12年間・24回リサイタルシリーズ
小山実稚恵「ピアノで綴るロマンの旅」
第21回 〜未来の扉を開いて〜
<ごげ茶>大地・地球・力強さと大きさ
2016年6月18日(土)
15:00 開演 (14:30開場)
会場:オーチャードホール (東京都)
<曲目>
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 作品24
バルトーク:ソナタ(1926)
ベートーヴェン:ソナタ 第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」作品106017
<アンコール>
シューベルト:
即興曲 作品90-3 変ト長調
即興曲 作品142-3 変ロ長調
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梅雨の合間に素晴らしいお天気になりました。小山さんは、やはり晴れ女なのかもしれませんね。私が足を運んだこれまでのコンサートのお天気を見てもやはり晴れマークが多いように思います。
今日はベートーヴェンのハンマークラヴィーアが聴けます。小山さんにおいても何度も聴く事の出来ない貴重な演奏になると思います。またバルトークのソナタも先に行われましたレクチャー&サロン会でさわりの部分を聴かせて頂きましたが、その圧倒的な演奏に唯々驚いていました。今日はその演奏を全て聴く事が出来ます。
音の旅(オーチャードではロマンの旅になります)も終盤に近付いてきましたが重厚な曲目が多くなって来たと思います。
今日も満席に近いファンの皆さんが残り少ない演奏を聴き逃すまいと早くからホールへ来ていました。恐らく、皆さんにおいても待ちに待った今日だと思います。
今日はいつものファンの皆さん、そしてこのロマンの旅のコンサートのみでお会い出来るファンの皆さんなど熱烈なファンの皆さんが集合する特別なコンサートでもあります。
それは小山さんにおいても同じ気持ちで、今日は特別な日なのかもしれません。
前半はブラームスによるヘンデルの主題による変奏曲とフーガでした。ブラームスが28歳の時に書いた作品で唯一のフーガ作品を伴う大曲とされています。演奏においても技術的にも非常に困難をきたす内容とされています。小山さんはご自身に課すようにこの様な難曲を演奏される所は、スポーツ選手と共通する魂があるのではと思います。現在、音楽の友出版で連載されています「脱力の極み」のシリーズにおいても、各界の著名なスポーツ選手と対談されており、この事からもうかがい知る事が出来ます。
続いてのバルトーク。やはり素晴らしい演奏で個人的には小山さんが弾くこの様なダイナミックな曲が大好きですね。とても幅広いダイナミックレンジから繰り広げられるバルトークの世界にどっぷりと浸かる事が出来ました。
そして休憩時間になりホール内を散策するとお馴染みの沢山のファンの皆さんにお会いする事が出来ました。遠くは九州から、また久しぶりにお会いした山梨からのファン方や変わらない皆さんとお会い出来て本当に嬉しいひと時です。お互いにあまり深い所は知らない仲ですが、小山さんの演奏を通じて年に数回お会いする。それでもお互いに笑顔がこぼれますね。
後半はベートーヴェンのハンマークラヴィーア。 〜未来の扉を開いて〜<ごげ茶>大地・地球・力強さと大きさ、小山さんが想い描く世界がうかがい知れる曲ですね。
この曲は皆さんもご存じの通リ、とても高度で膨大な内容秘めた曲で、ピアノの持つ表現能力を極限まで追求していて、当時その技術的要求があまりに高すぎたためピアノ自体が、またピアニストにとっても演奏不可能だったと言われていましたがベートーヴェンは「50年経てば人も弾く」と一切の妥協をしなかったと言われた名曲中の名曲です。
そして今日、未来の扉を開いてその曲が小山さんの手で演奏されました。
勿論、その演奏は素晴らしく魂に直接響く素晴らしいものでファン冥利に尽きました。
興奮も冷め止まぬ中、アンコールの2曲も小山さんらしい素敵な曲目で、冷め止まぬ心を優しく包んでくれました。
残すはあと3回になりました。とても重みのある3回だと思います。
あと3回、ファンの皆さんの元気なお姿を拝見する事を楽しみにしています。
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