久しぶりのサントリーホールでした。サントリーホールは大規模な改修工事を行っていて9月1日にリニューアルオープンしたばかりでした。
何でもパイプオルガンのメンテナンスも全て行った様です。
目立たない所では客椅子を全て建設時と同じ物で新しく作り直した様で、座り心地がとても良くなっていました。
そんな中でのコンサートでしたが、今日はいつもとは大分違ったプログラムで日本再発見、“戦中日本のリアリズム”と言うかなり色の濃い題目になっていました。
その為か客層もかなり色の濃い井出たちの方々もおられましたが、それはそれで楽しむ事が出来ました。
作曲家は全て日本人で、お名前は一度は聞いたことのあるとても著名な方ばかりでしたが、勿論全て初めて聴く曲ばかりです。
小山さんが弾かれる”ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲”は、あのゴジラの作曲者である伊福部さんです。
第1楽章と第3楽章共にリズミカルで壮大な曲の流れが目まぐるしく、戦中日本の激動を感じさせる迫力がありました。それに伴ってピアノも力強く豪快で恐らく弾き切れるピアニストはあまりいないのでは?と思わせるテクニカルなもので小山さんは勿論、楽しそうに難なく弾かれていました。それに反した第2楽章はとても寂し気な楽章で戦争のもの悲しさを表現しているかに思えました。
アンコールは伊福部さんの「ピアノ組曲より 七夕」で、この大曲を弾かれた後なのに、この優しく憂いに満ちた美しい曲を小山さんは丹念に弾かれていて、伊福部さんを思われながら弾かれていたのかなと思いました。
日本には、こんなにも素晴らしい作曲家がいた事を観衆の皆さんを始め私もまざまざと思い知らされるこのコンサートでした。色々と議論を呼びそうなテーマなのであまり聴く機会も無い様に思いましたが、純粋な音楽としてこれからも沢山の人々に聴いて欲しい作曲家だと思いました。小山さんがピアノを弾き終わると、皆さん、勿論初めて聴く曲の方が殆どだったと思いますが、その素晴らしいピアノと演奏に驚きと感動を隠し切れず、ブラボーと拍手が鳴り止まぬサントリーホールでした。恐らく天国にいる伊福部さんも、この様な大成功の自分の公演を聴かれていて感無量の思いであるのかと思いました。
惜しむらくは伊福部さんが生前の間にこのコンサートが公演されてお聴きになられていたらと思う次第でした。
益々偉大な日本人ピアニストとして名を残していく小山さんの名演奏を、リニューアルされたサントリーホールで聴けた事を幸せに思う一日でした。
これから、秋に入り芸術を楽しむ季節になっていきます。
また皆さんと、演奏会場でお会い出来る事を楽しみにしています。
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