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ニューイヤーコンサート2021@ミューザ川崎 のご報告
ぴあのふぉるて
1月11日(成人の日)、ミューザ川崎シンフォニーホールでニューイヤーコンサート2021が開かれました。
(1/9所沢市民文化センターミューズ、1/10サントリーホール、1/11ミューザ川崎、3日連続の新年演奏会の最終日です)
緊急事態宣言下の三連休、外出自粛を求められる中、隣りの県まで出かけていいものか、迷いましたが… 大変な状況の中、小山さんが出演なさるのに、ファンが家にいてどうする?
プログラム前半のみ拝聴して早めに帰宅することにして、夫婦でいざ出発!

会場ではさまざまな感染予防対策が取られていて、主催者の慎重な心遣いを感じました。ところが、開演間際の客席は、(配置がコロナ仕様の市松模様でなく)ふつうに8割近くが埋まっていたのです。皆さんやっぱり生の音楽に飢えていたのですね! ホールは静かな熱気に満ちていました。

この日、小山さんのドレスはロシアスラブ民族の伝統衣装を思わせる華やいだ雰囲気で、小山さんがステージに登場なさった途端に、ラフマニノフの故郷にワープしたような気分になりました。
青緑色のドレスの前身頃から後ろにかけて、花柄の帯のような布地がアクセントになっています。後ろまでつながったそのベルト風の装飾は、裾に向けてV字型に縫い込まれて印象的。小山さんのご衣装はいつも作品のイメージがふくらむようにデザインされていて、ほんとに素敵ですね。

小山さんのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番は、最高に素晴らしかった。深い思いの込められた音楽でした。人生の節目に、小山さんの演奏でこの曲を拝聴できて、幸せです。

先ずもって、2021年のニューイヤーコンサートにこの曲が演奏曲目として選ばれた、ということに感動します。コロナウイルスの暴走に疲弊する人々に、希望をもって前へ進んでほしい、という強い思いに満ちた選曲だと思います。
企画力抜群の小山さんですから、でも、もしかするとこの新年演奏会シリーズを引き継がれた2017年にはすでに(10年分の?)プログラムが決まっていた、ということも考えられますね。ベートーヴェンイヤーの翌年にはラフマニノフのこの曲を弾こう…と。
ともかく、2021年の年初め、コロナの収束とその先の明るい未来を願いながら聴くには、この曲がぴったりです。

演奏が素晴らしいのはもう言うまでもありません。
小山さんの渾身の演奏に胸を打たれ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。重厚で温かな和音の連なり、単音で紡がれる優しさあふれる歌、管楽器との思いやりに満ちた語り合い、すべてが心の奥に染み入りました。

カーテンコールが繰り返された後、小山さんはアンコールにショパンのノクターン作品9-2を弾いてくださいました。ピアノの魅力が曲全体に息づいています。美の極致をきわめた音楽に魅了されました。
曲が終わり、小山さんの手が鍵盤から離れて… 音の消え入る瞬間を聴き届けようとしたとき、罪なフライング拍手がパラパラと入って…(あぁ、なんてこと?! どうしてここで拍手するの?)せっかくの美しい余韻がかき消されてしまいました。
小山さんの両腕が音の減衰とともにゆっくり膝の上へ戻されたとき、拍手は一瞬まばらになりましたが、完全な静寂が戻ることはなく、会場全体が拍手に包まれました。

小山さん、秋山さん、東京交響楽団の皆様、どうもありがとうございました。早く平穏な日々が戻り、皆がマスクなしで音楽を楽しめる日が来ますようにお祈りいたします。
(弦楽器奏者の皆様はマスクをはめて演奏なさっていましたね!)

ファン仲間の皆様、今年も音楽を聴いて潤いのある日々を過ごしましょう!またどこかでご一緒できますように。
Date: 2021/01/20/16:48:28 No.4992


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グレン・グールドを超えて
オクターヴ練習中
   2020年12月4日  仙台銀行ホール  イズミティ21  小ホール

   『 ベートーヴェン、そして・・・ 』  第3回 〈 知情意の奇跡 〉


   ハンブルクスタインウェイ   響く
                    倍音でさえも、音響として、伝えてくる

   ニューヨークスタインウェイ   響く
                     ハンマーによって奏でられる、音を、図ったように、伝えてくる


J、S、バッハ ゴルドベルク変奏曲は、グレン・グールドの演奏を超えることはないだろうと思っていました。
2020年12月3日までは。
グレン・グールドによって奏でられた、すっきりとした音は、これまでに耳にしたことがなかったので。


機会があれば、ピアノ販売店に足を運んでいました。
なんとなくですが。
一度だけ、
ニューヨークスタインウェイに触れる機会がありました。
その時は、響かない、という印象を持ちました。
ジャズの本場アメリカなら、
他の楽器の音を聴かせるためなのだろうと考えました。


そして、2020年12月4日、を迎えました。
おそらく、何か、前回とは違うだろう、ということ期待していました。
そこは、推測、というか、期待です。
新しい、『 何か 』 を見つけたくて。


J、S,バッハ  ゴルドベルク変奏曲


演奏が始まって直ぐに、こう思いました。
この演奏が聴けて良かった、と。
この響きは、自分が、求めていた、J、S、バッハ の ゴルドベルク変奏曲、と。
次に、こう思いました。
このピアノは、
会場に常設のピアノなのだろうか、
それとも、
今回の演奏のために、輸送したのだろうか、と。


前者ならば、今回の、演奏を、聴くことが出来た方々は、良い演奏を聴くことが出来たのだろうと。
後者ならば、ピアノを、選定された方は、誰だろう、ということを。


そして、伝えるべきことは、
今回の、
J、S、バッハ  ゴルドベルク変奏曲  は 『  最高に  』 素晴らしい演奏でした、
ということです。


これ以上の演奏がないだろう、ということを思ったのは、二度目です。


偶然なのでしょうか、


二度ともに、仙台銀行ホール イズミティ21 という会場です。


”  小山実稚恵さん  ” には、これで、伝わっている、と思います。


他の、会場で、演奏をお聴きになられた方々も、同じ、響き、を堪能されていらっしゃれば、うれしいです。
Date: 2020/12/31/08:14:33 No.4991


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小山実稚恵さんと川本嘉子さんデュオ演奏会@第一生命ホール のご報告
ぴあのふぉるて
12月12日に小山さんと川本嘉子さんのデュオ演奏を拝聴しました。
 小山実稚恵の室内楽 〜ブラームス、熱く深い想いを繋げて〜
 〈第4回〉ヴィオラ&ピアノ・デュオII
この日、小山さんは柔らかな生地の緑青色のドレス、川本さんは金糸でデザインが施された黒のドレスでした。音楽への想いがご衣装からも感じられて、素敵ですね。

J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第1番 ト長調 BWV1027
(ヴィオラとピアノ版)
宮廷の音楽会にお招きにあずかった心地で、典雅な調べに聴き入りました。
原曲は《2つのフルートと通奏低音のためのトリオ・ソナタ》で、それを二重奏(ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ)に置き換えたものだそうです。この日の楽器はヴィオラとピアノ。奏者はお二人ですが、三重奏のように豊かな響きです。
優美な第1楽章、明朗な第2楽章、物憂げな第3楽章、快活な第4楽章!
会場の盛大な拍手に混ざって、小山さんも川本さんにいっぱい拍手を送っておられました。

メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.58(ヴィオラとピアノ版)
第1楽章:流麗なメロディに一気に心をつかまれます。川本さんの伸びやかなヴィオラを支える繊細なピアノは、小山さんの優しさそのもの。
お二人が楽章を弾き終えてにっこり微笑み合う光景には、心がほっこりしました。
第2楽章:快活で幻想的な音楽。ヴィオラのしっとりと美しい旋律が印象的でした。
第3楽章:美しいピアノソロのアルペジオに続き、情感あふれるヴィオラの歌に胸を打たれました。
〜この曲の第3楽章は、今回のプログラムの隠し味?だったようです。メンデルスゾーンもバッハに傾倒していたのですね。「ほぼバッハのコラールと思える楽章は弾けると思うだけで武者震いします!」(インタビュー記事、川本さんのお話より)
第4楽章:鮮やかな技巧と熱気に興奮しました。
演奏中の川本さんと小山さんは共に音楽を作る喜びにあふれて、こちらまで幸福な気持ちになりました。
演奏後のお二人は、お互いを称えあいながら深々としたお辞儀を繰り返されました。

ドイツ3大B(バッハ、ベートーヴェン、ブラームス)で構成された今回のプログラムに、メンデルスゾーンの曲が入っているのは、川本さんからのリクエストだったそうです。
「堤剛先生と小山さんの演奏を聴いて、どうしてもこの曲を自分のものにしたい!という衝動を感じ、すぐに楽譜作りから励みました」(同、川本さんのお話より)
川本さんのヴィオラバージョンは元からヴィオラとピアノのための作品だったように、自然で美しい音楽でした。

〜休憩〜
ベートーヴェン:《魔笛》から「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 WoO.46
この曲は1801年(ベートーヴェン31歳)の作品で、「モーツァルトの歌劇《魔笛》の中で、主人公が恋するパミーナと道化役のパパゲーノが歌う有名な二重奏をテーマにした変奏曲」です。
ピアノとヴィオラが交互に主題を歌いながら、趣を変えて次々と展開します。演奏時間は短いながら小山さんと川本さんお二人の魅力がたっぷり味わえる、幸せな作品でした。

ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.120-2
ブラームス晩年の作品。「オリジナルのクラリネット版の作曲後(1895年)にヴィオラへの編曲が作曲者自身によって行われている」(ウィキペディアより)
インタビュー記事(小山さんのお話)によると、川本さんは「ブラームスのヴィオラ・ソナタを知って自分はヴィオラ弾きになろうと思った」とおっしゃっていたことがあったそうです。♫ お二人のプログラム作りや演奏への想いについては、トリトン・アーツ・ネットワークのアーティスト・インタビューをご参照ください。

第1楽章、美しいふくよかなヴィオラと厚みのあるピアノの響きに、魅了されました。
第2楽章、気持ちがが高ぶる場面、ふとためらう瞬間、厳粛な表情… ブラームスの優しさが哀しい。
第3楽章は変奏曲となっています。曲の終盤、お二人の演奏は熱量を増して、胸に迫りました。
素晴らしい演奏にはどれほど拍手をしても足りない気がします。

アンコール曲:
清らかな美しい音色に胸がいっぱいになりました。
ブラームス(野平多美 編):コラール・プレリュードOp.122より第8番「一輪の薔薇が咲いて」という曲でした(会場ではコロナ感染防止対策としてアンコール曲の表示がないので、後で検索しました…)
会場は拍手が鳴り止みません。もう一度舞台袖に現れたお二人は、小さくうなずき合ってからステージ中央にお進みになり、アンコール2つ目を弾いてくださいました。
J.S.バッハ/グノー:アヴェ・マリア
今まさに人々が求める、憧れのあの前奏曲が伴奏となった、祈りの曲。繰り返しではオクターブ上で切々と奏でられ、いっそう心にしみました。

小山さん、川本さん、どうもありがとうございました。
(第6回) 2022年秋・冬、お二人のデュオ3回目も心待ちにしております。

室内楽シリーズ第5回は2021年12月4日、アルティ弦楽四重奏団の皆様とご共演ですね。曲目の一つ、ブラームスのピアノ五重奏は、本シリーズが生まれるきっかけとなった2016年9月25日の演奏会でお聴かせいただいた曲ですね! 楽しみにしています。

年末お忙しい時期に、長々と失礼いたしました。
コロナでもうしばらく我慢と不安の日々が続きそうですが…
皆様お身体お大事に、基本に忠実に、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
Date: 2020/12/26/12:41:53 No.4990


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理知を超えた人間力、小山さんの音楽劇
まじょるか魔女
11月23日、大阪いずみホールにて「ベートーヴェン、そして・・・」第3回《知情意の奇跡》を拝聴しました。
小山さんは、ベージュと薄緑のグラデーションのドレスで登場され、浄化された大地と緑を連想しました。
(モーストリー・クラシック1月号の小山さんのエッセイによると、小山さんのドレスは25年間同じ方が作られているのですね。演奏への期待が高まるドレスの色や質感が毎回とても楽しみです)
小山さんは、演奏前に次のようなお話をされました。今年は誰もが思ってもいない状況になってしまったが、平穏な年でないからこそ、ベートーヴェンのように不屈の一歩を踏み出したいこと。ピアノソナタ30 番はスランプを乗り越えたベートーヴェンが再び意欲的に作曲を始めた頃の形式にとらわれないものであること。ゴルトベルク変奏曲はアリアで始まり30の変奏を経てアリアで終わるが、同じ瞬間は二度とないことを感じながら最後のアリアで気持ちが変わっていることを一緒に感じてもらえると嬉しいです…

◇ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番
今までは、最後のピアノソナタ三曲の始まりの曲として聴いていましたが、小山さんの28番と29番(ハンマークラヴィーア)のCDを拝聴してからは、
「序」28番(これからのモチーフの提示、予告)
「破」29番(ピアノの限界を超えることを求めて)
「急」30番31番32番(こみ上げる思いを込めて)
と聴こえてきます。
30番冒頭のハラハラと風に舞うような単音は、ハンマークラヴィーアからなだれ込んできた空気の動きを感じます。
第3楽章のナイアガラの滝の如き流れ星、空に一つずつ星をピンで留めていくまでの圧巻の熱量。そして始めの旋律が再び聴こえるのですが、パイプオルガンのそびえる聖堂のようなホールに、受容と赦しと望みが増幅し最後の和音がそっと会場に拡がっていきました。

休憩時間になり、初小山さんの友人が小声で叫びました。「小山さんは、ほんまもんですね!」

◇バッハ:ゴルトベルク変奏曲
小山さんの奏でる音楽劇を観ているようでした。
音の神殿を見上げて、アリアの旋律に裸足で踊り出す人の姿。(イメージとしては、宝塚元宙組トップスターの朝夏まなとさん。ショパン:ノクターン遺作をひとりで踊られた舞台がありました)
変奏の廻廊を巡りながら、さっと吹く風に驚いたり、蝶を追いかけたり。ときに傷ついて足から血を流したり。今回は小山さんの指が見える席だったのですが、手が交差し、指をくぐり、凄まじい技巧を駆使されている演奏現場に圧倒されました。
第30変奏では、それまでの緻密な変奏理論から一変して神殿の円柱から一人、またひとり現れ歌声が重なり、大合唱になり…音の神殿は人の力で築かれたものだと気付きます。
バッハは何という粋な仕掛けをされたのでしょうか。人間の力を信じる讃歌がホールに満ちていきます。
そして、遠くからまたアリアの調べが。
アリアのポロロロン↑と花が開くような、または、ポロロロン↓と葉の上に水滴が転がるような旋律に惹かれるのですが、小山さんはその日により自由に演奏されますね?名古屋では4回とも↑だったかと思うのですが、大阪では3回↑最後は↓で嬉しかったです。
かなしみも力に変えて、空高く祈りが昇っていきます。
小山さんはゆっくりと手を下ろされ、膝に置きながらニコッと微笑まれました。

ブラボーの心の声と拍手。
小山さんは何回も行き来され、ついには白いハンカチをピアノに置かれてアンコールを弾いてくださいました。

◇バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュード ハ長調
今まで拝聴した演奏は、さらさらとした印象でしたが、本日はテンポを揺らし、情を特別に込められた演奏に感じました。
原点のハ長調の調べに大地が清められていきました。

今回は友人が二人、音の旅のお仲間になりました。小山さんが演奏前にお話をされることに驚き、気を操るアスリートのようなキレ味、外連味のない清々しい演奏に感激していました。

小山さん、今の状況を共に乗り越えようという意志のこもった演奏を有り難うございました。
これから曲目が変わっても、知情意の奇跡に立ち会わせてください。
Date: 2020/11/24/11:39:52 No.4987

Re:理知を超えた人間力、小山さんの音楽劇
covariant
私もいずみホールで、まじょるか魔女さんや他の皆様と共に<知情意の奇跡>を拝聴しました。大変遅くなり、また長文になりますが、このまじょるか魔女さんの素晴らしい投稿タイトルとご報告の後に、自らの思いを述べさせて頂きます。

大袈裟な、と思われるかも知れませんが、いずみホールは私の人生にとって一つの大きなマイルストーン:一里塚となった会場です。2015年11月22日、ここで小山さんがゴルトベルク変奏曲を演奏なさったことが、その後の私に、小山さんのファン仲間の方々との素晴らしい交流をもたらしてくださいました。勿論、まさとさんが管理なさっているこのファンサイトの存在があってのことです。
5年前の、小山さんの演奏に触れる前の私にとっては、ゴルトベルク変奏曲と言えば、数学的な展開をするはずのバッハの曲なのに、以前ラジオで聴いた時の印象は、長くて途中で眠ってしまったような曲だったな?という程度の認識しか無かったのでしたが、最後のアリアで全身に亘る感動に襲われ、それをここに報告したことで、皆様との交流が始まったのでした。

そして、5年後のこの11月23日に、ベートーヴェンのピアノソナタ第30番と共に、再度この会場でのゴルトベルク変奏曲を聴く機会に恵まれました。今回は小山さんの演奏を、お陰様で最前列の真ん中で聴くことができました。そこから見える小山さんの掌捌き指捌きも圧巻であり、たまたま数日前に自宅で見つけたDVD「名曲探偵アマデウス リスト作曲『ラ・カンパネラ』」(2008年10月頃にNHKの放送を録画)の、リストの作品第1稿〜第3稿(最終決定稿) の全てを演奏された小山さんの超絶技巧の映像をも思い出していました。

今回の私の感動は、ベートーヴェンのピアノソナタ第30番と、アンコールとして弾いてくださったバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番の、プレリュードハ長調の方に、より傾きました。

ソナタ第30番は、小山さんの新譜CD:ベートーヴェンのピアノソナタ第28番・29番を聴いて、早く、早く聴きたい、と思った第30番でした。今回の演奏拝聴で、その思いが報われました。
5年前の私は、初めて聴く小山さんの<音の旅>の曲目だから、ゴルトベルク変奏曲よりもっと叙情的な曲であったらいいのに、と会場に臨んだのでしたが、そこで私はバッハの音楽の真髄を知らされ、己の認識の浅さを知らされたのでした。
そして今回は、恐らくそのゴルトベルク変奏曲を踏まえた上でベートーヴェンによって作られたこの第30番を、小山さんの演奏によって聴くことができ、これこそバッハの曲に叙情性を加味した一つの逸品と私には捉えることができたと思えたのです。
それ故第3楽章でマスクを濡らしてしまいました。望み通りの第30番を聴けたという深い充足感に浸ることができました。

11月3日に東京オーチャードホールでの第4回<本能と熟成>のコンサートで頂いたプログラム冊子の「アンコールの秘密」に、小山さんは、
  (オーチャードホールでの第3回<知情意の奇跡>では)
  「ゴルトベルク変奏曲」のアリアの後で、またコロナ禍の中で、
      何を演奏することもできない。
  そういう想いになっていました。
とお書きになっており、そして他の会場での演奏でもその想いは私たちも異存なく受け取ることができますが、今回のいずみホールでの演奏では、上述の通り、アンコールとして平均律クラヴィーア曲集からの、プレリュードハ長調を披露してくださいました。その優しく美しい音色によって、そして小山さんの至近距離(最前列)に居たこともあり、不思議と、サイン会でお会いできないことに対する代償を得たようで、心置きなく会場を後にすることができました。ほんとうにありがとうございました。

ファン仲間から分けて頂いた、オーチャードホールでの第3回<知情意の奇跡>のプログラム冊子にある、有田栄さんの巻頭文「本公演によせて」から、文末の次の一節をここに引用させて頂きます。:ー

 バッハの、そしてベートーヴェンの音楽の最後に鳴り響く静かな「こだま」。それは目の前に現実に鳴り響く音でありながら、現実の物ではなく、それぞれの耳、それぞれの心の中に映し出される「メモーリア(想起)」。その音が聴こえてこそ、私たちは音楽が伝えるものの全てを確かに受け取ったことになるのです。

小山さんの演奏は、私たちにこの「メモーリア(想起)」を、容易にもたらしてくださいます。そのことに深く感謝し、小山さんの今後の益々のご活躍を、心からお祈り致します。
Date: 2020/11/27/18:58:08 No.4988

Re:理知を超えた人間力、小山さんの音楽劇
ぴあのふぉるて
まじょるか魔女様
小山さんの演奏会の模様を毎回細やかにご報告くださり、どうもありがとうございます。最新のご投稿3本へのリプライ、本来は個別にすべきところですが…
まとめてこちらに載せさせていただきますことをお許しください。

小山さんはいつどのような状況においても、たとえそれが(春から秋に)延期された演奏会であっても、急にお願いされたソリスト代役演奏であっても、初めての無観客オンライン配信コンサートであっても… つねに最高の音楽を届けてくださいますね。
決して揺るがない小山さんの心の勁さに、改めて感じ入っております。

まじょるか魔女さんは小山さんの《知情意の奇跡》を聴かれた翌日11/24午前中には、もうご感想文を仕上げて投稿されたのですね!(No.4987) きっとモーツァルトのように頭の中に作品はできていて、後はそれを書き記すだけ、という異次元のレベルにおられるのですね。尊敬します。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番の項では、ピアノソナタ第28番、第29番、第30番 第31番 第32番は順に「序」「破」「急」と聴こえてくる旨、なるほど、確かにそのとおり!と感動しました。小山さんの表現なさる後期ピアノソナタは、まず第28番から始まりますものね。
最後の3曲、ベートーヴェンは三つで一つとして考えていたのですね。
第29番については、先日11/8朝日カルチャーセンター新宿(平野昭さんの講座)で伺った小山さん(ゲスト出演)のお話を思い出しました。
〜ハンマークラヴィーアソナタの存在は、32曲のソナタの中で別なものという位置付け。最後の三つは、結晶。そこに行くまでに存在しなくてはならないソナタだったと思う。最後の突き出た ”岩場” の印象。すべてに対して挑戦的。ベートーヴェンの生き様。つねに未知のものをつかみとっていく。〜

まじょるか魔女さんのご報告では、バッハ:ゴルトベルク変奏曲は「音楽劇」を観ているようだったのですね。凄まじい「演奏現場」の描写から、小山さんの白熱した演奏模様が鮮やかに伝わってきました。素晴らしい音楽は聴く者の想像力を刺激しますよね。
小山さん大阪いずみホールではアンコール曲を弾かれたのですね! いつも自由に素直にお気持ちを表現されている証しだと思います。
プログラム最終曲の余韻にひたりながらアンコール曲を待つ瞬間は、ワクワクしますね。稀にアンコールなしで締めくくられる舞台では、その厳かな空気にまた胸を打たれます。

まじょるか魔女さん11/15には小山さんの「皇帝」を初体験なさったその日のうちに、ご感想を投稿なさいましたね!(No.4986) 関西弁で語ってくれるベートーヴェンには親近感を覚えます。まじょるか魔女さんの楽しくてためになる脳内劇場付きのご感想、小山さんもお喜びだと思います。
下野竜也さんの温かなメッセージもご紹介くださり、ありがとうございます。小山さんと下野さん&広響さんのご共演、これからも楽しみですね。(小山さんと下野さんのご共演は2017年9月10日、伊福部昭:ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲をサントリーホールで拝聴しました。白熱のステージ、素晴らしかった! オケは東京フィルハーモニー交響楽団)

さらにその前の週11/13にはN響コンサート オンライン配信ご鑑賞のご報告をアップしてくださり誠にありがとうございました(No.4985) 会場の様子、小山さんの演奏と音色、カメラさんへの注文、ナビゲーターの方々のお言葉や応援の様子、奏者の皆様の表情、など、まじょるか魔女さんの敬愛の情あふれる生き生きとしたご報告を拝読して、このオンライン配信を実際に見たような心地になりました。

続けて感動のお福分けにあずかり、どうもありがとうございました。

英気を養うにはやっぱり小山さんの音楽を聴くのがいちばん!
小山さんのご活躍を心よりお祈りいたします。

p.s. 今日は小山さんご出演の演奏会を聴きに、ファン仲間が文京シビックホールにお出かけになりました。小山さんのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番は珍しいですね。いつか拝聴できますように…。
Date: 2020/11/28/17:33:18 No.4989


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上を向いて歩こう 〜広響&小山さんの「皇帝」
まじょるか魔女
11月15日(日)小春日和の大阪、ザ・シンフォニーホールで、「広島交響楽団第405回プレミアム定期演奏会 “讃“平和を讃えて」を拝聴しました。
指揮は下野竜也さん。
曲目は、
◆ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」
◆ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」

ピアニストはゲルハルト・オピッツさんの来日がコロナ禍により叶わなくなり、小山さんが務められることになったのでした。
小山さんがピアノ協奏曲ではいちばん演奏回数が多いと伺っていた「皇帝」を初めて拝聴する機会をいただき感謝しています。
11月13日広島公演のフライヤーには、下野さんの「私達には小山実稚恵さんがいる‼」というメッセージが掲載されていて胸打たれました。
「(抜粋)小山実稚恵さんがご多忙なスケジュールをご調整下さり、皇帝を演奏して下さいます。小山実稚恵さんの事はみんなが大好きです。私も全国各地のオーケストラで小山さんと協演させて頂く機会がありますが、その場に現れただけで、空気がパッと明るくなり、オーケストラからこれ程歓迎されるソリストがいらっしゃるでしょうか?そして、何よりもその素晴らしい演奏でオーケストラとの音楽との対話が始まります。その延長線上に、皆さんに聴いて頂く演奏会があると言えます。」
今年は原爆が投下されてから75年、ベートーヴェン生誕250年。この年に「“讃“平和を讃えて」とタイトルをつけられた定期演奏会をされる重みを感じます。
広響の皆さまは全員入場が完了されるまで椅子の前に立たれ、そろってお辞儀をされてから着席されました。その表情に演奏前から胸がいっぱいになりました。
小山さんは、真紅のバラのような色のドレスで登場されました。
冒頭一瞬のブレスの後のオーケストラのスパーク、そしてキラキラと鍵盤を疾走するピアノの旋律にホールがたちまち音楽の幸せに満たされます。
「皇帝」は「月光」と同じく、ベートーヴェン自身が名付けたものではないのですね。
「皇帝」の作曲を開始した1809年頃はナポレオン率いるフランス軍がベートーヴェンが居を構えるウィーンを占領してウィーン中が混乱に陥っていたのですね。
ベートーヴェンがこんにちの「皇帝」の人気を天国からみられたらどう思われるでしょうか。

*******
今日はわしの好きな街オオサカで、コヤマさんがわしの曲を演奏してくれてるわー!(魔女の妄想のなかでは、ベートーヴェンさんは大阪のおっちゃんキャラです)
ほんま、あの曲作り出した時はえらい目におうたで。ナポレオンがわしの街ウィーンを占領してもうて、フランツ皇帝やルドルフはんらは疎開してしもて。弟の地下室でなんとかウィーンで暮らしてたけど、フランス軍がガンガン爆弾落としよって、耳がさっぱりワヤになってしもた。
わしはピアノ協奏曲はずっと自分でお披露目したかったんやけど、5番目はさすがにムリやゆうことで、ルドルフはんに弾いてもろて、それからツェルニーらにも弾いてもろたけど評判はもひとつやったな。リストはんが気に入ってよう弾いてくれてから人気が出たみたいやな。生きてる間に評価されへんちゅうのはようあることや、なあ、ゴッホはん。
今年はわしの250歳の誕生日やゆうて世界のあちこちで演奏会の予定してくれてたけど、流行り病でほとんど中止や。
そんな中で戦争から立ち上がったヒロシマのオーケストラと、わしのことずっと思てくれてはるコヤマさんの共演で演奏してくれるなんて感無量や。コヤマさん、ふだんはべっぴんさんやけどピアノに向かうとえらいオトコマエになりはって負けそうや。
どんな辛い時でも諦めんと粘っとったら道は開けるんや。それをわしは曲で表現してきたつもりや。わしの曲で皆が元気になってくれたら嬉しいなー。
ブルックナーはんの曲と一緒に演奏してもらえたんやな。「ロマンティック」も、わしが生涯特別好きやった変ホ長調や。「残酷さや厳しさを表す」やら、「非常に悲愴な感じ。真面目で、しかも訴えかけるような性質を持つ」やらウィキはんでまとめられてる調性らしいけど、それを克服しての世界を描きたかったんや。
もうすぐボジョレーヌーボーの日やけど、天国に早めに入ってきたみたいやし、飲も飲も。
(ゴッホさん、リストさん、ブルックナーさんと乾杯。演奏会の成功を祝して宴会は続く…)
*******

…魔女の妄想劇場でした。失礼いたしました。

「皇帝」と「上を向いて歩こう」のメロディは似ていると言われているそうですね。どちらの曲も、苦難を乗り越えていこうというエールが伝わってきます。
オーチャードホールで唯一演奏された「ベートーヴェン、そして…」【第4回】〜本能と熟成〜で「皇帝」を聴かれた方から、
「(都心に外出する心配もあったけれど)『決心してよかった〜』と、コーテー(肯定)する思いになりました。」
との連絡をいただき、中身おっさんの魔女はオヤジギャグがツボに入ってしまいました。

冒頭の威風堂々とした勇壮なフレーズの印象で「皇帝」と呼ばれるようになったのでしょうが、史実からはベートーヴェンにしてみたら皇帝とはナポレオン皇帝、フランツ皇帝とも「なんでやねーん?!」という存在だったかと思われるのですが…曲想からは困難に屈せず凛とした「皇帝的」な姿勢を感じます。第1楽章は戴冠式のような荘厳なメロディもあり、左手の凄まじいパッセージは苦難や葛藤の日々を表しているようです。主題の再現部では冒頭以上の熱量で打鍵され、初めて聴く曲のように驚きました。第2楽章から第3楽章に移るとき、フレーズの音符をゆっくり集めてから鮮やかにフォルテで再現され(ぴあのふぉるてさんがオーチャードホールレポートで表現されていた“切れ味”ですね!)、またもや初めて聴く曲のよう。フィナーレでは神への感謝と決意表明が、小山さんのピアノで声高らかにフォルテで歌われます。(ほとんどのピアニストの方が、ここの箇所をピアノ(p)で遠慮深く弾かれているようですね)
ピアノは最後に、ふっと胸の鼓動を確かめるように鎮まり、再び力強く歓びを込めて駆け上がっていきます。オーケストラと一緒に小山さん自身が音楽となりホールいっぱいに音符が散りばめられました。
ブラボーの声なき声、人数以上の称賛の拍手。広響の皆さまも足踏み鳴らし、小山さんは何度も出てこられて、最後に「エリーゼのために」を弾いてくださいました。極上の静けさがホールを包みました。近くの席の白髪の女性が「お母さん、好きなエリーゼのためにを弾いてもらえてよかったね!」と娘さんから言われ、嬉しそうに頷いていらっしゃいました。
ブルックナー「ロマンティック」は朝もやのなかに響くホルンの音色から始まり、音の森林浴をしているかと思えば、鳴門の渦潮に巻き込まれ、最後は無限の音宇宙に浮遊しているような…生のオーケストラならではの時間を堪能しました。
下野さんは全身でオケの皆さまとコミュニケーションされ、演奏後は指揮台を降りられオケの皆さまを称えられ、音楽への謙虚な姿勢が伝わってきました。

小山さんの演奏会の帰り道は、いつも明日からまた頑張ろう!と元気をいただけます。それは小山さんの音楽への圧倒的な肯定感、音楽の力を信じるお気持ちから生じていると思うのです。
小山さん、下野竜也さん、広響の皆さま、平和への讃歌としての演奏を有り難うございました。

ベートーヴェンさん、12月16日お誕生日おめでとうございます。小山さんにとって特別な存在であるベートーヴェンさんの新シリーズを通して、音楽の深さと勁さを学んでいます。私たちが今の状況を乗り越えて「歓喜の歌」を歌える日が訪れますように。
Date: 2020/11/15/23:35:43 No.4986


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無観客の彼方へのメッセージ 〜 小山さん&N響 ライブ配信を視聴しました
まじょるか魔女
第177回NTT東日本 N響コンサート(インターネット配信)を視聴しました。
演奏は10月1日@東京オペラシティコンサートホール、視聴期間は10月31日から11月6日まで。
指揮は飯森範親さん、演奏は小山さんとN響の皆さま。
曲目は、
◆チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
◆ベートーヴェン:交響曲第7番
ナビゲーターは、脳科学者の茂木健一郎さん、元N響主席オーボエ奏者の茂木大輔さん、アナウンサーの田添菜穂子さん。

まず、ホールのバックステージツアーから始まり、小山さんが使われる控え室なども紹介されていました。小山さんの楽屋入りも映りました!「皆さまに直接は会えませんが、このような形で演奏できることを嬉しく思っています」と仰っていました。飯森さんは「小山さんとは何回も共演してきたので、オケと打ち合わせなしでもいいくらいです」と仰っていました。
コンサートホールは武満徹さんがコンセプト設計から関わられ、ピラミッドのような天井の高い温かみのある内装で、天窓は自然光が入り、中に開くようになっているのですね。
演奏会前の時間帯では、担当スタッフさんがディスタンスを確認されていたり、いつも小山さんの調律をされている方が念入りにピアノの調整をされているところが映っていました。
茂木健一郎さんは「ピアノの右手はメロディですが、左手に注目ですよ」と予言めいたことを言われました。
いよいよ演奏会が始まりますが、客席にはナビゲーターの方と数名の関係者の皆さまのみ。
小山さんはホールの優しいベージュに溶け込むような茶色のドレスで登場されました。
チャイコフスキー第1番の煌びやかな和音がホールを満たしていきます。単音で降りていく時は指二本で密度の濃い打鍵をされているように見えました。第1楽章がおわると、あまりの迫力に通常はよく拍手が湧きますよね。もちろん当日はそれはなく、ひそやかに第2楽章に移っていきます。小山さんの左後方からのアングルが多かったのですが、2倍速以上?と思ってしまうような目にも止まらない凄まじい打鍵のお姿にあらためて圧倒されました。
第3楽章のフィナーレで小山さんがオーケストラと一体になり、大空から鷹が急降下するように鍵盤を鷲掴みにされるところ。いつもオペラグラスがあれば小山さんをフォーカスしたいような場面ですが、カメラは俯瞰されていて…カメラさん、小山さんのアップお願いします!と言いたいところでした。
冒頭では音の打ち上げ花火が、フィナーレでは仕掛け花火が連なって炸裂し、ホールの温度の上昇が伝わってきました。
客席の茂木さんたちは「Blabo」と書かれたうちわを振られていました。チャイコフスキーは心が痛い…バカ騒ぎのあとのこの痛み。この曲を聴かないと辿り着けない感情がある。小山さんの精神力は凄いですね!ベートーヴェン7番は生きることへの肯定を感じますね。と客席で話されていました。
チャイコフスキーでは、冒頭のキャッチーな和音は改訂のときに加えられたものとのことですし、勇壮な旋律の奥に潜む不安や揺らぎは、無観客だからこそ浮かび上がってくるのかもしれません。これが左手のなせる技でもあるのですね。
小山さんと飯森さん、オーケストラの皆さまは会心の笑顔で視線を交わし、小山さんはいつものチャーミングな表情で何回もお辞儀をされていました。
ベートーヴェン:交響曲第7番は、今の状況だからこその音楽の喜びに溢れたハーモニーが渦巻いていました。
飯森さん、オーケストラの皆さま、小山さん。
無観客の向こうの私たちを思い、音楽の力を伝えようとされている勁い思いが長時間にわたる演奏の表情から音色から伝わってきました。
有り難うございます。
直接会場に伺うことが叶わなくても、このようにいろいろな形で音楽に触れる機会が増えていきますように。
Date: 2020/11/13/09:42:14 No.4985


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《本能と熟成》
ぴあのふぉるて
文化の日に、「ベートーヴェン、そして…」第4回《本能と熟成》をオーチャードホールで拝聴しました。
この日の公演は映像収録され、収録した映像の一部は、後日無料配信される旨、お知らせが掲示されていました。

演奏前に小山さんがお話しくださいました:(以下、メモより)
・ベートーヴェン生誕250年の年に、ベートーヴェン少年がネーフェに習いながらいちばん最初に作った変奏曲「ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲」と、通称「0番」のコンチェルトを…こいうシリーズですし、オーチャードですし、古今東西のピアノコンチェルトの名曲と組み合わせて、企画の時に入れていただいたこと、本当にありがたく、幸せに思います。
・山田和樹さんと、山田さんがメンバーを募って始めた横浜シンフォニエッタさん
アイディアが一つの形になっていくまで、細かな指示と念入りなリハーサル。こうやって作っていくんだなぁ…。シンフォニーのようにコンチェルトを作っていった。 
・《本能と熟成》お花屋さんの表現について…:
〜ステージのふちに、小山さんのドレスと同じ紅色を基調にしたお花が活けてあります。中央から右は淡い色合いで《本能》のイメージ、中央から左側はやや濃いめの色調で《熟成》が表現されています。
・カデンツァ:第1番から第5番のカデンツァを辿りながら、0番のカデンツァを作ってみました。
・調性のこと:
すごいなと思うのは、(初ピアノ作品が)大切にしていた「ハ短調」で書かれていること。「運命」と同じ。0番は、想いを凝縮した時に使う「変ホ長調」、「英雄」「皇帝」と同じ。
因縁のハ短調と変ホ長調がテーマになっています。
〜〜〜

プログラム前半は小山さん初レパートリー、初演奏の2作品です。
ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲
1782年、ベートーヴェンが11歳の時に、ネーフェ先生のもとで書かれた初ピアノ曲なのですね。
もの悲しい主題がさまざまに変容してゆく音楽に、すっかり心をつかまれました。
各変奏、いろいろな技法やアイディアに富み、ピアノの魅力がいっぱいです。
小山さんは始終柔らかな微笑みを浮かべて、幼な子を慈しむように弾いておられました。
新しく小山さんのレパートリーに加わったこの愛らしい変奏曲を、今後も折にふれてお聴かせていただけますように…。

続いて、ベートーヴェン初の協奏曲作品、通称 ”ピアノ協奏曲0番” は、1784年(13歳)の作。
第一楽章 心が澄み渡るような清らかな曲調です。どこかモーツアルトを思わせる典雅な音楽に惹きつけられました。
小山さんご自身によるオリジナルカデンツァには、息を呑みました! ベートーヴェン音楽の精髄が描かれていたと感じます。
第二楽章 安らぎに満ちた音楽。繊細なピアノに寄り添うフルートの音色の美しさも、忘れられません。
第三楽章 なんと快活でチャーミングな音楽なのでしょう。はつらつとした奏楽に思わずほおが緩みました。
生命力あふれるピアノの動きに心惹かれます。絹のように美しい弦楽器の響きも印象的でした。
ネーフェ先生もきっと、愛弟子の成長ぶりに目を細くしたことでしょう。

小山さん、山田さん、ベートーヴェン初コンチェルトの初演奏、ご成功おめでとうございます。お二人の新しいレパートリーとして、ぜひ今後もコンサートプログラムに組み入れてください!
初共演の横浜シンフォニエッタさんとは、これからはぜひ、定期的にご共演くださいますように。

休憩時間、ホワイエでファン仲間の皆様とお会いできました。

プログラム後半はいよいよ、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」です。
第一楽章 堂々とした演奏、素晴らしいですね。豪快で繊細な音楽に一気に惹きこまれます。
第二楽章 心が洗い清められるような弦楽器の調べに続いて、小山さんの気高い美しいピアニッシモが心に沁み入ります。
第三楽章 なんと鮮やかな ”切れ味” でしょうか!
(約2年半前、「ベートーヴェン、そして…」制作発表記者会見(質疑応答)で小山さんは山田和樹さんの指揮の印象を尋ねられた際、一言で言うのは難しいけれど…としばし黙考された後、「”切れ味” がすごい…」とお答えになっていました。切れ味。それはそのまま小山さんの魅力でもありますね!)
山田さんと小山さんとオーケストラの皆さん全員、息のあった完璧な演奏です。
凄まじいエネルギーを放ちながら力強く伸びやかに前へ前へと進む音楽に、圧倒されました。
(おかげさまで、これでまた明日から頑張れます!)

満面の笑みの山田さんと小山さんは、手の甲でエア握手なさっていました。コロナ禍でなければ硬い握手とハグをなさっていたと思います。横浜シンフォニエッタの皆さんの晴れやかな表情もすてきでした。小山さんは横浜シンフォニエッタの皆様に盛んに温かな拍手を贈っておられます。聴衆は(ブラヴォーなしの)盛大な拍手で、団員の皆さんは足踏みで、小山さんを讃えます。
いつもより回数の多いカーテンコール、最後のほうで小山さんは山田さんに促されるままステージにお戻りになって、ちょっと恥じらうように、深いお辞儀を繰り返されました。

ベートーヴェンの《本能》がなした少年時代の作品と《熟成》そのものである「皇帝」が組み合わされて、ついに実現されたこの日、小山さんの《本能と熟成》を確信して、会場を後にしました。
Date: 2020/11/08/10:04:37 No.4982

Re:《本能と熟成》
まじょるか魔女
ぴあのふぉるてさん、きめ細かく敬愛溢れるレポートを有り難うございます。
今回の演奏会は、海外オーケストラの招聘が難しいなど諸事情があるのでしょうか、オーチャードホール以外の会場は全て中止になってしまいましたね。それだけに、ますます貴重な演奏会になったかけがえのない時間について、目に浮かぶように記していただき感謝しています。
ステージのお花も、本能と熟成を象徴していたのですね。ベートーヴェン少年が最初に作った変奏曲、そして、13歳で作曲したピアノ協奏曲0番という、小山さん初演の曲から始められたことに、小山さんのベートーヴェンへの思いの深さが伝わってきます。
「皇帝」の山田和樹さんと小山さんの“切れ味”の相乗効果、横浜シンフォニエッタの皆さまとの新鮮な音楽会話を想像しています。
当日の演奏の一部が無料配信されるとの嬉しいお知らせ!有り難うございます。幻のようなレアなプログラムなので、有料で全編配信していただけると尚有り難いです…

小山さんがピアノ協奏曲でいちばん演奏回数が多いと伺っている「皇帝」、まだ拝聴したことがないのです。広島交響楽団と共演される予定のゲルハルト・オピッツさんの来日が叶わなくなり、小山さんがソリストを務められる演奏会を、大阪ザ・シンフォニーホールで11月15日に思いがけなく拝聴できることになりました。
ぴあのふぉるてさんのレポートで予習をしつつ、一期一会の音色を心待ちにしたいと思います。
小山さん、冬色深くなりますが、お身体大切に各地で音楽の花を咲かせてください。
Date: 2020/11/09/15:29:55 No.4983

Re:《本能と熟成》
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ぴあのふぉるて様
いつもに変わらぬ、演奏会の様子を正確に伝える素晴らしいレポートをありがとうございます。
私にとってもオーチャードホールでのこの日の感動は格別でした。それ故、ぴあのふぉるてさんのこのレポートを、当日会場で提供された分厚いプログラム冊子に是非とも追補して頂きたい、と真面目に思うほどです。

ピアノ協奏曲第0番では、小山さんがプログラム冊子にお書きになった通り、ベートーヴェンのカデンツァの歩みを小山さんご自身で辿るというカデンツァに、心震わせておりました。そしてそのことに、丁寧なプログラム・ノートを執筆された寺西基之さんも、文中で触れておられます。
また冊子の巻頭文を書かれた有田栄さんも、その中で、片桐卓也さんによる掲載文を飾る<16歳のベートーヴェンの横顔シルエット>に言及するなど、プログラム冊子作成での皆様の協調ぶりが垣間見えます。
小山さんが書いていらっしゃる山田和樹さんと横浜シンフォニエッタさんとの連携に加え、これらから、小山さんを取り巻く方々の温かい雰囲気が伝わってきました。

ピアノ協奏曲として世に演奏頻度の極めて高い名曲第5番「皇帝」も、小山さんと山田和樹さん指揮・横浜シンフォニエッタとの、この日の共演ほどに「皇帝」らしさを感じた充実感を、私はかつて味わったことがありません。そのような気分で拝見する小山さんの深紅のドレスも、ほんとうにお似合いでした。

この赤い表紙のプログラム冊子と共に、平野昭さんとの共著『ベートーヴェンとピアノ』2分冊も改めて取り出して、この日の演奏曲部分を読み、ベートーヴェンが私たちに遺してくれたものに対する尊崇の念を覚えます。そしてそれをこの日オーチャードホールに於いて存分に表現して頂いた小山さんはじめ演奏者の皆様と、そこに臨席できた幸せに、深く感謝致します。
Date: 2020/11/10/02:10:47 No.4984


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小山さんのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、冒頭の鐘の音から心をつかまれました。
ぴあのふぉるて
先週、10月16日(金)、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第337回定期演奏会が東京オペラシティコンサートホールで開催されました。
来日できなくなったピアニストに代わって小山さんがソリストをお務めになるこの演奏会のことは、親しいファン仲間の間でも話題にのぼったので情報としては知っていたはずですが…ぼんやりしておりました。
当日の朝になってふとしたことから、「あ! 小山さんの演奏会、今夜なのね?! 」と気づいた途端に、小山さんのラフマニノフがどうしても聴きたくなって慌てて当日券を予約したのでした。
この演奏会のために、当初予定されていた小山さんのピアノシリーズ「第3回」《知情意の奇跡》福岡公演は来年に再延期されたことも知っています。
自分だけいい思いをしているような後ろめたさと、小山さんご出演の演奏会は外せない!という意気込みが入り混じり、どこか複雑な心持ちで会場に向かいました。

小山さんのラフマニノフの第2番は、約2年ぶりに拝聴します。
前回は、2018年12月8日、小林研一郎氏指揮/読売日本交響楽団@かつしかシンフォニーヒルズ モーツアルトホール でした。(小山さんはこの曲を、約1年前、2019年11月2日にNHK交響楽団 埼玉公演で下野竜也さんとご共演なさっていますが、その演奏会は残念ながら聴きに伺えませんでした)
〜〜〜
第337回 定期演奏会 プログラム
初めに、常任指揮者 高関 健さんからのメッセージが載っていました。
「アンドレイ・コロベイニコフ氏は、政府の入国制限により来日ができなくなりました。この難局にあたり小山実稚恵さんがご多忙なスケジュールを調整くださり、急遽ご出演をいただけることになりました。皆様ご存知のように小山実稚恵さんは我が国屈指のピアニストであり、ラフマニノフの第2協奏曲はその真骨頂に触れるにもっともふさわしい曲ではないでしょうか。この場をお借りして小山さんに感謝申し上げますとともに、皆様には本日の公演を最後までごゆっくりとお楽しみいただけましたら幸いです。常任指揮者 高関 健」

芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
休憩
ラフマニノフ:交響的舞曲 作品45

指揮:沼尻 竜則
ピアノ:小山 実稚恵
コンサートマスター:戸澤 哲夫
〜〜〜

小山さん素晴らしかったです!
冒頭の鐘の音から心をつかまれました。
小山さんのラフマニノフはやっぱりいいですねぇ。のびやかで自由で美しかった。甘美な旋律、力強い和音、華麗なパッセージ、オーケストラとの対話、すべてに心が揺さぶられます。
どんな時でも、小山さんはいつも心のこもった最上の音楽を聴かせてくださいます。緊急時でも心が乱れることなく、万全の態勢でステージに臨むことができるのは、日々の努力の賜物だと思います。
全身全霊を捧げた演奏に胸が締めつけられました。
fffの表現など椅子から立ち上がって打鍵なさり、尋常でない気迫に満ちていました。
ラフマニノフの秘められた思いが小山さんによって語られるとき、ラフマニノフと小山さんとピアノは一つになって、もう音楽そのものです。美しい響きのホールで深くて豊かな音色に包まれて、感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

この日、小山さんは美しい光沢のある青碧色のドレスをお召しでした。
2017年春の「音の旅」第23回 〜祈りを込めて〜@東京公演のご衣装と同じですね。でもきっとそれは偶然ではなくて、意識的にお選びになったのだと思います。一日も早く未知のウイルスが終息し平穏な日常が戻りますように、との祈りを込めて…。

ニューイヤーコンサート2021(1/10@サントリーホール、1/11@ミューザ川崎)の演目も、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ですね!
フェドセイエフさんとのご共演(来年3月7日に再延期)も、心待ちにしております。
Date: 2020/10/23/12:59:46 No.4981


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