待ちに待った第16回ロマンの旅です。
昨日は曇り空で寒々とした一日でしたが今日は最高に素晴らしい秋空です。
風も無く心地よく暖かく、一年を通しても今日の様な爽やかな日はあまり巡り合えないと思います。
そんな素晴らしい秋空の基で開演となりました。
渋谷の街は混んでいましたが、天気が良いせいか穏やかな雰囲気の街並みでした。
ホールに着くとまず目についたのが、1階Bunkamuraチケットセンターに並ばれています第17回のチケットを求める皆さんの列でした。
そしてホール入場口に着きまもなくすると沢山の方が集まりだし、入場時間は長蛇の列になっていました。
今日の目玉はなんと言ってもベートーヴェン=リスト: 交響曲 第6番 ヘ長調「田園」でしょうか?
まず聴く事の出来ない曲目と言うことだけでも貴重な回となっています。
客席に着くとまず目に付くのが威厳を放っているスタインウェイです。そして見事な献花がバランス良く舞台に配置されています。聞くところによりますと今日のピアノはこれまでのスタインウェイが老朽化してきたため、新たなものだそうでその音色にも注目です。スタインウェイについては素人の僕でも気になる所ですが、詳しい事は小山さんのピアノを調律されています
ピアノ工房SUGIURAさんのサイトに行くと色々な情報が入手出来ます。僕も頻繁にチェックさせて頂いております。
さて舞台に登場された小山さん。今日のドレスは麦の色と称したゴールドに近い眩いばかりのとても素敵なドレスでした。小山さんは椅子に着くと呼吸を整え鍵盤に指が・・・流れる音色はとてもまろやかでしかも歯切れの良いクリアーな音でした。素人の僕でも分かるその素晴らしい音色にまずは驚きを隠せませんでした。いかにピアノの状態や調律が大切なのかを実感として感じた瞬間でした。
そしてあの田園のメロディーがピアノから流れて来ます。この曲が交響曲であることはすっかり忘れてしまうほどの編曲
の素晴らしさ、やはりリストは只者ではありません。物語の様に語られていく田園ですが、今更ながらこれを暗譜で弾き続ける小山さんの才能は正に天から授かった天性と言わざるを得ないと思いました。
第4楽章の「嵐」はフルオーケストラにも劣らず素晴らしい迫力と豪快さには度肝を抜かれました。小山さんの力量もさることながらスタインウェイと言うピアノの素晴らしさを身にしみて感じる場面でもありました。
そして解放された開放感へと続き、感謝の気持ちへとドラマは展開して幕は閉じました。
休憩時間は満足感に浸りながら後半を待ちました。
後半は、まずショパンのポロネーズ。なぜかとても新鮮に聴こえました。前半のプログラムからの影響と思いますが、オールショパンのプログラムとはまた一味違い新鮮な気持ちで聴く事が出来ました。
小山さんのショパンは音色を楽しむと言う次元を遙かに超越し、ショパンの魂に触れながら音楽の楽しさを心の底から味わえると言う最高の演奏になっています。その安定感とリズム感、理屈抜きで”なんて良いのだと”と思わず感じてしまい幸福感を持たれたのは皆さん共通した気持ちだと思います。僕と同じくこのシリーズを心待ちにして通いつめる皆さんはこの二度とない瞬間を感じるために時間を割いてでも来られるのだと思います。
そしてシャブリエとヴェルディ、特にヴェルディ=リスト: リゴレットのその印象的なメロディーと煌びやからピアノの音色には心が釘付けになりました。
アンコールの3曲も素晴らしかったです。特にチャイコフスキーの四季より10月の秋のうたは、しっとりした印象で心が締め付けられる様な愛おしいメロディーが何とも言えず素敵でした。
第16回は今までに味わうことの無い心に深く残るプログラムでした。
次の第17回も今から楽しみでいっぱいです。
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