揮者をお務め下さった広上淳一先生の『開催にあたっての想い』のお言葉をご紹介しましょう。

  【今年の“ボレロ”大集合コンサートのプログラムは、ベートーヴェンの「運命」とラヴェルの「ボレロ」です。ワクワクするような運命の出会いを楽しみにして、『こどもの夢ひろば』にみんなで遊びに来てね!】(小山さん)

  【若い人たちに向けたこのプロジェクトは、これからの日本に大きな勇気を与えることでしょう。実稚恵さんが夢に描く子供たちとのコラボの世界観が、彼女の出身地である仙台で花開くよう、応援したいと思います。】(広上先生)


  昨夏と同様に、館内各所で沢山の楽しいイベントが催されました。「書道パーフォーマンス〜文字の力〜」では、書道家の藤田雄大さんが〔かんじよう(感じよう)!〕の文字を大きな紙に書いて下さいました。定番の「サイエンスショー」や「プラネタリウム」に加えて、何かと話題になっている昆虫の世界に迫る「昆虫ワンダーランド」、昨年に引き続き、防災を意識した「ジェルキャンドル造り」などなど。今年の目玉の一つは「茶道ワークショップ」と「お抹茶体験コーナー」でした。小山さんも参加されたようですね。小山さんが期待された通り、どの会場も子ども達の笑顔でいっぱいになり、あちこちで〔運命の出会い〕があったことでしょう。

************
  さて、“ボレロ”大集合コンサートの模様をご報告します。

  今年は、広上淳一先生の指揮で宮城教育大学(宮教大)交響楽団の皆さんが演奏して下さいました。ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の第1楽章及び昨年と同じ吉川(きっかわ)和夫さん編曲によるラヴェルの「ボレロ」というプログラムでした。

≪プレトーク≫
  小山さんがマイクを持って登場され、短いプレトークをして下さいました。今年のテーマ〔感じよう!〕について、【色々と見たり聴いたり体験して何か大切なことを感じ取って欲しい】という趣旨のことをお話下さいました。続いて、小山さんが広上先生をお招きされ、温かい笑顔をされたマエストロが登場されました。広上先生、いきなり小山さんに【小山さん、今何を感じていますか?】と振ると、小山さんは笑顔で【嬉しさを感じています】とお答えになりました。会場の聴衆みんなが明るい気持ちになる素敵な会話のキャッチボールでした。

  続いて、「運命」の特別編成についての説明をいただきました。オケは、宮教大生メンバーに、オーディションで合格した小中高生10数名が加わりました。小山さんが一人一人のお名前を呼んで丁寧に紹介して下さいました。そして、舞台上の2台のピアノの説明に入る前に、オーディションで選ばれた2人のリトル・ピアニストが拍手に迎えられて登場します。

  ベートーヴェンオリジナルの管弦楽版と(間宮芳生先生編曲による)2台のピアノ、3人のピアニストによる6手のためのピアノ版との合作版!ピアノだけが奏する部分、オーケストラだけが奏する部分、そして両方が一緒に奏する部分・・・【コンチェルトみたいなので、楽しんで下さい】と小山さんお話下さいました。いよいよ開演です!

《運命》
  リトル・ピアニストは第1ピアノの第1奏者と第2ピアノを担当し、小山さんは第1ピアノの第2奏者をお務めになりました。広上先生が聴衆の方を向いて、指揮棒を振り下ろされると、〔運命〕のあの有名な動機がピアノだけで始まります!何と新鮮な響きでしょうか!動機の繰り返しではオーケストラがしっかりと意味深く音を刻んでいきます。小山さんの予告通り、〔運命〕第1楽章は、深刻な音楽というよりは、推進力に溢れたコンチェルトに豹変し、輝かしい未来すら感じさせる素晴らしい音楽に変わっていたのです。

  充実した最後の和音を受け、盛大な拍手に会場は包み込まれます。広上先生と小山さんが、リトル・ピアニストに【何を感じましたか?】とインタビューをされました。

●【オーケストラの皆さんと沢山練習ができて幸せ】
●【オクターブが多く大変だったけれど、オーケストラ、小山さんと豊潤な時間を過ごせて嬉しかった】
●【オーケストラと合わせて気持ちよく弾けた】

など、貴重な音楽体験をしたリトル・ピアニストの高揚する様子が却って清々しい印象を与えました。

≪指揮者体験コーナー≫
  昨年に続いての1分間指揮者体験コーナーです。

【指揮したい人、手を上げて!】・・・子どもたちが一斉に手を上げて、もの凄い熱気となりました。小山さんが3人の子どもを指名されました。小山さん 【3人しか選べなくて、ごめんなさいね】という表情をなさっていました。

  曲は〔ボレロ〕の大詰めの部分です。広上先生が出だしの振りのサポートをして下さって、それぞれの子供が真剣に棒を振ってオケをコントロールしていきます。危なくなると、広上先生がそっと手を添えて下さいます。〔ボレロ〕のクライマックスと最後の雪崩落ちるような感動的な終止をリトル指揮者が現実に体験したのです!しかも、世界のマエストロ広上先生のご指導の元で・・・。

  体験後も緊張している子供をリラックスさせるために、広上先生と小山さんは楽しいインタビューをして下さいました。【好きな食べ物は?】、【将来何になりたい?】、【ピアニストになりたいの・・・指揮者はどう?(笑)】などなど。微笑ましい光景に聴衆の気持ちは温かくなりました。

≪ボレロ≫
  ボレロには、ピアノ連弾と合唱が加わります。合唱は、宮城教育大学付属小学校有志(3年生〜6年生)とNHK仙台少年少女合唱隊(小中高生)の皆さんでした。今回は、竹田理央さんの振付・ダンスの指導があり、ボレロのリズムに合わせて体を動かしたり、手を大きく回転させたり、聴衆もボレロに参加することができました。曲の後半から、通路左右に分かれて並んだ合唱隊が澄み切った美しい声で、「みんな一緒」がキーワードの歌詞【友達できるかな きっとできると思う 一緒に歌を歌おう 仲良しになろう】、【あの青い空を眺める 旅にでかけよう みんな一緒に 歌を歌って行こう】などと歌われていきます。

  オスティナート風に同じボレロリズムが繰り返され、少しずつ楽器を増やし(ピアノ連弾や合唱も加わります)、音量も次第に増大し、巨大な建築物を施工するように音楽が積み重なっていきます。そして最後の2小節で、雪崩れ込むような圧倒的な終結を迎えるのです。アマチュアのオーケストラから、これほどまでに音楽の本質に迫った演奏が聴けるのは、奇跡のようであり、広上先生への尊崇の念が深まるばかりです。

  covariantさんが1年以上前に紹介して下さった、ラジオ深夜便での広上先生のお言葉(No.4578)を思い起こしています:

【「最高の音楽」はブランドでは決まらない。心がこもっていれば、どこの場所で、どのような形であっても、あるんではないか。……(最高の音楽とは)名もないアマチュアのオーケストラでも、名もない学生オーケストラでも、いいものはいいし、柔らかな心で音楽を作り、そして聴衆は柔らかな心でそれを受け止める一緒の空間、のことをいうのではないか。】(広上先生)

  このお考えは、【気持ちが一番大事】と仰る小山さんのお考えと共通していると思います。書籍「そこに音楽があった 楽都仙台と東日本大震災」(梶山寿子さん著)に《ボロボロのピアノでも圧巻の演奏》という項目があります。「お世辞にも整った環境とは言えないが、小山さんは信頼する調律師を同伴して、そんなピアノをできる限りよみがえらせた。」という記述を受けて、小山さんが「音響やピアノの状態が悪くとも、何より大切なのは気持ち。心がこもっていれば、悪条件はカバーできる」とお考えになったことが紹介されているのです(No.4658の拙文より)。

《小山さんの素晴らしいお言葉》
  会場は、嵐のような拍手と喜びの歓声で一杯でした。子供たちだけでなく、大人たちも人生について深く考える機会となった演奏会です。私の隣に座っていた女性は泣きながら、こんなに感動したのは初めてと言いながら、笑顔を私に向けて下さいました。私も同じ状態だったのでしょう。

  小山さんと広上先生が〔3年目の気持ち〕についてお話しして下さいました(いずれも趣旨)。

●【習うより慣れることが大切・・・何回も何回も演奏しました。】(広上先生)
●【4回の本番・・・ステップアップして、最後には、感動して込み上げてくるものがありました。】(小山さん)
●【空間を通して音楽の喜びを伝えることの素晴らしさ!】(広上先生、小山さん)

  そして、小山さんの最後の一言は短いながらも、感動に充ちていました。

★【何か大切なことを感じること・・・どの世界にもある。音楽の世界で感じるものがあれば、他の世界でも何か大切なことを感じるものがある。】(小山さん)

 眠燭大切なことを感じること〕→〔自分の生き方を見つけること〕
◆眠燭大切なことを感じること〕→〔気付く力を身に着けること〕→〔無関心ではなく他者への思いやりの気持ちに繋がること〕

  これらの発展を実現するためには、〔感性を磨くこと〕あるいは〔感受性を豊かにすること〕がとても大切になるのだろうな、と思います。〔愛〕の反対は〔憎しみ〕ではなく〔無関心〕であると言われます。〔無関心〕からは何も産まれないことを考えると、【子供の夢ひろば】のテーマに【感じよう!】を設定されたのは本当に素晴らしいことです。そして、小山さんは多様性を大切にされるからこそ、〔他の世界でも何か大切なことを感じるものがある〕とお言葉を結ばれたのでしょう。

  昨年と同様に、舞台中央にかけられた、藤田さんが入魂の想いで書かれた「かんじよう!」の文字を背景に、小山さんが最後に語られたお言葉は、こどもにも大人にも等しく、人生において最も大切なことを教えて下さる、素晴らしいお言葉でした。小山さんの演奏と同じように、そのお言葉はいささかも揺らぐことのない、真実そのものを語っていました。

〜〜〜〜〜〜〜〜
★★小山さんへ:第3回「こどもの夢ひろば」が大成功に終わりましたね。子供も大人も【生きる勇気】のヒントを得ることができた素晴らしい2日間でした。広上先生と共演されたときの小山さんのコンチェルト演奏が《最高の音楽》になる理由もよく分かり、その意味でも収穫が大きかったです。小山さん、広上先生、宮教大交響楽団の皆様を初め、関係された全ての方に心から感謝申し上げます。
Date: 2017/08/12/22:20:04 No.4735

Re:感性を磨くことの大切さ:『こどもの夢ひろば ボレロ〜つながる・集まる・羽ばたく〜』
まじょるか魔女
とさまさん、“ボレロ”大集合コンサート@仙台のきめ細かいご報告、深く心に響きました。
小山さんと 広上さんの『開催にあたっての想い』のお言葉と、当日の会場の様子を詳しくお教えいただき有り難うございます。
今年のテーマ〔感じよう!〕は、舞台中央にかけられた「かんじよう!」の魂のこもった文字からダイレクトに伝わってきますね。
ファンサイト「FACEBOOK」の写真とメッセージも嬉しく拝見しました。

「〔何か大切なことを感じること〕→〔気付く力を身に着けること〕→〔無関心ではなく他者への思いやりの気持ちに繋がること〕」、
「〔愛〕の反対は〔憎しみ〕ではなく〔無関心〕であると言われます。
〔無関心〕からは何も産まれないことを考えると、【子供の夢ひろば】のテーマに【感じよう!】を設定されたのは本当に素晴らしいことです。
そして、小山さんは多様性を大切にされるからこそ、〔他の世界でも何か大切なことを感じるものがある〕とお言葉を結ばれたのでしょう。」
とさまさんのメッセージを、一人でも多くの人が共有できますように。

「癒しでなく、生きる勇気を」という 小山さんの想いが8月8日のFACEBOOKに紹介されていますね。
「一瞬で燃え上がり、すぐに燃え尽きる高熱ではなく、微熱の愛情を持って長く付き合っていこう。」
広上さんの言葉と共に、エネルギーの温かい伝導を感じます。
ひとかけらの勇気を持ち続けて能動的に「かんじよう!」とする思いと姿勢。
子どもにとっても、大人にとっても大切なことなのですね。
Date: 2017/08/16/00:20:23 No.4736


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「ジャン・ワン & 小山実稚恵 デュオ・リサイタル」感動のお福分け。
ぴあのふぉるて
先週7/13、小山さんとジャン・ワンさんのデュオ・リサイタル@紀尾井ホールは、ありえないほど素晴らしかったです。
お二人の生き生きした演奏に興奮しました。
小山さんの美しいピアノ演奏はもとより、ワンさんのチェロの鮮やかな奏楽に目も耳も釘付けになりました。チェロという楽器の演奏で、最後まで音程がきっちり正確で、一つもずれないことに驚嘆します。音色の明るさや躍動感、作品へ込められた思いなど、小山さんといっしょだと感じました。

ベートーヴェンもブラームスもラフマニノフも、皆さまピアノの名手でしたから、「チェロ・ソナタ」といっても、ピアノも重要な役割を担っていて、どれも聴きごたえのある作品ですね。
ベートーヴェンの作品も、続く二作品も、小山さんのピアノパートは音符が多くてお忙しそうな上、チェロの歌を引き出すために気をお使いになって、大変だったことでしょう。でも、小山さんにとってはそれよりも、ジャン・ワンさんとお二人で音楽を作り上げる楽しさの方が、優っていたように感じます。
(友人も、小山さんがステージでいつも楽しそうに、気負いのないご様子で演奏なさっていることに、いたく感じ入っていました)

小山さんとジャン・ワンさんのデュオ演奏は、時にピアノが前面に出る箇所もありますが、全体を通してピアノとチェロは対等な関係で、お二人ともに思いやりあふれ、優しく対話を重ねている印象でした。
楽章の合間には、お二人でしっかりとアイコンタクトを交わしておられました。
そして、一作品の演奏が終わるごとに、ジャン・ワンさんが小山さんの首に腕を回して抱擁し、喜びを表現なさっていたのが微笑ましく、心温まる光景でした。

ブラームスのチェロ・ソナタ第1番 ホ短調は暗〜い曲だと思っていたのですが、それは思い違いだったような気がするほど、明るさと活気に満ちた、輝かしい音楽でした。
ラフマニノフのチェロ・ソナタ ト短調は誠に美しい作品で、ピアノ協奏曲を聴くのと同じような充実感を覚えました。組曲第2番とも似ている箇所があるなぁと思ったら、同じ時期に書かれたのだそうですね。
小山さんのラフマニノフ演奏は、優美で瑞々しくて、大好きです。

アンコールにはショパンのチェロ・ソナタより第3楽章が、しっとりと奏でられました。
熱い拍手に応えて、最後は、ラフマニノフ:ヴォカリーズ を演奏してくださいました。チェロとピアノの美しい歌が心に沁み入ります。

サイン会で、ジャン・ワンさんに「素晴らしい演奏でしたね」(Beautiful music!)とお伝えしたら、すごくお喜びになり、両手で握手してくださいました!
今日の素晴らしいプログラムをぜひ小山さんとお二人で録音してください!と(一応英語で)お伝えしたところ、左隣りの小山さんのほうをご覧になって、にこにこなさっていました。
朗らかで人懐っこいお人柄も小山さんと似ていますね。
サインしていただいたCD「シューマン:ピアノ五重奏曲」、早速聴いてみたいと思います。

小山さん、素晴らしいデュオ・リサイタルをどうもありがとうございました。サイン会での温かなご対応にも心より感謝いたします。
次の演奏会をまた楽しみにしております。
とさまさん初めファン仲間の皆様、またご一緒できますように。

猛暑の折、どうぞくれぐれもご自愛くださいませ。
Date: 2017/07/17/00:24:43 No.4733

Re:「ジャン・ワン & 小山実稚恵 デュオ・リサイタル」感動のお福分け。
とさま
★★小山さん、小山さんのファンの皆様

猛暑お見舞い申し上げます。どうぞ皆様ご自愛くださいますようお願い致します。

小山さんの音楽を愛される皆様の素晴らしい投稿を嬉しく拝読しています。読ませていただくと、気持ちが前向きに元気になります。有難うございます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★ぴあのふぉるて様(No.4733)
心温まる臨場感あふれるワンさん・小山さんのデゥオ・リサイタルのご報告を嬉しく拝読しました。暗すぎて聴くのが辛かったブラームスの1番のチェロソナタ・・・【それは思い違いだったような気がするほど、明るさと活気に満ちた、輝かしい音楽でした】というぴあのふぉるてさんのご感想に、今宵のリサイタルの音楽的特徴と本質の全てが語り尽くされていますね。ベートーヴェン、ラフマニノフ作品の【ありえないほど素晴らしかった(ぴあのふぉるてさん)】演奏はもちろんのこと、ブラームス作品へのぴあのふぉるてさんの感想をワンさんと小山さんが読まれれば、とても嬉しく思われるのではないでしょうか。通常チェロでは、わずかに♭気味になりがちですね。ぴあのふぉるてさんご指摘のようにワンさんにはそれが皆無で、その上で、朗々と歌われていく音楽造りに圧倒されますね。ピアノが小山さんであるからこそ、稀代の名演が産まれましたね。現代最高峰の黄金デゥオの誕生を歓びたいです。

★きよ様(No.4732)
リリス@横浜での小山さんのリサイタルの模様をお知らせいただき有難うございます。チケットは発売とほぼ同時に完売だったようですね。蒸し暑い日で、ピアノの調整に時間がかかってしまったのですね。シューベルトは各地で名演を小山さん繰り広げられていて、きっとリリスの聴衆を魅了されたことでしょう。きよさん仰られるように、【小山さんの一つひとつの音に込める想いから生まれるのであろう造形】に私達は【打ちのめされる】のですね。

★ぴあのふぉるて様(No.4731)
いつもいつも小山さんに関する情報をきちんと纏めて、硬軟織り交ぜて、上質な記事として投稿していただき、有難うございます。世界最高のピアニストのお一人である、21世紀を代表する小山さんに関する記録として意義深い作業の労を取っていただき感謝しています。暑いのでご無理のないようにお願い致します。

★y.s様(No.4729)
何かと陰になりがちだったシューマンの幻想小曲集の小山さんの演奏にお寄せいただいたご感想は宝石のように貴重です。ぴあのふぉるてさんのリプライ(No.4730)の心に響く文章と併せて拝読させていただき、心が温かくなって参りました。【心のままに歌を歌っていた】(y.sさん)、【何の作為もない(ように聴こえる)、心からの自然な歌】(ぴあのふぉるてさん)・・・この歌を聴くために私達は小山さんの公演に集うのですね。

★covariant様(No.4728)
 音の旅で登場した名作群・・・小山さんの演奏で聴かせていただくと、今までこの曲の何を聴いてきたのだろうと、きよさんのお言葉を拝借すれば、まさに【打ちのめされる】のです。すると、とても困ったことになります。それは、他のピアニストの演奏で聴くことができなくなるのです。3度のご飯より好きな(かもしれない(笑))ゴルトベルクを小山さんの演奏で聴いてから、自宅にある同曲のCDがプレーヤに乗ることは無くなりました。図書館に寄付する予定です(笑)。covariantさんと同じ想いです。ゴルトベルクは小山さんの最新CDが登場しましたが、ベートーヴェンの後期の名作群、シューベルトのD960は小山さんの録音はまだですね。自宅のCDを整理できる日(=小山さんが録音をなさる日)を私もじっと耐えて待ち望みます(笑)。

★ぴあのふぉるて様(No.4727)
ラジオ深夜便のご感想を有難うございます。また、covariant様には情報提供及び聞き逃しサービスについて教えていただき有難うございました(No.4724)。朝4時台にラジオを聴いている人は多くはないはずですので、本当に助かります。小山さんの素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただくために、このファンサイトは貴重ですね。管理人のまさとさんにも感謝しています。

★土の器様(No.4726)
 ぴあのふぉるてさんのオーチャード公演及びレクチャー&サロンのとても素晴らしいご報告(No.4722)への土の器さんのリプライを大きな喜びを持って拝読しました。土の器さんの豊かな感性に溢れた温かい文章に引き込まれました。そしてシューベルトのD960ソナタの第1楽章冒頭の『アウフタクト』の意味の発見!最初の『アウフタクト』の音と次の音との間の1/100秒の間合いを小山さんのように表現するピアニストは稀です。土の器さんの音楽的感性にブラヴァ―です。

 『アウフタクト』の音の前には休符があると考えることもできます。静寂の中で拍を数えて『アウフタクト』の音に繋がる・・・CDをプレーヤに設定してスタートボタンを押すといきなり始まる場合と無音の時間を経て始まるCDがあります。後者の方が音楽的ですね。この『アウフタクト』の音の前の無音の音楽を考慮すると、第1楽章の長大な提示部は繰り返した方がよいと私は思っています。もちろん第1括弧の特徴的な9小節を聴くためには繰り返しが必須というのもあります。しかし、その第1括弧の9小節の末尾で、シューベルトは『アウフタクト』で足りない分の無音の休符を置くのです。すると、繰り返しで冒頭に戻った時に素晴らしく新しい音楽の世界が始まるのです。休符にはフェルマータが付いていますが、小山さんは非常に短いフェルマータとされ、その結果、『アウフタクト』音が見事に静寂の中から自然な姿で登場してきます。

 小山さんの倉敷公演のまじょるか魔女さんの素晴らしく味わいのあるご感想(No.4723)も引用されつつ、鐘についての土の器さんの素敵な文章にも深い感銘を受けました。

 【私はジャンルを問わず、心ふるえる演奏・演奏家に出会えることは、なんて幸せなことかと思います。恵みに感謝あるのみ、です。】(土の器さん)・・・まさに小山さんは聴き手の心を奪う演奏をされる稀にみるピアニストでいらっしゃいますね。


★まじょるか魔女様(No.4723)
 倉敷でご一緒させていただいて早くも3週間経過してしまいました。

 【ピアニッシモが繊細に響いた】倉敷での小山さんの公演を【紫陽花の花弁の上をほろりと転がる雨粒のような、密やかなメッセージがこめられています。】と書かれたまじょるか魔女さんのポエティックな筆致に感動しています。

 【「美しい小山さんとピアノ」のダンスはお互いを愛おしみ、慈しみあって続いていきます。】(魔女さん)・・・小山さんはピアノを使うというような表現をされませんね。小山さんはピアノと協働して一緒に音楽を造られますね。それをダンスに例えられた魔女さんの表現は素敵です。

 【小山さんのピアノからいただくポジティブなエネルギー】(魔女さん)は小山さんファンが共通して体験していることかなと思います。まじょるか魔女さんの次のお言葉から、ポジティブなエネルギーの源泉を教えていただきました:【小山さんは、まさに紫陽花のようでした。雨に打たれると、ますます色鮮やかに咲く、勁(つよ)くて優しい紫陽花そのものでした。凛としてぶれない軸をもって、激しい雨のなかでもしなやかに背筋を伸ばされているのです。】

幸せな気持ちになる、心温まるご投稿を有難うございました。
Date: 2017/07/17/19:57:43 No.4734


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